2008年04月29日

ジャイロボールの正体をあばいてみせる(第6話) ~  『 揺れる 』  ~

ジャイロボールの正体をあばいてみせる(第5話) ~  『 慣れる 』  ~の続編です


ある理系大学の研究室での会話を再現してみました

B 『なんで地球ってひっくりかえらないんですかね?』

A 『お前、日銀とか知らねえの バッカじゃねえの』

B 『いや・・・そうじゃなくて・・・地球の自転軸って
       太陽から見て結構ズレてるじゃないっすか・・・』

A 『そりゃああれだ、角運動量保存の法則だったっけ
   回転する物体はその回転状態を維持するっつう性質があるから
      じゃねえの』

B 『え~でも地球って一日に一回しかまわってないっすよ
   24時間*60分*60秒=86400だから 一秒間に1/86400
      回転
   そんなんで地球の自転軸って一定に保たれるんですかね?』

A 『・・・あれだ・・・きっと無茶苦茶速く移動してるから保たれるんじゃ
      ねえの
   一秒間に自転だけ考えても60km以上も移動してんだぜ俺達
   回転数よりもどれだけの質量のものがどんだけ移動して回転し
      てるとかが問題なんじゃねえの?』

B 『へ~そんなもんなんですかね~まあそんなのどうだっていいや』

A 『じゃあ聞くなよ!』

地球が何故、自転軸を維持できているのかは
彼ら2人の叡智を結集しても解明できなかったのだ


前回、前々回で落ちるといわれているボールについて僕の考えを書かせていただきましたが
今回は揺れるといわれているボールについて僕の考えを書かせていただきます

揺れるボールといえば、今年はいなくなってしまいましたが
昨年、広島に在籍して阪神打線を徹底的に苦しめたフェルナンデス投手などが投げていた
ナックルを思い浮かべる方が多いでしょう

ナックルというボールはフォークボール、パームボールによりも更に回転数が少ないボールのようです
そして、もうひとつ大事な要素は、フォーク、パームよりも球速が遅いという事だと思います

一秒間の回転数 ストレート>>フォーク>ナックル
球速         ストレート  >フォーク>ナックル

という不等号が基本的に成立するはずです

前回前々回で説明したように
回転する物体はその回転状態を維持するという性質を持っているために

落ちるといわれているフォークボール、パームボール等が ストレート等にくらべて回転数が少ないために回転状態を維持できず重力と引き合って落ちていくのに対して
ストレート、カーブ等のある程度の回転数のあるボールは 普通に落ちることに対して抵抗する性質をもっているため普通には落ちない
のではないかと仮定をたててみましたが

ナックルの場合にはフォーク、パームよりも更に一秒間の回転数が少ない為に
回転する物体はその回転状態を維持するという性質が更に弱くなり、重力と引き合ってより自然に落ちていくのではないかと考えられます

そして 回転する物体はその回転状態を維持するという性質が弱いということは
ナックルの回転軸は他の球種に比べて非常にズレやすいといえるでしょう

そうするとどうなるかといえば、ピッチャーがボールをリリースしてからキャッチャーが捕球するまでに回転軸がズレていくので、大袈裟に書くなら
カーブのような回転方向になってみたり、逆にシュートのような回転方向になったり
ドロップ(死球?)のような回転方向になったり、ストレートのような回転方向になったりする訳です

ナックルは回転数が少ないとはいえ、ボールが回転する事によって
ジャイロボールの正体をあばいてみせる(第3話) ~  『 曲がる 』  ~で説明したように
ボールの進行方向と進行方向逆向きの 空気との摩擦により発生する力の違いの為に
ボールは微小であれど変化するはずです

カーブやシュートのように 『曲がる』 とバッターが認識するほどの大きな変化はせず
ささやかに木の葉が揺れるように変化したかと思えば、回転軸を変えて次は静かに波打つ程度に変化したりするのではと考えられます

そして先程も述べた様にナックルは他の球種よりもスピードが遅いため
ピッチャーがリリースしてからキャッチャーミットに納まるまでに時間がかかるので
回転軸がズレやすい上に ズレる頻度も高くなるはずです

これらのことから、打者はナックルが描く軌道を 『曲がる』 や 『落ちる』 ではなく
 『揺れて落ちる』 と認識するのではないでしょうか



さあ、今回もどう考えてもややっこしくなってしまったので
簡潔にまとめますと

回転する物体はその回転状態を維持するという性質と
一秒間の回転数 ストレート>>フォーク>ナックル
ということからナックルが最も自然に落下する球種であり かつ 回転軸が頻繁に入れ替わる球種であり 

球速         ストレート  >フォーク>ナックル
ということからナックルが最も小刻みな変化を繰り返すボールだということです


よく空気抵抗がボールの縫い目等の凹凸に・・・という事がナックルの変化の原理として言われますが
あくまで回転数の少なさによる回転軸のズレの頻度の多さがナックルの変化の最も大きな要因になっていると僕は思います
空気抵抗等はそれに付随する変化の要因だと思っています





次回(第7話)『纏める』
お楽しみに!

posted by HK |08:03 | ジャイロボールについての考察 | コメント(0) | トラックバック(0)
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