2012年01月27日

コパデルレイ準々決勝第2戦 vバルセロナ

後半に素晴らしい盛り返しを見せた試合。
敗退は決まったが、チームとして得たものは大きい試合だった、コパ第2戦を振り返る。

■マドリーの先発メンバー
GK:カシージャス
DF:アルベロア、ペペ、セルヒオ・ラモス、コエントラン
MF:ラス、シャビ・アロンソ;エジル、カカ、ロナウド
FW:ベンゼマ

50分:ラス→グラネロ、60分:イグアイン→ベンゼマ、カカ→カジェホン

カカとエジルを併用。期待はしていたが、あまり実現するとは思っていなかった。ラスとペペ、グラネロは何とかなったらしく、出場することが出来た。

■バルセロナの先発メンバー
GK:ピント
DF:アウベス、ピケ、プジョル、アビダル
MF:ブスケツ;シャビ、セスク
FW:アレクシス・サンチェス、メッシ、イニエスタ

29分:イニエスタ→ペドロ、70分:セスク→チアゴ、79分:アレクシス・サンチェス→マスチェラーノ

バルセロナは4-3-3。サンチェスが中央に進出してくることがしばしば。

■
これまでのバルセロナ戦でのマドリーのやり方は両極端。
90分継続しないことが明らかなプレスを仕掛けるか、ラインを下げてリトリートするか。
前者なら後半に疲れていいようにやられ、後者ならボールを前に進められずジリ貧になる。
さすがに一定の時間帯は優位に立つことができるようになったが、それでも試合全体として上回るには至らない。そして耐えるのが苦手なマドリーは精神的にも瓦解するというのがほとんどの試合の流れだった。

この試合でのマドリーは、プレスを掛けることはあっても闇雲ではなく、バルセロナの後方でのパスワークが乱れそうになったタイミングだけ。そしてハーフラインからのプレッシャーという決め事が徹底されていた。
また、単純にリトリートするのではなく、ライン設定はほどほどの高さ。このことはマドリーのフィールドプレーヤーがコンパクトにまとまっていたことを示している。

ショートパスで崩してくる相手に対して、中盤をコンパクトにしてスペースを消すというのは、いわば”定石”。
だが、マドリーは最初に述べたような極端でチームに合わないやり方を取り、いわば自滅していた面がある。マドリーは定石に則り、場面に合わせたディフェンスを行った。

ただ、マドリーにとって、そうした”普通”のディフェンスをするのは難しい面がある。
ロナウドをはじめ、守備をしない、免除された選手たちがいたことだ。今のチームに限らず、過去のチームでもそうだった。そうした特別な選手がいたことで何度となく勝ってきたが、反面チームとしての戦術の整備は遅くなりがちだったのだ。
その歴史を断ち切るように、今回ベンゼマ、ロナウド、エジル、カカといった面々がきちんとコンパクトなラインに入り、守備に運動量を割いたことは非常に大きな出来事だった。モウリーニョに求めていたのは、こうした分け隔てのない戦術の整備であり、この試合でそれを見せてくれた。

この試合のマドリーが、精神的にも充実していたことも特筆しておきたい。厳しいアウェイでの試合、しかも3つのタイトルのうち、一番優先度が低いコパという状況で、気持ちをコントロールし、戦術をきちんと実行できたことは、今後に向けて大きな財産となるだろう。

■この状況だからこそ得られたもの
それでも、バルセロナは2点リードで折り返した。
1点目は、メッシにバイタルで時間を与えてしまったことが要因。アレクシスの裏狙いが影響しているかもしれない。ラインと勝負する選手がいて、バイタルで前を向くと危ない選手もいる、という状況は、ディフェンスにとって非常に難しい。
ラインを崩しがちなコエントランがおり、オフサイドを取ることに確信がもてない状況ではなおさら。ラインがしっかりコントロールされていれば裏狙いはある程度余裕をもてるのだが。
2点目はやむなし。思い切って狙ったアウベスの勝ち。

そして後半マドリーは開き直った。
ボールを持って攻めるためにグラネロを投入。さらに前線で受け手に鳴れるベンゼマと、動き回れるカジェホンを投入した。
グラネロが入ったことで、後方のボール回しが安定し、前線でベンゼマが受けるようになって、ボールポゼッションが良くなった。一気に良くなったわけではないが、いつもの攻め急ぎは全く見られず、自分たちのやりたいことをやるだけの時間を作ることができていた。

1点目はロナウド。2点目はベンゼマ。
ミスが絡んでいるとはいえ、きちんとものにし、2点を畳み掛けたことは、これまでの悪い精神状態からしてみれば、すばらしい進歩だ。
その後、バルセロナをカンプノウで焦らせ、ロングボールを蹴ることを強いた時間帯は、一時的にせよマドリーが精神的にバルセロナを上回ったことを示している。

選手たちが戦術を忠実に実行すること、そして素晴らしい団結と闘争心。
対策をとり続けることで見失っていたような、マドリーとしてのプライドを持って対等に戦い、基本に忠実なやり方と精神力を見出したことで、マドリーは大きな自信を得ることが出来たのだ。

■継続しよう
週末はサラゴサと対戦する。
この試合で見せたようなチームとしての強さと精神力を、だれることなく示してほしい。
もちろん同じテンションでは難しいだろうが、継続することで、より大きな自信と強さを見につけることが出来るだろう。

結果はもちろん、そうした内容の試合が出来るかどうかにも注目したい。

posted by hiro |21:25 | リーガ | コメント(0) | トラックバック(1)
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2012年01月23日

リーガ・エスパニョーラ第1節(延期分) vアスレティック

ストのため延期となっていた開幕カード。厳しいタイミングで厳しい相手。

■マドリーの先発メンバー
GK:カシージャス
DF:アルベロア、バラン、セルヒオ・ラモス、マルセロ
MF:グラネロ、シャビ・アロンソ;エジル、カカ、ロナウド
FW:ベンゼマ

68分:ベンゼマ→イグアイン、73分:グラネロ→ラス、79分:カカ→カジェホン

グラネロが久々のリーガでの先発。エジルが右に入って、ボールを持って何か出来そうというメンバー。

アスレティックの先発メンバー
GK:イライソス
DF:イラオラ、ハビ・マルティネス、サン・ホセ、アモレビエタ
MF:イトゥラスペ;アンデル、デ・マルコス
FW:スサエタ、ジョレンテ、ムニアイン

61分:ジョレンテ→トケーロ、アモレビエタ→イバイ、68分:スサエタ→イニゴ・ペレス

ビエルサが良いチームを作っているアスレティック。マルカでは3トップだが、ジョレンテ1トップのようにも見えた。それだけどんどん飛び出してくる印象。

■アスレティックのやり方
アスレティックは、高い位置からプレス。ジョレンテが行くというより、彼は中を切っていて、デ・マルコス、スサエタ、ムニアインが追い回していく感じ。後ろもしっかり付いてきて、マドリーに窮屈なパス回しを強いる。

アスレティックが素晴らしかった点のひとつは、全員がコースを作るランニングをさぼらないこと。
先制の場面では、イライソスが勇気を持って飛び出してボールを抑えたところからするすると縦へボールが動いていった。マドリーが今シーズン何度か見せた、相手コーナーからのカウンターのようだった。
右サイドを走るハビ・マルティネスに出された時点で勝負あり。中はジョレンテに付くこともできなかった。

■マドリーのメンバーから考える
そういう出方を予想したのかどうかは定かではないが、マドリーは上述の通り足元がしっかりしているメンバーがずらり。
久しぶりの先発となったグラネロだが、ピボーテでわりと存在感を出せていた。攻撃の基点がシャビ・アロンソだけではないことを示す縦パスを通したり、アタッキングサードでシュートを放ったり。ケディラとは違うレベルの技術を見せてくれた。
プレッシャーで危ない時は、カカとエジルがもらいに行って助ける。そうしておいて、サイドで待っているロナウドかベンゼマに出して、という攻撃の流れ。

だが、こういった構成だと守備は厳しい。ピボーテが高い位置にあって、バイタルが空くことが多かった。
ロナウドは何か変化があったと思われ、がむしゃらに走っているが、肝心な時にいないことも多々あった。あれだけパワーを使ってくれるなら、効果的にするようにすればもっとチームは助かる。
右にいることが多かったエジルは、縦パスのコースを切らないポジショニングで後ろに負担がかかっていた。
デ・マルコスがシュートを空振りした場面や、ジョレンテが枠を外した場面で得点されていたら、この布陣は大失敗になっていただろう。

逆に言えば、こうした布陣の方がチーム全体の守備に発破がかかるかもしれない。
攻撃のために後方でも力を割いた分、守備になった瞬間前の4人が置いていかれるのは許されない。アスレティックも良いカウンターを持っているので、一気に危ない場面を迎えるから、本来やるべき守備をやっているかやっていないかすぐにわかる。
ケディラで帳尻を合わせる分前はほとんど何もしない形と、今日のような形であれば、全員に守備のノルマがあるべき後者の方に可能性を感じる。
前者は、CLなどでバルセロナをはじめとする強豪とあたると、取っておいた前線にボールが届かない確率がぐっと高くなってしまう。

プレスで後方が窒息しそうな時に3、4人が残っていたり、攻守の切り替えが遅かったりするのを、ケディラの起用だったり、ペペも組み込んだトリボーテで何とかしてしまうのも一つの回答ではある。
が、コンパクトさを保って全員が守備をできるなら、シャビ・アロンソ依存は大分改善されるし、苦しい時に自分たちの時間を作って盛り返せるのではないか、とも考える。何度も言うが、その場合、攻撃陣の組織だった守備が絶対条件。
その点で、このやり方は磨く余地、伸びしろが非常に多く残っていると感じた。

■素晴らしいショーの前半、マドリー勝利も判定で後半は楽しさ半減
さて、試合は、撃ち合いの様相。
モウリーニョが、それでも何とかなると楽観視できていたかはわからない。だが、それでもこのメンバーをピッチに送ったということは、いずれ何とかなると踏んだ可能性が高い。
先に書いたように、アスレティックは非常に惜しい場面を2度、ミスした。これが入っていれば、試合はアスレティックのものになり、この良い試みもあまり長い時間続いていなかっただろう。

マドリーは、マルセロがたまに見せるリズムの良い上がりで、ベンゼマとのワンツーをし、落ち着いてゴールし同点。
48分にカカが得たPKをロナウド、68分にエジルが得たPKを再びロナウドが決めて3-1。エジルを倒したデ・マルコスが一発退場で、試合の行方は決まった。
前半の攻防はエンターテイメントとしても素晴らしかっただけに、残念な退場ではあったが、足は確かにかかっていた。

最後はイグアインのパスに抜け出したカジェホンがまたもゴールという結果を出し、4-1で勝利。

■今週の予定
前半の出来を考えると、アスレティックにとっては残念な結果。ビエルサのチームは、よく走り、球際ではクリーンな良いチームだった。マドリーも参考にすべきチームといって良い。

さて、ミッドウィークはバルセロナとのコパデルレイ第2戦。厳しい状況だが、頑張ってもらいたい。どうせ攻めなければいけない試合だけに、今日のやり方が参考になるかもしれない。
週末は、サラゴサをベルナベウに迎える。

posted by hiro |21:56 | リーガ | コメント(0) | トラックバック(0)
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2012年01月22日

リーガ・エスパニョーラ第1節 アスレティック戦招集リスト

コパの敗北から3日。難敵アスレティックをベルナベウに迎える。
招集リストは以下。

GK:カシージャス、アダン、トマス・メヒアス
DF:ペペ、セルヒオ・ラモス、マルセロ、コエントラン、アルベロア、アルビオル、バラン
MF:カカ、エジル、グラネロ、シャビ・アロンソ、アルティントップ、カジェホン、ラス
FW:ロナウド、イグアイン、ベンゼマ

ケディラ、ディマリアは負傷中。カルバーリョ、シャヒンは監督の判断で招集外。

話題の中心にいるペペはとりあえず招集された。20人招集されているので、最終的に外れる可能性はあるが。
ディマリアは時間がかかっているので、カジェホンにまたチャンスがありそう。

バルセロナ相手にマンマークで頑張ったアスレティック。マドリー相手の場合、ボールを持たせた方が良いと判断するか、シャビ・アロンソを中心としてきっちり人をつけてくるか。
マドリーは最初は普段と変わらないと思われるので、ビエルサの出方次第で、対応を考えたい。

※コメントを頂いた皆さん、ありがとうございます。お返事は明日させていただきますので、少々お待ちください。

posted by hiro |23:47 | リーガ | コメント(0) | トラックバック(0)
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2012年01月19日

コパデルレイ準々決勝第1戦 vバルセロナ

現地紙の見出しどおり、いつも通りの結果を迎えたバルセロナ戦を振り返る。

■マドリーの先発メンバー
GK:カシージャス
DF:アルティントップ、セルヒオ・ラモス、カルバーリョ、コエントラン
MF:シャビ・アロンソ;ラス、ペペ
FW:ベンゼマ、イグアイン、ロナウド

68分:ラス→エジル、イグアイン→カジェホン、80分:ペペ→グラネロ

久しぶりのペペシステム。センターバックにカルバーリョが入ったが、セルヒオ・ラモスもセンターバック、よってアルティントップが右サイドバックに抜擢。左はマルセロではなくコエントラン。

■バルセロナの先発メンバー
GK:ピント
DF:アウベス、ピケ、プジョル、アビダル
MF:ブスケツ、シャビ、セスク
FW:メッシ、アレクシス・サンチェス、イニエスタ

81分:アレクシス・サンチェス→アドリアーノ、85分:シャビ→チアゴ、87分:セスク→クエンカ

バルセロナは4-3-3。

■メンタルコントロールはどうなっているのか
後半にリードを許した後は、間延びしたスペースを突かれてなす術がなかったマドリー。そうなった時に持ちこたえられず、ラフプレーに走る状況は全く変わっていない。
ピッチに立つ選手にも当然問題はあるが、こういうメンタルで試合に臨ませていて、しかも現場でも落ち着かせることのない監督、コーチ陣のやり方は明らかに間違っている。

先日のマジョルカ戦でもビハインドにはなったが、ピッチ上での反応は全く違うものだったことから言っても、バルセロナ戦だけ、明らかに違うアプローチをしている。
「特別なライバルなのだから、当然違うモチベーションで臨むべきだ」という見方もあるだろう。しかし、それは、フットボールの枠内でのこと。暴力行為が気持ちの現れであると言っていいはずがない。

しかも、そうしたモチベーションが全くチームを利することになっていない点もはっきりさせておきたい。
ビハインドを負った終盤にドタバタしたところで、バルセロナはセットプレーで落ち着くだけ。ましてプレー外でカードをもらうような行為は最悪だ。彼らは第2戦はないものと思っているのだろうか。
モウリーニョをはじめとするスタッフも同様だ。やるべきプレーを落ち着いてやれとなぜ言えないのか。
マジョルカ戦では逆転後は選手が落ち着けないからとメモまで用意したモウリーニョが、こういう精神状態の選手に対して忠告できないはずはない。

普通の試合ではないとはいえ、こういう精神状態を放置していることで、試合に勝つ確率をぐっと落としているということに、チームは気づかなければならない。

■大まかに前半
さて、試合。

マドリーの守備の仕方は、ハーフラインからのプレス。入ってきたところで、ペペかラスが捕まえる。ラスはこういう仕事をさせると素晴らしい能力を発揮する。
ベンゼマとロナウドは、ボールに絡んでいくわけではないが、割と下がっていた。サイドを埋めるには良かっただろう。ベンゼマは時々イグアインの役割を肩代わりしながら守備をしていた。
ロナウドはアウベスにぴったり。自陣深くまでついていくこともあった。

先制はマドリー。良い位置で奪ってベンゼマからロナウドへスルーパス。アウベスの競走に勝ち、またいで左足でゴール。これがこの布陣で狙える唯一の形。

バルセロナはそのあと3バックに移るかという時間帯もあったが結局4バックのまま。ロナウドがアウベスをケアしていて、高い位置を取ってもついてくるから、というのも理由の一つだろう。
とにかく、ロナウドが下がってでもついていっていたことで、バルセロナの右サイドは苦しかった。よってサイドチェンジでイニエスタ対アルティントップを狙う。こちらはある程度1対1が計算できるので、バルセロナにとってはねらい目。
そういう合間にもアレクシス・サンチェスが裏を狙っていて怖い。コエントランがオフサイドを取り損ねるラインのミスをちょこちょこ犯していたし、以前もそういうことがあったので、ああいう動きは危なっかしい。

■少しでいいから落ち着きたい
1-0のまま時間は過ぎていったが、マドリーは徐々にボールを取れなくなって、下がる時間が多くなる。取っても効果的に前に出られない。
それが、ラスとペペが中盤に並ぶ大きなデメリットの一つ。
ペペが即攻の場面で持ち上がったことがあって、すぐに奪われてしまったが、あそこにディフェンダーであるペペが登場しなければいけないのが辛い。
ボールの回復地点が低くなった時、しかも失点したバルセロナがプレスを頑張りだした時に、全く繋ぐことができないというのも厳しい。ロングボールの放り込みでは、今のマドリーは効率的に陣地を回復してマイボールを作ることが出来ないからだ。

だからこそ、エジルを先発で使ういつもの形が望ましい。
これによって一気にポゼッションが良くなるとか、バルセロナ相手にボール支配で五分になるとは考えていない。また、カウンターが主な武器であることも変わらなくて良い。
ただ、落ち着ける時間を作ったり、フェイクでもボールを持って攻める形を作らないと、確率の低い放り込みに賭けざるを得なくなる。カシージャスのキックは信頼できないという問題もあるので、なおさらだ。
前線の選手がボールを受けに丁寧に降りてくることと、エジルやカカの起用で、少しでも落ち着ける時間帯を作らなければいけない。

今日も、いつもながらボールを失うのが早すぎる。本質はカウンターでも良いが、中盤のパス回しを工夫できるチームにして欲しいところ。
そのためにエジルを使い、スタミナが怪しいならカカを交代で入れる。両サイドと1トップはロングボールを待ち構えるばかりでなく、より多くショートパスを受けに下がって来る必要がある。

そうやってマイボールで凌ぎながら、ここぞで長いボールを入れるなど、メリハリがないと攻守ともに辛くなる。
今はやれることの幅が狭く、取って素早く前線へ入れざるを得ない。それでは得点のチャンスを作れる可能性はあがらない。当然ながら、しかるべき時に速く攻めてこそチャンスは広がる。
そのタイミングまでリトリートして耐え忍べるか、というと、マドリーは得意ではないので、エジルなどの起用とフォワード陣のトライアングルを作れるサポートでうまく誤魔化したい。

後半プジョルにゴールを許した後(このセットプレーの守備の出来の悪さも致命的だった)の酷さは最初に述べたとおり。

プレーに関して言うと、この4-3-3では、1-0を狙うほかないのが正直なところ。カウンター一発で決めた得点を守りきるしかないと決めた形だ。
だから、失点すると修正がきかない。失点後に急にエジルを入れても、そこから改めて攻撃のやり方を作り直す雰囲気にはなりづらいし、守るつもりで作った形に、攻撃の選手をただ当てはめると、ピッチの中でうまく対応できないままになってしまう。
エジルとカジェホンを投入した決断は買うが、巻き返すために前に出ていった前線と、当初のコンセプトからあまり変われなかった守備陣という乖離が起きてしまった。
それでスペースを与えて、万事休す。

■継続性はどこへ
リーガでの前回対戦では、割といつも通りの形で臨んで敗北した。その時は、何も対策を取らなかったなとは感じたが、こうしてバルセロナ戦のために、非常に特殊な布陣を組むことが果たしていいのかどうか、疑問が残る。

モウリーニョの2年目に期待するところがあるとすれば、それは近年なかった”継続”というところであって、久しぶりに2年目を迎えたチームが、これまでのやり方をアップグレードしていくことにあったはずだ。
ところが、ことバルセロナ戦に限って言えば、毎回がらりとやり方を変えている印象で、継続とは程遠い一連の対戦となってしまっている。
もちろん、こうした4-3-3の練習はそれなりにしているとは思う。だが、普段のやり方を完全に放棄するかのように臨むと言いことは、毎回更地からスタートするのに近い印象を持つ。

この試合のように、ロナウドやベンゼマに守備参加をさせられるということは示したのだから、いつもの4-2-3-1を守備的に実践することは十分に可能だろう。
普段なら4-2で守りがちなところを、きちんと下がるという約束を守らせ、奪った後は少しでも時間を作る、ということでも大分違うし、エジルなどの攻撃的な中盤の選手を起用も出来る。

要するに、エジル、カカが使えないのは、ロナウドの分の守備負担をペペやラスに被せるためなので、きちんと組織を形成できれば、エジルやカカの起用はできる。
現状では、そこを放置しているので、中盤の攻撃を作る能力を犠牲にせざるを得ない形になっているということだろう。

■今後の予定
今のままで、カンプノウで2点取るのは余りに難しいが、リーガはリーガでやってくる。週末はアスレティック・ビルバオをベルナベウに迎える。

来週のミッドウィークに第2戦が開催されるが、マドリーのユニフォームに恥じないプレーと態度はもちろんながら、これまでの積み上げを感じさせる内容を見せてもらいたい。

posted by hiro |23:40 | リーガ | コメント(4) | トラックバック(1)
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2012年01月15日

リーガ・エスパニョーラ第19節 マジョルカ戦招集リスト

今節でリーガは折り返し。マジョルカとのアウェイの試合に臨む。招集リストは以下。

GK:カシージャス、アダン、トマス・メヒアス
DF:セルヒオ・ラモス、マルセロ、バラン、アルビオル、ペペ、コエントラン、アルベロア
MF:ラス、シャビ・アロンソ、エジル、カジェホン、グラネロ、シャヒン、カカ
FW;ロナウド、イグアイン、ベンゼマ

ディマリア、アルティントップ、ケディラは負傷中。カルバーリョは監督の判断で招集外。

カルバーリョはマドリーCとの居残り練習もしているとのこと。まだコンディションが良くないということだろう。

ケディラがマラガ戦で足首を痛め、1ヶ月ほど離脱する予定。これまでの傾向から言って、ラスがピボーテに戻り、アルベロアが右サイドバックというのが普通の解決策だが、コエントランが右に入ったりピボーテに入る形を再び使うようになるかもしれない。
シャヒンとグラネロに入り込む余地はあるか。

コパでもバルセロナとの対戦が決まり、緊張感のある日程が続くが、すっきり勝って、ミッドウィークに向かいたい。

posted by hiro |00:21 | リーガ | コメント(0) | トラックバック(0)
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2012年01月11日

リーガ・エスパニョーラ第18節 vグラナダ

週末のグラナダ戦を振り返る。2012年のリーガ初戦だが、コパデルレイでのマラガ戦では酷かった。とりこぼしが怖いリーガではどうか、という試合。

■マドリーの先発メンバー
GK:カシージャス
DF:ラス、バラン、セルヒオ・ラモス、マルセロ
MF:ケディラ、シャビ・アロンソ;ベンゼマ、エジル、ロナウド
FW:イグアイン

53分:ベンゼマ→カジェホン、67分:エジル→カカ、82分:イグアイン→アルティントップ

ベンゼマとイグアインを併用。アルベロアが招集されなかったため、右サイドバックはラス。

■グラナダの先発メンバー
GK:ロベルト
DF:ヌジョム、イニゴ・ロペス、ディアカテ、シケイラ
MF:イェブダ、ミケル・リコ;ウチェ、カルロス・マルティンス、ダニ・ベニテス
FW:イガロ

62分:イェブダ→フラン・リコ、66分:イガロ→ヘイホ、77分:カルロス・マルティンス→アベル

得点は前節終了時で10点。2試合で1点に近いペースで、これは厳しい。一方、失点はわずか16。スター選手がいない中、バルセロナ、マドリー、バレンシアに次ぐ数字を残している。
守備の構築がしっかりしているのと、各選手が持ち場でしっかり頑張っていることの証拠だろう。

■攻めで手詰まり、守りで緩い
グラナダは、特別なマドリー対策があったというよりは、自分たちのやり方を精一杯とイメージだっただろう。
守備面では、マドリーのパスの出所であるシャビ・アロンソにフォワードがついて回るような感じはなく、はっきりとリトリートしてしまう形が見られた。よってシャビ・アロンソには、いつもというわけにはいかなかったが、時間は与えられていた。
また、攻撃面では、マドリーのプレスがあっても、ロベルトも含めて繋ごうという意思は感じた。狭いサイドに寄せられたら、キーパーも使って逆サイドへ、というような形で、プレスをうまくいなす場面があった。

といった状況の相手に対してマドリーがまたも悪かったのは、組み立て段階でのパス精度の悪さと、守備の甘さ。
パスについては、縦パスが引っかかるというレベルではなく、単純な横パスがずれたり、相手へのプレゼントになったりというもの。信頼できるはずのシャビ・アロンソからして、ショートパスがずれまくるという有様で、リズム良くボールを運ぶというプレーからは程遠かった。

守備の甘さは、プレスがかわされたことよりも局面での個々のプレー。
厳しく寄せる選手はほとんど見られず、ゴール前でさえ緩いディフェンスでグラナダの攻撃陣に余裕を持たせてしまった。
一時同点に追いつかれた場面でのマルセロ対ウチェは、マルセロが簡単に縦に突破され、中もグラナダの選手が多い状況。マルセロの守備の雑さは今に始まったことではないが、中の戻りが悪い、スペースが空いているという問題は、最近ちらほらあるように思う。

攻守ともに出来が悪く、マラガ戦の前半とさして変わらない試合展開だったにも拘らず、前半リードできたのは前線の個人の力によるところが大きかった。数度のひらめきをゴールに結び付けてしまえるのは、値段の高い選手だからこそ。
フリーランがほとんどないため、アタッキングサードでの手詰まり感はありありと出ており、前の4人がポジションを替えても縦にボールが入る回数は滅多になく、裏を狙う動きは全くなかった。
ロナウドとエジルのワンツーが決まって先制、セルヒオ・ラモスがコーナーをヘッドで決めて勝ち越し、後半はイグアイン、ベンゼマ、ロナウドと決めたが、試合全体の雰囲気はいいものではなかった。

5-1で大勝というほどのものではなく、2点目のセットプレー、3点目、4点目の個人技が試合をほとんど決定的にしたとしか言いようのない、
得るものの少ない90分だった。

■出来が悪い重要な選手をどう扱うか
パスミスを連発したシャビ・アロンソ、先制点に絡み、5点目を決めたものの、総じてプレーが悪かったロナウドは、それでもフル出場。
チームの中で、ある程度の序列、監督なりの選択の順番というものはどこにでもあるだろうが、出来が悪くても90分プレーする状況は健康的とはいえないだろう。

まず、控え選手のモチベーションの問題は明らかにあるだろう。
また、フル出場した選手の側も、精神的な整理をつけづらくなる危険がある。
今この話題の渦中にいるロナウドについて言うと、本人はとにかく出たいと思っているだろうが、すっきり下げてしまった方が整理しやすい場面もある。

そのために監督と一時的な対立は起こるかもしれないが、そうしたことも含めて、不調時の選手管理を適切に行えるのが良いチーム管理のあり方だ。
重要な選手だから何があっても残すというやり方は、選手への信頼を示せる半面、放任になりがちだし、マドリー生え抜きではないロナウドに対してそれで問題ないかというと、現状を見る限り、今と違うやり方を取るべきだと感じる。

シャビ・アロンソについても同様だ。彼のパスは欠くことが出来ないが、不調ならどうにもならない。
23人の選手を手元においているのは単なる数あわせではなく、こういう時のためのはずだ。

■次はマジョルカ
今週末のリーガはマジョルカとアウェイで対戦。厳しい日程が続くが、多くの選手の頑張りで乗り切ってもらいたい。

posted by hiro |23:04 | リーガ | コメント(7) | トラックバック(1)
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2012年01月07日

リーガ・エスパニョーラ第18節 グラナダ戦招集リスト

今週からリーガも再開。グラナダをベルナベウに迎える。招集リストは以下。

GK:カシージャス、アダン、ヘスス
DF:セルヒオ・ラモス、マルセロ、バラン、アルビオル
MF:ラス、ケディラ、グラネロ、シャヒン、シャビ・アロンソ、エジル、カジェホン、アルティントップ、カカ
FW:ロナウド、イグアイン、ベンゼマ

ディマリア、ペペは負傷中。アルベロア、カルバーリョ、コエントランは監督の判断で招集外。

コエントランが監督の判断でリストに載らなくなるとは、少し前なら考えられなかった。今回は中盤が厚いリストになっている。

ペペはマラガ戦で終盤負傷。間に合わなかった。一方、セルヒオ・ラモスは復帰し、セントラルでプレーできそう。
また、グラネロ、シャヒンが招集されたのはうれしい。中盤でボールを持てる形を模索したい。

posted by hiro |23:39 | リーガ | コメント(0) | トラックバック(0)
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2011年12月18日

リーガ・エスパニョーラ第17節 vセビージャ

コパデルレイの第2戦を残しているが、リーガとしては年内最後の試合。

■マドリーの先発メンバー
GK:カシージャス
DF:アルベロア、ペペ、セルヒオ・ラモス、マルセロ
MF:シャビ・アロンソ、ラス;カジェホン、ディマリア、ロナウド
FW:ベンゼマ

44分:カジェホン→アルビオル、65分:ディマリア→ケディラ、85分:ベンゼマ→アルティントップ

3の中央がディマリア。エジルが調子を落としていて、カカも万全ではないということだろうか。

■セビージャの先発メンバー
GK:ハビ・バラス
DF:カセレス、ファシオ、スパイッチ、フェルナンド・ナバーロ
MF:メデル;ヘスス・ナバス、トロホウスキ、ラキティッチ、マヌ・デル・モラル
FW:ネグレド

44分:トロホウスキ→カヌーテ、68分:ラキティッチ→カンパーニャ、81分:フェルナンド・ナバーロ→アルメンテロス

4-1-4-1。バイタルをメデルが埋める。ペロッティは怪我で不在だが、マルセロにヘスス・ナバスをぶつける形。

■速すぎる攻め
ディマリアの中央での起用に特別な雰囲気はなかった。もともとサイドの選手だから、いつもよりポジションチェンジが多かったことと、いつもより下がって受ける意識があったかなという程度。プレーの内容はいつも通りだった。

ポジションチェンジは、ベンゼマが左サイドへ、押し出されるような形でロナウド中央よりに、カジェホンが前へという形が多かった。
4バックに対して4人が並ぶような形もあって、とても組み立てに参加する感じはなし。シャビ・アロンソ周辺にスペースと時間を作ってあげることが出来なかったので、早くボールが出て行きがち。サイドバックながら時間を作れるマルセロも、ボールはもてるけれどもぱっとせず、縦へあまりにも速すぎる展開が多かった。
表示されるボール支配率よりずっと、ボールを持って攻めている感じのしない試合。

守備もよくわからなかった。前線のプレスはちらほらという程度で、運動量はあまりなかった。にも拘らず、それほど下がる雰囲気もなく、中盤は漫然としていた。
マルセロのサイドはかなり破られていた。ロナウドが戻ってきたら人数は足りることは多いが、いかんせん緩い。マルセロも1対1でやられる場面が何度かあり、ネグレドへのクロスは危なかった。センターバックはケアに奔走し、セルヒオ・ラモスはイエロー、ペペはドブレアマリージャで退場処分となってしまった。

でも、得点はマドリー。フェアじゃない。シャビ・アロンソからディマリアへの縦パスが通って勝負あり。ディマリアについていたメデルが前でカットしようとして入れ替わられたのがセビージャにとっては痛恨。
楽にロナウドへのスルーパスを出す時間があり、ロナウドは今週は落ち着いてゴールを決めた。
36分には裏へ抜け出したカジェホンへのディマリアのパス。カジェホンがちょんと触ってゴール。カジェホンは最近きちんと結果を残せている。
40分のロナウドのミドルが決まって3-0。

ペペの退場はこの後で、攻撃陣の中で”序列”が低いカジェホンがアウト、アルビオルが入った。

セビージャは右サイドから惜しい場面が何度かあった。カシージャスの大きな仕事の機会が久しぶりにあったが、素晴らしいセーブで応対。セビージャはこれが入っていれば望みが繋がったのだが。

10人になったマドリーだが、後半は動きなし。セビージャは攻撃のてこ入れでカヌーテを前半ロスタイムから投入。
前線の枚数、高さは増したが、中盤が少なくなったこの采配はどうだったか。結果としては、スペースの出来た中盤を使えるようになったため、セビージャにとっては失敗となってしまった。

マドリーとしては3-0の時点でカカやエジルを使う必要はないという感じだっただろう。少なくなっているし、縦へ行けるメンバーですばやく攻めてくる方法を徹底。
その速い攻めで、64分にディマリアが抜け出してゴールを決めることに成功し4-0。カヌーテ投入で流れを変えたかったセビージャだったが、これで試合は決まった。
67分にヘスス・ナバスが、マルセロの状況を把握していない悪い動きをついてゴールするも、直後にマヌ・デル・モラルが退場しておしまい。マドリーはその後ベンゼマの得たPKをロナウド、アルティントップの初ゴールが出て6得点。セビージャもネグレドが1点を返し6-2で90分を終えた。

■積み上げは何もなし
大量点ではあったが、内容は非常に悪かった。ゴール前の精度で勝っただけという印象。これだけ縦に速いと撃ち合いになるのは避けられず、意図的にそれを狙ったのかとも思うが、見ていて楽しい試合ではなかった。
ディマリアの一発狙いはポジションを替えても変わらず、アシストはあってもミスパスも多い。前線で中盤を助けられる選手がいなかったことが、ドタバタのペースに拍車をかけた。

勝ち点を落としたくない、という状況だから、セビージャを相手にこれまでと違うことはしたくない、しない、ということだろう。
エジルの控えは現状のプレーから納得できても、シャヒンもグラネロも試すつもりがない招集リストは、極端すぎる。
シャビ・アロンソのパスをスイッチにすることは良いが、そのために彼の時間を作ってあげる選手やボール回しが必要だし、可能ならば彼のタスクを分担できる選手をチームに組み込んでいく必要があるのだが、少なくともこの試合で、現状から脱却しようという試みは示されなかった。
勝ち点はきちんと得る代わりに、今後あるだろうビッグクラブとの対戦に向けては、積み上げは何もない試合だった。

ミッドウィークにポンフェラディーナをベルナベウに迎え、コパの第2戦を戦った後は、試合はしばしお休み。
2012年は1月7日か8日にベルナベウにグラナダを迎えるリーガでスタートする。

posted by hiro |23:12 | リーガ | コメント(0) | トラックバック(0)
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2011年12月17日

リーガ・エスパニョーラ第17節 セビージャ戦招集リスト

ミッドウィークのコパでは控えで勝利。バルセロナ戦の傷心をひきずっている暇はない。今節は強敵セビージャとアウェイで対戦する。
招集リストは以下。

GK:カシージャス、アダン、ヘスス
DF:ペペ、アルベロア、バラン、マルセロ、アルビオル、セルヒオ・ラモス
MF:ラス、シャビ・アロンソ、ディマリア、アルティントップ、ケディラ、エジル、カジェホン、カカ
FW:ロナウド、イグアイン、ベンゼマ

カルバーリョ、コエントランは負傷中。グラネロ、シャヒンは監督の判断で招集外。

コエントランは右太もも筋肉の過負荷とのこと。

シャヒンが招集外なのは残念。彼のような、パスを出せる選手を、シャビ・アロンソ以外に組み込むことを考えないと、いつまでも中盤の組み立て能力が上がらない。
この試合はトリボーテで臨むとも伝えられているが、状態の良くないケディラを無理して使うより、今は新しいことを目指したほうがいい。それほどケディラが良くないといったこともあるが。

サンチェス・ピスファンで厳しい試合になるだろうが、いい内容を期待したい。

posted by hiro |20:07 | リーガ | コメント(0) | トラックバック(0)
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2011年12月13日

リーガ・エスパニョーラ第16節 vバルセロナ

2日遅れでバルセロナ戦を振り返る。

■マドリーの先発メンバー
GK:カシージャス
DF:コエントラン、ペペ、セルヒオ・ラモス、マルセロ
MF:シャビ・アロンソ、ラス;ディマリア、エジル、ロナウド
FW:ベンゼマ

58分:エジル→カカ、63分:ラス→ケディラ、68分:ディマリア→イグアイン

形は4-2-3-1。いつも通りのやり方を選択した。

■バルセロナの先発メンバー
GK:バルデス
DF:アウベス、ピケ、プジョル、アビダル
MF:ブスケツ;イニエスタ、シャビ
FW:メッシ、セスク、アレクシス・サンチェス

79分:セスク→ケイタ、84分:アレクシス・サンチェス→ビジャ、89分:イニエスタ→ペドロ

最初は4-3-3。ポゼッションが落ち着いてからはアウベスがあがり3-4-3に変形。そういう変形が出来るメンバーを選んだように思われる。

■試合前に
まず、コエントランの右サイドバック起用に触れておきたい。

彼のこのポジションでの起用は最近になって始まったもの。
カルバーリョの負傷、それに伴うセルヒオ・ラモスのセントラル移動で右サイドバックのポジションが空いて、当初はラスが中心となって起用されていた。しかしながら、ケディラのプレーが良くなく、ラスをピボーテにおきたかった、という経緯がある。

しかしながら、この試合ではアルベロアも招集され、ベンチ入りもしていた。
前に出て攻撃に絡ませたい、ということならこの起用の1つの理由になるだろうが、プレーを見るに、攻撃は自重する形となっていて、守備が非常に大きなタスクになっていたことは明らかだ。

アルベロアはアヤックス戦でも70分ほど出場しており、コンディションの問題は起用しない理由としては弱いもの。
そうであれば、守備面で信頼できる本職のアルベロアを使うべきだった。もし無理ならば、アルビオルという第二の選択肢もあった。
それでも、右サイドに不慣れなコエントランが先発することとなった。

こうした起用は、ある種の疑念を抱かせるに十分なものだ。
自ら主導したコエントラン獲得の大きな理由、ユーティリティー性を示す場としているということ。
そして、代理人ジョルジュ・メンデスとのコネクションから特定の選手を使っている、もしくは使わざるを得ないのではないか、ということだ。
こうした疑念を晴らし、純粋にフットボール的な問題からアルベロアではなく、コエントランを使ったと言えるだろうか。私はそうは思わない。

また、この疑念はもう一つのところへも波及する。
モウリーニョは全てを勝利のために尽くしているかという、根本的な問題だ。
ビジネス的な見地から先発メンバーが左右されているとしたら、彼のメンバー選考は信頼できないものとなってしまう。
もちろん、クラブは収益をあげなければやっていけないのだから、ビジネスを考える必要はある。しかし、それを考えるのは監督ではない。
かつてもペレスが選手の扱いに介入したとの話があったが、モウリーニョ自身のビジネスにせよ、ペレスのビジネスにせよ、そうしたことをピッチにさしはさむようになっては勝利は遠のくばかりだ。

■全員での守備は構築されないのか
さて、試合。

バルデスのプレゼントパスによるゴールから試合は始まった。
プレゼントパスではあったが、序盤の激しいプレスの賜物といっていいだろう。形はともかく先制したことにより、落ち着くことはできた。
ただ、バルセロナも1失点では形を崩さない。ポゼッションを基盤とした攻撃を整え、途中からは3バック化した。マドリーのプレスが長い時間続くことはない、それは過去の対戦からはっきりしていたから、ペースが落ちてきたところで中盤を厚くすることは、当初から想定していたものだろう。

マドリーの課題はそうなってからの守備。
厚くなったバルセロナの中盤への対応は特になく、主導権を失ったままになってしまった。
また、リードを生かして最終ラインを下げてしまうこともせず。ベルナベウであることも考えれば、そうした選択肢を取ることは避けてもらいたいが、とにかく必要な対応策を取るモウリーニョ、というところを見せてもらいたかったと思う。

また、ロナウドとエジルが守備に参加しない問題は相変わらず存在している。正確に言えば以前よりは参加している。ロナウドはプレス時にサイドバックをケアしているし、エジルも時折下がって守備をする。が、悪く言えばそれだけ。
良くなったとは言え守備が得意ではないマルセロがいる左サイドは、ロナウドの不参加とあいまって、依然として弱点であり続けている。
モウリーニョへの期待の一つは、きちんと守備を出来るチームとすることにあったことを考えれば、この試合で見せたような守備はこれまでの成果としては非常に残念なものだった。

結果として得点機を外しまくったロナウドのプレーは後で触れたいが、ロナウドとエジルを攻撃のために取っておく方法はありきたりのもの。先制してもその形を取らざるを得ないことに、今のチームの限界がある。
カウンターを主体とすることを選択するとしても、いい形でボールを奪わなければいけないという大前提に立ち返れば、この状況は非常にまずい。
ベンゼマとディマリアの守備は献身的だが、彼らが4人分動くことはできないし、逆サイドまでカバーできるわけではないのだ。

ディマリアのポジションについても書いておきたい。
この試合に限ったことではないが、左利きの彼は、右サイドで必ず切り返す。それにしても、カットインもロッベンのような成功の確率を期待できないし、左足からあげるクロスは中の状況に構わないことが多く、リズムを悪くすることが多々ある。
そうであれば、左サイドで使ったほうがいいのではないか。切り返さずにクロスを上げられるし、マルセロの前で守備を頑張ってくれるメリットもあるだろう。

そうしない理由は、ロナウドの左サイド起用を優先しているからだと考えているが、ロナウドばかりに期待しないやり方を目指すのであれば、問題はないはず。
また、遅攻時の改善を目指す場合、中へ中へといきがちな逆足のサイドでプレーするより、サイドを使うプレーも意識できるだろう。

とにかく、全員での守備がまず前提として必要だということははっきりしている。その土台作れれば、やれることはもっともっと増える。

■メンタル面で
決定機をものにできなかったロナウドをはじめ、メンタル面で後手に回った感は否めなかった。
リードしても、自信をもってプレーすることはできないままで、バルセロナとの対戦に非常に神経質になっていることをうかがわせた。

若い選手が多いことも要因としてあるだろう。
また、外部から見られるよりも彼らは繊細であり、期待の大きな試合でそれを跳ね除けることが難しいこともあるだろうと思う。大きな試合で急に力みだすゴール前でのプレーは、技術よりもメンタルの問題だ。

これは一歩一歩解決していくしかない。
当然ながら、成功体験を積み重ねることでリラックスしていくものだ。その意味でも、モウリーニョの言う運をものにし、勝ちきることができなければならなかった。

■前を向こう
とにかく、切り替えが必要。リーガは続く。落ち着いて次の試合へ向かってもらいたい。
とはいえ、そういう他ないというのが実際のところだが。

チーム作りは、一定のところまでは来たといっていいだろう。
あとは、古くて新しい問題である、全員でのプレーが出来ないことをモウリーニョがどう打開するか。
上で書いたとおり、特に守備面でそれができる監督と期待されているだけに、これを解決してもらいたいものだ。

次節はセビージャとアウェイで対戦する。

posted by hiro |09:57 | リーガ | コメント(9) | トラックバック(0)
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