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遅咲き賛歌

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自分の事で申し訳なのだが、私が営利企業に、正社員として、初めて入職したのは38歳の時だった。 年下の上役も同輩も、当然たくさんいた。 それでオールドルーキーという人種には、分野を問わず、ひとまずエールを送りたくなる。 WBCに出場するスター達が、我らがオリックスの平野佳寿が、衆目を集めている今だからこそ、別の球場で、別の相手とファンたちを前に、それぞれの戦いを続けているオリックスのオールドルーキーを見つめたくなる。

オリックスファンがオールドルーキーを語るなら、2011年のドラフトに言及しないわけにはいかない。 この年は指名した8人中、7人が大卒社会人だった。 (以下、カッコ内は翌シーズン開幕時の年齢)

1位 安達了一 (24) 2位 縞田拓弥 (25) 3位 佐藤達也 (25) 4位 海田智行 (24) 5位 庄司龍二 (25) 6位 堤 裕貴 (18) 7位 小島脩平 (24) 8位 川端崇義 (27)

実に平均年齢24歳。 当時の岡田監督の意向が強く反映されたという説も聞こえるが、内情はわからない。 最初に1位で競合した高橋周平のクジを引き当てていたなら、全く違った展開になっていたのかもしれない。

大卒社会人に期待しない声というのも、理解できないではない。 曰く、本当に才能のある奴は高校時代からズバ抜けている、エースや4番クラスはほとんど高卒だ。 確かに素材感で大卒社会人に勝ち目は無い。あればオールドルーキーにはなっていない。 (杉本裕太郎のような稀な例外もいるにはいる。) そこで高卒とはまた別の、大卒社会人ならではの長所に目を向けて欲しい。

①故障の少なさ 甲子園のスターや、大学野球の花形選手の多くが、眩い光の代償を支払ってきた。 肩や肘に故障を抱えながらの連戦連投、膝や腰を痛めながらの全力守備にフルスイング。 それがプロに入ると、かつて体験しなかった水準のチーム内競争に勝ち残るべく、これまで以上に手強い相手選手を前に、結果をそれも即座に出すよう求められる。マスコミやファンもそのプレッシャーを後押しする。 誰もが認める素質を持ちながら、ケガや故障で、あるいはそれをカバーするため投球フォームやバッティングフォームを崩して、力を発揮出来ないまま球界を去った選手がどれほどいたことか。 大卒社会人は同年齢のスター街道を歩んできたプロたちより、遥かに故障が少ない。高校でも大学でも、トップレベルほどの過酷な競争に晒されず、短期間での結果も求められなかったからだ。 ゆえに比較的無難な状態でプロ入りを迎えられ、入団後に力を発揮出来る可能性も高い。

もっともこれは個人差が大きく、2011年組では庄司が入団前からの故障を克服出来ず、一度も一軍に上がれないまま退団している。 他の期でも宮崎祐樹(入団時24歳)や比嘉幹貴(入団時27歳)など、アマチュア時代からの故障を抱えたままプレーし続けている選手は何人かいる。

②指導法/練習法の幅と蓄積 高卒からの6年間をプロとして過ごした選手たちだって相応に過酷な時間を過ごしている筈だが、その高卒プロ選手以上に濃密な時間を送ったからこそ、球団は24歳以降の大卒社会人にプロ入りを乞う訳だ。 肉体が自然に成長したという事例も皆無ではないのだろうが、大卒社会人たちを劇的に変えたのは、ほとんどの場合、自分に合った指導や練習方法との出会いだろう。 逆に言えば高校や大学までの指導や練習方法では何かが欠けていた。 高校、大学、社会人、さらにはプロ球団と各段階で異なった指導を仰ぎ、何通りもの投球フォームや変化球、あるいはバッティングフォームやミートのタイミングを試し、自分に合うのも合わないのも、両方体験してきた蓄積が彼らを支える。 にわかに打ち込まれても、ストライクが入らなくなっても、あるいはバットの芯をはずされても、速球に差し込まれても、そんな苦境に長年慣れてきた男たちは今更慌てない。 修正し、もし修正で足りないなら技術を根幹から見直し、磨き直す。磨き直せないなら、今出来ることで、どうにかチームに貢献する方法を模索する。 成功は保証出来なくとも、焦らず恐れず、自己を見失わずそれを続けるのがオールドルーキーならではだと思う。

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