2008年03月07日

CL決勝トーナメント一回戦第二戦 レアルマドリードvローマ

週末のレクレアティーボ戦で連敗を止め、CLでも勢いを取り戻したいマドリー。
素晴らしい雰囲気のサンチャゴ・ベルナベウにローマを迎えて決戦。

■マドリーの先発メンバー
GK:カシージャス
DF:サルガド、カンナバーロ、ペペ、エインセ
MF:ディアラ、ガゴ、バティスタ、グティ、ロビーニョ
FW:ラウール

ペペが復帰したのでエインセが左サイドバック。
中盤ではグティが復帰。バティスタは中盤にもよく顔を出し、ロビーニョはポジションに関係なくボールを受けに回る。

■ローマの先発メンバー
GK:ドニ
DF:シシーニョ、メクセス、フアン、トネット
MF:デ・ロッシ、アクイラーニ、タッデイ、ペロッタ、マンシーニ
FW:トッティ

守備的に試合を進めると予想されたローマだが、右サイドバックに攻撃的なシシーニョを起用した。
カウンターを狙っての起用だろう。
第一戦では機能した守備がサンチャゴ・ベルナベウでもうまくいくか。

■いつまでも「持たされる」
結果を先に言えば1-2とローマが勝利したわけだが、マドリーの問題点は明白だった。
戦前から指摘されたことだが、遅攻の際の攻め手がないこと。
前半からマドリーはボールを支配していたが、攻めが遅くなった時にどうゴールに迫るのかについて、解決策があったようには思えなかった。

ローマの戦略がうまくいった面は確かにある。
チャンスがありそうな時は前線の4人からボールを取りに行くが、無理と判断した時はあっさりリトリートして、ゴール前のスペースを消していた。
トッティを含めて全員が自陣に戻ることが度々あったことからも、意思統一の程がわかる。

幸運にもゴール前でもらったファール、バティスタのフリーキックが入っていれば、サイドからのグティのフリーキックが誰かに合っていれば、とは思うが、逆にいえばセットプレー以外に本当にいい形はほとんどなかったということ。
グティのパスも早い段階で相手にひっかけられるなど、期待されたようなプレーはできなかった。

中央が狭いのはこういった展開の試合では仕方がない。
とすれば、サイドでの展開も必要になるが、そこがマドリーは弱い。

ロビーニョがいるサイド(主に左サイド)は基本的には彼の場所となるので、サイドバックが上がっても混雑することになり、無理に上がることは返ってデメリットとなる。
ロビーニョは得意な左に多くいるので、、守備の意識はそちらに向かい、逆サイドは広く開くことになるが、今日サルガドをうまく生かすことはできなかった。また、セルヒオ・ラモスだったとしても、大きな差はないのではないだろうか。

というのは、そういった考え方がチームにないと思えるからだ。
左から右へ、右から左へといった広い展開がほとんどない。
退いた相手に対してスペースを創り出すには、そうしたプレーが必要だが、片方のサイドで完結するようでは相手は楽。
狭い場所でプレーして運良く突破できればいいが、同等の力量の相手では効率的でないし、技量が劣る相手であっても、広い展開がないならば人数を集めればある程度守れてしまう。

遅い攻めになるということは、相手も味方も多くいる状態でプレーするということ。
その中でスペースを創る広いボール回しができないと、CLのような強敵ぞろいの大会に勝ち残ることはできない。
非効率的にプレーすれば、相手が勝るのは当然。

■バリエーションの問題も
もう一つ問題があるのは、クロスから得点を取れる感触がないこと。
サイドでロビーニョがボールを持った時に、彼ならまず切り込んで得点を狙うだろうが、2つめの選択肢としてクロスがあった方が攻めやすいのは明白だろう。
サイドを使う展開をする気がないのと関連することだろうが、合わせようという選手は非常に限られている。
それではボールを入れても入らなさそう、と判断し、ボールを戻してしまうのも仕方ない。

サイドでボールを持つ側も、中で待つべき側も、サイドからのチャンスの創出について考えていないようだ。結果、守備側としては、中に切り込まれるのを防げば中央で狭くして取れる、というパターンができてしまう。

最初に書いたように、遅攻の際の攻め方のバリエーションの少なさが、こういった追いかける試合で、「ボールを持てる展開」を「ボールを持たされている展開」へと変貌させてしまっている。
この問題は好調だった昨年末も解決策があったわけではなく、今も策は示されていない。
カウンターが、「効率的」攻撃手段となってはいるが、マドリーのようなチームはボール支配率が相手を上回ることが多く、そうした試合でチャンスを多く作るという効率は全く改善されていない。

シュスター体制1年目だから未成熟なせいと考えるべきなのか、そもそもシュスターに解決策がないのか、どちらなのか、まだわからない。
今後リーガ終盤戦に、解決策がピッチに示されないようだと、来シーズン久々のCL制覇という望みは薄いいものになってしまうだろう。さらに言えば、カウンター対策がさらに徹底されるようだとリーガも苦戦する。
ボールを持てる選手が多くいるのだから、それを活用するべき。

■慎重すぎも考えもの
最後に采配について、少し。
サルガドをトーレスに替えたのは怪我だから仕方ないとして、攻めあぐねる試合展開でディアラを61分まで残す必要はなかったのではないか。
また、85分になってソルダードを入れてどうしようというのか。75分に完全な誤審とはいえラウールが一点決めたのだから、決断は早めにすべきだった。
2-1でも延長となるが、しかし、1-1では終わってしまうのに、5分しか賭けに出られないのは、慎重に過ぎる。

まして、バティスタをソルダードに替えるなら、一人少ないディフェンダーをフォワードと替えるようなリスクを負うわけではない。
それなのに5分とは・・・

慎重さももちろん大事だが、これまでシュスターが先々に手を打っていったのを見たことがない。勝っている試合ならそれでもいいだろうが、追いかける試合では大胆さも求めたい。
同じような交代を見ていると、プランがなかったのだろうかと思ってしまう。

■サンチャゴ・ベルナベウを沸かせろ!
週末はホームでエスパニョールと対戦する。
選手も切り替えの大事さを語っているが、そんなに簡単ではないだろう。
とはいってもリーガでも落ち込んだままでは困る。サンチャゴ・ベルナベウの観客を再び沸かせてほしい。

posted by hiro |04:32 | CL | コメント(8) | トラックバック(1)
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2007~2008 CL決勝T1回戦 2ndレグ(3月5日) 【アマデウスの錯乱?】

2007~2008 CL決勝T1回戦 2ndレグ(3月5日)

2008-03-07 08:13 | 続きを読む
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CL決勝トーナメント一回戦第二戦 レアルマドリードvローマ

ローマは上手く戦いましたね。イタリアとスペインの特徴がよくでていて面白かった。ニステルが居ないのも痛かったですが。しかしレアルは、技術にかんしては素晴らしいが、守備は酷い。特にボールを失った後の処理は非常にまずい。守備はローマと雲泥の差があった。ローマの高くもなく低くもないラインの保ちかたは、本当に素晴らしかったと思います。ベストな状態でやればレアルのほうが強いと思いますが、あの守備でチャンピオンズリーグを勝ち抜くのは、厳しいですね。

posted by HIRO | 2008-03-07 05:21

CL決勝トーナメント一回戦第二戦 レアルマドリードvローマ

ニステル、ラモス、スナイデルがいないなか苦戦するだろうなと思い見てましたが、、。ソルダードの評価は低いのでしょうか?ロビーニョが左、ラウールが右、真ん中がソルダードで見たかった。バチスタ、ガゴ、グティが中盤でディアラが控え。ラウールがこちらの方が生きるし、相手も嫌ではと自分は思いました。本当にシュートが少なく点が入りそうな気配がしませんし、チームとしての完成度がローマの方が上でアーセナルと比べるとCLは2年ほど先だと思います。
ベッカム、ロベカルにあった大きなサイドチェンジのパスが今のチームで出せれば、もう1ランク上へ行けると思ってます。最後のカシージャスの表情が印象的だったし、うれしくもあった。この気持ちを来シーズンのCLで、今年はリーグ連覇にがんばってほしい。応援し続けていきたい。

posted by ニイガタ | 2008-03-07 06:52

CL決勝トーナメント一回戦第二戦 レアルマドリードvローマ

ファン・ニステルローイの不在はどのようにお考えでしょうか?私はこれが大きかったと思います。またロビーニョが休み明けだったので、ラウルへのマークがきつくなり、2人はメクセスとファンに完全に止められていました。ラウルのゴールは完全にオフサイドでしょう。反対に、バティスタは割とフリーにしていて、彼のミドルシュートの場面もあったのですが、運がなかったですね。グティエレス君は、イライラするとファウルで止めまくり、チームに害になるのも相変わらずでした。

あと、この日のペペと、交代して入ったブシニッチに全く無力だったミゲル・トーレスは論外として、ガゴはムラが多いのでは?カンナとイケルがフォローに追われるのか、最後は疲れきっていたように思います。ローマの2点目のシーン、イケルの落胆しきった顔が印象的でした。

これで4年連続初戦敗退。相手が悪かったとはいえ、欧州での負けグセがすっかりついてしまいましたね。

posted by Nadal | 2008-03-07 09:26

CL決勝トーナメント一回戦第二戦 レアルマドリードvローマ

負けてしまいました。情けない。
最近の傾向と言うか不調の原因として、以前からhiroさんが指摘されてるように、ボールポゼッションが高いのと、前線からの守備をしないということになるんでしょうね。
ポゼッションサッカーでは1枚も2枚も上のレベルにあるバルサでさえ、エトーという鬼プレスの達人がいなければ機能しません。マドリーはタレントでは劣るので、より攻守において連動性が求められます。前の3人とスナイデル・バティスタの組み合わせは、前線からのプレスからショートカウンターが出来てたように思いますが、グティは攻守において気まぐれで、最近は低めの位置にいるので、前線が守備に行ってもショートカウンターに繋がるようなボール奪取はできません。ただグティが低い位置でガゴと居るようになり、ポゼッションは高くなりましたが、そもそもボールポゼッションが高いサッカーは上手くないので崩せない。完全に手詰まりですね。
CLは敗退しましたが、もう一度前線の守備とそれに連動する中盤が復活すれば、DFラインも高くなり、それによりSBの位置も高くなるので、攻撃のバリエーションが増え、ゴール前の枚数も増えるという、強かったマドリーに戻るのではないでしょうか。鍵はスナイデルとバティスタになると思います。グティも確実な守備をすれば・・・

posted by しろ | 2008-03-07 10:26

HIROさん

こんばんは。

守備に関しては全くその通りだと思います。第一戦で2点取られたことも、同じことが言えるでしょうね。

マドリーの場合は、毎年CLとリーガの二冠を狙うわけですから、守備に問題を抱えているようでは苦しいです。
守備に問題があるということは、同様に攻撃にも問題があるわけですから・・・

posted by hiro | 2008-03-08 02:34

ニイガタさん

こんばんは。

残念ながら、ソルダードはシュスターにテストの機会すらほとんど与えてもらえていませんね。
継続的に使っていれば、と思ったりしますが・・・

代表を狙うクラスの選手なのですから、能力は高いでしょう。
タイプは若干違っても、ラウールとモリエンテスのような組み合わせに将来なり得る存在だと思います。シュスターに使う意思がないのではどうしようもないですね。

シュスター一年目ということで、仰るような全体としての完成度はまだまだですね。
将来のために若い選手を集めたのですから、長い目でやってほしいと思います。
これからに期待したいですね。

posted by hiro | 2008-03-08 02:39

Nadalさん

こんばんは。

ニステルがいなかったのは、チームで一番点を取っている選手ですから、当然悔やまれる点ではあります。
得点という形にならずとも、前線で時間を作れる唯一といっていい選手ですからね。
逆にいえば、彼がいないと苦しいというチームになってしまったわけで、それは問題です。

また、精神的に不安定なグティがいつまでもスナイデルに次ぐ選手というのも、チームとして不安を感じます。
彼は生え抜きとして応援していますが、改善がないですしね・・・

ガゴがパスの面で補完できればいいでしょうが、まだまだですね。
ディアラと組んで前に出ることを期待されている場合はまだ粗さが目立ち、一人で底にいる場合は守備に安定性を欠く。
良い意味で何でもできるようになればいいでしょうが、今のところは「帯に短したすきに長し」という感じですね。

posted by hiro | 2008-03-08 02:49

しろさん

こんばんは。
朝からがっかりでしたね・・・

機能したカウンターだけでなく、ポゼッションを前提としたサッカーに適応させる必要性を痛感しました。マドリーの支配率が50%を下回る状況が多いと思えないので・・・
そういう攻撃ができないと、CLも無理でしょうし、リーガでも取りこぼしが増えてしまうでしょう。

前線にはニステルがいなければ、中盤ではスナイデルがいないと、というようではチームづくりとしては失敗しているのではないでしょうか。
今季はそれで立て直してやっていかなければなりませんが。
長期的に見て、ソルダードをはじめとしたタレントを使わないことはクラブの利益にならないでしょう。
当然結果がでないこともあるでしょうが、我慢しながらやっていってほしいと思います。

残りのシーズンはリーガしかないわけですから、ぜひ立て直して頑張ってほしいですね。

posted by hiro | 2008-03-08 02:59

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