2007年11月25日
前回の投稿に頂いたコメントにJFKという言葉が目立ったので、私のJFKに対する所感を述べたいと思う。
結論からいえば、JFKはつまらない。加えていえば、JFKが投げるということは、5回6回までしか投げられない先発を見せられることになるのでつまらない。そもそも5回までしか(5回すら投げられない)投げられない先発投手を先発投手と呼んでいいのか。例えば若手で台頭してきた上園という投手がいるが、終盤に打たれるという経験をしないままで、先発投手として上のレベルにいけるとは到底思えない。投手には打たれるという権利もあり、そして観客にはそれを観る権利があるのだ。
岡田の立場からすれば、JFKをフル回転させることがAグループ入りをするための近道であったことは想像に難くないが、その末路が先発投手ほぼゼロ化であったとすれば、原因と結果を取り違えてしまったのだと言って差し支えないだろう。下柳のような投手が先発投手としての市民権を得てしまうどころか、ローテーションを守った功績として複数年契約を求めFA宣言されるような球団が優勝フラッグを掲げることなどあってはならない。今後、球団フロントは馬鹿にされ続けるだろう。JFKなどという姑息な継投策がもてはやされているようだから、関西経済は名古屋や神奈川にさえ追い抜かれてしまうのである。
JFKという分業主義的なやり方をすべての試合で受け入れないわけではない。優勝を左右するような試合で出せる選手はみんなつぎ込むという姿勢を否定はしない。しかし、それが慢性的になってしまうと、選手たちは自分の領域に小さくまとまってしまったではないか。その影響は投手だけであったとは思えない。
JFKのなかに、藤川という投手がいる。この選手についての思い出はいくつかある。その1つが、2、3シーズン前、ほぼ優勝の可能性がなくなった頃に、活躍し勝利した甲子園の試合終了後のインタビューで「僕たちも諦めないので、みなさんも諦めないで下さい」と涙ながらに訴えていたシーンをテレビニュースで目にしたことである。あの驚きは忘れられない。選手がファンに涙を流して応援してくれと頼むことなど言語道断だ。本当に応援してくれと思うなら、さっさと帰って練習でもして次の試合も見事に活躍してみせるのがプロ野球選手の仕事であると私は思う。
もう1つある。それはあの入場テーマ曲である。あれは引く。ドンビキというやつである。そしてあれを大合唱する阪神ファンの節操のなさには感服する。決してリンドバーグをどうこういうつもりはないが、あの雰囲気であの選手の入場時に聴く曲ではないということが言いたい。しかし、マウンドに上がると素晴らしいストレートを投げる。ストレートを楽しんで投げる姿は悪くないが、その前の入場曲が妙な空気を作ってしまうのがいただけないあの感じは、球場でしか味わえないだろう。端的にいって、藤川はナイーブさがあまりに露骨なのだ。
もちろん、彼の長所を観た思い出もある。今シーズン9月14日の中日戦。甲子園での出来事である。先に述べたように、彼はストレートを楽しそうに投げるときがある。調子がいいとき兆候である。その日は、それほど調子が良さそうには見えなかった。同点の場面でマウンドに上がり、あっという間にピンチをつくり4番ウッズを迎えた。そしてツーストライクまで追い込んでから、これでもかというほどストレートを投げた。観ているほうはいつ変化球を投げるのかと待ち構えていた。あれだけストレートを見せてから変化球を投げれば、おそらく討ち取れるだろうと。しかし、彼が変化球を投げることはなく、結局ウッズに決勝タイムリーを打たれた。
いい場面だった。「ここで変化球を投げたら、逃げたことになる」という風に解釈する人もいると思うし、本人も口ではそういうかもしれないが、私は、藤川は打たれる権利をきちんと行使したと思う。誤解を恐れずに言えば打って欲しかったのではないかと思う。投手がああいう状態になるところを観戦するのはなかなか刺激的なものである。そして、そのときは誰に打たれるかが重要なのだ。
もう1人。久保田について少し。前回の投稿で触れた岡田の錯覚が醒めたことに、JFKのなかで一番敏感だったのが久保田である。疲労の蓄積だけであそこまで投球内容に変化が生じるのなら、ブルペンにいるコーチ陣は起用しないと判断できるはずである。しかし、ああいう変化はマウンドにあがったときに顕著になる。終盤は打たれそうな気配が充満していた。まるで、中西清起の晩年である。あれでアンダーシャツを肘までまくり上げていたら、私はほとんど中西と見間違えていたであろう。
ところでテーマ曲でいえば、林が最も興味深い。なかやまきんに君が出てきてもおかしくないボン・ジョビはウケる。怪我を早く治して、来年も頑張って欲しい。テーマ曲はともかく、阪神で期待するほぼ唯一の選手である。広島からFAできた選手などにクリーンアップを任せる必要など全く無い。あの選手に10億出すのであれば、一体福留にいくら出すつもりなのか。福留からスカンを食らうのも当然である。
最後に、岡田がJFKと名づけたわけではあるまいが、今シーズンのような野球をしていたら、一生江川からまともにインタビューさえしてもらえないだろう。シーズン終了後の会談で、その江川と落合からまさか取りこぼすとは言われたチームである。そして、二人の同調には確かな説得力があったことを追記しておきたい。
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2007年11月22日
「プロ野球で重要なのは、勝とうという意志を持つことではない。知らぬまに勝てると思ってしまうことが重要なのだ。(中略)ある時点で、岡田が、何の理由もなく、勝てると錯覚し、その錯覚が全員に感染したというだけのことだ」(1986『世紀末のプロ野球』草野進著)。
今更ながら、セ・リーグ初のクライマックス・シリーズを振り返ってみると、巨人の周到といっていい負け方と、阪神の残酷とすら呼べない負け方が印象に残っている。
阪神ファンならずとも、終盤戦にチームが崩壊していくガタガタという音を聞きとったであろう。私はそれを9月の神宮球場ではっきりと耳にした。先発した杉山はファーボールだけを投げるためにマウンドに上がり、バッターは失投を凡打するために打席に立っているようだった。それを払拭しようと覇気を出した選手をあざ笑うかのように、勝ち越した直後にマウンドに上がったピッチャー渡辺はあっさりと逆転を許していた。
その1ヶ月弱前の8月30日から9月9日かけては、阪神は連勝街道をひた走り10連勝を遂げていたが、その後、敗戦を重ねた。9月28日の中日戦を観戦したが、林のするどいホームラン以外にはとりたてて見せ場もなく、シリーズを終わってみれば首位はおろか、ほうほうの体で3位に納まっていた。そのときの私の懸念は、果たしてクライマックス・シリーズに勝ち抜けるのかどうかではなく、クライマックス・シリーズを巨人や中日と戦えるのかという点にしかなかった。その後の結果はもういいだろう。
では、なぜあの10連勝ができたのだろうか、という疑問に一応の答えを探るべく冒頭に抜粋文を掲げた。1986年、岡田の選手時代に書かれたものだが、彼が監督になってもその本質を窺わせる指摘である。連勝中のチームが連敗中のチームになると、解説者たちは一斉に原因を挙げる。代表的なものは疲労であり運であり、気持ちだ。最後の気持ちについては、解説者たちは草野氏と異なり、勝とうという意志をもつことが重要だと語る。
100歩譲ってそれらが連敗の原因だとしても、そのすべてが満たされた状態であれば連勝できるチームになるという風には、ちょっと考えられない。とりわけ、あの終盤の惨状をみれば尚更である。阪神ファンのほとんどが、チームの連勝が止まり負けが込んできたところで、チーム打率の異様な低さに気付き溜息をついたに違いない。やはりあの10連勝は知らぬまに勝ってしまっていただけのことなのだろう。そして、岡田という人物は感染するとき以上に、治癒してしまうときはあっさりとしたものだというのが私の感想である。
posted by highbury |07:23 |
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2007年11月12日
ようやくといっていいと思う。ベナユンが活躍している。先日のフルアム戦の放送で某スカパー解説者も「彼は100%のスピードでドリブルするのではなく、70%のスピードでドリブルしたほうが力を発揮する」「走る姿勢が素晴らしい」等々、ジェラードに負けず劣らず絶賛していた。たしかにリヴァプールの8番は長距離のパスを正確なポイントにかつ的確なスピードで放ち、インサイドキックのパスひとつで観客を虜にできる稀有な選手である。
その選手とどちらが上かという疑問はおそらく間違っているだろう。ベナユンに期待することとジェラードに期待することは異なる。前出の解説者が言うようにベナユンの良さはドリブルから始まる。彼のパスもシュートもまずドリブルから入ることでより気の利いたものになるのだ。それはなぜか。「走る姿勢が素晴らしい」からだろう。
しかし、私はもう1つベナユンの魅力を挙げておきたい。それは彼の髪型である。黒髪のロン毛。これがいい。しかしまだ短い。欲をいえば、もうあと10cmほど長くてもプレーに差し支えなければ実践してもらいたい。その代わり同じリヴァプールの10番のように、後ろで束ねないでほしい。プレミアのビッククラブのレギュラーでいえば信じられないくらい華奢なベナユンのあの華奢な体型には、日本80年代オタク風のロン毛が似合うと思う。
ところでこのほど、ベンゲルが選ぶベスト11という主旨のDVDが発売された。選ばれた選手とその選手についてのコメントは以下の通り。日本で販売されるのだろうか。ちなみに現アーセナルの選手はコロ1人だけである。
デイビッド・シーマン(GK・245試合出場)
「彼は常に落ち着いていた。いつだって期待に応えてくれたね。微笑みの裏に、固い気持ちを持っていた」
ローレン(右サイドバック・227試合出場)
「契約したときは、中盤の選手だった。彼は本当にタフな男さ。本物の勝者である。常に最も手ごわい相手と対戦してきたが、決して屈しないんだ」
アシュリー・コール(左サイドバック・218出場)
「攻撃が好きなディフェンダーだ。彼がチームのポゼッションを高めているから、周囲は彼を愛したね。常に攻撃する準備をしていた、トップレベルのパフォーマーだよ」
マーティン・キーオン(センターバック・250試合出場)
「マーティンが持つ勝利への欲求は並大抵のものではなかった。1対1での強さは信じられないものだったよ。それでいて、技術も備えていたね」
コロ・トゥレ(センターバック・217試合出場)
「中盤からポジションを変えたのは、信じがたいほどの成功を生んだね。彼は周囲を助けたいという気持ちを自然と持っている。常に100%を尽くせる選手さ」
フレデリク・リュングベリ(右サイドハーフ・285試合出場)
「イングランド代表とスウェーデンが対戦するのを見て、私は彼のファンになったんだ。マーティン・キーオンをかわしていたよ」
パトリック・ヴィエラ(セントラルミッドフィルダー・393試合出場)
「私がアーセナルに加わるとわかったとき、彼にもきて欲しいと頼んだ。常に全力を尽くしてくれたね」
レイ・パーラー(セントラルミッドフィルダー・270試合出場)
「彼の獲得したメダルを見て欲しい。アーセナルのために最大級の貢献をしたことがわかるはずだ。レイは、決して止まらないエンジンを持っている」
ロベール・ピレス(左サイドハーフ・238試合出場)
「彼こそ世界最高の左サイドだと思っている。足もとでボールを扱う姿は、まるでバレエのダンサーだ」
ティエリ・アンリ(フォワード・337試合出場)
「彼はユーヴェで自信を失って、自分はゴールを挙げられないと思い込んでいた。彼がフットボール界のマイケル・ジョーダンだとすれば、我々なくして彼はなかっただろう。彼が再びゴールを欲したとき、彼は得点を奪うことに成功したんだ」
デニス・ベルカンプ(フォワード・298試合出場)
「私が監督に就任したとき、最も才能ある選手が彼だった。アンリかイアン・ライトに、誰とプレーしたかったか聞いて欲しい。デニスだろうね」
posted by highbury |10:41 |
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2007年11月04日
アーセナルは今週と先週で2つの試合を終えて、2ポイント獲得。どちらも先制されてから追う展開となり、終了間際のところで同点にしている。対戦相手からみて2ポイントは妥当かもしれないが、試合内容からいうと4ポイントくらいあっても良かったと思う。
最近、フレブの活躍が著しい。入団当初に比べると、随分チームにフィットしてきている。フレブの良さはパスセンスはもちろん、あの独特なドリブルのスタイルにある。腰を深く落として前後左右に切り返すドリブル。決してスピードで勝負するタイプではなく、間合いとタイミングそして懐の深さで勝負するタイプだ。とりわけペナルティエリア内でのそこまで持つかというほどのドリブルは見応え十分である。
パスに関しては、センスは高い。グラウンダーのボールは早く正確である。しかし、球質はそれに反して極めて凡庸である。力強いという印象も受けないし、スピンがかかって鋭いという印象もあまり受けない。リヴァプール戦でセスクの同点ゴールを演出したパスにしてもタイミングやパスコースは文句のつけようがないが、ボールはフラフラと上がっていつの間にかセスクが抜け出しているといった感じだった。パスは受け手にとってのものという意味では、フレブの球質の凡庸さもまた長所といえるのかもしれない。
ところで、プロ野球。日本シリーズが終わった。
今シーズン何度か球場で見たが、中日はいいチームだった。ただ、名古屋ドームだけはどうも好きになれない。ドームでいえば大阪も東京も同じだが、ドーム球場は時間の感覚がなくなるのがいけない。昼か夜か分からないところでやるのは、麻雀ぐらいで十分である。
寡聞にして南米や欧州のサッカー場にドーム型があるのかどうか知らないが、少なくとも欧州のビッククラブに完全なドーム型の球場はないし、アメリカのメジャーリーグでもほぼないはずである。それはドーム球場を技術的に作れないからという理由ではないと思う。他の目的にも使用できるからという専業主婦的な理由で、サッカー場の周りにトラックを作ったり、グラウンドの上に屋根を拵えたりしてはいけない。
posted by highbury |14:00 |
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