広島鯉太郎

【検証魂】「ビデオ判定」と「チャレンジ権」について考える

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 今日は趣向を変えて、将来的に導入されるかもしれない「ビデオ判定」に関して考えてみたいと思う。


 ということで「将来的に導入されるかもしれない」と書いたわけだが、ここに来て日本での導入が起こり得る事態になったのだ。

 それが、MLB(メジャーリーグベースボール)、俗に言う「メジャー」が今年からストライク、ボール判定以外全ての判定に対してビデオ判定制度を導入するものである。

 ただしかつてのホームラン判定と違って様々なプレーで抗議できる可能性が考えられるので、テニスのような「チャレンジ権」が導入されることとなる。

 とその前に「チャレンジ権」が何かという方もいらっしゃるだろうから軽く説明しておくと、ある選手が審判の判定に異議を唱えたい場合、テニスでは映像を使ってその判定について検証できるシステムがある。

 それによって異議を唱えた選手の主張が認められれば最大3回まで使える「チャレンジ権」を使える回数は減らず、逆に異議が間違っていた(=審判の判定が正しかった)場合は「チャレンジ権」が1回減ってしまう、というものである。

 これによって選手も「チャレンジ権」を乱用することはなく、同時に審判側も乱用される恐れがない点で守られているということで、使う側も使われる側(=審判)もそれぞれメリットはあると思われる。

 以上が「チャレンジ権」に関しての簡単な説明になるわけだが、メジャーもこれに似たものを導入するということである。

 ただあくまで「似ている」ものであり、完全にテニスの「チャレンジ権」と一致することはない。

 まずチャレンジできる最低の回数は「1回」のみ。
 ただし異議が正しければ「チャレンジ権」は1回増えるみたいだが、増えるのはここまで。
 つまり、最大でも2回しか使えないということだ。

 これに関しては、テニスよりも際どい判定をする場面が少ないこと(テニスはサーブ時のフォルトかイン、放ったショットがインだったかアウトだったかを審判が判断するのが結構難しい)を考慮すれば妥当な数字になりそうだ。


 というわけで2014年からはアメリカでそのようなビデオ判定が導入されることとなるわけだが、かつてホームラン判定をアメリカに追従して導入したことを考えると、日本でも将来的に導入されることは自然の流れとなりそうだ。

 そこで日本で導入となった場合、果たしてどうなるのかを検証してみたいと思う。


 ①アメリカと同じ形で良いのか?

 つまり「チャレンジ権は基本1回、最大2回」というもの。

 これに関しては日本とアメリカで極端に際どい判定の数が変わらないと思うので、とりあえず「同じでアリ」とする。


 ②判定結果後の処置はどうするのか

 これは日本だからということではなく全体的に言えることだが、仮に「チャレンジ権」が発動されてビデオ判定をした結果主張が正しかった(異議を唱えた側が正しかった)場合、その後の処置をどうするかということである。

 例を出すとしたら、申し訳ないが甲子園で起きた「脇谷落球事件」などである。

 仮に阪神の真弓監督が「チャレンジ権」を使ってビデオ判定をし、その結果あの脇谷の処理が「捕球ではなく落球」という判断になれば、勿論アウトは取り消しとなる。

 ただ問題はその後で、アウト取り消し後に行われる処置として、以下の可能性があると思う。それが・・・

 ①問題の打球を放つ前のカウントで打ち直し
 ②落球をインプレーとし、落球した場合に想定できる状況にして次の打者から始める形にする

 という、極論で言えばこの2点である。

 勿論①が既定路線で良いとは思うのだが、阪神ファンからしたら「あれが落球なら得点が入っていたんだから(あの落球は確か2アウト1,3塁の時に起こった)、打ち直しはおかしいだろ」という意見が出ることはファンからしたら至極真っ当な意見であり、このところをどうするかは難しいところ。

 しかし②を既定路線にすると「想定できる状況にして」の部分が曖昧になる可能性がある。

 つまり上記のような例で考えると、あの場面、脇谷が落としたか落としてないか不明の時に1塁ランナーが3塁ベースを回っていたという状況があった。
 となると、その後の処置では2点が入った状態で再開すべきなのかもしれないが、もしかするとホームに投げられてアウトになる可能性だって否めないのだ。そうなると1点しか入らないし、結局3アウトでチェンジということになる(勿論1点が入る事実に変わりはないが)。

 そう考えるとこの部分の定義づけが難しくなり、どちらかのファンが納得できず、更にそこから両監督による抗議が始まる可能性がある。

 そうなればビデオ判定の意味なしになるので、納得できない可能性が出づらい①を既定路線にするのが良さそうだ。

 これは内野安打かそうでないかの微妙な判定の際なども同様で、「問題の打球を放つ前のカウントから打ち直し」にした方が分かりやすいところがありそうだ。


 ③今までの「ホームラン判定」はどう扱うのか?

 これまでは「チャレンジ権」に関係なくホームランかホームランで無いかのビデオ判定が行われ、例えば異議が認められてファールになれば打ち直しという処置が採られていた。

 ただ「チャレンジ権」が導入されれば勿論「ホームラン判定」も入れるべきという意見になりそうだ。

 ただそうなればホームランか微妙な時にチャレンジしづらい事態が考えられ(チャレンジが失敗すれば、その試合においてチャレンジすることができなくなる)、これは良くない。
 というのも、そのような「チャレンジしにくい雰囲気」が出来て審判側に言葉は悪いが有利になることは決して平等とはいえず、少しばかり問題となるからだ。

 これは考える必要がありそうだ。


 ④それならば・・・

 アメリカでは「最低1回。最高2回まで」という「チャレンジ権」の回数を日本風にアレンジし、「最低2回。最高3回まで」という形にするのもアリだといえそうだ。
 そうすればチャレンジを行うことに対する恐怖心は緩和され、平等な試合運営を行える可能性がある。

 これに関してはアメリカで2014年に実際に使われるであろう例などを検証して日本風に変えるのが無難といえるだろう。


 ⑤仮にテニスと同じになれば・・・

 回数はテニスと違うところがあるが、テニスと同じような形式になりそうな部分・・・それが「問題の映像を球場にいるファンも見ることになる」という点だ。

 今まではファンはホームラン判定に関しても見ることが出来なかったわけだが、「チャレンジ権」が導入されれば、主張が正しいかをファンも共有する必要がある点で、抗議された部分の映像をアストロビジョンなりで見ることとなる。

 勿論その部分は良いとして、スポーツ魂!!が少し不安に思っているのは、「公式戦を行う地方球場全てでリプレイ映像を映せるバックスクリーンがあるのか」ということである。

 勿論12球団の本拠地はリプレイ映像などを映せる装置は持っていることは確実だと思っているのだが、1年に数回しか公式戦を行わない球場全てにそのような装置を持つバックスクリーンがあるのかは正直分からない。

 もしかすると両チームのスタメンとランニングスコアしか掲載できない球場もあるはずで、仮に「チャレンジ権」が導入されれば、ファンもリプレイ映像が見れるような装置を新たに作る必要がある。
 
 ただそのような大型装置を新たに作るのは簡単なはずがないわけだが、仮に財政的事情で作ることが出来ずに「チャレンジ権」が当たり前な時代となった日本プロ野球界を想像してみよう。

 その場合、「その場のファンと映像確認を共有できないから」という理由で、その球場は公式戦を行うことが不可能となるのだ。

 そうなるとその地でプロ野球を見ることが出来なくなり、その地の野球熱が下がっていく・・・という事態も考えられる(今も下がっているじゃん!!という突っ込みはなしで)。

 それは避けたいところであるが、アストロビジョン以外で球場にいるファンと映像を共有できる方法が浮かばないのが歯がゆいところ。


 ○結論:「チャレンジ権」は日本で導入すべきか否か

 勿論導入すべきだとは思っている。

 これまで微妙な判定で涙を飲んだ過去がそれなりにあることを考えると尚更だ。

 ただ野球界で導入されたことがないので分からない部分があること、⑤のような問題をどうするかというところがある。

 なのでまずは今シーズンメジャーで導入してみてどうなるかを静観しつつ、⑤の問題を解消するために、来シーズンから導入することを前提にして今年中に装置を作らせることを優先するか、リプレイ映像を流せるアストロビジョンがない球場にいるファンと映像を共有する何らかの方法を模索することが必要となるだろう。


 なかなか難しい話であるが、アメリカが今年から導入することを決定した以上、日本に来るのは何度も言うが自然の流れだと思っている。

 ただ導入した際に混乱が起きないよう、導入する前にはかなりの検証と準備が必要になりそうなことは、今回分かった気がする。



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この記事へのコメントコメント一覧

【検証魂】「ビデオ判定」と「チャレンジ権」について考える

>しゃなさん

こんばんは。
そして、コメントありがとうございます。

確かに、①だとヒットの場合は問題になってしまいますね。

このような細かい部分によって処置を変える必要があることを検証する必要があるでしょうから、そこはこれからの検討課題になりそうです。

【検証魂】「ビデオ判定」と「チャレンジ権」について考える

①問題の打球を放つ前のカウントで打ち直し
これはだめでしょう
ビデオ判定によってヒットだということが明らかにされたというのに打ち直しでアウトになる確率が高いわけです
ヒットだと判定したならヒットとして扱わないと納得できないでしょう

【検証魂】「ビデオ判定」と「チャレンジ権」について考える

>巨人ファンのおっさんさん

おはようございます。
そして、コメントありがとうございます。

なるほど、まずはアウトかセーフかの抗議のみチャレンジ権を導入するということですね。

しかし脇谷の時のような場合だと、その後の処置が難しいですよね。
そこは審判の技量に委ねるということになりますが、それだと審判の方が余計に大変なことになりそうな気が・・・

まあ審判の方が1試合に何度も不可解な判定をするとは限らないので、回数を作らずに時間で区切るというのもアリですね。
ただそうなると場合によっては1回しかチャレンジできずに終わることも考えられ、試合によって不公平感が出る可能性もあります。

そう考えると、多少時間は掛かっても審判の方もゆっくりと判断できる回数制の方が無難なのかなとも思っています。

とりあえず、メジャーで導入されてどうなるか。そこのところの検証が必要になりそうです。

【検証魂】「ビデオ判定」と「チャレンジ権」について考える

>???さん

おはようございます。
そして、コメントありがとうございます。

一番最初以外、ほとんど間違えていますね(^^;)

ご指摘ありがとうございます<(_ _)>
訂正しておきます。

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 更にかつて東京の地で低迷していた日本ハムになぜか同情心を抱き始め、北海道移転後の歓喜を広島で密かに喜んでいた。
 そして今でもカープと日本ハムのファン。

 好きな選手は現役だと丸、松山(共にカープ)、糸井(オリックス)、下園(DeNA)。OBだと緒方孝市(カープ)。
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