2008年03月12日
戦術家・野村克也 ~老練~
こんばんわ みなさんギザですかな? 今回は前回の王監督に引き続き 野村監督の手腕を僕なりに簡易分析してみたいと思います 前回と同じく 戦略というのは 試合が開始されるまでに 他球団に比べて どれだけの優れた選手を揃える事が出来るか 他球団の情報を集める事が出来るか 等 の準備段階における手腕 背広を着て行われる作業 戦術というのは 試合が開始された後に 与えられた選手、与えられた情報等に基づき その試合を勝つための手腕 ユニフォームを着て行われる作業 とザッと分類をしてコラムを進めていきますね ヤクルト監督時代の野村監督は ■ 1990年 5位 1991年 3位 1992年 1位 1993年 1位 1994年 4位 1995年 1位 1996年 4位 1997年 1位 1998年 4位 という成績を収めています 就任前には 阪神 大洋 と最下位争いをしていたヤクルトを3年間で立て直して 二年連続セリーグを制覇しました これは王監督が低迷するダイエーの監督に就任してから チームを立て直して二年連続パリーグ制覇に5年を要したのに比べて 早いスピードですね ただし チームの建て直しに要した期間は王監督に比べて短いものの 王監督の場合には優勝した後に その反動からBクラスに落ちた事が一度もないのに比べれば 野村監督率いるヤクルトは 優勝→Bクラス→優勝 という浮き沈みの激しい順位を残しています これは野村監督が戦術家として優れている為に生じた結果だと思います
1992年は阪神ファンの人ならよく覚えていると思いますが 最後の最後でヤクルトが阪神を差しきったシーズンでした 象徴的なゲームが 1992年9月11日の阪神―ヤクルト戦です 阪神・八木選手のサヨナラHRで阪神が勝ったかと思われた試合で ルールの盲点をついてHRを無効にして 極めつけは 15回裏の2アウトランナー1塁2塁・絶体絶命のピンチを オマリー敬遠 満塁にして山脇選手との勝負で乗り切りました 勝てないゲームを負けない事が出来る 戦術家として優れた能力を発揮した試合だったと思います ただし この試合で先発ローテでフル回転していた岡林投手を7回から15回まで投げさせるといった 采配も行っています 結果としてこの試合にヤクルトは負けず その後の逆転優勝に繋がりました 戦力的に勝てるチームに育っていないヤクルトを 野村監督の戦術によって 負けない事で優勝させたシーズンだったといっていいと思います しかし、それと同時に岡林投手の起用法に見られるように 負けない為に投手を酷使し 故障を誘発させてしまう傾向が当時の野村監督にはありました これは戦術的には正しいことかもしれませんが 長期的スパンで見て 戦略的には優れたことではないでしょう 戦力を整える能力にも優れている野村監督ですが 常勝チームといえる段階になる寸前で 優勝に欲が出て投手酷使→投手の故障→戦力ダウン という事を繰り返した結果が 優勝→Bクラス→優勝 という上記のヤクルトの順位表に現れているのではないでしょうか ■ 野村監督阪神時代 チーム防御率 1999年 6位 4.04 2000年 6位 3.90 2001年 6位 3.75 野村監督楽天時代 2006年 6位 4.30 2007年 4位 4.31 2008年 ?位 阪神ファンとしては上半分はあまり見たくないデータですが 個人的には この阪神時代の3年連続最下位という結果は 野村監督がヤクルト時代の反省をふまえた為だと思っています ヤクルト時代には3年という短期間でチームを優勝に導きましたが その結果、下地が未完成のままチームは戦い続けることとなり 強いチームにはなりましたが 常勝チームというまでには至りませんでした 野村監督はその経験から阪神においては じっくりとチームの戦力を整え 浮き沈みの少ない本当に強いチームを作ろうと考えていたのではないかと思います 投手を酷使することなく若手を抜擢し チーム防御率も少しずつ良くなり 投手では井川 打者では浜中という チームの中心となれる選手をみいだし さあここからが勝負所だというところで 思わぬ形で解任となってしまいました もしも野村監督が阪神の監督を続けていたら 星野監督とは全く違った形で阪神を躍進させていたのではないかと思っています そして、楽天の監督に就任して二年目で 野村監督は明らかにまだ戦力不足の感じが否めないチームを4位に浮上させました 徐々に戦力は整いつつあります ただペナントレースで1位になる為には 相当な犠牲をしいらねばいけない戦力だと思います しかし今はクライマックスシリーズというものがあるので 3位以内に食い込めば日本一の可能性は残されます 戦略的に不利な楽天を 野村監督の野村スペシャル等にみられる戦術的手腕で楽天初のAクラスに導くことが出来るのでしょうか? 王監督は 戦力の整ったチームを勝たせるのが得意な人物ではなく 戦力を整えることによって勝てるチームを作るのに とても秀でた人物だと以前のコラムで評価しましたが 野村監督は 戦力不足でもチームを負けさせないことが出来る優れた戦術家であり その長所が逆に災いして 戦力を整えることによって勝てるチームを作るという点では 王監督には及ばないように思います 野村監督 戦略 ★★★★★★★☆☆☆ 戦術 ★★★★★★★★★☆ 長文最後までおつきあいくださりありがとうございました
■関連コラム 野村克也・福本豊 論理と感覚 ~積才作古~ 補強の達人・巨人 ~補強~ 【原辰徳】 巨人の監督 【落合監督】 3*3 【岡田監督】 最幸の阪神ファン 【どんでん】 ドンデン第一位に立つ ~ガンダム越え~ 戦略家・王貞治 ~狙った獲物は逃さない~ 落合博満 vs ランディ・ジョンソン 名勝負列伝 ~その1~ 野村克也 vs 伊原春樹 名勝負列伝 ~その2~ 岡田彰布 vs 野村克也 (前編) 名勝負列伝 ~その3~ 長島茂雄 vs 新庄剛志 名勝負列伝 ~その6~ 原辰徳・怒りの一撃 名勝負列伝 ~その7~ 嶋基宏・氷壁の盗塁刺師 名勝負列伝 ~その8~ ランディ・バース、掛布雅之、岡田彰布 vs 槙原寛己 名勝負列伝 ~その9~ 落合博満 vs 斎藤雅樹 名勝負列伝 ~その10~ 野茂英雄 vs 落合博満 名勝負列伝 ~その11~ 井川慶 vs 川上憲伸 究極のスクイズ/至高なるグラブトス 名勝負列伝 ~その12~ イチロー vs 林昌勇 天来の一打 名勝負列伝 ~その13~ 落合博満 vs 東尾修 孤高なる報復 名勝負列伝 ~その14~ 王貞治 vs 東尾修 王の真価 名勝負列伝 ~その15~ 早川大輔・卑なるバット投げ 名勝負外伝 ~その1~ 巨人はロッテより弱い 怒涛の逆転劇 名勝負外伝 ~その2~ アンディ・シーツ 微笑みのバット投げ 名勝負外伝 ~その3~ 長島茂雄超語録 長島茂雄超語録 2 長島茂雄超語録 3 長島茂雄超語録 4 長島茂雄超語録 5 長島茂雄超語録検定 長島茂雄超語録 読書感想文用 長島茂雄超伝説 福本豊名語録 世界の盗塁王を訪ねて パンチ佐藤名語録 プロ野球名言海 ヨハン・クライフ名言録 松岡修造名言録 原辰徳熱風録 hk語録 王貞治伝説を訪ねて 王貞治伝説を訪ねて 2 伊藤文隆伝説を創ろう 井川慶伝説を訪ねて 井川慶伝説を訪ねて 2 井川慶伝説を訪ねて 3 井川慶伝説を訪ねて 4 隔週・井川慶伝説を訪ねて 5 月刊・イガワくん 6 落合博満伝説を訪ねて 竹原慎二伝説を創ろう ガッツ石松語録じゃ メークレジェンドを訪ねて 1 プロ野球英雄伝説 黎明篇 プロ野球英雄伝説2 策謀篇 山本昌伝説 上巻 山本昌伝説 中巻 原辰徳熱風録 長島茂雄超伝説 新庄剛志伝説を訪ねて 新庄剛志伝説を訪ねて 2 世界の盗塁王を訪ねて 外国人助っ人名鑑 1988年・セリーグ 外国人助っ人名鑑 1988年・パリーグ 阪神・外国人助っ人疾風録 その1 阪神・外国人助っ人疾風録 その2 阪神・外国人助っ人疾風録 その3 阪神・外国人助っ人疾風録 その4 阪神・外国人助っ人疾風録 その5 阪神・外国人助っ人疾風録 その6 阪神・外国人助っ人疾風録 その7 阪神・外国人助っ人雌伏外伝 その1 阪神・外国人助っ人雌伏外伝 その2 阪神・外国人助っ人雌伏外伝 その3 阪神キラーの系譜 第一譜 虎の愛人 マット・ソーントン 猛虎助っ人ダイジェスト 打者編 猛虎助っ人ダイジェスト 投手編 猛虎助っ人ダイジェスト 完全版 1 ヤクルトスワローズ・外国人助っ人疾風録 ヤクルトスワローズ・外国人助っ人疾風録 その2 ヤクルトスワローズ・外国人助っ人疾風録 その3 広島カープ・外国人助っ人疾風録 その1 中日ドラゴンズ・外国人助っ人疾風録 その1 中日ドラゴンズ・外国人助っ人疾風録 その2 ソフトバンクホークス・外国人助っ人疾風録 その1 読売ジャイアンツ・外国人助っ人疾風録 その1 読売ジャイアンツ・外国人助っ人疾風録 その2 読売ジャイアンツ・外国人助っ人疾風録 その3 読売ジャイアンツ・外国人助っ人疾風録 その4 読売ジャイアンツ・外国人助っ人疾風録 その5 読売ジャイアンツ・外国人助っ人疾風録 その6 ダグ・デシンセイ 強い大リーガー トニー・バティスタ 進化する大リーガー ラルフ・ブライアント 衝撃型扇風機 オレステス・デストラーデ 眼鏡をかけた大リーガー ブーマー・ウェルズ 賢い大リーガー 助っ人大リーガー解体新書 1 【倉さん-灼熱の解説】 解説者覇道伝説 その1 江夏豊の21秒 解説者覇道伝説 その2 岡田彰布・雌伏の刻 解説者覇道伝説 その3 【岡田監督】 最幸の阪神ファン 【どんでん】 野村克也・福本豊 論理と感覚 ~積才作古~ 王貞治の記録は超えられるのか?不可能!~狙った獲物は逃さない~ 落合博満 その打撃技術に迫る ~ホームランは狙って打つものなんだよ~ 門田博光 遅れてきた長距離砲 ~逆境を乗り越える才能~ 山本浩二 走・攻・守 ~ミスター赤ヘル~ 長嶋茂雄・イチロー 世界一の勝負強さ ~記録と記録からの記憶と~ 三冠王は電車好き? ~ブーマー・ウェルズ~ 宇野勝 ファンタジースター ~プロ野球を変えた男~ 金本知憲 ~不屈なる不惑~ 山本昌 ~逆理の投手~ 野茂英雄 トルネード投法 ~どんな短所にも長所がある~ 田村勤 with determination
posted by HK@管理人 |20:03 |
監督 |
コメント(11) |
トラックバック(0)
トラックバックURL
このエントリーのトラックバックURL:
(表示は許可制となっています)
http://www.plus-blog.sportsnavi.com/hkhk/tb_ping/184
この記事に対するコメント一覧
(事務局では、サービス全体の雰囲気醸成の為、全コメントをフィルター/目視チェックし、削除等しております。見逃し等も有りますので、ご不快な思いをされた場合は、事務局宛 support@plus-blog.sportsnavi.com にご意見頂けると幸いです。)
戦術家・野村克也 ~老練~
コメント投稿者ID :
まぁ、選手の酷使に関しては、有力選手を球団が獲得し
てくれないので、使わざるを得ないワケですし、優勝と
いう結果がなければクビになる、、、因果な商売です。
楽天でも球団はFA戦線、外国人の補強など全く眼中に
ないどころか、グリンを日ハムに持っていかれる始末。
これで勝てというのも酷だな、と思ってい所に故障者続
出で最早絶望なのか今季?(笑)
長谷部のケガというのが、かつての大沢親分が西武をか
く乱した時の様に、ソフトバンクに対するフェイクなら
いいのになぁ、、、。
話が逸れましたが、野村監督は育てるのは上手いが、選
手を鼓舞しノせるのは下手という感じかと。
posted by エキサイティング・パ | 2008-03-13 12:45
戦術家・野村克也 ~老練~
コメント投稿者ID :
ルールの盲点って何ですか?あれは平光審判の単純なミスでしょう。アレで審判辞めたんだから、あの人。
posted by 渕コロ助 | 2008-03-13 13:03
戦術家・野村克也 ~老練~
コメント投稿者ID :
阪神では結果は出せなかったけど、今の強い阪神があるのは、野村監督の下地+星野監督の闘魂注入だと思っていますので、やっぱり名監督であると思います。
posted by k | 2008-03-13 13:07
戦術家・野村克也 ~老練~
コメント投稿者ID :
当時のルールでは平光さんのミスではないよ
打球がフェンスの途中に当たってグラウンドに落ちることなくスタンドに入った際の判定は、取り決めがなかったから、平光さんがHRと言ったのは誤審でも何でもなくて、その後の審判団の協議で二塁打にされたんだから
posted by トラふぁん | 2008-03-13 13:11
戦術家・野村克也 ~老練~
コメント投稿者ID :
戦略と戦術を分けることはよくあるが、ここまでくると「銀英伝」に随分影響されているような気がするよ。
posted by 野村ファン | 2008-03-13 14:02
戦術家・野村克也 ~老練~
コメント投稿者ID :
またネタ元は漫画かよw
posted by | 2008-03-13 15:27
戦術家・野村克也 ~老練~
コメント投稿者ID :
手元の戦力を最大限に活用しているのに
それで誰かに及ばないってのは論点がズレているように思います
どの道最大限の活用を酷使、必要最小限の活用を甘いと言うのでしょうから如何でも良い話になりますかね……
posted by 機械仕掛けの猫 | 2008-03-13 16:10
戦術家・野村克也 ~老練~
コメント投稿者ID :
野村監督と王監督が率いた球団の選手層と球団の資金を考慮しないと戦略もなにもないと思いますけれど。
野村監督の戦略が悪くて常勝チームにならなかったというなら、王監督が率いた場合はあの時期のスワローズが常勝チームになったでしょうか?
また野村監督が資金面でも優遇されているホークスを率いた場合に、王監督より悪い成績になったでしょうか?
監督の戦略の才能とは別問題と思いますよ。
何事でも比較するのなら、条件が平等でなければ説得力はありません。
posted by 次回に期待 | 2008-03-13 17:42
戦術家・野村克也 ~老練~
コメント投稿者ID :
<トラふぁん様へ
そうですね、あの打球はフェンスのラバー上部に当たったボールがほぼ垂直にはねかえって、そのまま金網を越えてしまう「ありえない打球」で想定不能でしたね。判定はエンタイトルにするしかなかったと思います。
ただ、あの「何十年に一度の打球」があんな大事な場面で出るのは、野村監督に強運があったということでしょう。
posted by 渕コロ助 | 2008-03-13 23:12
戦術家・野村克也 ~老練~
コメント投稿者ID :
野村監督がまだTの監督を続けていたならTは強くなっていたか、それとも星野さんの監督要請タイミングを逃してまだ暗黒時代だったか(笑)難とも言えませんねぇ、しかし野村さんの3年連続最下位と解任は当時の阪神球団とファンにとどめをさすには充分な出来事だした。
posted by Tファン | 2008-03-13 23:42
>Tファンさん
コメント投稿者ID :
こんばんわ
確かに 野村監督がやってきて3年でチームをなんとかするよ~
種をまく→(忘れました)→(忘れました)
という方針を打ち出してくれた時は凄く期待しましたよね
まあ僕の場合は新庄がメジャー行くって言った段階で既にとどめを刺されてた訳ですが・・・
あんなに阪神ファンを辞めるチャンスがいっぱいあったのに
なんで辞めれなかったんでしょうかね?
辞表っていざとなると出しづらいもんだってことですかね
コメント頂きありがとうございます
posted by HK@管理人 | 2008-03-14 00:23
コメントする
「他サービスID/メールアドレス」で投稿する場合は、そのID/メールアドレスは表示されず、当サービス専用の固定のコメント投稿者ID「英数+連番」に変換され表示します。
- Yahoo! JAPAN IDでコメント投稿
- mixiアカウントでコメント投稿
- Googleアカウントでコメント投稿
- Hatena IDでコメント投稿
- Biglobeアカウントでコメント投稿
- ログインしてコメント投稿
- メールアドレスでコメント投稿
※新規のメールアドレスによる投稿IDご利用は停止しました。
※コメント投稿手順
(1)上記リストから希望のIDを選択する。
例: Yahoo! JAPAN IDでコメント投稿
(2)Yahoo! JAPAN上の本人確認画面でIDとパスワードを入力する。
(3)スポーツナビ+blog側のコメント入力画面が表示される。
(4)コメント本文を記入し、投稿ボタンをクリックする。
(5)コメント投稿者IDとコメントが表示される。
詳しくは以下2ページをご覧下さい
・【仕様変更】PCからのコメント投稿について
・ブログ利用マニュアル「コメント投稿方法」
※コメント投稿手順
(1)上記リストからログイン/メールアドレスのどちらかを選択する。
例: ログインしてコメント投稿
(2)plus-blogのアカウントとパスワード/メールアドレスを入力する。
(3)コメント入力画面が表示される。
(4)コメント本文を記入し、投稿ボタンをクリックする。
(5)コメント投稿者IDとコメントが表示される。
詳しくは以下2ページをご覧下さい
・【仕様変更】PCからのコメント投稿について
・ブログ利用マニュアル「コメント投稿方法」



