Moon Ball in the Sun

少し怖い、けど楽しみな錦織のマドリードOP復帰

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マドリードオープンが開幕しました。錦織選手は、マイアミオープン準々決勝フォニーニ戦、手首痛を気にしながらの敗戦から、1か月半近い休養を経ての復帰戦です。

この復帰の日をずっと待ちわびていたものの、少し怖い復帰戦でもあります。

錦織選手に限らず、ありとあらゆる可能性がある今大会。錦織選手に関しては、序盤での敗戦・棄権という可能性も、可もなく不可もなくシード順通りベスト8止まりという可能性も、更にその先SF、Fと勝ち上がり、「状態さえ整えばやはり強い」という至極当たり前な事実を示しても、どれも驚きではありません。

可能性・・・。それはどんな大会にもありますが、「優勝候補筆頭がナダル」というコンセンサスがほぼ形成されている一方で、それ以外は本当に展開が予想しづらいマスターズです。2017年という年、フェデラーやナダルの括目すべき復活、対照的に低調なマレーとジョコビッチのことは各所で語られたので敢えて多くは語りません。ティエムやゴファン、カレノ=ブスタは相対的に安定勢力に見えますが、ディミトロフ、プイユ、チリッチといった選手には、不振と活躍の波が突然切り替わり、テニス界の水の流れが不規則に巡回しているようにも見えます。

私自身のマドリード予想は後の方で書きますが、今回はいつにもまして自分の予想が当たる気がしません。きっとオッズの世界でも、過去の実績や対戦成績に表れないもの、すなわち、変化に対する想像力、その瞬間のコンディションへの確かな読みが求められていることでしょう。

そんな中、錦織選手の手首の回復度合いです。ツアー離脱の期間が1月余ということからすると、基本的にケガは重篤ではないはずです。MRI 検査で異常なしという報道もありましたし、2週間前のバルセロナOPも直前まで出場するつもりで調整を進めてしました。

とはいえ、こればかりは、陣営の外にいる人間が何を想像しても計り知れるものではありません。もともと錦織は手首にテーピングを巻いてプレーする選手です。手首の下を適度にコンプレッションすることで、繊細なタッチを司る手首の可動域をコントロールし、衝撃や捻転リスクを避けていたものと思います。

上半身から下半身まで、ありとあらゆるケガをほぼすべて経験してきた錦織選手ですが、こと手首の痛みに関しては、状態の見極めも含め、対応ノウハウ蓄積がかなり進んだ箇所なのではないでしょうか。

その錦織選手が「出る」と決断した以上、ファンとしてはなるべくポジティブなことを考えようと思います。何年か後の未来、今の時代を振り返って、もし今回のケガが錦織のテニス人生の転換点だったと総括することがあれば、それは戦略変更によるステージアップの可能性ではないかと考えています。それは・・・

(1) 恐いもの知らず、軽快さと躍動感で上位をなぎ倒した、若武者ステージの2014年

2014年全米準優勝、ツアーファイナル初出場という偉業を成し遂げた。しかしその後、相手の時間を奪うテニス、配球などが徹底的に研究され、2015年はやや失速。それでも8位をキープした底力は本物。ケガをしづらい、打ち負けない体づくり、サービスの強化などで取りこぼしの少ない選手にはなったが、錦織を上位キラーたらしめたエッジがやや鈍くなった印象も出てきた。

(2) メンタル面、体力面の強化と戦術性が高いレベルでバランスし、再浮上した2016年

マスターズで2度の準優勝、全米ベスト4、リオ五輪銅メダルと立派な成績。年前半はジョコビッチ無双状態、後半はマレー盤石化の中で、ワウリンカ、錦織、ラオニッチ、復活デルポトロは各持ち場でよくやった。しかし錦織には、実力者との激戦のあと「次戦で別人のように落ちる」という課題が鮮明になる。

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「少し怖い、けど楽しみな錦織のマドリードOP復帰」へのコメント

うん様、コメントありがとうございました。

サーシャのご指摘、痛いところです。勝ち続ける難しさ…という理由でティエムとか外しておいて、BMW杯優勝のサーシャを残してますからねえ(苦笑)。好みや勘が満載です。

うん様の予想、リーズナブルでよく理解できますよ。

私の予想は、突然の活躍や失速をどう読むか、かなり嗅覚勝負のところがあります。そんな中、今日はいきなりクエバスが消えるか、という展開でしたが、何とか踏み止まりました。

さあ、これからどうなるでしょう。誰が勝ち残っても、それぞれに面白い物語はありそうです。

少し怖い、けど楽しみな錦織のマドリードOP復帰

錦織の目指すべき方向として、速い攻めを目指すのは完全同意。フルセット勝率の解釈も書かれているとおりだと思う。
守備的なプレースタイルはどうしても体への負担が大きく、すでに満遍なく怪我をしている錦織が今後数年もtopで戦えるようになるには、早い攻めや効率的なポイントの取り方をすることが重要だろう。錦織は日本人選手としては唯一といっていいくらいに、ダイレクトなプレーでウィナーを狙えるショットを持っているのだから、上記のようなプレースタイルを目指すことは可能なはず。

マドリードの優勝者は私もキリオスが最有力だと思う。特に2017年に入ってからのキリオスのプレーはそれまでとは次元が違うレベルに進化している。強力なサーブだよりの選手ではなく、ストロークの制度も強度も高く、ネットプレーも上手い。3回戦のナダルVSキリオスが事実上の決勝戦になるのではないか。
残りは、準優勝ティエム、SFがジョコとチリッチ、QFをマレー、スタン、ゴファン、錦織ではないか。
サーシャはネットプレーがお粗末すぎるのと、守備の力の高い選手と試合すると、メンタル的に崩れがちなので、QFまでは上がってこれないと思う。
錦織の方は、ジョコビッチの復調具合にもよるが、少なくともQFまではそこまでハードな相手はなく、割とドロー運に恵まれた方だと思うが果たして…

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