熱き氷の世界

町田樹を堪能するアイスショー

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草太

 横浜・八戸・大分・東京と廻った今シーズンのプリンスアイスワールドが終了した。東京楽公演を観覧して気づいたことをまとめる。

町田樹を待ち望む客席の熱気  毎年観覧してきているが、今年明らかに違ったのは「カメラ」(しかも望遠)と「バナー」持参の多さ。露出が少なく肉声を発しない町田樹氏に対して、その姿を捕捉してデータに収め、彼に何とか自らの思いだけは伝えたい熱心なファン心理だ。横浜も観覧したが、今シーズン最後のチャンスかも、という思いが色濃く表れ、より多くの樹シンパが集まっていた。樹氏登場はトリ前、ショーを楽しみながらも、長く静かな「待ち時間」のすぎるのをちょっと重苦しく感じたのは私だけだろうか。異様な熱気があった。   渇望に応える演技  演技は横浜よりブラッシュアップしていた。現役さいごの数年、リンク以外でも独特の言動で楽しませてくれた彼らしく、今回の「あなたに逢いたくて」は歌詞を一句ずつ所作やエレメンツで表し、別離後の未練に身を焦がす女心を男性ながらに演じきってみせた。横浜で少し懸念した技術も、ジャンプの高さや軸の細さ、スピンの速度などほぼ往時に戻り、演技全体を引き締めていた。一人の演技時間としては前作同様かなり長い作品だが、彼を待ちわびたファンには短く感じるだろう。  若いころから見守ってきた身には、「よくぞここまで」と隔世の感がある。心優しくも勝負強いとは言えなかった少年スケーターが一皮むけて千載一遇の五輪出場チャンスをものにし、惜しまれつつの引退後は、ファンと独特の距離感を保つことで逆に唯一無二のプロスケーターに変貌、熱狂を浴びているのだ。見事なまでのセルフプロデュースだろう。  オープニングでは代名詞トリプルルッツを美しく、フィナーレでは根性降りながらトリプルアクセルを見せてくれた。「悲恋三部作」完結宣言でこの先の活動が気がかりだが、昨年同様終演はカーニバルオンアイス。今回のプログラムなら広いリンクも使いこなして別の作品さながらに演じてくれるだろう。

J-POPワールドも終演  J-POPをテーマーにしたチームナンバーも見納め。横浜公演では、今村ねずみさんの昨年の攻めた演出から一転、今シーズンは馴染みのナンバーと相まって少し「軽め」な印象を持っていた。とても失礼だったなあと再確認。3公演を経て、チームワークが熟成、最終公演とあってすべての演目で熱演が続いた。特に、パワフルな「地上の星」からしっとりとした「糸」のくだり、息を呑む美しさだった。メンバーの船橋さん、春木さん二人の卒業公演でもあり、終始温かなムード。来場目的は現役選手目当てもよし、町田君に唯一会えるショーとしてでも良い。ただ、目当てを待つだけでなく、このショーならではのグループナンバーの楽しみ、エンターテイメントとしてのプリンスアイスワールドを満喫してほしいもの。  去る人あれば迎えられた人たちも。競技者としては緊張でこわばった表情ばかり観てきた小沼祐太君や松村 成君が、弾けんばかりの満面の笑みで踊っていたのが印象的。バイトと両立とも聞くので決して楽しいばかりではないだろうが、スケート愛がうかがえた。来シーズン、どんな顔が増えるのだろうか。

 スタンドで写真はほとんどお預け。怪我から無事回復した山本草太君の笑顔だけ。 



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