2009年04月30日

発展途上のマオ 試行錯誤のあとに

 ある意味勝負を捨てた一年が終わった。五輪という最終的な成功の果実を得るための選択だったとはいえ、女王の座を譲り渡し、心ないメディアからは師との軋轢さえ取沙汰される、試練のシーズンの幕切れであった。ロサンゼルスでは表彰台を逃したものの、二週間後に東京に現れた彼女は、様々な試行錯誤を終え、シーズン中のプレッシャーから解放されて、心からスケートを楽しんでいた。笑顔で伸びやかに滑ってこそ、のマオらしさに、観衆も酔い、拍手を惜しまなかった。苦手のルッツと拘りのアクセルを入れ替えたショートプログラムでは、今季の苦戦がウソのように柔らかな月光を滑りきり、戦術の選択肢も増やすことが出来た。フリーでも勢いはおとろえず、コンビネーションジャンプてことごとく回転不足を取られながら高得点を叩き出し、ライバルキムヨナの出した最高点にあと一歩まで迫った。
 来季は回転不足のジャンプに対する減点が緩和されるという吉報がある。しかし、誰もが酔った対抗戦のフリー演技は七回中五回まで回転不足をとられている。気分良く滑れていたが、ルッツとサルコウの回避でフリップとアクセルが二度ずつ、三回転ジャンプの種類は四種類に止まっている。新プログラムの方針は不明だが、演技点でキヨナを越えにくい今季の状況をかんがみれば、ジャンプの種類数がライバルと同じ、(最高難度トリプルアクセルが二回入ってはいるが)では如何かと思ったりする。ルッツなのかサルコウなのか、苦手の克服はやはりメダルの色を左右する気がしてならない。
 しかし、シーズンを終えての露出を見る限り、世界選手権の結果を悔しいとしながらも、最後にほぼ会心の演技が出来た達成感や、シーズン通しての挑戦を終えた安堵の表情に溢れたマオがいた。リスクは覚悟の一年だったことを物語るように。傷ついた心のケアを懸念したりもしたが、私たちの印象以上に、しなやかに強かに成長したアスリート「マオ」がのいた。「私は大丈夫」と言外訴え、見る側の方が励まされている。ただ、先季のように緊張で顔を強張らせたり、不安を抱えたまま窮屈そうに滑るマオはもうたくさんだ。来年二月、笑顔で氷上の中央に立つマオが是非とも見たい。マオらしさを弾けさせ、気持ちよく滑ることの出来るプログラム、環境が彼女に与えられることを願って止まない。

posted by harukonomu |10:23 | 雑感 | コメント(11) | トラックバック(0)
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2009年04月21日

祭りのあと(6カ国対抗戦ガラ)

出場選手以外のゲストも華やかだったエキシビションを振り返ります。

鈴木明子さん
 欠場者に代わっての出演。名作タンゴを楽しめ、私にとっては「儲った」感がありました。来季は特別強化選手に上がって、海外の大舞台も増えるでしょうから、もう一皮むけた彼女に会えるのが楽しみ。代役とは思えぬトップバッターでの熱演でした。
安藤美姫さん
衣装がボレロではない、と思いきや、親交ある絢香のナンバーに戻して結婚のお祝いのメッセージを。肩を外した、との報道を感じさせない伸びやかな滑り。エキシビの彼女は本当に楽しそう。
小塚崇彦さん
今一つ乗り切れなかったこづくん、今季後半点が伸びなくなったのは、名が売れてジャッジの期待が大きくなってきたから。クヨクヨしてはなりませぬ。重圧から解放されたためか、いい笑顔を弾けさせてのラストダンスは私に。
リード姉弟
ステッブの雑さが消えつつあるものの、正直スピードやキレがもう少し欲しい気がする。見映えはいいから、五輪まであと少しステッブアップできればいいのに。
高橋&トラン組
片や移民、片や練習環境とパートナー求めての3か国放浪とか。本戦でのガッツポーズなど、成美ちゃん、結構ツワモノと見ました。スターの揃ったシニアデビューで憶せず演じられる度胸は素晴らしい!我が国始まって以来の男女シングルの隆盛のうちに、ペアの地歩も確かにして欲しい。
織田信成さん
エキシビでただ一人コンビネーションジャンプや3回転をビシバシ着氷、気を吐いてました。モロゾフとのコンビも来季ようやく本格化ですね。
ステファン・ランビエール丈
現役復帰できそうな勢い。華のある数少ないタイプだけに五輪前の引退は悔やまれますが、重圧からの解放があってこそ、の滑りのような気もします。
エヴァン・ライサチェク
ラブソディインブルーは今年の名作のひとつでしょう。チャンプに上り詰めた勢いを、東京でもlいかんなく示しました。ローリーがかなり直したという今季を踏まえると、来季どうするの?。タラソワ&大で壮大な五輪プログラムが見たいから、空けてくれないかしらん。必勝パターンは譲ってくれないよね。
浅田真央ちゃん
貴女は本当にトリがよく似合う。忸怩たる思い、が続いたでしょうが、最後に笑顔が見れて本当に良かった。

日本のファンやメディアに支えられ、大会は盛り上がり成功裏に終了、五輪競技化、のリップサービスの声も上がったほどです。世界選手権直後でモチベーション維持やコンディショニングが懸念されましたが、各選手ともシーズン中と違わぬ熱演を見せてくれました。その一方で、予定されている2年後の日本開催以降は未定。出場選手数の多い大型大会だけに、各国持ち回り開催の問題など、継続に向けては課題がまだまだ山積しているでしょう

posted by harukonomu |01:40 | EX | コメント(2) | トラックバック(0)
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2009年04月17日

国別対抗戦

 国別対抗戦、観戦してまいりました。公式戦とあって、選手間で国ごとに応援しあう以外はシーズン中の実戦そのもの、熱い演技を観ることができました。チームのムード、お国柄などがよく出る団体戦の雰囲気も楽しかったです。男女シングルの印象に残った方などまとめます。
織田 信成
 ノーミスの会心の演技、だったはず。小さな体を大きく使って、ジャンプでも得意のスビンでも見所タップリ。ステッブで小さく躓いたようにも見えましたから、その辺りで80点越えならなかったのかも。
小塚 崇彦
  こづくん、アップの時から少し固い感じでした。何か試そうとしてたのかも知れません。アクセルでパンク、ルッツでは堪えたかに見えましたが結局転倒してしまいました。そこからは動きも縮こまってしまい、残念な結果に。スケートそのものは滑っていたので残念です。フリーに引きずらないといいんですが。
パトリック チャン
  おそらく調整不足だったのではないでしょうか。まさかの二回転倒。演技直後は可哀相な位青ざめてました。でもスビンやステッブはさすがでした。
エヴァン ライサチェク
  完璧なボレロ!世界を制してノッてるとしかいいようがありませんでした。こんなに大人の男を演じられるようになったなんて。タラソワマジックを体現しているかのようです。
ブライアン ジュベール
  この日の男子の主役はこの人!ライサチェクの興奮覚めやらぬうち、自分の世界に引きずり込みました。仏軍主将としてリンクサイドでも盛り上げていましたが、リンクに上がってもその姿勢はそのまま。全てのジャンプを決めたら、後は盛り上げるばかり、とでも言いたげにジャッジ、チーム席、観客にアピールとサービスのしまくり。実戦では考えられないあのステップ、どんな採点になっているのか少し気になりますが、観客が大ウケしたので不問、盛り上げポイントを含めてぶっちぎりの首位、って感じです。
キャロライン ジャン
 昨年の大陸対抗戦以来。あちらは完全なエキシビションマッチ(フリープログラムでの)でしたが、ただ可愛く弾けていた女の子が、シニアで練れ手選手になった感じです。パールスピンもお見事。ただ、今季はほぼ3+2の安全運転で通してしまいましたね。確か、3+3もできていたはずなんですが。
ジョアニー ロシェット
 オフにも入って、万全でなかったように見えましたが、合わせてしまえるのがすごいところ。筋肉質すぎて、正直優雅さや女性らしさを問われると辛いですが、技の確かさと相まって、予想通り力強い女丈夫です。
安藤 美姫
 今日のデキ、良かったです。3Lz+3Loにもチャレンジ、大きなミスは見当たりませんでした。本当に吹っ切れたんですね。楽しんでいるのが観ていて伝わってきて、とても気持ち良い演技でした。このプログラム、気に入っているのかもしれません。

仮装の米国、声のよく出ていたフランスなどに比べて、わが日本チームの選手席が少しおとなしいのが気になりました。真剣モードと言ってはそれまでですが、自国開催ゆえ、もう少しはじけてもいい気がするんですが。



posted by harukonomu |01:15 | 観戦記 | コメント(0) | トラックバック(0)
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2009年04月15日

選考基準&特別強化選手

 五輪選考基準の一部が明らかにされました。グランプリファイナル表彰台(日本人最高位)で内定、あとは日本選手権上位、ほか連盟推薦の余地も残しています。少し曖昧な気もしますが、エースと目されけの大ちゃんが故障明けのため、様々な可能性を残したとも考えられます。一発勝負でないため、ミドルティーンの若手など、思わぬ伏兵の台頭は難しくなるんでしょうか。男女とも3枠。一人づつ位,、若手を抜擢しても将来的にはおもしろいのですが。何より、透明で納得性の高い選考を望みます。
 正式発表ではありませんが、特別強化選手も明らかになりました。男子が、高橋・織田・小塚・無良・南里・中庭、女子が浅田・安藤・村主・中野・鈴木・武田、と当然の選考。ブランク明けながら大ちゃんの特別強化指定はうれしい限り。要請運動中が囁かれるグランプリシリーズ2戦参戦が叶うといいのですが。
 明日から国別対抗戦。チャレンジングな演技が期待できそうですね。

posted by harukonomu |15:32 | 来季情報 | コメント(4) | トラックバック(0)
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2009年04月06日

大ちゃん、氷上練習開始

わが大ちゃん、氷上練習開始です!!
関大HP内ブログを更新してくれました。
4日から滑ったそうで、歌子先生が見守るリンクでの写真付きで、「思ってたより滑れました。やっぱり気持ちいいですね」と弾んだ心境を明かしてくれています。
地味ながら、月曜朝の日経新聞スポーツ欄でも片隅に「高橋大輔氷上練習開始」とウレシクも載せてくれていました。HP更新内容の紹介だけですが、NHKも報じています。思ってたより滑れた、楽しい・・・痛みとか少なかったのかしら。大ちゃん欠乏症で寂しい冬をこえ、涙が出るほど嬉しい!待ち遠しかったわぁ!!まだ心配だけど、無事、シーズンインできることを願って止みません。

posted by harukonomu |22:59 | 来季情報 | コメント(1) | トラックバック(0)
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2009年04月04日

発展途上のマオ~シーズンラスト~

 結局、らしさが発揮できた試合はグランプリファイナルのみ、マオの五輪プレシーズンは試練の時になりました。「攻める気持ちで、」再三彼女は口にしていました。昨年来からの課題だったルッツに加え、サルコーもプログラムに取り入れ、苦手から逃げない文字通りチャレンジングなシーズンでした。幾許かでも勝負にこだわるなら、四大陸や世界選手権のショートのルッツを回避する道もあった筈。踏み切りを気にして2回転にることを思えば、ループあたりで加点を得て、気持ちよくフリーに臨む道が。でもそれは今季の彼女の目的でない。苦手ジャンプの克服を第一にしたうえ、体力勝負のフリー、音楽性重視のショート、エキシビでは初めてのタンゴ、来季の引き出しを増やすため、これでもか、というハードな条件に挑み続けました。ある意味それは勝負を無視して修行を優先したようなもの。よって、今季に限って言えばやはり結果を出すことはできなせんでした。
 覚悟の上とはいえ女王の座を譲った彼女のメンタルを心配しましたが、それは懸念でしかなかったようです。今季初戦のエリック杯こそ、失敗に涙をこらえる姿があったが、ラストには涙なし。むしろサバサバと「ほっとした」と。負けて悔し涙にくれた過去の幼いマオはもういませんでした。「試行は終わった。いよいよ本番」と来季を見据えて気持ちを切り替えようとさえしているようでした。フリー演技後リンクサイドで彼女と抱き合ったタラソワコーチの心中も然りで、「よく辛抱した、頑張った」という労いであったかも。
 そういえば、今季の演技中のマオには笑顔があまり見られませんでした。自らやりたい演技からは離れた試行や修行のなかで、笑顔を置き去りにしてしまったんでしょう。楽しめない想いが演技に出て、ライバルとの思わぬ点差に繋がった感もあります。今季を捧げた答えは来季が終わらなければ出ません。ただ、次の戦いこそは、全ての制約を取り払い、最もらしい演技で笑顔と楽しみを取り戻してほしい。さすれば結果は伴ってくるはず、と思うのです。そして、前をだけ向いて、より進化するマオを一層応援したいのです。

posted by harukonomu |02:54 | 雑感 | コメント(0) | トラックバック(0)
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