2009年02月10日

パスサッカーへの移行が難しい思春期の選手

スペインでは8-9才以降は基本的に大人と同じグラウンドで大人が使っているゴールを使って試合をします。

そこで何が起きるかというと、子供なので成長具合に個人差があり体格やキック力、スピードの差が往々にして試合結果を左右します。

もちろんチーム単位としてプレーが「サッカー」になるようにポジショニングやパス交換、個人技を指導するわけですが、そういう過程を経てカデテまで成長した選手の中には「少ないタッチでボールを運ぶサッカー」にまだ適応できていない選手が少なからずいます。

特にチームの主力として今まで個人技を駆使してきた選手ほど自分のドリブルやその他の個人技の使用に修正がいれられる事に強い拒否感を示します。

傍から見るとパスサッカーへの移行はそれほど難しくないように思えてしまうのですが、彼らは「彼らのサッカー人生」でこれまで各々の個人技、スピードを武器に戦ってきてそれが通じる環境にいたのでそれを矯正するのは簡単な事ではありません。

以前のブログでも触れましたがエリートになればなるほど各カテゴリーの1年目で対戦相手は1才年上のチームになるので上の学年に上がる度に彼らは体格で勝る相手に勝たなくてはいけなくなる。

体格(フィジカル)で勝てないなら戦術面で相手を上回らなくてはいけなくなります。すると必然的にパスを中心としたプレーの発展が必要になってくる。

特にカデテになると全体的に選手の体が大人のものとなっていくので、これまで通じていたドリブルやタッチ数の多い個人プレーが通じなくなってきます。

そこでの監督の仕事は

「反抗期の選手達の無駄なプレーを剪定し、どのプレーを伸ばしていかなければいけないか教えること」

です。

この作業では精神的にも選手との折衝が多くなり、チームも個人技の誤使用の代償を払う事が少なくありません。

スペインではそういう作業をしながら監督にもリーグ戦での結果(優勝や残留)が求められるので与えられた期間内に仕事がこなせない場合はその監督がクビになり新しい監督が招聘されることが普通です。

オスピタレットではカデテAの監督をしていた強化部長が、12月の時点で結果が伴わないため監督を解雇されています(強化部長としては仕事を継続しています)。

このクラブで今季解雇された監督はこれで4人目。


スペインでもスクールではこういった事は起こりませんがリーグ戦を戦う上のレベルのクラブでは常に「結果」が求められるので「選手の育成とリーグ戦での結果の両立」ができない監督は評価されません。


スペイン監督日記 2009/2/10

posted by hospi |12:09 | スペイン・サッカー育成 | トラックバック(0)
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