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21世紀枠の在り方を考える

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智辯学園の初優勝で幕を閉じた今年のセンバツ高校野球。 その中で今年の21世紀枠として出場を果たした釜石、長田、小豆島の3校が大会を彩り多くの人に感動を与えた。 今日はそんな21世紀枠の存在の在り方を改めて考えていきたい。

そもそも21世紀枠とは各都道府県秋季大会で16強、加盟校が多い地区は32強入りした学校を対象に、困難の克服、マナーの模範、文武両道などを評価する出場枠で2001年の第73回大会から採り入れられたものだ。 様々な条件の中でも困難の克服という点において評価された学校が選出されるケースが多い傾向にある。 例を挙げるならば、離島、豪雪地帯、過疎化などが代表的で、近年では東日本大震災からの困難の克服といった形を評価され、いくつかの学校がこの21世紀枠で選出されている。 簡単に困難の克服と我々は口を揃えて言うかもしれないが、これらは我々が想像している以上に厳しいものである事をお分かり頂きたい。 離島であれば、当然の事ながら島内に限られた数の高校しか無く、島内に高校が1校だけというケースも珍しくない。 そのような離島の高校は対外試合を組む事が難しく、試合をするには本島に出なければならない。 数時間で到着するのであればまだしも1日がかりで時間を掛けないと到着出来ない離島だってある。 普通の高校であれば当たり前の対外試合をこんなにも苦労せざるを得なく、当然の事ながら、周りの高校に比べて対外試合の回数も多くはこなす事が出来ない。 大事な試合勘といった部分を養う点においては、あまりにも大きなハンデと言える。

豪雪地帯では冬の間には雪でグラウンドが埋もれてしまうのでまともな練習を行う事が出来ない。 強豪私立校であれば、立派な室内練習場を兼ね備えている事は珍しくないが、普通の地方の公立校はそのような立派な施設は持っていないのが殆どだ。 したがって冬に掛けて、約4ヶ月あるいはそれ以上の期間、まともにボールを触った練習が出来ない。 それにより1番の成長の場である冬の間みっちり練習する学校とやはり差が生まれてしまう事はどうしても否めない。 その中で工夫を凝らして何とか練習する姿は困難でありつつも逞しさを感じるものだ。

東日本大震災などの震災の困難さは言うまでもないだろう。 今大会出場した釜石の選手の中には震災によって親を亡くした選手もいれば、今もなお仮設住宅で暮らしている選手もいる。 辛い経験をしながらもひたむきにプレーする姿は復興に向けた1つのものとなっている。 それは応援している人の姿を見れば、それがひしひしと感じる事が出来た。

いくら困難な条件あるいは素晴らしい行いをしていたとしてもある程度の成績を収めなければならない。 最低条件はあるが、21世紀枠として選出されるのであれば、最低でも県大会ベスト8くらいには食い込んでこないと厳しい。 しかし県大会ベスト8や地区大会に進出しているといても、やはり周りの出場校と比べると体格やプレーの質は見劣りすると言わざるを得ない。 21世紀枠の通算勝率は3割程で決して褒められるような数字では無い。 それらの理由で21世紀枠は必要ないんじゃないかという声が挙がっているのも事実だ。 しかし21世紀枠で選出されるのは多くのハンデを乗り越える以前に普通の高校である事が多い。 そんな普通の高校が全国の強豪校相手に勝率3割というのは立派なのではないだろうか。

21世紀枠についてここまでは肯定的な意見ばかり述べてきたが、否定的な意見もある事も確かだ。 21世紀枠で選出された高校に秋季大会で勝っていながら、選出されないという高校も、もちろん多い。 かつてそれによって議論が起きた事もあった。 いくら困難の克服と言ってもあくまで対決するのは野球だ。 必死の思いで野球に打ち込んでいる球児に対して21世紀枠は欺いているような残酷な存在だという意見も多い事も確かだ。

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高校野球
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高校野球
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「21世紀枠の在り方を考える」へのコメント

大変素晴らしい評価に心から御礼申し上げます。
野球部OBとしてこれからも宜しく見守ってやって下さい、有難うございました。

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