2008年11月15日
天皇杯で主力を出さないのは罪?
今日は日本の天皇杯で大分と千葉が主力を温存し日本サッカー協会から処分を受けるかもしれなかった問題について。 主催者の日本サッカー協会からすると、「2軍で戦われたら注目度が落ち大会の士気、興行成績が落ちるではないか!」という気持ちがあると思います。今回の件では一時は該当クラブの大会への出場件剥奪も検討されたようです。 出場権剥奪というのはあまりにも厳しすぎますが、主催者の心情は理解できます。 しかし現実的に考えると過密日程の現状で、協会がクラブへの処分を見送ったのも妥当です。 カップ戦への重要度、伝統が生きているイングランドでFAカップとカーリングカップという2つのトーナメント戦がリーグ戦と共存しているのは世界的に見ても例外であり、リーグ戦とクラブの国際試合(欧州のCL、UEFAカップ、アジアのACL)の試合数が増えるほど日程面で選手への負担が増え、カップ戦(トーナメント戦)の重要度が落ちるのは当然です。カップ戦で負けても何も失いませんが、リーグ戦で低迷すると降格問題に発展するからです。 欧州の多くのチームはカップ戦を「控え選手の奮起」の場として利用しています。 主要チームは1.5軍から2軍でスタメンを組み、日程的に余裕がある中堅、下位チームはリーグ戦と同じ顔ぶれ。 これはイタリアでもスペインでも共通する現状です。 特に私が間近で見ていたユベントスとバルセロナは、当時の第2GK、キメンティとジョルケラをカップ戦での第1GKに固定しリーグ戦で出番がない彼らをケアしていました。スペインのカタルーニャ地方のチームだけが参加するカタルーニャ杯では先日、バルセロナが監督以下、完全なBチームで臨んでいます。 日本では興行面でのカップ戦は今後も厳しい状況に立たされるでしょう。 客観的に見て、 ・リーグ戦 ・クラブの国際試合 ・フル代表、アンダーの代表の試合 ・もう一つのカップ戦(ナビスコカップ) がある時点で、クラブ側の負担はかなり高い状態です。 本来であればリーグ戦と対を成すカップ戦は日程面を考慮しても「1つ」であるべきで、天皇杯とナビスコカップを統合するのが理想ですが、ナビスコカップがスポンサーを前面に押し出す名称だからこそ日本サッカー協会に支払われるスポンサー料が高いわけで、「天皇杯のメインスポンサー」という「格下げ」はスポンサーが望むものではないはずです。 日本では代表チームへの召集に関してリーグ戦やカップ戦の日程を調整する必要がまだまだある現状なので、日本サッカー協会がJのクラブに天皇杯での主力選手の起用を強要するのは理不尽なようにも見えます。 イタリアではイタリア杯(コッパ・イタリア)の優勝チームにはUEFAカップへの出場権が与えられますが、ビッククラブが主力を出さない現状で、一時はより価値と経済効果がある「チャンピオンズリーグへの出場権」を与える事も検討されました。 しかしリーグ戦で上位に進出しチャンピオンズリーグへの出場権を獲得できる方が、一発勝負のカップ戦を勝ち抜くより選手層に恵まれたビッククラブにとっては都合が良いため、サッカー協会に影響力を持つこれらのクラブがこの案に反対し実現はしませんでした。 日本は天皇杯の優勝チームをアジア・チャンピオンズリーグに送っているので上記の案と同じ形ですが、その現状でも主力選手の出場問題が解決されないという事は、やはり日程面に無理があるという事ではないでしょうか? ナビスコカップのスポンサー収入は確かに重要ですが、日程が限界に来ている今、主催者側は収入減を受け入れた上で2つのカップ戦(ナビスコカップと天皇杯)を統合するか、もしくは現状を維持し収入を確保する代わりに、クラブ側の方針には干渉しないというのが妥当な「落としどころ」のように思えます。 スペイン監督日記 2008/11/15
posted by hospi |14:12 |
日本のサッカー |
トラックバック(1)
トラックバックURL
このエントリーのトラックバックURL:
http://www.plus-blog.sportsnavi.com/hospi/tb_ping/41
この記事に対するトラックバック一覧
[サッカー]アップセットがあるからサッカーは面白い〜2008年11月15日のサッカーヘッドライン 【昨日の風はどんなのだっけ?】
天皇杯で主力を出さないのは罪? | スペイン監督日記 なんか他のスポーツでも思うけど、日本人って基本的に横綱格の選手やチームが、圧勝するのがスポーツ的に正しいと思ってる所ありますよね、相撲でも団子状態になれば、全体のレベルが高いと言うよりは、横綱や大関がだら
2008-11-20 22:54 | 続きを読む


