Moon Ball in the Sun

2017全米観戦記~いつもと違うが楽しんでます

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マレー、ジョコビッチ、ワウリンカ、錦織、ラオニッチ・・・。ここ数年、ATPツアーのトップ10を支えてきた顔触れが、怪我により2017年全米オープンのコートに立てませんでした。

しかし、ニューヨークのフラッシング・メドウ会場は相変わらずの盛況です。今年からモバイルチケットが導入され、紙媒体を通さずにチケット購入、転送、転売などが出来るようになりましたが、モバイルでの情報提供の充実、試合会場の構造改善も加わって、ますます観戦者フレンドリーな大会になっています。

それで私は・・・と言いますと、ダニエル太郎、杉田祐一、奈良くるみ、大坂なおみ、日比野菜緒の試合を熱く応援してきました。土居、尾崎、江口の試合は残念ながら見に行けず。2回戦でナダルと激突し、巨大なアーサーアッシュ会場に入ったダニエル太郎はともかく、その他の試合は、5番コートや13番コートでしたので、選手の溜め息が聞こえるような距離で応援できました。あの距離なら、控えめな私の声援ですら選手に届いたかもしれません。デ杯やフェド杯でいえば、チームメイトのような距離感で声援を送れる一体感。アーサーアッシュでフェデラーやナダルの試合を遠くから観るのもいいですが、好きな日本人選手を近くで応援する。これも全米オープンのもう一つの楽しみです。

1週間ほど前、ある日本人コミュニティで多くの日本人観光客と会いましたが、この時期ニューヨークにやってくる方々の中には、全米オープンを目当てにした方が多いですね。私がお話できた方に限っていうと25%ぐらいがそうです。そして共通に抱える錦織選手欠場への忸怩たる思い。錦織選手の今シーズン離脱報道から少し時か経ったとはいえ、そのショックはニューヨークに来てもさすがに隠せず、苦笑いに大きな喪失感をまじえて語る方が多かったです。

私も仕事の関係でニューヨークに駐在しているとはいえ、心情的にはまあ同じようなものです。詳しくは前々回の記事「テニスファンと錦織ファンの狭間で」で吐露した通りで、今でも胸に大きな穴が開いています。もちろんテニスは大、大、大好きです。今年、錦織選手が出られなくても、それは一生変わりません。トップ選手のパワー、技巧、それぞれが抱えるドラマ、ゲーム中の駆け引き・・・・。もっと言うと、テニスの世界を彩る色、音、形、リズム、息苦しさ・・・すべてが大好きです。しかしです。更にその上にある贅沢を味わってしまったら、その場所からなかなか引き返せないことに気付いてしまいました。

それは、理屈抜きに応援できる選手がいる充実感、その夢の実現を祈る問答無用の感情移入です。奇跡の甲子園出場を果たした母校を見守るOB、箱根駅伝メンバーに選ばれた息子を見守る母親。それは米国の大リーグ観戦やオリンピック、世界陸上といった頂上決戦であっても決して味わえない、その瞬間、その人だけの超絶体験です。その強烈な感情移入体験と世界最高峰のトーナメント感動体験を同時実現させてしまったのが錦織選手です。痺れる局面で飛び出すウィナーに、観客席の私は、思わず脊髄反射で前の席を蹴飛ばしてしまい、アメリカンおやじに睨まれたり、まさかのイージーボールのスマッシュミスに天を仰いで、後ろの席の金髪娘と目が合って失笑を買ったり・・・振り返ってもちょっと鬱陶しい観客でした。それでも最後に圭は勝ち切る。良い場面も悪い場面もひっくるめて、すべて洗い流してしまうカタルシス。本当に最高の観戦体験でした。

さて2017年全米オープン。結果として私が観戦した日本人選手の試合はすべて負け試合になってしまいました。応援に行けなかった土居、尾崎、江口はそれぞれ、ストリコバ、シューアイ、Kr. プリスコバと骨のある相手に敗れ、日比野と奈良は、ともに奇しくも同じ相手、ダブルスの名手サファロバに敗れました。サファロバは、ダブルスの試合で優勝すると、パートナーと並んで照れくさそうなダンスを披露する茶目っ気のある選手ですが、近くで見ると、スラッとして凛々しい選手ですね。高い打点から低い弾道で繰り出すショットは、感触が合い始めるとやはり厄介です。テレビで観るよりずっと格好いいです。

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この記事へのコメントコメント一覧

「2017全米観戦記~いつもと違うが楽しんでます」へのコメント

halfwayvolleyさん
見破られていました^_^⁑
錦織選手がリタイアする前から、仕事でパソコン、テレビ観戦、通勤中等にスマホでブログ、、目やいたる所に影響が出始め、それでも何かと書きたくなり勝手に指が動き書いていましたが、、テニスプレーヤーと同じで心身共にポジティブが後退して来るとこうなるのですね。
最近は、書いてはいるのですが、途中でタイミングを逸し、断念、が続いています。
いつも思いつくまま書いていましたので、今後もまた思い浮かぶ事が出てきた時に書こうと思っています。
お互い楽しく続けたいものですね。

2017全米観戦記~いつもと違うが楽しんでます

ukk_chu_renさん、ボトムの予想、注目していただいてありがとうございます。

当たるも八卦、当たらぬも八卦の予想ですが、QFがクレーコーター系対決(カレノブスタVSシュワルツマン)、ビッグサーバー系対決(クエリーVSアンダーソン)の同系列マッチアップになったことで、互いの最大の長所が相殺されるイメージから、長所以外の部分で直感的に選びました。結果、カレノブスタ&アンダーソンの連勝単式はまだワークしているようで、その点は予想屋冥利に尽きます。

「感覚観戦」さまのブログ、更新がいつもよりスローとお見受けします。やはり他の何かでは埋められない何かが影響しているのでしょうか。私は完全にそうです。

ちょうど1年前の全米QF2日目、マレーVS錦織戦を会場に観に行ったのですが、今年も同じノリで、フェデラーVSデルポトロを観に行こうとしたら、あまりのチケット価格の高さに怯んでしまいました。去年の倍の感覚です。もしこれがフェデラーVS錦織だったら、それでも買っちゃったでしょうが、今年はあっさり断念。この辺りにも、私の今年の温度が出てしまいます。

貴殿の次の記事も楽しみにしています。

「2017全米観戦記~いつもと違うが楽しんでます」へのコメント

halfwayvolleyさん
臨場感あふれる記事を楽しく読ませて頂きました。羨ましい限りです。
ボトムハーフの予想、ほぼ読み通りでしたね。カレノブスタはクレーや球足が遅目のインディアンウェルズは得意だけど、今回は厳しいかなと思っていたのですが、、勢いのあるシュワルツマン(同じクレー得意?)に勝ちましたね。
アンダーソンは完全復調でしょうか、クエリーかなと思っていましたが、、31にして初のMSファイナリストというのもある意味、ドラマチックかも知れませんね。どっちが勝つか楽しみです。
全米の楽しみの1つにMoon Ball in the Sunのブログを読む事があったと、思い出しました。
次回を楽しみにしています。

2017全米観戦記~いつもと違うが楽しんでます

toshibou0509mさま、コメントありがとうございます。

話題のボトムハーフ、こちらでテレビを観ていると『ラスト・アメリカン』サム・クエリー押しの声がよく聞こえます。決勝まで行けば、2014年の錦織フィーバーの日本みたいなことになるかも。

ブックメーカーの優勝オッズは、①ナダル1.5倍、②フェデラー2.0倍、③クエリー8倍、④アンダーソン10倍・・・みたいな感じで、トップハーフの過密、ボトムハーフの過疎を象徴しているようです。

決勝への思い、仰る通りですね。スコアはともかく、内容が凡戦とならないようファイナリストにはMAXのコンディションで来て欲しいです。

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