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ツアーファイナル~試合の評価は後から変わる

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ワウリンカを圧倒、マレーとの激戦、チリッチ戦2セット以降の失速・・・。

錦織選手のテニスのクォリティの上下と連動するように、私たちファンの感情も激しく上下しますが、ここスポナビでは、テニスを愛する皆様の様々な意見が読めて大変興味深いです。ジョコビッチ戦までの時間も限られますので、その前に書いておきたいことを少々。まあツアーファイナルの特殊性を実感しながらの、一ファンのつぶやきです。文字にするとやや冷めた意見と取られるかもしれませんが、誓って言います。私は熱いファンです。錦織戦を観る私のアドレナリン分泌、心拍数は相当なものです。他のことが手に付かなくなるぐらいです。

で、今回書きたかったのは、ツアーファイナルは負けたら終わりではない。だから、試合の評価は試合後にも変わる。。。

錦織がワウリンカに圧勝したあと、ワウリンカの状態(特にヒザ)がひどいのではないか、この日の勝利の価値も、額面通り受け取ってはいけないのではないか、という見方をした方も多いと思います。その時点では判然としませんでしたが、ワウリンカのその後の2試合を見る限り、スーパーワウリンカ降臨こそなかったものの、ツアーファイナル戦士として戦えるレベルであることはわかりました。逆に言うと、疲労のない錦織の上限の高さを再認識。通常であれば、連戦を勝ち抜いたトーナメント終盤でしか実現しない組み合わせを楽しめるのがこの大会の楽しみでもあり、普段のトーナメントとは異なる力関係を見ることができます。

チリッチ戦はどうでしょう。既に準決勝進出を決めていたため、我慢のテニスではなく、勝ちに行くテニスを仕掛けた。それを2セット保ち続け、6-3、6-3で勝っていたら、今頃はこんな騒ぎもなく、今日もジョコビッチに勝つに違いないというムードが蔓延していたことでしょう。でも「手ぶらでは帰るわけにはいかない」チリッチも甘くはありません。結局それなりの消耗戦に巻き込まれる展開になり始め、何となく集中力が剥げ落ちていった試合でした。ここがジョコ、マレーとの差とも言えますが、それを埋めるのが錦織にとっての正解かはわかりません。ただ言えることは、最近チリッチと当たる錦織、元気じゃないタイミングが続いています。ガスケに負け続けた時の錦織もそうでしたが、この辺は、力関係や相性では測れない巡り合わせでしょう。

それでは、その前のマレー戦をどう考えるか。錦織のテニスの質の高さは誰もが認めるところ。海外メディアの賞賛も浴びました。一方で、結局は負けてポイントが入らなかった、次のチリッチ戦にダメージを残した、しかし1セット取ったことは準決勝進出に大きな意味があった、でもジョコビッチ戦に敗れれば、結局はこのファイナルの獲得ポイントはわずか200ポイントにとどまるわけで、ワウリンカ、チリッチ、ティエムと何ら変わらない。ひとまずはそういうことが言えそうです。結局、今日のジョコビッチ戦で、疲労が抜けずに大敗すれば、ファンの思いは、今回のマレー戦まで遡り、あの試合への賛辞と共に、どうしても消化できない「上限は高い選手だが、好調を維持する限界がある」説も出るでしょう。

しかしです。もしジョコビッチを破ることがあれば、チリッチ戦の失速も含めて、トーナメント全体のマネージがうまくいった、更にその後のマレー(すいません、決めつけてしまいました。ラオニッチ派の方、ごめんなさい)との決勝に勝ってしまえば、RRの敗戦の意味もポジティブに変わるかも。そもそも今のマレーに3連勝なんて考えづらいので、予選ラウンドで苦杯をなめたことで、もっと大事な勝ち星を手繰り寄せたという解釈です。「格上に連勝するのは困難説」・・・数学的には意味がないのですが、勝負師の心理として、何とか勝てた格上選手に続けて勝つことに対し、どこか潜在的に「そう上手くいくものか?」が付きまとう気がします。

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ツアーファイナル~試合の評価は後から変わる

jigyakutekiさん

しばらく更新できていなかったサイトでしたが、温かいコメントを寄せていただきありがとうございます。お察しのとおり、年末年始は日本で過ごします。

錦織選手に関して私は、日本人という贔屓目なしに天才と受け止めています。また陣営が頂上(=世界ランク1位)を目指し、心技体の総合的なレベルアップに取り組んでいることは切々と伝わってきますし、成果も着実に出てきていると思います。錦織選手の才能なら、GS1勝とともにATPポイント8,000点は射程圏内と見ていますし、8,000点の世界ランク1位も群雄割拠の時代なら普通にある話だと思います。ですので、ご質問の「頂上にたどり着くことができないと考えているのか?」に対しては、「できるかもしれない」が回答なのですが、それを命題に錦織選手を見守るのは一ファンとしては辛いのです。

センスと創造性と高い技術で足りない部分を補う選手であるがゆえに、心身の疲労時にはプレーの質がガクっと落ちる場面をファンとしては少なからず見てきました。コンスタントに勝つことと、ここ一番で爆発力を発揮すること、これらを両立させることが理想なのは言うまでもありませんが、良い時の錦織選手切れ味に瞠目するたびに、これを持続するのは無理なんだろうな~という呆れるほどの感動がつきまといます。ということで、私がGS1勝派であるのは、応援のスタイルと言ってもよいものです。

2017年シーズンも開幕間近ですね。去年届かなかったものに手が届くよう、精一杯応援していきたいと思います。

jigyakutekiさんのchange the flowの記事も楽しみにしています。



ツアーファイナル~試合の評価は後から変わる

halfwayvolleyさん

こちらは寒くなってきました。年末年始は帰国されるのでしょうか?
「元気な錦織」はやってくれると思います。マレー戦以降の錦織は元気な錦織ではなかったですね。おそらく万全な状態ではなかったものとみています。
GS制覇派ですか、期待するのは様々ですし、どんどん言い続けて下さい。私も繰り返しますが、頂上制覇派です。そこにたどり着けるだろう時にGS制覇を達成できるのではとイメージしています。少し気になるのは、そこにたどり着くことは出来ないとお考えなのでしょうか?これは分かりませんが私は期待し続けるのでしょう。とくに、この点を言い張る気は全くないので、お気づかいはしないで下さい。
halfwayvolleyさんの熱いところに魅力を感じていますし、的確にに表現されるところも素晴らしいと思っています。2017年度シーズンも熱い展開が待っていると思います。テニスを錦織をしっかりと観ていきたいと思っています。

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