2007年12月06日

野村克也・福本豊 才能は2つあればこそ ~論理と感覚~

まずNPB史上本塁打記録は以下のようになっています

■通算本塁打ランキング
  王貞治   868本 
  野村克也 657本 
  門田博光 567本
  山本浩二 536本 
※清原和博 525本
  落合博満 510本 
  張本勲   504本 
  衣笠祥雄 504本 
  大杉勝男 486本 
  田淵幸一 474本 
(2007年度終了時のデータ)

1位の王貞治が2位の野村克也に対して211本差をつけています
868/657=1.32ですから、2位と1位の間には約1.3倍の差があります



王貞治|
野村克也|
落合博満
福本豊
イチロー

上記コラム等を参考にしました


■通算成績 

王貞治   試合数 2831 打率.301 HR 868 盗塁 84  四球 2390 死球114
野村克也 試合数 3017 打率.277  HR 657 盗塁117   四球 1252 死球122 
落合博満  試合数 2236 打率.311 HR 510 盗塁 65  四球 1475 死球63
福本豊   試合数 2401 打率.291  HR 208  盗塁 1065 四球 1234 死球43
イチロー   試合数 2069 打率.342 HR 185  盗塁 471  四球  713 死球94

(イチローのみ日米通算成績及び2007年終了時のデータ)


どの選手も素晴らしい成績ですね、先々週は四球のデータに着目して王監督の事を、先週は死球のデータに着目して落合監督の事をブログに書かせて頂きました
今回は死球と盗塁に着目してみたいと思います。

まずは死球から

王貞治   試合数 2831 死球 114 1試合あたりの死球 0.0403
野村克也 試合数 3017 死球 122 1試合あたりの死球 0.0404
落合博満 試合数 2236 死球  63  1試合あたりの死球 0.0282
福本豊   試合数 2401 死球  43  1試合あたりの死球 0.0179
イチロー   試合数 2069 死球  94  1試合あたりの死球 0.0454

先週のブログで落合監督の1試合あたりの死球が
HRを量産した打者の中では群を抜いて少ない事を紹介しましたが
福本豊さんの1試合あたりの死球は、落合監督よりも更に少ないことが解ります
落合監督と福本豊さんでは打者としてのタイプが
1番バッターと4番バッターということで
このデータを単純に比較することはそれほど的確ではないでしょう

しかし打者のタイプの差を考えてもこの差は大きいと思います
次に同じ1番バッターである福本豊さんとイチロー選手を比較してみると
1試合あたりの死球が福本豊さんはイチロー選手に比べて1/2以下でありどちらかといえば1/3に近い事が解ります

よく野球中継を見ていると 解説の福本豊さんが手からベースに帰塁したランナーに対して

『怪我をする可能性が高いから足から帰りなさい』

と苦言をはかれます、最近では元阪神の浜中選手などが手からの帰塁の際に肩を痛めたりしていますね
そして福本豊さんは『盗塁のコツは?』という質問にこう答えています

『そんなん打ったらええねん』

もう一つ、ご自身が二塁への盗塁に比べて三塁への盗塁が少ないことについてこういっておられます

『三盗をやるのは簡単だが、ヒットが出れば自分なら楽に本塁へかえって来られるので、する必要がない』

打つ→塁に出る→盗塁
そしてその絶対的な前提になるのが怪我をしないこと
極めて論理的な才能を持った方だと思います
その才能がこの1試合あたりの死球数0.0179という数字に表れているのではないでしょうか



次にNPB史上盗塁記録は次のようになっています

■通算盗塁数ランキング
福本豊    1065  
広瀬叔功   596  
柴田勲      579  
木塚忠助   479  
高橋慶彦   477  
金山次郎   456  
大石大二郎 415  
飯田徳治   390  
呉昌征      381  
古川清蔵   370

1位の福本豊さんが2位の広瀬叔功さんに対して
1065/596=1.7869なので約1.8倍の差をつけて独走していますね

3位の柴田勲さんはセリーグですが1944年生まれであり、1947年生まれの福本豊さんの同世代の選手だといえると思います
そこでこの二人の成績を比較しながら、そろそろ野村監督にもご登場願いたいと思います  

    
■盗塁数

    柴田勲さん 福本豊さん 野村監督    
1969年  35     4       1  
1970年  22     75      10
1971年  35     67      12
=====================
1972年  45     106     4
1973年  24     95      3
1974年  13     94      2
1975年  24     63      3
1976年  20     62      2
1977年  34     61      0

35歳を超えた野村監督が1970年から急に盗塁に開眼されたように見えますね

某物理学者ならこう言うところでしょう
『実に面白い』
そして波動方程式等を地面等に書きなぐって原因をつきつめていきます

普通はベテランになるほど盗塁数が減るものだと思いがちですが野村監督はそうではなかったんですよ
何故でしょうか?


福本を止めろ 捕手・野村の闘い

上記リンクより引用させてもらいます


1973年、この年初めてシーズンを前期、後期に分けプレーオフ制度を導入したパ・リーグ。前期優勝の南海は、後期、0勝12敗と阪急に負け続けた。しかしプレーオフで見事阪急を破り優勝。この裏には、南海のベテラン野村克也捕手が、阪急の若き盗塁王・福本豊を抑えるために開発した「クイックモーション」の存在があった。
 野村が35歳で選手兼監督となった1970年、福本は入団わずか2年目の23歳で盗塁王になる。当時、名だたる捕手が福本の盗塁阻止に挑むが、快速・福本の足は止まらない。「福本を刺さずに、優勝はなし!」と考えた野村は福本に対し、得意のささやき戦術や塁間に水や砂をまくという行為にまで出るが、効果はない。弱肩に悩んでいた野村はついに自軍の投手のフォームを改造するという対策に乗り出す。それが日本プロ野球で初めて生み出された「クイックモーション」だった。 



福本豊さんの盗塁をなんとか防ごうと野村監督は考えて、たどりついた結論がクイックモーションだったんですね。
今でこそクイックモーションなんて当たり前ですが、その当時としては画期的な戦法だったように思います
だってそれまで存在すらしなかったんだすからね
自慢じゃないですが、日本プロ野球の方がメジャーよりずっと前にクイックモーションを取り入れたんですよ、自慢じゃないですが。

どうやって野村監督はクイックモーションを編み出したのでしょうか?
もう一度盗塁数の表を再掲しますね


■盗塁数

    柴田勲さん 福本豊さん 野村監督    
1969年  35     4       1  
1970年  22     75      10
1971年  35     67      12
======================
1972年  45     106     4
1973年  24     95      3
1974年  13     94      2
1975年  24     63      3
1976年  20     62      2
1977年  34     61      0

線で区切っているのがクイックモーションが使用されだしたと管理人が思っている時期です
1970年にプロ入り二年目の福本豊さんが大ブレークして
いきなり年間盗塁数の日本記録を更新しました、そしてそれ以降は13年連続盗塁王です。
時を同じくして35歳の野村監督も昨年の盗塁数を10倍も更新しています
管理人はこう考えています
野村監督は走者の視点から自ら盗塁というものを仕掛けてみることで、福本豊さんの盗塁の阻止術を編み出そうとしたと 
そして自分が盗塁した、その経験則から 

『優れた盗塁は捕手だけでは防げない 投手のモーションを変えるべきだ』
と考えたと
全ては仮説の段階ですが

野村監督は良くこんなことを言われてますね
『こまったら外角』
長年のリードの経験則からくる感覚ですね
極めて感覚的な才能を持った方だと思います


こうして福本豊さんと野村監督という二つの才能が同じ時代に集ったためにクイックモーションが生み出されて野球は大きく変化しました
恐らくバースが再来してもこれほどまで野球は大きく変わらないのではないでしょうか、バースの再来一人だけでは。

実際にクイックモーションによって野村監督が福本豊さんの盗塁数を減らせたかといえば、上記の表から見ると減っているようには思えません、逆に考えればクイックモーションがなかったらどれだけ盗塁記録が伸びていたのか少し興味があります。
クイックモーションは少し時間をおいてセリーグにも伝播して、当時盗塁王の常連だった柴田勲さんの盗塁数を激減させてしまっています。

ある分野に同時期に、才能をもった人物が二人以上登場するとその分野は飛躍的な進歩をとげる傾向があります
次に野球界に飛躍的な進歩がもたらされるのはどんな選手が登場した時なのでしょうか

今日はこのような事をブログで空想してみました。


長文になりました
ここまでお付き合いくださいましてありがとうございました
失礼します





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