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金博洋

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今のフィギュア界の顔と言えば羽生結弦といって異論は無いだろう。 フィギュアスケートという競技をしっている者であれば、世界中どこで聞いてもきっと同じ答えが返ってくるはずだ。 しかし、ここ最近の「4回転時代」とも呼ばれる男子フィギュア界の風潮の象徴的な存在は羽生でもフェルナンデスでもなく希代の4回転ジャンパー金博洋と言えるのではないだろうか。

今季から宇野と同じくしてシニアデビューとなった金博洋は、シニアデビュー戦の中国杯からNHK杯、GPファイナルと試合を重ねるごとに、演技内容が良くなり、それに比例して得点も右肩上がりに上がり、次々に自己ベストを更新してきた。 そして優勝候補の一角として迎えた先日の4大陸選手権。 SPで98.45という歴代4位の高得点を記録し2位の宇野に対して6点近く差を付けた。 そしてSPで貯金を作って迎えた勝負のFS。 ここで演技に組み込んだ3種類の4回転を含む計4度の4回転を金博洋自身初めて全てをクリーンに着氷する演技を披露。 序盤の3A+1Lo+3Sこそ着氷がやや乱れたものの、ほぼ完璧といって良い演技で技術点は驚異の110点超えを果たし、FSの得点は191.34を記録。 合計289.83は勿論自己ベストを更新し、この時点で2位となった閻涵に20点近くの差を付け堂々のトップに躍り出た。 この大会を含め今シーズンの活躍で、武器であるジャンプのレベルは誰もが認める次元にあるが、表現力やスケーティング技術といった部分では、試合を重ねるごとに良くはなってきてはいるが、他のトップレベルのスケーターと比べるとまだ未熟だと感じるのが本音である。 それだけにFSの演技構成点80.72は少し貰いすぎなような印象を受けた。 どうしても他のトップスケーターに比べると、演技に重厚感を感じらず、振り付けだけに限ればどうしても演技に物足りなさを感じてしまう。 とは言ってもまだシニア1年目の18歳。 このジャンプに表現力が加わると考えるだけで、恐ろしさを感じる限りである。

金博洋がほぼ完璧な演技を魅せた後の最終滑走はP・チャン。 SPで金博洋とは10点近く差を付けられた上にFSで凄まじい演技をした事を考えると、いくらチャンとはいえ逆転は限りなく難しく、大半び人が金博洋の優勝をほぼ確信していたに違いない。 だがこの男は諦めていなかった。 GPFではそれぞれ1本ずつだった4Tと3Aをそれぞれ2本に増やし、難易度を上げてきたにも関わらず、まさしくこれこそが完璧と言えるような「これがパトリック・チャンだ」言わんばかりの演技を披露した。 最後のポーズを決めた後に、あれほどまでに感情を表に出すチャンを見るのは初めてだ。 それほどまでにこの演技が自身にとっても会心の演技だった事が伺える。 演技の余韻がまだ抜けないまま迎えた得点発表でモニターに映し出された得点はFS203.99の計290.21。 自らのFSの自己ベストを上回る得点で金博洋を僅差で上回り、あまりにもドラマチックな展開でSPから10点差を逆転し頂点に立った。

この大逆転の背景にはチャンのスケーティング技術が1番の要因である。 技術点こそ金博洋に4点ほど及ばなかったが、演技構成点では16点以上の差を付けた事によりこの大逆転を生んだ。 チャンのスケーティング技術は、実際に生でチャンの滑りを観た事がある人であれば、お分かりになると思うが、氷を滑る音が鮮明に聞こえてくるのが、氷をとらえて滑っているという技術を顕著に表しており、演技開始からあっという間にトップスピードで滑る事が出来る。 ここ最近の目覚ましい男子フィギュア界のジャンプのレベルアップによってジャンプに注目が集まりがちだが、フィギュアスケートはジャンプだけじゃないんだぞという事を我々に改めて再認識させてくれたような気がした。 昨年に引き続き2年連続で表彰台を逃す事となってしまった宇野も「金博洋の演技よりチャンの演技の方が心に残った」と話しており、恐らくどちらか演技が感動したかという問いに対して、チャンの演技と答える人が大半であろう。 やはり四大陸選手権を含め、大きな大会で優勝するには観客の心に訴えかけるような演技が必要なのだ。 すなわちジャンプだけでなく全ての要素において、より高いレベルでこなさないと、そのような演技は誕生しないと言えるのではないだろうか。

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記事カテゴリ:
フィギュアスケート
タグ:
フィギュア
金博洋
P・チャン
4大陸選手権

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