2007年04月25日

チャンピオンズリーグ準決勝~マンチェスター・ユナイテッドVSACミラン~

チャンピオンズリーグ準決勝の幕が上がった。
まず第1戦目マンチェスター・ユナイテッドVSACミランの試合、マンチェスターのホームオールドトラッフォード。

満員のオールドトラッフォードのファンから盛大な拍手を受けピッチに立つ22人、誰もが憧れる決勝の舞台への第1ラウンドのゴングが鳴った。

ホームのマンチェスターは多くの怪我人とミランの中盤への警戒からか代名詞である4-4-2ではなく前線を一枚削り、中盤を増やし、両サイドのクリスチャーノ・ロナウドとギグスをいつもより高い位置に配す4-3-3だ。
故障者が多数続出したディフェンスラインは右からオシェイ、ブラウン、エインセ、エブラと堅守を誇った今シーズンのマンチェスターにとっては一抹の不安を感じるラインであった。
中盤においてもパクの故障もありスタメンにはフレッチャーをスタメンで起用。
当然マンチェスターはサイドからのワイドな攻撃が最大の武器であり、今シーズン、バロンドールの可能性もあるロナウドこそがキーマンだ。

一方アウェーのミランは予想通りの4-3-2-1、1トップにはジラルディーノが入り、最終ラインも右からオッド、ネスタ、マルディーニ、ヤンクロウスキーとベストの布陣で挑む。
ミランにとっての不安は今シーズン通して攻撃の際カカ頼みになってしまうことだ。
1トップを張るジラルディーノやベンチ入りしているインザーギにしてもまだ信頼に値するプレーをコンスタントに披露出来ていない、現在リーグ戦ではロナウドが居ることでよりカカも力を発揮するものの、皮肉なことにエースロナウドはレアルでチャンピオンズリーグに出場しており、1シーズンで2チームからの出場は不可のルールにのっとりスタンド観戦しか出来ないのだ。よりカカへの比重が強くなるミランは当然彼の活躍が決勝の地への絶対条件だ。


全世界の人々が注目する試合は開始早々動いた。


前半5分
マンチェスターの右コーナーキック。
ギグスが蹴ったボールはゴール前で待ち構えているロナウドにピンポイントで向かっていった。
ロナウドはそのボールをヘディングで合わせる。
ジーダが至近距離でのシュートを体に当てるものの、ボールは無常にもゴールラインを割る。

マンチェスター・ユナイテッド開始5分先制

満員のオールドトラッフォードは沸いた。
簡単には崩れないと思われていたミランの守備から開始早々の得点は前試合のローマ戦の記憶をほのかに思い出させた。
しかしミランは落ち着いていた。中盤でのボール回し、すぐに取り替えそうというのはなく、まずポゼッションをしながら落ち着いてから隙を狙う。ミランの試合巧者ぶりを感じた。

スピーディな攻撃から一気に攻め立てるマンチェスターとゆっくりしたボール回しから隙を見つけた瞬間ギアチェンジを始めるミラン。

ポゼッション自体はミランだったものの、ペースはどちらとも言えないものだった。
マンチェスターも奪ったらすぐにサイドのギグス、ロナウドからの仕掛けを見せた。
ミランも彼らにドリブルはさせるものの、最後のデンジャラスゾーンでは確実に止めていた。
簡単に飛び込まないミランのディフェンスはある程度の距離を保ちつつ、サイドに追い込む守備を見せていた。そしてルーニーに関してもしっかりネスタがカバーをしていて自由にはさせない。

そんな中、一瞬だった。

前半22分ミランの攻撃

左でセードルフのキープから “ちょこん“と出したパスに反応したのは深い位置から走りこんできたカカだった。
マンチェスターのディフェンスが3人密集する狭いスペースにフリーランニングで入ってきたカカは1トラップで相手を引き抜き、左足で冷静に流しこんだ。
カカは1タッチで勝負を決めていた。

抜群なボールコントロール。

他を寄せ付けないスピード。

そして落ち着いて流しこんだシュート。

マンチェスターの選手は呆然としており、このシュート見た誰もが感じただろう。
カカの違いを・・・
僕も度肝を抜かれた。戦前からファーガソンが「カカが危険」ということを口にしていたようにマンチェスターの選手誰もが注意を払っていたはずだ。狭いスペースでも一人で決めてしまうカカ。

さらに前半37分またもカカだった。

ジーダから蹴られたボールは前線に残っていたカカに渡る。

1対3ここでもカカは見せた。

フレッチャーと競り合いボールを自分のものとしたカカはディフェンスに来たエインセの頭上にボールを蹴り上げ、一瞬で進行方向を変えエインセも抜く、そして後ろから猛然と向かってくるエブラが見えていたのか頭で少し方向を変え無人のスペースに出す。
エブラとエインセがまずい守備を見せたものの、いたし方ないところでもあった。
スペースに出したボールを拾ったカカは落ち着いてゴールに流し込んだ。
マンチェスターのファンは信じられないものを見たかのようだった。スタジアムの大半が声を出せなかった。

前半終了1-2でアウェーのミランのリードで折り返す。
カカの1人舞台であった。

後半開始からミランは怪我のマルディーニに代わってボネーラを投入する。
リードしているミランに少し不穏な空気を感じた。

後半開始からマンチェスターの攻撃がミランを脅かす。
コーナーキックからキャリックがフリーでシュートを打つものの枠を外してしまう。ミランもカウンターを仕掛けるものの、カカ1人の突破に頼るしかなく単発で終わってしまう。

後半14分
ゴールエリアの外で短いパスをつなぎキャリックからフリーのスペースへ逃げ込んだスコールズにパスが繋がる。そのパスをスコールズがダイレクトで浮かせ前線のルーニーにピンポイントで合わす。ルーニーもこのパスをしっかり決める。

同点2-2

その後もマンチェスターの攻勢は続く。
フレッチャー、ロナウドが立て続けにミドルを放つ。ジーダのセーブでなんとか凌いでいたミラン。

勝利の女神は最後の最後に笑った。

後半ロスタイム

負傷のガトゥーゾに代わり出場したブロッキのパスをカットしたギグスがドリブルでミラン陣内に進入していく。ギグスのパスをダイレクトでルーニーが放つ。
ボールはジーダの手が届くことはなくゴールマウスに吸い込まれていた。

3-2マンチェスター・ユナイテッドの勝利

最高の試合であった。高次元のサッカーを披露した両チーム。
第2戦はミランのホーム、ジュゼッペ・メアッツァ
引き分けでは敗退のミラン、アウェーで2失点を喫したマンチェスター。

ミラノの劇場サンシーロは何を見せてくれるのだろう。

posted by hiro |07:17 | サッカー | トラックバック(0)
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2007年04月24日

中村俊輔~世界への翼~

中村俊輔の名前が刻まれた瞬間だった。
 
キルマーノック戦後半ロスタイム中村の左足から放たれたボールはネットを揺らした。
ネットを揺らした瞬間優勝が決定した。
中村の左足が優勝を決定させた。
同時にMVPという名誉ある賞も獲得した。
今期のスコティッシュ・プレミアリーグで誰よりも敵に恐れられ尊敬された証だ。
 
スコティッシュプレミアリーグ
世界三大リーグと言われるセリエA、イングランド・プレミアリーグ、リーガエスパニョーラに比べると華やかさはない。
しかし俊輔の所属するセルティックは今シーズンチャンピオンズリーグベスト16に進出した。
安易には断言は出来ないもののヨーロッパで16番目には強いということだ。
そんなチームで2シーズン目になった俊輔はチームの軸としてFKの名手としてセルティックで舞った。
 
直接FKというのはすべてを無力化するという意味では何よりの武器になる。
ディフェンスのチャージもなければシュートを邪魔する足も出てこない。
障害となるのは9.15メートル先にある大きな人の壁とゴールの前に立ちはだかる守護神だけである。
しかし直接FKを沈めるということは容易いものでもない。
キーパーに準備をさせる時間もあり、180センチを越える男たちがジャンプもするのだ実質2メートル以上の壁だ。
2メートル以上の壁を越えなおかつゴールの枠に飛ばし、キーパーの届かないところに蹴る。
当然のことではあるが、簡単なことではない。
 
俊輔は今シーズンそのフリーキックを何本も決めた。
そして何より世界に驚きを与えたのがチャンピオンズリーググループリーグマンチェスターユナイテッドの試合だろう。
スコットランドリーグが世界で注目されているリーグとはいえない。しかしチャンピオンズリーグという舞台さらに敵は世界に名だたるマンチェスター。
彼の左足から放たれたボールは綺麗な湾曲を描いてネットに吸い込まれていった。
あれだけの制度と技術を備えたキッカーは世界でも限られてくる。それがさらに大舞台となるとより狭き門だ。
一本目はファンデルサールが一歩も動けない場所に放ち、二本目は一本目とほぼ同じ場所に放ちファンデルサールも読んでいたものの、届かないボールであった。
それは俊輔が世界に名を轟かせた瞬間だった。
 
「俊輔がマンチェスター移籍??」そんな噂を耳にすることも同じ日本人として誇りに思う。
世界有数のチームはそう容易く選手獲得の噂が出ないチームでもある。
スピーディで攻撃的なサッカーを見せるマンチェスターに俊輔というパズルは必要なのだろうか?
俊輔はお世辞にもスピードのある選手ではない。クリスチャーノ・ロナウドやルーニーのようなパワーも持ち合わせていない。
しかし彼には抜群のキープ力と正確な左足がある。
スピーディな攻撃とは少しでもスピードを落とすことに成功すれば敵は怖くない。しかしそれが自発的にスピードを落とすことになるとより厄介なものになる。
一瞬止まったと思った攻撃がまた一瞬にしてアクセル全快になれば敵は置いていかれるだけである。
 
ギアチェンジ
 
今のマンチェスターにスピードは感じるものの緩急というものはあまり感じられない。その新たな可能性を実現できる歯車の一つの候補として俊輔は有力なのは納得が行く。
しかしこれはあくまで仮定の話である。
マスコミの流したデマかもしれないし、マンチェスターが本気かどうかもわからない。セルティックに残る可能性もあれば、以前から本人が言う憧れのスペインへ渡る可能性もある。
 
俊輔の名前はすでに世界に知れ渡った。
ヨーロッパリーグのMVPという大きな看板を背負うことはそれ相応のプレッシャーもあれば相応の期待もかかる。
 
フリーキックの名手として、左足の魔術師として
これから俊輔はさらに大きな夢と壁に向かっていってほしい。
 
一人の日本人として、これからの俊輔の成功を切に願う。

posted by hiro |08:36 | サッカー | トラックバック(2)
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2007年04月22日

シカゴの炎

ついにNBAのプレーオフが始まった。

マイアミ・ヒートの優勝で幕を閉じた2006年、今期はどこがチャンピオンリングを獲得するのだろうか?

僕が見たのは、
去年の覇者ヒートと若手軍団シカゴ・ブルズ
しかし前回の覇者ヒートは去年とは模様が違っていた・・・
シャキル・オニール&ドゥウェイン・ウェイドのコンビでNBA最強のデュオとしてリーグ戦で圧倒的な力を示していた去年・・・・
今年の成績は五割を少し越える程度の成績だった。何よりも怪我が大きかった。ウェイドもオニールも怪我の影響で出場試合数が激減した、これだけの選手二人を失えば厳しくなるのも当然であった、さらに言えば以前に比べてオニールの支配力は薄れてきたといわざるをえない。(さすがにオニールも年齢の問題がある)

一方のブルズは粋のいい若手を中心に今年加えた、PJブラウンとベン・ウォーレスのベテランコンビはブルズのディフェンスをさらに強力にした。
元々ハインリック、ノッチオーニなど守備力の高い選手がいただけにシーズン前からプレーオフは確実でひょっとしたらブルズ旋風が沸き起こるかと思われていた。
成長著しい、ベン・ゴードン、ルオン・デンの両者にハインリック、デュホーン、ノッチオーニと毎試合成長を見せるブルズはイースタン最強の地区セントラルカンファレンスでピストンズ、キャブスに引けを取らない成績を残した。


プレーオフ一回戦ホームアドバンテージを持つ試合ごとに成長を見せるブルズか昨年の王者ヒートか??


第1Qからブルズはハインリックを失う苦しい戦いに追い込まれる、「ファウルトラブル」得点能力の高いハインリックが一本もシュートがリングに吸い込まれることなくベンチに下がる。

ファウルトラブルこそがこの試合の鍵を握ることになる。


ウェイド、オニールを中心に主導権を握るヒート、ブルズはハインリックの代わりにゴードンがゲームを作りながら得点を重ねる、デンも得点を重ねヒートに食らい付いていく。
さらにハインリックの代わりにポイントガードを務めるデュホーンもあまり良くない。

これがブルズにとってプラスに作用するとは思いもしなかった。

デュホーンの代わりに入ったセフォローシャは長い手と厳しいディフェンスでウェイドを自由にさせなかった。

ウェイドの得点は無限にある。

本気で点を取りに来たら彼を止めることは中々出来るものではない。セフォローシャはウェイドを波に乗せることはなかった。
守備の苦手なゴードンと上背のないデュホーンではウェイドを止めるのは苦しかったはずだ・・・そしてベンに関しても守護神としてゴール下の主導権をオニールに全権委ねることはなかった。
むしろジワジワとオニールのファウルを増やしていた。万能型のノッチオーニとベンは3Qついにオニールをファウルトラブルでコートから追い出しベンチ観戦にさせた。
そしてブルズはウェイドにもファウルトラブルでベンチに座らすことに成功する。この試合通してシュートタッチの良かったルオン・デンを中心にゴードン、ノッチオーニが要所、要所でヒートにダメージを与える。

第4Qコートに戻ってきたオニールをノッチオーニの果敢な挑戦からオニールにゲームセットを通告する。ヒートはウェイドにすべてを託すしかなかった、しかし絶対的存在のいないブルズはことごとく勝負所でヒートの追撃を許さない。スーパースターのウェイド一人しかいないヒートと複数の有能な選手を有すブルズ。ウェイドがシュートをはずした瞬間にヒートは諦めるしかなかった。

ブルズ96-91ヒート

ブルズがホームでまず1勝を挙げた。
この試合を観る限りこの点差以上に両者の力は開いていたように思える。セフォローシャが新たな武器になり、ハインリックも第一戦の借りを返すべく第二戦は力を示すはずだ。ヒートはオニールの出場時間が限られている上に、ウェイドが絶好調でもない、怪我の影響がまだあるのかもしれない。
20点を決めたアントワン・ウォーカーにしても決して褒められた出来でなく、オニール、ウェイドに頼らざる状況に改善は見られない。

このままシカゴが好調を維持し、ヒートに引導を渡すのか?
それともヒートが王者の意地を見せるのか?

第二戦も注目だ。

posted by hiro |20:59 | バスケット | トラックバック(0)
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2007年04月22日

バイエルン・ミュンヘン王者失墜

バイエルン・ミュンヘンの王者陥落は第30節シュツットガルトの試合で決定的となった。

ドイツにバイエルンあり

ドイツリーグでの絶対的な強さ、ヨーロッパカップ戦でもドイツ勢唯一の世界基準の強さを見せていた『バイエルン・ミュンヘン』
このシュツットガルト戦でもバイエルンの崩壊は証明されてしまった。

前半23分、25分とカカウに立て続けに得点を入れられた。
例年のバイエルンだと失点をしてもここからが強さの見せ所だった。
一番ドイツらしいチーム、それがバイエルンの持つ強さだった。90分間試合を諦めず、徐々に相手を追い詰める姿。バイエルンの持つ強さであった。

今期のバイエルンには粘り強さがなかった。
シュバインシュタイガーが欠場のこの試合、前半のバイエルンには覇気がなかった。
「優勝争いをしているチームなのだろうか?」僕はそうおもってしまった。
まったく攻め手がない。ディフェンスにいたってもカカウのスピードに翻弄されるだけ。
後半も始まって攻撃の糸口が一切見れない。
今期初めから言われていることだが、バラックの穴が埋まっていない。
バラックがいないバイエルンでも優勝できる選手はいる。しかしこれまでのバイエルンはバラックに頼りすぎていたのだろう。
考えてみればここ何年間のバイエルンにはエフェンベルグ、バラックと絶対的な存在抜きには語れない。

今期バラックの代わりに加入したファン・ボメルにしてもバルセロナでサブの選手であり、バイエルンの命運を託すには心もとなかった。

シュツットガルトの前に怖いバイエルンはなかった。試合はそのまま進み、バイエルンは優勝の可能性がほぼ0になった、さらにはチャンピオンズリーグ出場権も獲得することが困難な状況。

バイエルンは来年という道も閉ざされてしまう。サリハミジッチはユベントス加入が決まり、サニョルやハーグリーブス、ピサロにしても移籍の噂が耐えない。チャンピオンズリーグの出場権を失えば、そこに頼っていた資金の穴埋めとして彼らを放出せざるをえなくなるだろう。そしてマカーイも今年で32歳、彼に全盛期の出来を期待するのは厳しい、ポドルスキー、サンタクルスにもまだ信頼を置けない。

バイエルンは大きな変革を迎えなくては行けない、いや望んでなくてもせざるをえないだろう。
黄金期を作りだしたヒッツヒェルトは来期に向けどんな思いをはせているのだろう??

強いバイエルンが戻ってきてもらいたいものだ。

posted by hiro |00:42 | サッカー | トラックバック(0)
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