2007年07月31日
Re:ドーピング違反者続出イベント!のコメント欄質問にお答えします
7月26日に書き込んだ内容に関して、質問をいただきました。 ドーピングに関しての内容だったのですが、一言では答えられない質問でしたので、記事として投稿させてもらいたいと思います。 その前に一言お詫びさせてもらいたいことがあります。 今回の投稿に関して、決して自転車の選手・関係者を批判するつもりは全く無かったのですが、後になって今回自分が書き込んだことを読み返してみると、少々度が過ぎた表現があったと反省しています。 僕もスポーツメディアの報道のあり方、特にスキャンダラスな内容となると、こぞって集中的に攻めたてる内容には正直嫌気がさしていると常々感じていたにも関わらず、軽率な表現があったことをこの場をお借りしてお詫びしたいと思います。 Kさん、M.Y.Prez.さんご質問いただきありがとうございます。 まず、Kさんから答えさせてもらいたいと思います。 >ラスムッセンの居場所を知らせる申請が虚偽申告だったってだったって^^; >何ヶ月前だよ!と思いませんか?大体何時何処で練習しているとゆー報告がどのスポーツでも必要なのですか? これに関してですが、現在WADA(世界アンチドーピング機構・http://www.wada-ama.org/en/、日本にはJADA=日本アンチドーピング機構があります)内で作られているADAMSというのがありまして、オリンピック種目に入っているスポーツでトップグループに入る選手は居所情報というものが義務付けられています(今年から僕にも報告義務が生じています)。 これは第1四半期~第4四半期まで3ヶ月毎にいつどこでトレーニングまたは滞在しているのかを書き込まなければならず、正直3ヶ月先の予定を書き込むなんて・・・と頭を悩ましています(苦笑)。 この書き込んだ内容と現在トレーニングしている、または滞在場所が違っていたりすると、義務違反とみなされ警告を受けたりします。 一定回数以上(確か3回以上だったと思います)違反を重ねてしまうと、ペナルティが課されてしまいます。 たぶんラスムッセンはここで引っかかってしまったのではないかと思います。 ただ、それを公表し大会から追放するという行為自体は非難するに値しないとは思うのですが、何故大会期間中にそれを行使したのか、ということについては非常に大きな疑問点ではあります。 そして最後に質問でいただきました、 >合宿中のホテルの先で抜き打ち検査とゆーものはスキー界にもあるのでしょうか? この回答についてですがスキークロスを例にお答えしますと、スキークロスがオリンピック種目として扱われることが決定したのが昨年11月28日に開かれたIOC理事会。 そして僕自身に報告義務が生じる、という連絡を受けたのが今年の6月下旬からです。 またナショナルーチーム自体もこのオフ期になって、ようやくある程度の予算が組まれるようになり、かつ今現在もあるスタッフに関しては交渉中という状況です。 本格的なナショナルチームの合宿もこれからなので、合宿中に抜き打ちで検査を受けたという経験はまだありません。 ただ、FISワールドカップの中においてはこれまで4回のドーピング検査を受けており、その内1回は大会2日前の、いわゆる抜き打ちといえるタイミングで検査を行いました。 昨シーズンもスノーボードの日本人選手が大会直前に体調を崩し、持参した風邪薬をコーチとの相談無しに飲んでしまいました。 大会で表彰台に上がる結果を残したものの、当然ドーピング検査で陽性となり、失格。 ただ、悪質なものではなかったということで、出場停止期間は短期間だったようですが、陽性となった以後の成績は全て白紙となってしまったようです。 実はアルペンでも10数年前に当時のジュニア選手で同じような事件が起こり、その時はたまたま抜き打ちで検査対象となったのですが、陽性という結果に対し、組織委員は1年間(確か2年間では無かったと思います)の出場停止というペナルティを受け、そのままトップグループに戻れることなく引退に追い込まれたケースもありました(当時はドーピングに対して知識のある人がまだまだ少なかった時代であり、陽性結果後のペナルティなどに対して、精神的にかなりやられていました・・・)。 当時ですらそんな状況だった訳ですが、すでに「そんなことは知らなかった」や「わざとでは無い」ということはほぼ通じない世界になってきているので、本当に注意しないといけないと感じています。 結果が白だろうと、黒だろうと、本当のところは当然選手達が全て知っている訳ですが、疑いをかけられればいつの時代も身の潔白を主張するのは当然の流れで・・・、それでは埒が明かないということで、現在のような流れになったのだと思います。 「オリンピックで勝つ」ということは、それだけ大きなことなのだという反動でもあるのかなと思います。 続いて、M.Y.Prez.さんの >サイクルロードレースのドーピング検査は「血液」ですが、スキー競技の検査は「血液」ですか?それとも「尿」ですか? についてですが、僕はこれまで尿での検査のみです。 これは僕の推論ですが、スキークロスに関しては、例えば自転車競技やクロスカントリーのような持久力が非常に必要で重要だ、という種目でも無いと思うので血液までは取っていないのかもしれません。 ただ、当然今後は血液もサンプルとして取る可能性は高いですし、抜打ち検査自体もどんどん増える可能性は非常に高いと思います。 他のスキー種目、特に持久力を必要とするクロスカントリーやバイアスロン、複合競技などは血液を採取しているかもしれませんが、未確認です。 また何か質問等ありましたら、僕の知りうる限り、全てお答えしていきたいと思います。
posted by hiroomi-takizawa |08:53 |
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Re:Re:ドーピング違反者続出イベント!のコメント欄質問にお答えします
御返答有難うございます。
私も、やはり勉強不足ながらダラダラと長文を書いてしまい、今となっては遅いですが、お恥ずかしい限りです。
ご推察の通り、ラスムッセンの場合過去2回、居場所申請で違反しているため・・3回目違反のペナルティーとゆーことだそうです。
今でも、あのタイミングは疑問しか残りませんし、今回のツールは後味の悪いものとなってしまいました。。(個人的に)
それにしても、驚きなのは「オリンピック競技の種目についてのドーピング検査」です。やはりと言うべきか、、どの競技においてもされているのですね。
プロ(アマチュアも)としての体調管理は日課なのでしょうが、今回の記事を読ませて頂いき、その日々の努力の程が窺い知れます。
それプラス凄まじいほどの鍛錬をしているのだからトッププレイヤーの方々には頭が下がります。
以前のコメで「ファンのため」とは言いましたが、真に他人(表現悪いですが)のために競技するとゆーのはあくまで建前ですよね;
「この競技に関しては他のやつらに必ず勝つ!」とゆー熱い気持ちが競技内に表れてこそ真にファンの為でもあることなのかもしれません。あくまで私の意見です;;
そんな、クールであっても内面のアツイ走りを期待してます(勝手な期待ですけど)。今後は一ファンとして応援させて頂きます。
改めまして、真摯なご返答有難うございました。
posted by K | 2007-08-01 08:29
Re:Re:ドーピング違反者続出イベント!のコメント欄質問にお答えします
>Kさんへ
レスありがとうございます。
ドーピングに関しては様々な決まり事が日々増えている、と言っても過言ではないような状況です。
ですから、そういった事をしっかり把握していかないといけない状況です。
これってトレーニングをし続けるより、ある意味難しいかもしれません。
誰の為に競技するのか、自分の為になのか?という部分については、人それぞれだと思います。
ただ一つ言えるのは、自分の意識が試合に向いた時、それは他人の為でも自分の為でも、もちろんスポンサーの為でも無いということです。
自分の持ちうる能力の全てを出し切りたい、その上でどういう結果が待っているのか・・・と、そういう思いが一番強いのではないかなと思います。
僕の考えとしては、誰かの為とか自分の為とか、そういう気持ちが入った時、自分のパフォーマンス=集中力を落とす雑念となり、勝負の中ではあまり良い結果が出ていなかったような気がします。
しかしどういう理由であれ、持ちうる能力を出しきろうと集中しきれた時に、良い結果に結びついていることが多い。
そうなってくると、相手が誰でもあまり関係無くなってくるのですが、それでも気になる選手が同じグループでレースするとなると、やっぱり意識しちゃいます(笑)。
そういう感情を実際のスタートまでにいかに無くせるか、それもまた人間であるが故に感情のコントロールの難しさが面白かったりします。
そして良い結果を残せた時、それを誰かの為に捧げたいとか、これまで頑張った自分に対するご褒美だとか、そうなるのかなと思います。
良い結果で試合が終わると、自分の周りにいる人たちの顔には笑顔が一杯あるんです。
それがまた、次のレースに向かう時の励みにもなるんですよね~。
posted by たっきー | 2007-08-01 20:34
Re:Re:ドーピング違反者続出イベント!のコメント欄質問にお答えします
遅ればせながらご返答ありがとうございます。
尿検査はこれまでポピュラーに行われていますが、近年は「ズル」をする選手がいたという話を聞きましたし、サンプルを取るまで時間がかかることもあるので選手にも大きなストレスになっているのでは、と感じていました。
血液の場合は採血すれば済む話ですし時間もそれほど掛からないのはいいと思うのですが、あの「針」が苦手という人にとっては苦痛かもしれません。
記事を読ませて思ったことですが、それなりの競技会に出る人は体調を崩したときも薬を服用するときには細心の注意を払わなければいけない、ということですね。市販の薬なんて安易に服用したら一発でアウトですものね。
また、いくつかの競技にはある事を知ってはいたのですが、オリンピック種目に入っている競技でトップグループの選手に滞在先の報告義務があることに改めて驚きました。
こうしてみると、まじめに頑張っている選手達の日々の努力には感心いたします。だからこそ「ズル」は許されない、というのは当然の流れだと思います。
改めてありがとうございました。
posted by M.Y.Prez. | 2007-08-02 23:15
Re:Re:ドーピング違反者続出イベント!のコメント欄質問にお答えします
JCF公認審判員の者です。
一通りblogを拝見しました
数点気になるところがありましたので異議申し上げます。
>一回のイベントでこんなにドーピング違反者が出てくるところを見ると、
>選手達の意識もさることながら、自転車競技に携わる人達のドーピングに対する意識の低さを露呈してしまっていますね・・・。
これは明確に否定しておきます。
アンチドーピングの意識の高まりがあったからこそTDF開催中のラスムセンの追放、ヴィノクロフとモレーニの陽性が発見できた面が大きいと考えられます。
ラスムセンの件ですが、彼は二回居場所に関して虚偽を働きました(3回ではありません)
UCIとWADAはTDF開催前からこの情報を知っていましたがTDFのオーガナイザーのASOに事前に通告しませんでした。
そしてTDF中にデンマーク車連のナショナルチーム追放発表を受け騒ぎが大きくなり、
統括団体・オーガナイザーではなく彼の所属するラボバンクチームがチーム内の倫理規定に基づいて彼を追放しました。
明確に黒ではない選手を総合優勝目前で追放するくらい自転車業界はドーピングに関してゼロトレランスの姿勢をとっているのです。
ヴィノクロフに関しては自己輸血ですらない他人の血液を輸血しているので完全に黒です。
また、彼のチームメイトであるカシェキンも同様のドーピングが発覚しました。
輸血は選手本人が個人的に行うことが出来ませんのでアスタナがチームぐるみでドーピングに関わっていた疑惑があります。
この行為は弾劾されて然るべきものです。
この手の血液ドーピングは数年前までは野放しでしたが、チェック体制を整えることにより早い段階での検出が可能になりました。
血液検査をしない場合には全く発覚しないドーピング手法です。
血液の性能向上には有酸素能力の向上以外にも集中力を高める、無酸素運動の心肺負荷を低減する等の効用があります。
かつて水泳で多用された事実もあります。
残念ながら日本に於けるアンチドーピングの意識は極めて低いと言わざるを得ません。
先日サッカー選手の静脈注射が問題になりましたが、日本の他のプロスポーツでは静脈注射で肝臓に負担をかけないで栄養を補給するのは当たり前という競技も存在します。(これはドーピングチェックでは発覚しません)
日本国内のスポーツの大半は全日本選手権レベルでもWADAの規定には適合できない物ばかりです。
何が言いたいかというと「そもそもろくなチェックしていない日本国内からドーピングを批判ができるか?」ということです。
残念ながら日本はアンチドーピングという土俵にまだ立っていないのが現状です。
(予算と人員というリソースの問題も多分にあります)
日本スキー連盟は大会に参加する全選手の採尿と採血とどのレベルまで精密なドーピングチェックを行っているのでしょうか?
それを踏まえたうえで日本スキー連盟がアンチドーピングに関してUCIよりも高い意識を持っているとでも仰りたいのでしょうか?
スキー競技の世界で血液検査が無いのであれば自転車レースで主流の「血液ドーピング」はやり放題ですね。
その他尿で検出できない薬物は今のところ野放しと言うことでしょうか?
自転車競技では1998年のTDFにおける血液ドーピング騒動、所謂フェスティナ事件以降はおそらく他のスポーツではあり得ない位にドーピングチェックをしています。
特に今回は従前のステージ毎の優勝者+ランダムに各チームから数人という体制に加えてイベント中にある休息日に全員から採尿と採血を行っています。
(モレーニは下位の選手でしたがこれで発覚)
>自転車競技に携わる人達のドーピングに対する意識の低さを露呈してしまっていますね・・・。
この一文に関して明確な訂正を求めます。
JCFに関してはろくなドーピングチェックが行われていないことは日本スキー連盟と大差ありません。
posted by とある審判員 | 2007-08-10 11:09
Re:Re:ドーピング違反者続出イベント!のコメント欄質問にお答えします
追加して質問があるのですが
FISワールドカップでのドーピングチェックはどのような物だったのか、
採尿、採血、選手の滞在場所の公開義務などありましたのでしょうか?
またドーピングチェックの対象者は全員なのか、入賞者のみなのか、ランダムで選ばれるのでしょうか?
ドーピング陽性だった場合のペナルティはどれくらいの物でしょうか?
格式的にFISワールドカップは現在の自転車でいうPRO TOURシリーズ(ツールドフランスを含む)に相当するものだと考えてよろしいでしょうか?
UCI傘下の自転車競技(ロードレース)の格式は上から順に以下のとおりです
世界選手権(年に一度)、プロツアー総合(年間約20イベントの総合順位)
ツール・ド・フランス(一般的な知名度は一番高い)
ジロ・デ・イタリア、ブエルタ・ア・エスパーニャ
プロツアー大会
カテゴリー1
カテゴリー2
.
.
各国のローカルレース
ちなみに日本で行われる国際格式の大会は以下の三つ
ツアーオブジャパン(カテゴリー2.2)
ジャパンカップ(1.1)←過去ワールドカップとして開催(現在のプロツアーに相当)
ツールド北海道(2.2)
カテゴリー2.2というのはカテゴリー2でステージレースという意味です。
1.1は同様にカテゴリー1でワンデーレースという意味です
posted by とある審判員 | 2007-08-10 11:41



