2008年01月12日

シュスターインタビュー中編

前回の続きです。
前後編の2回にしようと思いましたが、それでも長いので、3回連載ということに修正します。ご了承ください。
この部分では現在のチームや選手についてかなり突っ込んだ質問がなされていて面白いですね。
スペイン語訳に関しての注意は前回と同様です。間違っていたら優しく教えてください。
ちなみに前回の部分も含めたインタビュー全文のページは以下のとおりです。

シュスターインタビュースペイン語全文

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・ビッグクラブとの試合ではベストパフォーマンスを見せるのに、アルメリア、レクレアティーボ、ヘタフェ、ムルシアやバジャドリーとの試合では期待されたようなプレーができていません。この点で、よく言われるような素晴らしいマドリーではありませんね。

大きな試合では選手たちはやる気に満ちているから、あれこれ言う必要はない。CLのグループステージ勝ち抜けを決めるために勝たなければならないラツィオ戦で、選手に多くのことを言う必要はないだろう?たくましい選手たちが自分たちで仕事をやり遂げてくれる。
だが、ムルシアやバジャドリーを迎える時、もちろん彼らを尊重するが、選手が五感を集中させることは難しいことなんだ。そうした相手に良いパフォーマンスを発揮するのは大変なことだよ。
重要なのは選手たちが怒ってロッカールームに戻ってくることなんだ。結果が出ていないわけだから、こうした態度はいい兆候だよ。みな良いプレーをして勝つことを望んでいるのだからね。
サラゴサ戦のあと、私たちはみな、「この試合は自分たちのプラン通りにはいかなかった。別のイメージをピッチで示さなければ」と自分たちに言い聞かせたんだ。

・この数か月、自分たちの望むプレースタイルができていませんね。少なくともそう見えます。リーガ開幕時のアトレティコとの試合ではグティとスナイデル、マルセロを使いましたが、バルセロナ戦やサラゴサ戦ではバティスタをディアラの前に置きました。そして、グティはベンチ、サイドバックはエインセとしましたね。「カペッロ的であること」は監督就任当初の提案ではありませんでしたよね?

そうじゃないよ。私のプランAは最終ラインにラモス、ペペ、カンナバーロ、エインセを並べることだった。だけれど、怪我のためにカンプ・ノウでの試合までに彼らを同時に起用することはほとんどできなかった。それは不運だったけれど、私はプランを変えないよ。この4人はヨーロッパで最高の4人だからね。

もちろんマルセロも信頼しているけれど、彼はまだ若く、学んでいる最中だ。そういう姿勢は好きだが、彼はもっと多くの役割をこなせるようにならなければならないことを知っているし、エインセのようになるには、大変な練習が必要なことも理解しているよ。
マルセロはいい形で、よくなっていっているけれど、怪我が私たちのチームを襲ったということなんだ。

・サイドの話に逃げないでください。ディアラとグティからディアラとバティスタに替えた話を飛ばしています。パスセンスよりもフィジカルを重視したのですか?

そうじゃないよ。ムルシア戦でグティが退場になった後、その後の解決法を模索しているときに起こった予想外の事態だったんだ。バティスタがスナイデルとうまく連携していることに気づいたんだよ。
練習で試してみて、ディアラと合わせたトリオを試合で使うことに決めた。結果も伴なっている。
全ての選手に対して公平でなければならない。スポーツ以外の問題でグティの次にプレーしたわけだけれど、他の選手にも起こり得ることだし、それ以上のことはないよ。

・胃の調子も悪かったという報道もされましたが、退場のペナルティではなかったのですか?

何のペナルティだい!あなたたちがチーム内で起こっていることのすべてを知っているわけじゃないだろう?3日間胃の調子が悪くて、下痢が続き、体重も減ってしまっていた。招集するにはリスクを負わなければならなかったから、招集しなかったんだ。
それにグティは大人の選手なんだから、状況を理解しているよ。彼の姿勢には満足しているさ。

・アフリカ・ネーションズ・カップのためにチームを離れるディアラの代わりは誰が務めることになるのでしょう?

いくつか可能性はあるが、ガゴがこのチャンスを得ると思っているよ。彼はしっかり練習しているし、チームでディアラと一番良く似た選手だしね。どんなに批判されようとディアラは安全確実な壁で、だからその前に創造的な選手を5人置いて点を挙げることに集中させられているから、ガゴはフィジカルの面では劣るだろう。だが、ガゴは攻撃の組み立てとパスで貢献してくれるはずで、当然いい面もあるんだ。
もちろんディアラがチームを離れるのは寂しいし、思っているよりも彼の離脱の重要性を感じることになるだろうけどね。

選手層が厚いので、代替案があるのはいいことだ。ガゴの前に、バティスタ、スナイデル、グティを使うが、彼ら3人から3通りのコンビを選択できる。みな最後までプレーしてくれるだろうし、誰にも問題ないよ。

・カシージャスがチームのヒーローになっているか、心配ではありませんか?

全く心配していないよ。私の母国でのW杯でゴール前の巨人と化したのを見ているしね。考え方を変える必要があるよ。もしマドリーがすべてのポジションに世界最高の選手を求めるとして、どうして彼が世界最高のキーパーじゃないと思うんだい?

・カペッロはもっと背が高いキーパーが好きでしたよね。ご存知のように、バロンドールやFIFA年間世界最優秀選手賞がありますが、カシージャスはどちらの賞も獲得していません。

そんな考え方をする必要はないよ。かつてブッフォンの名前があがりだした頃、数年の間彼が世界で一番背が高いキーパーの一人だったから、カシージャスもいずれ賞をとるよ。彼はそれに値する質がある。
サラゴサ戦でのプレーは素晴らしかった。ビデオに録ってくり返し見たいプレーだね。彼はすべてセーブしていた。イケルは良いプレーをしているし、賞に値するよ。

・より少ない失点であなたの戦術にフィットしているのはなぜでしょう?カペッロのように論理的により守備をするのでしょうか?

ファビオはゴール近くのエリアを守っていたが、私達のプランの概要は、それより30メートル高い位置からプレッシャーをかけはじめることだ。そうすることで相手の作戦を打ち消し、相手に考えさせることができる。
だからサラゴサ戦でのエインセの負傷は痛かった。彼が怪我する前は、サラゴサはカシージャスのゴールに迫れていなかったんだからね。

・ペペは3000万ユーロに値する選手でしょうか?

間違いなくそうだ。彼がいいプレーをしても驚くことはない。ポルト時代から、彼のプレーにかつてのキャプテンの姿を重ねていたよ。もちろんその一部だけだけれどね。
彼の能力が解き放たれたら、一時代を築くことになるよ。私は彼を見てイエロを思い出すんだ。偉大なイエロをね。

・3月にあなたは、カルデロン会長に、カンナバーロの代わりはおらず、固定されるメンバーになると伝えました。そして今実際にそうなっていますね。

彼の能力を疑ったことはないよ。彼も、ドイツW杯のように、安定したチーム、落ち着いたクラブが勝利することを知っている。彼はチームメイトのリーダーなんだ。
イタリア代表ではマテラッツィがカンナバーロとコンビを組んでいるけれど、マドリーではペペだ。ファビオは偉大なセンターバックだよ。

・ロッベンは災難続きですね。彼に失望していませんか?

彼には時間を与えることが必要だ。2か月間怪我のためにプレーできず、マドリーに来たのだからね。昨シーズン良いプレーができずにいて、それがハンディになっている。彼を待っているよ・・・

・ドレンテとサビオラが出場しないとは思いませんでした。

彼らにはそれぞれ問題があるんだ。ドレンテは非常に若い選手で、20歳以下のヨーロッパ選手権のベストプレイヤーだが、彼はロッベンの控えであって、ロビーニョの控えでもある。
オランダではすべての選手が絶望することなくフットボールを楽しんでいるが、彼は現状を受け入れ、耐えなければならない。
サビオラの場合は、ラウールとニステルのコンビがヨーロッパでも最高の攻撃陣であることが要因だ。サビオラは模範的にふるまっているし、ロッカールームでは自分の役割を受け入れている。もしチームに彼の助けが必要になったら、彼はきっと助けてくれるはずだよ。

・現在の素晴らしい成功は好調のロビーニョのおかげですね。

彼には2通りの方向がある。
ファンやジャーナリストの注目を集めるようなことをしてチームの重責を背負ってしまうこと。これが一番大衆的な方法だが、それは一流の選手のすることではない。私は一流の選手ではなかったが、一流の選手がどういったものかはわかっているよ。
だから彼にはプレーで期待に応えるように伝えたんだ。ロビーニョはだんだんそれを理解して活躍してくれているね。

・どうしてロッカールームがそれほど団結しているのでしょうか?

今の私たちは平等だからね。キャプテンからカンテラーノスまで、スタッフも含めて私たちは一つのチームで、それぞれの役割をこなしている。誰も他の誰かを踏みつけにしたりしない。
クリスマスの夕食会で良い雰囲気を感じたから十分だよ。パーティでチームが本当の家族のようになったんだ。
ラウールは私をよく助けてくれるし、若い選手はベテランの選手に注目する。マドリーが常にそうであったようにね・・・

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今回はここまで。
選手起用に関しては、選手をかばいながらもうまく受け答えしているな、という感じ。
マルセロとエインセに関しては、マルセロの将来性に賭けているように思えたが、シュスターの発言は上記のとおり。見る側の印象と、監督のコメント、どちらが信頼に足るだろうか・・・
考えてみると面白い。

次回で最後まで掲載します。長くなっていますが、ご了承ください。

posted by hiro |15:53 | ニュース | コメント(4) | トラックバック(0)
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2008年01月12日

コパデルレイ決勝トーナメント二回戦第一戦 マジョルカvレアルマドリード

最終ラインに怪我人が続出する中ミッドウィークの試合に臨むマドリー。
この試合のスターティングメンバーは以下の通り。

GK:デュデク
DF:サルガド、セルヒオ・ラモス、ペペ、トーレス
MF:ガゴ、グティ、スナイデル
FW:ロビーニョ、ラウール、イグアイン

エインセがいないため、セルヒオ・ラモスがセンターバック、サルガドを右サイドバックに起用。この試合でサルガドはマドリーでの公式戦350試合出場を達成。

カシージャス、ニステルを招集しない一方、スナイデル、ロビーニョ、ラウールといった主力を先発起用し、アウェイでマジョルカと対戦。
マジョルカはビクトル、グイサのトップが強力だが、この試合ではグイサが怪我のためにトレホを起用した。

■かみ合わない攻撃 その中での幸運なゴール
マジョルカは中盤のトゥニ、バレーラ、ボルハ・バレーロあたりが前線とよく絡み、積極的にシュートを放っていた。シュートが多いということは、それだけゴールに近い位置にボールを持ちこまれているということで、結果マドリーの攻撃開始位置は低め。
時々前から人数をかけようという守りは見せたが、はっきりチームで決まった形を作れていないため、かわされて、早い攻めを受けなければいけない場面も多かった。

逆にマドリーの攻撃は鋭さを欠いていた。
第一に単純なパスミスが多すぎる。出し手と受け手が全く合わないといったパスが組み立ての段階で頻発するようではボールもリズムも失ってしまう。
ディフェンシブサードにおけるパス回しもぎこちなく、ラウールやロビーニョはもちろん、スナイデルとグティにいい形でボールが渡らない。それではパサーを2人並べた形は全く生きない。
雨でピッチコンディションも悪く、また、やり慣れていないユニットにどんどんいい形を作ることを望むことはできないだろうと想像していたけれど、率直に言ってそれ以前の問題だったように思う。

22分、ボルハ・バレーロのコーナーにニアサイドで誰も触らず、ボールから離れるように動いていたトレホの足元に渡った。ペペがチェックにいくも間に合わずゴール。

ゲームの流れから見てもこのままずるずる行ってしまうかと思われたが、24分、スナイデルのパスのリバウンドをイグアインが見事なボレーで決め、すぐさま同点に。
マジョルカが主導権を握る中、非常に幸運なゴールだった。

前半はこのまま終了。ボール支配率はマドリーの52%と、マドリーが上回るものの、シュート数はマジョルカ12本(枠内5本)、マドリー4本(枠内1本)と、明らかにマジョルカが良い攻めを見せていたことがわかる。

■必然の勝ち越し
後半開始時はお互い交代はなし。
幸運な得点で追いついたアウェイの試合なので、このまま終わることができればと思っていたが、49分、中盤のプレッシャーからボールを奪われ、アランゴが中央のスペースに持ち込みミドルシュートを決めて勝ち越し。
後半開始直後という良くない時間帯に勝ち越しを許し、試合全体の流れの悪さが際立った。

後半もマジョルカは人数をかけたいい攻めを見せ、積極的にゴールを狙っていた。
守勢に回っているマドリーはカウンターからロビーニョを使いたかったろうが、ロビーニョにボールが渡るまで時間がかかったり、多少スペースがあってもマジョルカの寄せがしっかり来たりと、能力を発揮できない。
サラゴサ戦のように、一度のチャンスで決定機を作り、決める能力と調子が今の彼にはあるが、この試合ではそのチャンスが巡ってこなかった。

66分にラウールとスナイデルに替えてサビオラ、バルボア。
雨でパスサッカーが期待できないため、縦へと機能するであろうこの二人の投入、という面もあるし、
イグアインに替えてではなく、ラウールに替えて、という点でコパで無理をしない、という監督の考え方もあったように思う。

67分にはバルボアのクロスをサビオラがゴール前で受けるというチャンスがあるも、サビオラはキーパーを外して打つことができず、得点ならず。後半最大のチャンスを逃した形となってしまった。

77分に、ホナスと交錯したバルボアに替えてドレンテ。
交代の策が当たった、というより、2-2で2戦目をホームで迎えられれば非常に有利となるマドリーの選手たちが何とか攻めようと、80分過ぎから押し込みだす。
アタッキングサードに侵入する数も増え、ペナルティエリアにボールを持ちこめる回数も増えたが、10分余りで得点を挙げることはできず、1-2で試合終了。

■感想 ―ガゴに合わせた中盤の構築を―
試合全体の流れを見ると、「2点取られたのは当然、1点取れたのはラッキー」だというのが妥当な考え方だと思う。
試合全体のボール支配率はマドリーの53%と、前半同様上回るも、シュート数はマジョルカが21本(枠内8本)、マドリーは11本(枠内4本)と、倍のシュートを許してしまっている。
そのうえボールの失い方が悪く、攻撃の駒を使いこなせないとなれば厳しい。

ガゴがディアラのポジションにあてはめられたが、穴を埋められる、と期待できた場面は少なかった。ディアラより前へパスをつなごうという意識は見られたが、うまくいっているわけではない。
この試合で判断するのは酷なので今後も注目しておきたいが、グティとスナイデルを併用した上でガゴを配置するのは、ガゴにとっても、グティスナイデルにとってもあまり良くない組み合わせのように感じた。
ガゴにとっては中盤で守備に関わる運動量が少なく苦労するだろうし、前の二人にとっては守備が充実しないといい形でボールが持てない。
ディアラがおらず、同じポジションにはガゴしかいない以上、彼の起用を前提として発想すべきだろうから、攻守に一定程度の活躍が可能なバティスタをリーガでは使うべきだと思う。

この試合ではデュデク、バルボア、ラウールが負傷した。
デュデクは左膝双子筋の打撲、ラウールは左膝の打撲と軽傷で、ラウールは日曜日のリーガに間に合いそうだが、バルボアに関しては右膝副側靭帯の捻挫と心配。
ロッベンも再び負傷中となったので、ロビーニョがより多くの時間出場しなければならなくなるかもしれない。そうなるとシーズン全体に及ぼす影響もあるだろう。
シーズン中盤、負傷者の発生が相次ぎ苦しいが、何とか乗り越えたい。

次の試合はリーガ・エスパニョーラ第19節、アウェイでレバンテと対戦。
アウェイながら、2勝14敗2分、11得点33失点と最下位に沈む相手に苦しい試合はなるべくならしたくない。
怪我人をこれ以上出さず、しっかり勝ち点を積み重ねることに期待したい。

posted by hiro |05:06 | コパデルレイ | コメント(0) | トラックバック(0)
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