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シンシナティ制覇~やはり恐いチリッチ

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シンシナティはチリッチの優勝に終わり、BIG4以外のマスターズ優勝者が19大会ぶりに生まれました。

マレーは五輪金メダル獲得の直後ながら、疲労と付き合いながら試合を勝ち進み、準決勝ではラオニッチをほぼ封じ込めての決勝進出。まさに悲願の世界ランク1位を狙うにふさわしい一線を画した強さ(=マレーの場合は「負けなさ」といった方がピンとくるかも)でしたが、今日はチリッチがそれを上回りました。

マレーvsチリッチの決勝戦はLIVEで見ておりましたが、スコア以上にチリッチの圧勝といってよいと思います。まさに2年前の夏を思い出す、無双のバイオリズム到来に見えました。米国のテレビでは、マレーの敗色が漂い始めたタイミングで、過去のマスターズがいかにBIG4に寡占されてきたかに触れ、直近は錦織がその壁に跳ね返されたこと、そして今、チリッチがその壁を突く崩そうとしていることを紹介していました。錦織を応援し続けるファンとしては忸怩たる思いも少々ありますが、グランドスラム優勝経験者のチリッチなら今さら騒ぐニュースでもなかろうという気持ちも同時にありました。それと私個人としては、世間一般の評価よりチリッチを高く評価しており、逆にラオニッチとティエムについては、強いとは思うものの、世間の期待がやや先行しているように思います。

さて、今日のマレーはつなぐ球でのUEが多く、久しぶりに「らしくない」試合でした。五輪の激闘からの疲労は当然あったと思いますが、足はよく動いていました。相手の戦術をよく読み、その予想もよく当たっており、左右に振られても、前に落とされてもしぶとく走って拾う、いつものマレーらしさも随所に出ていました。また、鋭角に落とすボレーの精度も高く、前に出た時のプレーについては、普段のクォリティを保っていたと思います。しかし違ったのがストローク。フォア、バックともしっかり打ち切れずにバックアウトする球が多く、慎重に打った球を先にチリッチに仕掛けられ、そのまま攻め切られた試合でした。チリッチ側で特に良かったのがバックハンドのダウンザライン。マレーの予想の裏を突く(マレーが一歩も動けない)ショットは殆どこれだったと思います。さながら2015全仏のワウリンカvsジョコビッチ戦の様相でした。圧倒的な守備力を持つ選手(ジョコビッチやマレー)でも、疲労の蓄積により期せずしてショットが省エネ化すれば、こういう展開になることを痛感しました。

昨日の準決勝、マレーvsラオニッチ戦も観ましたが、この試合のラオニッチはほぼノーチャンスでしたね。マレー戦のラオニッチは本当にサービスキープに苦労します。サービスエースまたは3球攻撃で決まらなければ、あっさりとマレーに主導権が移るので、セカンドもある程度厳しく行かざるをえません。当然ダブルフォルトも増えます。また、よいサーブが入っても、マレーのハーフスイング気味のリターンがそこそこ深く返るので、自身の得点パターンに簡単に持っていけないのです。その点、今日のチリッチは、サービスでとった主導権を着実にポイントに結び付ける質の高いストロークが出来ており、私の目から見ても、全く負ける気がしない試合でした。時折見せるフォア、バックの強打は何か吹っ切れた心地よさも感じます。イバニセビッチとのコーチ契約解消が何か心理面でポジティブに作用しているのかもしれません。あと邪推ではありますが、五輪のデルポトロから何かインスピレーションを得たのでは・・・と思うショットもありました。

                    *****

五輪疲れの錦織としては、シンシナティは可もなく不可もなく、という結果だったと思います。 仮にトミックに勝ってQFに進んだとしても、同じ五輪を戦ったマレーに連敗するのもやるせない。またR16の相手がトミックではなくゴフィンだったとしたら、タイプ的に負ける相手としては嫌です。彼には普通の状態で普通に勝ちたい。トミックもトミックでブリスベンの借りがあるので負けて欲しくはないですが、五輪に対する考え方やプレースタイルの違いから、このタイミングでの負けは個人的にはセカンドベスト的に受け入れやすい相手。錦織選手もこの負けは割り切って、全米はリフレッシュして臨んで欲しいです。

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「シンシナティ制覇~やはり恐いチリッチ」へのコメント

swgh2056様、ご指摘ありがとうございます。

ベルディヒ本人のツイッターを覗きに行ったら、虫垂炎で休養としっかり謝っていましたね。まったく情報がフォロー出来ておらずすみません。

ということは錦織のR16対抗シードはツォンガ、モンフィス、フェレール、ゴフィンの誰か、その下のガスケやキリオスはベスト4まで回避ってことでしょうか。

五輪では、ランキングや賞金とは別のものを求めた錦織選手に崇高なものを見てしまいました。そろそろテニスの神様が彼に微笑むことをお祈りしております。

「シンシナティ制覇~やはり恐いチリッチ」へのコメント

ベルディヒも虫垂炎で全米欠場なので、チリッチ第7シード、ティエム第8シードだったと思います。
違ったらすいません、、、

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