2012年01月04日
グアルディオラの授業 その(1)
のつづき。
現代サッカーでは最終ラインにディフェンダーを4人配置する4バックが主流ですが、このグアルディオラの授業では1988-96年にヨハン・クライフが監督としてFCバルセロナで採用した3-4-3システムが取り上げられました。
(実技授業をするグアルディオラ)
捕捉
今回の3-4-3システムは全てのチームに適用が可能ではなく、リーグ戦で上位を狙える戦力を有するチーム、すなわち各選手が技術、身体能力で相手に劣らず1対1の局面でも抜かれないことが前提となっています。授業での対戦相手のシステムは4-4-2。
グアルディオラの解説
「3-4-3システムはピッチに選手がバランス良く配置しているので特にボールポゼッションに有利なシステムなんだ。ボールを支配することができれば守備の時間も減り、より攻撃的なサッカーを実践できる。」(下記の図はキーパーも含めた1-3-4-3)
「また一般的に3バックというと守備が弱いという印象を与えるが、このシステムは攻守の切り替えに理想的で中盤の選手が状況に応じてポジションを変えることで、各状況で起こりうるシステムの穴を埋めることができる。敵のサイド攻撃でサイドバックが引き出された場合は、中盤の選手が最終ラインに加わりバランスを保つ」
捕捉
4-3-3、4-4-2という大きなシステムの括りの後に状況毎の選手のポジションチェンジを事前に決めておくことがよくありますが、今回の3-4-3もその例に漏れず攻守に渡って選手のライン間の移動が多いものとなっています。
グアルディオラの解説
「一方で攻撃では当時の大半の相手は4-4-2を採用していたが、バルセロナは3-4-3をベースにサイドを大きく使った攻撃を軸としていた。ではどうやってサイドにボールを回していたかというと、大きく分けて2通りの戦法があった。」
「まず中盤の4選手の内、1選手がフォワードの位置まで上がり残りの3選手が中央で数的有利な状況を作る。相手は4-4-2のボックス(ひし形)にしろ横一線のラインにしろ中央には2選手しかいないからこちらは一人多い状況となる。前線は中央で2対2の状況になっているので、これだけで相手にとってはカバーリングがない状態で不安定だ。ここで重要なのがウイングがよく開くこと。相手の両サイドバックがセンターバックを支援するために閉じればウイングへのパスコースが開くし、」
「サイドバックがウイングのマークの為に開けば相手のセンターバックとサイドバックの間のスペースにパスを通すことができる。そのパスは直接出すこともあるだろうし、一度フォワードに当ててポストプレーから展開することも可能だろう」
「またこちらの中盤での数的有利を打ち消すために相手のサイドハーフが中央に寄ってくることがあるが、この場合はサイドバックが上がりパスを受け、ウイングと共に相手のサイドバックに対して2対1を作れば良いんだ。サイドバックが上がった後には中盤の1選手がカバーに入ることも忘れてはいけない。」
グアルディオラの解説
「このシステムを円滑に運用するには相手の2トップとサイドハーフによるプレスを突破する必要があり、守備陣とキーパー、それをサポートする中盤の選手には的確な動きと正確なパスワークが求められる。また中盤と前線の選手へのパスコースがない場合は中盤の選手は最低限、ボール保持者から離れるなどしボールを持っているディフェンダーがドリブルで上がれるスペースを作らなければいけません。この一連のプレーができれば相手はこちらのアプローチに対して後手に回らざるおえなくなります。」
<総括>
この授業では当時のFCバルセロナの基本コンセプトが簡潔に紹介されただけなので、いろいろな状況に対してどのようにアプローチを変えるかという点までは網羅されていません。そして実戦の各プレーでは上記の行程を実践するのは困難な場面が多いわけですが、FCバルセロナの選手が高度な技術を使い、しかしシンプルにその難局を解決していくのを見るのがファンにとっての醍醐味ではないでしょうか。
今回の授業内容はクライフ監督の時代のコンセプトですが、今のバルセロナにも通じる部分は多くこのテキストが今後のFCバルセロナ観戦をより引き立てる手助けになれば幸いです。
<この項終わり>
posted by hospi |08:03 |
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2012年01月01日
明けましておめでとうございます。
こちらスペインは日本から8時間遅れて新年を迎えました。
スペインのサッカー界はクリスマス休暇の後、プロやユースの強豪クラブは27~31日の間に数日間トレーニングをし元旦は休み、1月2日から平常運転に戻ります。FCバルセロナも12月29~31日まで練習を行い、初蹴りは1月2日となります。
クリスマス(12月25日)とその翌日の聖エステバンが一番大きな祝日で大晦日は夜に新年を祝うだけ。元旦も普通の祝日となります。
また、1月6日はキリスト教のレイエス(東方3博士の休日)という子供たちがプレゼントをもらえる祝日なので、12歳以下の子供は学校もサッカーも1月6日まで休みとなります。イタリアでも1月6日は魔女がお菓子を届けてくれるべファーナという祝日でしたが、同じカトリックの国なので悪い子に与えられるという炭を模したお菓子があったりと共通点があります。
さて私はというといろいろと準備を進めていますが、シーズン中にチームを持つかどうかはまだ分かりません。
何か近況に変化があればこの場でお知らせしたいと思います。
それでは皆様にも2012年が良い年でありますように!
吉田和史 2012年元旦
posted by hospi |18:39 |
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2011年12月29日
今では考えられない話ですが私がスペインのコーチング・ライセンスのレベル3(日本のS級に相当)をバルセロナで受講していた2007年、管轄のCAR(Centro Alt Rendimiento)が監督としてのキャリアをスタートする直前のジョゼップ・グアルディオラを実技講師として招き特別授業を行ってもらったことがありました。
あれは2007年の2月だったでしょうか。CAR近郊のサンクガット市のクラブのピッチを借り、そのクラブのユースチームを使いグアルディオラがクライフ監督のドリームチームが使用した3-4-3システムの機能とその有効性について授業をしてくれたのです。
グアルディオラはこの後、2007-08シーズンからバルセロナB(当時4部)の監督となりチームを3部昇格に導き、08-09シーズンにはトップチームの監督に昇格しました。
この授業が行われた時に私はその数年後にバルセロナが再び3バックを使用することになるとは想像しませんでしたが、今振り返ると現在のグアルディオラのサッカー哲学とクライフの哲学の境界線や共有している思想を垣間見ることができた授業でした。
次回はその授業内容を振り返ります。
グアルディオラの授業 その(2)につづく
posted by hospi |23:19 |
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2011年11月14日
モウリーニョ監督の戦術的ピリオダイゼーション理論について
からのつづき
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モウリーニョ監督がポルトでチャンピオンズリーグを制しチェルシーの監督に就任した当時、サッカー界、特に指導者の間で一番驚きを持って受け止められたことがあります。
それは当時、サッカー界では主流だったプレーとは切り離したランニングや筋力トレーニングといった練習方法を真っ向から否定しプロクラブで成功したこと。
これまでのサッカー界では陸上競技出身のフィジカルコーチが選手の体力面の管理を一手に引き受けていることが普通でした。プレシーズン最初の調整やシーズン中の練習の前半部分など、サッカーのプレーとは切り離した持久力と筋力トレーニングが課されることは珍しくなかったのです。私はトリノ在住時の2002~03年に当時欧州のトップレベルに君臨したユベントスの練習を見学しましたが、そこでもリッピ監督(当時)は陸上出身のフィジカルコーチを採用しチームのコンディション調整を任せていました。
モウリーニョ監督が「サッカーを上達するにはサッカーの練習をしなければいけない」と語っている通り、普通に考えればサッカーの練習と切り離した従来の練習法はナンセンスです。しかし従来の練習法が長年に渡って使われ続けたのはなぜでしょうか。
それはボールを使ったこれまでの練習だけでは試合で運動量が不足する事態が多く起き、一方で体力トレーニングを別途行った方が良い結果が付いてきたからです。結果が求められるプロの世界ではよりこの点が重視されたのは当然です。
しかしモウリーニョ監督や彼と同じ考えを信奉する指導者たちは発想の転換を行いました。それは、
「ボールを使った練習=体力が不足する、ゆえに個別の体力強化が必要」
という従来の考えを疑うこと。
彼らは「ボールを使った練習だけでは体力が不足する」というこれまでの考えを否定し、「ボールを使った練習で体力も強化する方法」を編み出そうとしました。
ほとんどのクラブは開幕前に選手に筋力的負荷をかけると序盤こそそのダメージに苦しむがそのトレーニングの成果がリーグ戦の折り返しを過ぎたあたりから現れ結果的に長いシーズンを乗り切れるという考えの下、プレシーズンの練習を組んでいました。
一方でモウリーニョが行ったのは、ただの走り込みや従来の筋力トレーニングの撤廃。全ての練習はチームのプレースタイルの縮図となるように設定され、プレシーズンも初日からボールを使ったトレーニングで行うというものでした。
モウリーニョの指導法の中には多くの興味深い要素がありますが、それまでのプロサッカー界に一番衝撃を与えたのがこの「従来型のフィジカルトレーニングの否定」だったのです。プロ選手の経験がない指導者がプロの世界に割って入り結果を出すだけでも驚異的なことですが、定着していたそれまでのトレーニング方法を公然と否定したインパクトはとても大きなものでした。
<つづく>
posted by hospi |04:35 |
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2011年11月10日
11月9日に行われた国王杯1回戦のオスピタレットvsバルセロナは戦前の予想を裏切ることが二つありました。
一つはバルセロナが主力をスタメンに並べてきたことであり、もう一つは控えキーパーを先発させたオスピタレットが0-1と健闘したこと。
バルセロナがスタメンとして送り込んだのはプジョル、マクスウェル、ケイタ、チャビ、イニエスタ、セスク、ビジャというトップチームでもスタメンクラスの選手たち。この背景には各国代表とスペインのアンダー代表に選手を取られていたという台所事情もありますが、戦前の予想では主力の温存が予想されただけに意外なスターティングメンバーでした。一方で日曜日のビルバオ戦の疲労を引きずっているこの主力選手たちが精彩を欠いたのはしょうがないですね。
オスピタレットは守備では3ラインをコンパクトに保ちカバーリングを怠らずバルセロナにクリーンシュートをほとんど打たせなかったのは驚異的でした。イニエスタの前半42分のシュートも神業的ゴールでオスピタレット守備陣に大きなミスはなし。
実際についこの間まで交流があったオスピタレットの選手たちがバルセロナを相手に健闘したのは嬉しいことでした。第2キーパーのモラゴンは今回の活躍で今後出場機会が増えるかもしれません。
試合開始前に気付いたのですが、お金にはうるさいオスピタレットのミゲル会長ですが、長らく部分的に故障していた得点掲示板がバルセロナ戦を前にきれいに修理されているではないですか。この試合が全国放送されるということもあり奮発したようです。会場の方は3部チームの国王杯の試合としては異例の4-5千円という高額な入場料設定でバルセロナ戦にもかかわらず空席が目立つ試合となりました。
また今回の試合では「1部リーグ対3部リーグのクラブの対戦では登録選手数は16人」という国王杯限定の規定がありました。超法規的に両クラブが合意すれば18選手まで登録が認められるはずで実際にこの試合に向けて両クラブは18選手の登録で合意していましたが、審判がこれを認めずバルセロナではデウロフェウとピケがスタンド観戦となっています。
posted by hospi |20:08 |
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2011年11月09日
昨季まで3シーズンに渡ってユースの監督として私が所属していたCEオスピタレットのトップチームが今日、国王杯でFCバルセロナと対戦します。
トップチームの選手たちは特に昨季、私がミゲル・アルバレス前監督の練習や試合を見学させてもらった時に知り合いました。彼らは昨季の3部リーグで一時は下から2番目まで順位を落としていましたが、アルバレス監督が途中就任し快進撃をみせると2部への昇格圏に接近する健闘でシーズンを終えています。
アルバレス監督はクラブとの契約交渉で金銭面で合意せずマドリード地区のレガネスの監督に就任しましたが、代わりに呼ばれたのがジョルディ・ヴィニャルス監督。この監督は2年前にオスピタレットを4部から3部に昇格させましたが、シーズン後に3部のカステッリョンから呼ばれたためオスピタレットからの契約延長オファーを蹴って移籍。しかし成績不振で2カ月でクビになりフリーだったところにオスピタレットから再度お声が掛かったようです。
現在は3部リーグで2位につける健闘を見せており2~3部のクラブで行われた国王杯予選も突破しバルセロナとの対戦が実現しました。最近ではアルコルコンがペレグリーニ監督のレアル・マドリードを破る番狂わせを見せていますが、今回のオスピタレットはバルセロナ戦をここまで健闘した選手へのご褒美と位置付け勝利はあまり見込んでいないようです。
ホームでの第1戦では若手選手にチャンスを与え、カンプノウでの第2戦では主力選手を中心に戦うと見られています。このオスピタレット、監督のヴィニャルスと強化部長のカルセルが共にバルセロナのカンテラ育ち。選手でもメッシと共にプレーしたマルク・ぺドラサなどカンテラ出身者が数人います。また私が初年度にアシスタントをしたユースAからの昇格選手が2名、昨季のユースからも2選手がトップチームに昇格しているので彼らがどういうプレーを見せるか期待しています。
ちなみに国王杯の試合は通常はカタルーニャ州の監督証で無料入場できるのですが、オスピタレットの会長はそのあたりの金銭感覚が厳しく監督証も無効にするだろうと思ったので関係者に電話で確認すると案の定、無効だそうです。ということで今のところテレビ観戦が有力。。。
posted by hospi |19:20 |
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2011年11月04日
第6節はホームに中位のラピテンカを迎えての試合。
前節の6失点を踏まえて守備の補強を行いチームは安定。序盤から攻勢に出ますが、カウンターから一瞬の隙を突かれ失点し0-1で後手に回ります。
その後、FKから直接弾を決められ2失点目。これはこの日出場の第2キーパーの力不足でしたがしょうがありません。後半もまずまず攻めますがコーナーキックから3点目を許し万事休す。フィールドゴールが1点のみとこの格の相手に対しては守備力が大分補強されましたが、結果が付いてこないのは残念でした。
そして週明け、強化部長から解任を告げられました。これには第2監督のハビエルが大激怒していましたが、その話はまた後日。
元々クラブ側は昨季5部を戦ったこのチームで2部への昇格を目指していました。シーズン当初から実際のチームの戦力が3部残留を果たせれば御の字ということを伝えてきましたがそれは理解してもらえず2勝4敗の成績で今回の決断に至ったようです。
他チームではエリートを揃えたチームも6節を終えて2勝、1勝1分けと苦戦するこの3部リーグですがクラブの決定なのでしょうがありません。私は新たなチームを探したいと思います。
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2011年10月23日
□ カンブリルス vs カステルデフェルス
第5節はカステルデフェルスからバスで1時間程の距離にあるカンブリルスへの遠征でした。このチームは多少の取りこぼしがあるものの上位に食い込んでいる強いチーム。
今回の試合では負傷から回復した選手や前節で良いパフォーマンスを見せた控え選手をスタメンで起用しましたが、前半10分に負傷明けのディフェンダーがエリア内でハンドを犯しPKを献上。
加えて守備ラインが落ち着く前にラインの背後を突かれ2失点。また、PKを献上した際に警告を受けていたディフェンダーが精彩を欠いていたため異例の前半での交代の準備をしていましたが、前半30分にこの選手が2枚目の警告を受け退場処分に。カステルデフェルスはこの後、セットプレーから1点を返し前半は3-1で終了。
後半、人数が減った状況で前半よりも守備の統率が取れ試合も優勢に進めるという展開になりましたが、いくつかの決定機を外したことでチーム全体の運動量が落ち3失点。最終的に6-1という大敗を喫してしまいました。
最終ラインの人材不足はシーズン当初から明らかでしたが、この人材でも守備戦術はまだまだ向上可能なので次節に向けて週明けから頭を切り替えてトレーニングをすることが重要になります。また今回の試合では前節から3選手のスタメン変更がありましたが、そのわずかな変更でも連携が乱れてしまうチームの現状を予想し切れなかった私のゲームプランも再検証する必要があります。
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2011年10月16日
□ カステルデフェルスA vs クサ・ラ・グランハA
今週は練習が2日に減ると前回書きましたが、水曜日に4部リーグで大勝したトップチームが木曜日を休息日としたため彼らの練習枠を使いなんとか3日間の練習を行い臨んだ第4節。
ホームに迎えたのはカタルーニャの南、タラゴーナ県のクサ・ラ・グランハというクラブ。このクラブは開幕3連敗を喫し監督が交代。この試合が新体制での初陣ということで、監督交代による相手チームの奮起が予想されました。
試合は前半4分にカステルデフェルスが押し込み先制しますが、15分過ぎから動きが停滞し始めクサに多くのフリーキックを献上してしまいます。悪い流れのまま前半40分、44分に失点し1-2でハーフタイムに。
これまで行ってきた後方からの攻め上がりがチーム全体の連携の悪さのために影をひそめ失速した前半。その点を修正し選手を交代し後半に臨みます。
後半になり徐々にペースを取り戻すと26分にコーナーキックからのヘディングが決まり2-2。36分にはサイドからの崩しからフォワードが逆転弾を決め3-2。試合はこのまま3-2で終了。
まだまだトレーニングが実戦に反映しきれないが為に苦戦した試合となりました。
試合データ
順位表
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2011年10月12日
今日、10月12日はスペインの祝日のため練習が休み。週末の試合に向けて2日間しか練習できない事態になっています。
正午にはトップチーム(スペイン4部)の公式戦がありますが、それ以外の時間はグラウンドキーパーが休暇を取るため練習場は閉鎖。火、水、金曜日が練習のユースAですが、今週は2日間のみの練習となります。
クラブによっては融通を利かせて練習場を開けてくれるところもあるのですが、カステルデフェルスは、こと練習環境に関しては難しいクラブ。通常、ユース3部のチームは1時間半、週4日の練習ですが、私のユースAは1時間15分、週3回の環境となっています。
スペインでは全てのグラウンドにナイター設備があるので18時以降、各1時間半、3ターンで23時近くまでユース以下のチームが練習をします。昨季、私が所属したオスピタレットのトップチーム(スペイン3部)などは選手がプロなので練習が朝の10時、もしくは16時開始ということがあり得たわけですが、カステルデフェルスは4部で選手がセミプロ(他の仕事との掛け持ち)なので下部組織と同じ18時以降に練習を行っておりこれが各チームの練習時間を圧迫しています。今週は土曜日に試合があるので前日(金曜日)も体力面では追い込めず調整を工夫しなければいけません。
スペインの祝日では日本と違いほとんどのお店が閉まります。元々コンビニ等もないので祝日前に買い物を忘れると大変なことに。祝日に空いている場所といえば、ガソリンスタンドと一部のバル(喫茶店)、レストランくらいです。デパートやショッピングセンターも閉まりますが、最近では不景気の影響で祝日も許可を取って営業するショッピングセンターがあります。
前に住んでいたイタリアもそうですが、日曜日に休息を取らなくてはいけない教えのカトリックの国では日曜日にお店を開くためには市町村から許可を得る必要があるなど日本とは状況がだいぶ異なります。
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2011年10月10日
ユース3部の第3節は10月8日に行われました。カタルーニャ最南端の街アンポスタにある同名のクラブのユースAが相手。バスで2時間かけての移動となりました。
□ アンポスタA vs カステルデフェルスA
今回は風邪や負傷による欠場者が出たためBチームから1選手を招集し遠征を行っています。また1週間を通し選手の引き締めも行い臨んだアンポスタ戦。
試合は前半開始直後にキーパーがキックミスをし相手フォワードと1対1となりますがこれを自ら防ぎ失点は避けます。縦に長いグラウンドを考慮した布陣を敷き相手の攻撃を寸断し攻勢に出ますが、こちらの決定機はポストやキーパーに防がれ前半は0-0。
後半、開始3分に得たエリア正面からのフリーキックを中盤の選手が決め先制します。しかし後半20分に左サイドを破られ上げられたセンタリングにヘディングで合わせられ同点にされると、その5分後にはエリア正面からのシュートを許しアンポスタに逆転されます。2-1。
後半30分に巻き返しのため3選手を交代すると、後半35分、フリーキックのチャンスで相手が見せた隙を突き同点。後半43分には中盤のエースがパス交換から相手布陣の中央を突破しキーパーとの1対1を確実に決め2-3と逆転。試合はこのまま終了し念願の初勝利を手にしました。
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2011年10月05日
2週間前の水曜日の話になりますが、この日はカステルデフェルスのトップチーム(4部)のリーグ戦が水曜日に組まれたため下部組織の練習はお休み。
スペインの大人のリーグのピラミッドは以下のようになっています。
1部 リーガ・エスパニョーラ
2部 リーガ・アデランテ
3部 セグンダB (4グループ)
4部 テルセーラ (18グループ)
以下8部リーグまで下部リーグに行けばいくほどグループ数が多くなります。
4部の試合は10ユーロ(千円)前後の入場料を支払い観戦できます。観客の多くは地元チームの年間チケット保持者か相手チームのファンで観客数は300~800人程度。
今回は上位を行くエウロパをホームに迎えての一戦で、ホームのカステルデフェルスが2-0からロスタイムに同点に追いつかれましたがその1分後に勝ち越し点を奪い3-2で勝利するという白熱した試合となりました。
スタンドにチアゴ(FCバルセロナ)の父親であるマシーニョやデポルティーボに所属していたセルヒオが観戦に来ていたのには驚きましたが、3~4部リーグの試合になるとスタンドには誰かしら有名人を見つけることができます。マシーニョはイタリアやスペインでプロ選手として活躍した後、今は息子チアゴの代理人を務めています。カステルデフェルスに住んでいるので今回の試合に姿を見せたのでしょう。
4部リーグの試合のレベルは事前に知識なくみると中盤での潰し合いが多くプレーが展開する場面が少ないので荒く見えますが、選手たちのレベルは高く、皆が高校時代にトップレベルを経験しその後さらに技術や戦術に磨きをかけた猛者達です。こういうレベルの試合になると身体能力やスピードが横一線なので勝負を分けるのは集中力が切れた時間帯のミスとなります。
エスパニョールのBチームがこのカテゴリーにいることからも、「4部」といっても簡単なリーグではありません。現在、FCバルセロナを率いるグアルディオラ監督が最初に率いたのが当時4部にいたバルセロナBで、グアルディオラはバルセロナBを3部に昇格させた後、トップチームの監督に抜擢されています。
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2011年10月03日
今節と次節は2試合続けてアウェーでの戦いとなります。
■ ローダ・デ・バラA vs カステルデフェルスA
10月2日に行われた第2節はローダ・デ・バラというバルセロナから南に車で1時間の位置にある街クラブが相手。今季初のバス移動となりましたが1時間半前に会場に到着し試合に備えます。
昨季5部で優勝したチームが母体となっているカステルデフェルスですが、3部を戦うにはまだまだ力不足で週単位で急ピッチに整備しています。今節は守備の要の2選手が欠場する苦しい状況でしたが、前半15分にその守備網の綻びを突かれ先制されます。10分後にも追加点を奪われアウェーで早くも2-0。
前半終了間際にこちらも1点を返しますが、後半30分に再び守備陣のミスから追加点を決められ3-1で敗戦。残念ながら初勝利はなりませんでした。
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2011年09月25日
■カステルデフェルスA vs トルトーサA
7週間のプレシーズンを経て24日に開幕戦が行われました。第1節はホームにカタルーニャ州南部の強豪トルトーサのAチームを迎えての一戦。
トルトーサは昨季、Aチームが2部から3部に降格しましたが、昨季の3部リーグで3位になったBチームがAチームに進級しているため苦戦が予想されました。(3部リーグは計4グループありトルトーサBは別グループにいます)
試合は前半3分にカステルデフェルスがシュートのこぼれ球を押し込み先制。しかし14分と17分にサイドを破られて逆転を許すとここから乱打戦となります。23分に追加点を奪われますが、34分にこちらのアーリークロスが自殺点を誘い2-3に。
後半17分には追加点を決められますが28分に再び1点を返し試合は3-4。ここから攻勢を強めますが、79分に5点目を決められ万事休す。ホームでの初戦は残念ながら3-5で敗戦となりました。
今季のチームはほぼ全員が昨季は5部を戦った選手なので3部で戦うにはまだまだトレーニングが必要な状態ですが、吸収力があるチームなので1試合ごとに良くなるでしょう。
今節の結果
http://www.fcf.cat/pnfg/NPcd/NFG_VisClasificacion?cod_primaria=1000120&codjornada=1&codcompeticion=7000021&codgrupo=7002609&codjornada=1
試合データ
http://www.fcf.cat/pnfg/NFG_CmpPartido?cod_primaria=1000120&CodActa=270193
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2011年09月19日
今回はジョゼ・モウリーニョ監督(レアル・マドリード)の活躍によって注目を浴びている戦術的ピリオダイゼーション理論(Periodizacion Tactica)について触れてみたいと思います。
「戦術的ピリオダイゼーション理論」というのが日本でどのような受け止められ方をされているのか分かりませんが、スペイン国内の指導現場、すなわち監督達がこれをどのように捉え理解しているかという点も踏まえて私なりの解釈をご紹介します。
まず「戦術的ピリオダイゼーション理論」という名称ですが、外国語で響きが良くインパクトが強い半面、日本国内で認知されていない単語「ピリオダイゼーション」をそのままカタカナ表記で使用しているので正しい意味が伝わっていないのではないでしょうか。
ピリオダイゼーションとは「日々の、期間単位の」という意味です。
私はモウリーニョ監督の関連書籍やチャビエル・タマリ氏の著作「戦術的ピリオダイゼーションとは?(西題:Que es periodizacion tactica?)」を一通り読みましたが、この名称が出てきたのは独自のトレーニング方法で注目を浴びたモウリーニョ監督がインタビューの中で「私のやり方は、、、そうだな、名付けて戦術的ピリオダイゼーション!」と発言したのが最初です。しかし実際に「戦術的ピリオダイゼーション」が指すのはモウリーニョ監督の指導法の中の「シーズン中の練習計画方法」についてでありこれが彼の全てのトレーニング方法を包括するものではないのです。サッカー指導者向けにこの理論を日本語に訳すなら、
「戦術的週間トレーニング計画法」
となります。モウリーニョ監督が「自身のトレーニング方法にはポルト大学のビクトル・フラーデ教授が発表してきた理論が大きく関わっている」と発言したため「フラーデ教授の理論」=「戦術的ピリオダイゼーション理論」と考えられがちですが実際はそうではありません。
まず第一にモウリーニョ監督独自の練習法が一番大きな括りであり、その中のトレーニング期間の設定の仕方が「戦術的ピリオダイゼーション理論」といわれる部分。一方、チームのプレースタイルを各トレーニングに落とし込む概念として採用されているのがフラーデ教授がこれまで発表してきた研究の概念(後述)。
モウリーニョの指導法の一番衝撃的な部分
につづく
「戦術的ピリオダイゼーションとは?」チャビエル・タマリ著
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