2006年07月06日

スポーツエージェントの現状について。 ~日本とアメリカのエージェントの仕事の違い~

 7月1日に、東京「新宿NSビル」で行われた「スポーツエージェントの現状について」というセミナーにインターンとして参加してきた。

 今回の講師は「団野村」氏。日本のエージェントの先駆者であり、野茂選手やマック鈴木選手など数々の日本人メジャー挑戦を支えてきた方である。現在は、ドミニカ・ベネズエラなどの中南米諸国や韓国・台湾などアジア諸国にもクライアントを抱えており、活動の幅が世界標準で動いている。こういった、世界レベルの方が日本や世界のスポーツエージェントについて様々なことを語ってくれた。



 そもそも、エージェントとは選手の契約ならびにサービス契約の締結。フィナンシャル面などのアドバイスなど多岐に及んでいる。ただし、日本とアメリカではエージェントの仕事内容では大きな開きがあるようだ。
 
 まず、業務の行い方。日本では選手の契約時に球団へ一緒に赴くことはほとんど無いそうだ。選手に資料を渡し、選手が直接交渉することが多いという。これは、日本ではエージェントの資格として弁護士資格が必要というところから、このような状況になっているのだろう。
 アメリカでは、選手が直接交渉などは絶対に行わない(メジャー・3Aなど、レベルの高い部分)。以前、交渉で代理人を就けていなかったヤンキースの「シェフィールド」は、同等レベルの他の選手が他球団で自分よりも高い契約を勝ち取り、不満に思ったシェフィールドはヤンキースに契約解除を申し出たらしい。しかし、当初代理人を就けてなく、ただ契約しただけであったシェフィールドは、細かな点での契約などにより契約解除することができず、渋々プレーをしたらしい。去年まで、ドジャースに在籍していた「中村紀洋」選手が、「あんなに契約にとらわれる社会だったとは」と苦悩したのも頷ける。
 また、メジャーでは弁護士資格の有無は関係なく、エージェントとしての申請を行える。まずは、各選手会に登録し、その後選手会のインタービューを受ける。そして、メジャー40人枠に入る選手と契約することが出来て初めてエージェントとなることが出来る。このときの申請は個人ベースで行うそうだ。

 次に、組織の違い。日本では、エージェントの組織はいまだ無いに等しい。その代わりといっては何だが、マネジメント会社というものが台頭してきている。日本選手のは、こうしたマネジメント会社と契約を結んでいるそうだ。その割合は1軍選手枠25人のうち半分の選手は契約を行っているのではないかという見方をしているそうだ。
 アメリカでは、エージェントの組織が成り立っており、「大手エージェント」と呼ばれるような会社も存在する。小さい会社では全ての業務を行うが、大手のエージェントは分野別に分けられ、スカウト・契約・サービスなどのスペシャリストがそろっているらしい。また、大手エージェントと個人エージェントでは資金面やネットワークの面でも差は大きい。ただし、見ようによっては、個人エージェンシーは全て個人で出来るという見方も出来る。
 ちなみに、アメリカの選手の獲得は「えげつない」ものだという。特に選手の獲得競争が激しくなるのは「3A」から「メジャー」に上がる選手に多く見られるそうだ。団氏も言っていたが、その間の選手を大手のエージェントに取られることはよくあるそうで、大変悔しいことだし、逆の立場もあるので複雑だということだ。また、日本とは違い下部組織である「3A」の選手との契約はもちろんのこと、「1A」や「ルーキー」などの有望選手とも契約しているそうだ。

 次に、エージェントの数だ。日本のエージェントの数は、50人にも満たない。しかし、アメリカではMLBのみで300~400人もいるそうだ。さらに、他のスポーツを合わせると数千人のエージェントがいるそうだ。これは、日本では代理人制度は導入されたばかりであるということもあるだろう。しかし、オーナーなどの反発もあり、今後もこの制度が続いていくかは心配なところがある。なぜ心配なのかはの次回お話したい。

 今回は、「エージェントの日本とアメリカの仕事の内容の違い」について触れていったが、次回はさらに深い部分である「MLBとNPBの組織の違い」についてお話したい。



団野村:株式会社KDNエージェンシー代表取締役社長。1957年生まれ。
 1978年から4年間ヤクルトスワローズでプロ選手生活を送り、渡米。1993年、マック鈴木選手と最初の代理人契約を結び、エージェントとして活動を始める。野茂選手をはじめ、伊良部・吉井・中村紀洋選手などの多くの日本人選手のメジャー挑戦をサポート。近年はドミニカ・ベネズエラなどの中南米諸国や、韓国・台湾などのアジア諸国にもクライアントを抱える。2006年、日本にKDNエージェンシーを設立し、日本での活動を強化すると共に、競技を超えたスポーツビジネスを展開している。

posted by hiro34 |23:15 | スポーツ・ビジネス | コメント(2) | トラックバック(1)
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バスケットボールに没頭した学生時代。未だにあと 10cm 身長が高かったら自分の人生は変わっていた、と信じている!(馬鹿ですね〜) 実弟は野球で甲子園出場。4 番でキャッチャーとい...

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Re:スポーツエージェントの現状について。 ~日本とアメリカのエージェントの仕事の違い~

残念ながら参加できなかったのですが、このブログでその内容を少し聞けてよかったです。自分もスポーツマネージメントを学んでいる身なんでマネジメント会社でのボランティアやこのような講演のインターンの話とかも興味ありますね~。よろしくお願いします。

posted by airyo3 | 2006-07-13 23:36

コメントありがとうございます。

 近く、またセミナーがあるようです。情報送りますね。

 ariyo3さんのブログ、コメントできていませんが、楽しく拝見させていただいてますよ!!

posted by hiro | 2006-07-16 18:57

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