熱き氷の世界

ドリームオンアイス2012

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 フィギュアの新シーズンを告げるドリームオンアイス。ジュニア以上の国際大会で日本を代表するチームジャパンの面々に加え、今年は男女シングルのワールドチャンピオンを招いた豪華な舞台。初回公演だったので固い演技もあったしジャンプの精度にも目をつぶらねばならないが、初披露プログラムが多く、間違いなくシーズンを占う楽しいエキシビションだった。

対極のジュニアチャンピオン候補
 振付の宮本先生が「実力の150%を詰め込んだ」 と語った新ショートを披露したのは田中刑事選手。シニアに劣らぬ凝ったプログラムで失った全日本チャンピオン奪回と念願のワールドジュニアの座を狙う気概がアリアリ。ポーカーフェイスは相変わらずだが上半身のこなしが柔らかく上達した気がする。連覇を狙うライバル日野龍樹選手が披露したのはジャッキー・チェンに扮した新エキシプロ。こちらも表情は乏しいタイプだが、エキシは昨年の裕次郎に続き、技でなく「ウケ」で乗り切る戦略。エキシだから比べては酷だが、十分楽しい。ヌンチャクはもう少し頑張って!

スワン2題 
 ゲストスケーターの安藤美姫さんとジュニアの宮原知子選手はともにスワンを演じた。今年はブラックでなく短めホワイトスワンの安藤さん。しっとり白鳥に扮して休養中に磨いた演技力の向上は認めるものの、少し大柄な白鳥でジャンプもサルコウとダブルアクセルの連発。競技プロをきっちりこなすのはまだ難しいと見た。復帰に後ろ向きな発言も当然なのかも。スワンにはまだ体が小さすぎるのが宮原知子選手。四肢を動かして羽や鳥の足を表現しようと頑張っているものの、小柄すぎて見えにくい、かな。でも痛々しいのも白鳥らしさで、これからに期待。個人的には、細さがバイウルと重なる。

3M
 男子2番手グループの、町田 樹・無良崇人・村上大介の3選手をまとめてこんな風に括ったキー局があったっけ。でも個性は全く異なる。村上クンの新プロはしっとり系。持ち前のジャンプがきっちり入ったら、メリハリの利くプログラムになりそう。硬軟できるようになったら大人のスケーター。開拓中の新境地が楽しみ。ジャンプを飛びまくっていたのが無良くん。ノーミスだったはず。でも走って飛ぶ体育会系スケートが影をひそめ、プログラムをまとめられるようになってきた。この3人の中で表現力では頭一つ抜けているはずの町田くん。「ロシュフォードの恋人」を披露。私の観た回はジャンプが今一つだったが、ステップもつなぎも凝っている。盛り上がる曲ではないのに、どんどん会場を引き込んでいった。説明はなかったが、もうひと羽ばたきしたい彼の勝負のショートかも。3選手揃ってのグランプリシリーズ奮戦が楽しみ。

追い越せ、追い越せ 
 2年前のショートをエキシに焼き直した小塚崇彦選手。よく合っていたプログラムなので納得だが、ジャンプが絶不調。オープニングの紹介でジャンプを跳ばなかったのを見て、「あれ」と思ったが予感的中。昨季からの迷路、まだ続いているのだろうか。心なしか元気もなかった気がする。その小塚くんが崇拝するカートのプログラムでキレキレだったのが羽生結弦選手。メダリストの自信は大きく、会場の沸かせ方も堂に入ってきた。もう一つ上を目指して頑張りどころの表彰台経験者二人。対照的に見えたのが残念でもある。

チャンピオン二人 
 スケーターとしては大柄な体を折っての「しい」が可愛かったコストナー選手。10年目の正直で女王の座を掴んで、今とても楽しいのが伝わる。難しいエレメンツが入っているわけではないのに、洒落たプログラムに笑顔で会場を自分の世界に包んでいたっけ。
 スケーティングこそさすがだったが、ジャンプが乱れたパトリック・チャン選手。エキシビションだから気にしていないが相当大胆な転倒が続いた。シーズンは万全で出てくるのだろうが、コーチなど組織的変更もあるようで前途が心配。こちらも男女対照的。

シェルブールのアッコ 
 予想通り新エキシプロ。今季は「シェルブールの雨傘」。タンゴにクラシック、ポップスに映画音楽。苦手ジャンルは無いのかと思うほど豊富な引き出し。早変わりもお手のもので、今まさに「脂の乗った」状態をいかんなく発揮。まだまだ暴れそうな気配。

千両役者
 待ち望んだエキシ版ピアソラに会場中が沸く。若手をしり目にトリプルアクセルも決めてねっとりその世界に導いてしまう。ベテラン高橋大輔。際立つ存在感は別次元でまぎれもなくこの日の主役。新シーズンにはそろそろ一回、チャン選手に勝っておきたいところ。

 ショーの余韻に浸っているところへ、ニコライ・モロゾフと高橋大輔の「もとサヤ」発表が駆け巡った。風の便りもあったし、そういえば「また話してみたい」とニコライのことも語っていたもの伏線に思えるが、本当にチームに迎え入れるとは。でも、とりえず振付はしないようだし、モロゾフ組の一員に加わっていた以前と異なり今回はあくまでもニコライが「チーム大輔」に加入する格好。ニコライからの売り込みの上、両者の言葉からも主導権が大輔本人にあるのが窺える。ロシア陣営の人に自国選手を差し置いて「金メダルを取らせる」と言われても興ざめな気もするが、ソチの成果にはロシアとのパイプが不可欠なのも事実。大人な関係で利用すべきところを大いに活用したらいいだけ、と思う。賛否両論、むしろかつて袂を分かった経緯からニコライに懐疑的な声も多いようだが、揺るぎない基盤を固めた大ちゃんを信じて、プラスの化学反応を期待したい。



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