2006年10月25日
ヒーローインタヴューでお立ち台に立った金村はまず深々とお辞儀をした。
顔を上げたその眼には、今にもこぼれそうな涙が見えていた。
首脳陣批判でプレーオフの登板機会を剥奪され、
チームメイトが運んできてくれた日本シリーズ登板の舞台。
本人以外はわからない色々な思いが詰まったマウンドだっただろう。
まさにチームのおかげでみそぎのマウンドに立つことが出来た。
「感謝」の気持ちが、あの充血した瞳に表れていた。
今日の継投は、前日に今季最長イニングを投げた武田久を使わず、
トーマス,建山,岡島で8回までつなぎ、マイケルで締めた。
正直、トーマス,建山,岡島の3人はピンチの連続だった。
しかし、満塁のピンチを作っても最後の最後はいいボールが決まった。
武田久を今日は出したくない首脳陣の気持ちも当然あっただろうが、
登板したリリーフ陣が、絶対にそういう展開にしてはいけないという強い気持ちを見せていた。
今日の試合を見ていて、ふと4月の日本ハム投手陣のコメントを思い出した。
4/15 八木投手の延長10回ノーヒットノーランの投球を見て
金村投手は『熱くなった。僕も逃げてはいけないと思った』
4/16 金村投手がズレータに暴行を受けながら、そのあとの打者を抑えた姿に
江尻投手は『暴行されてもマウンドに上がる姿勢に涙が出そうになった』
同僚の姿を見て、『心が動かされる』 『心が熱くなる』
今年の日本ハムの投手陣を見ていると、
それらが無形の力となって現れているように思えてならない。
今思うと、数年前に春のキャンプで見た時から感じていた
他の球団とは違う日本ハム投手陣全体のまとまりのよさ。
それが今年の快進撃につながっているようにも思う。
posted by gyomaru |23:55 |
プロ野球 |
コメント(0) |
トラックバック(3)
2006年10月19日
実況などの放送予定はこちら!
俊輔のハットトリックの余韻覚めやらぬ中、
セルティックにとってリーグ戦とともに重要な、
チャンピオンズリーグ第3節ベンフィカ戦が行われました。
結果はセルティックが3-0の勝利。
今年のベンフィカは、去年マンチェスターユナイテッドを破った強さはありません。
中村俊輔は、3得点全てに絡む活躍。
試合後のコメントを抜粋すると、
「ペナルティーエリアへの入り方が芽生えてきた。意識できるようになってきた」。
「走る量より、走るコースが大事。ここでこういうことをしなきゃいけないという判断力が必要で、走る質を考えている」
攻撃面で進化した(簡単に言えば、ペナルティーエリアにかなり進出する)中村俊輔が今季よく見えるが、
本人が意識していることが実践できているところがすばらしい。
先日のハットトリックも、今回の3得点のうち2得点も、そういった意識がなければ、生まれていないゴールだった。
この試合をスカパーで実況していて感じたのは、
中村だけでなく、チームとしてもスコットランドの「井の中の蛙」を脱してきたのではないかということだ。
昨季ストラカン監督が就任し、それまでのロングボール主体で蹴って走るサッカーから、
高いボールポゼッションを基盤としてパスで崩す、中盤の選手も絡んで攻撃するスタイルに変貌を遂げた。
とはいえ、昨季はそのスタイルが決して完成したわけではなく、
単にボール回しだけして相手を打開できずに苦しむ試合も少なくはなかった。
この試合は、前半の途中からそのような感じでやや苦しむ場面も見えたが、
後半は再びペースを取り戻し、
チャンピオンズリーグという大舞台で、スコットランドスタイルではないサッカーをやってのけた。
昨季の終盤、リーグ優勝が決まったあと、
「このサッカーではチャンピオンズリーグは戦えないだろう」
と、スカパーの解説者の方々は口をそろえて言っていた。
この意見は外れたというのではなく、そのときは実際そういうサッカーしかできていなかったのだ。
しかし05/06シーズンが終わり、メンバーが多少変わり、今季のリーグ戦を数試合消化していくと、より目指す方向にセルティックは近づいた。
このチームの進化に、中村俊輔自身の攻撃に対する意識変化が一役買っていることは言うまでもない。
posted by gyomaru |21:43 |
海外サッカー |
コメント(0) |
トラックバック(0)
2006年10月15日
実況などの放送予定はこちら!
ダンディーユナイテッドとの対戦でセルティック中村俊輔がハットトリック!
お台場(スカパー!)での衛星回線を使った実況中継から家に戻ってきました。
前半5分ダンディーユナイテッドに先制され、セルティックははっきり言って焦っていました。
前節フォルカーク戦のように、点を早く取りに行きたい焦りから全員のプレーがばらばら。
中村俊輔も、相手選手の気持ちのこもった早い寄せにボールを失うシーンがかなり見られ、
昨季も含めボールを失った回数はスコットランドに来て1,2を争うほどだったかもしれません。
少なくとも起点にはなりえませんでした。
しかし前半終了間際、ハーフライン付近からのフリーキックのボールに対し、
長身選手(フェネホール・オフ・ヘッセリンクとヤロシク)が競ったこぼれを
しっかりと狙える位置にポジションを置き、左足で同点ゴール。
さらに後半3分にはスローインから、やはり長身選手が競って逆サイドにこぼれたところを蹴りこみ勝ち越し点。
後半13分には、中央でマローニーのボールを受け、ヤロシクに預けたあとPエリアに侵入、
もう一度受け取ったボールを相手GKの動きを見てややループ気味に決め、だめ押し点を奪いました。
今シーズンはゴールに絡もうという意識が非常に高い中村俊輔。
去年までならPエリアに飛び出すプレーは多少ありましたが、
Pエリア内に入ってゴールを狙っているということはまずなかったように思います。
今日の同点、勝ち越しゴールはまさに今季のゴールを狙う貪欲な姿勢が生んだものだと思いました。
チームは前半の同点ゴールで、それまでの悪い流れを払拭し、
後半の勝ち越し点で完全に本来のリズムを取り戻しました。
得点が4-1となったあとは、相手の気持ちが切れたこともあり、大味な展開になってしまいましたが、
ミッドウィークのCLベンフィカ戦に向けて、気分よくリーグ戦を終えたのではないでしょうか。
ベンフィカもCLここ2試合を見る限りでは、攻撃の意図が見られないチームに成り下がってしまっているので、
セルティックパークでいい勝負が見られるかもしれません。
posted by gyomaru |00:06 |
海外サッカー |
コメント(6) |
トラックバック(0)
2006年10月12日
テレビで見ていると、一瞬何が起きたかわからなかった。
稲葉の二ゴロ。二塁走者セーフの判定。
「あぁ二,三塁で新庄の打席か。やっぱり最後は新庄が決めるんだな」とのん気に思った瞬間、
実況アナの「森本がホームへ」の声。
一瞬にして日本ハムの25年ぶりの優勝が決まった。
9月以降は日本ハムは特に強かった。
今日の試合なども、八木の好投、野手の守り、9回田中賢の犠打、最後の森本の走塁など完璧だった。
マウンドに集結する日本ハムの選手たち。
そのあと数秒だが、斉藤和巳がズレータとカブレラに抱えられてベンチに下がっていく姿が画面に映った。
高校野球を思い起こさせるこの光景。
ソフトバンクのファンならずとも、このシーンは身につまされる思いだったろう。
西武との第1戦、日本ハムとの第2戦。
味方の援護は1点ももらえなかった。
でも最高の投球で、精神力で援護を待った。
こんな投手は他にはいないと思わせるすごい投球だった。
ソフトバンクの打撃陣がこの光景を、どう感じただろうか。
来年「恩返し」のチャンスは高校野球と違い十分にある。
posted by gyomaru |22:16 |
プロ野球 |
コメント(4) |
トラックバック(5)
2006年10月10日
第2戦の流れがそのまま行ってしまった第3戦でした。
もちろん西武・西口投手がソフトバンクの勢いづいた打線を見事封じてはいましたが、
西口が最後までか、あるいは小野寺直結でなければ厳しかったでしょう。
2戦目の結果を引きずったライオンズ
2戦目の流れが生きたソフトバンク
第2戦で不安を露呈した西武の中継ぎ陣。
西口のピンチを星野が7回はしのぎ同点どまりにしましたが、
8回の2者連続四球は、星野の第2戦の投球を見ていれば想定できたことでした。
明らかにコントロールが悪い。左打者の被打率リーグNO.1ですが、左のインコースを使える状態ではありませんでした。
この日の7回のピンチも大村を怒らせるほどの顔面付近のボール。
今季も決していい状態ではなかった星野ではありましたが、ここまで悪いのはここ3年で初めて見ました。
一方で四球を得た松中はその時小さくガッツポーズを作って塁に出ました。
無死二、一塁。ズレータにつないだ。
自分は決めなくても、つないだことに大きな価値を、4番が見出す。
前日から続くチーム全体で勝利をつかもうという気持ちの表れをその瞬間見ました。
星野は交代し、続く投手は山岸。
9月に入って、重要な場面で使われることの多かった山岸でしたが、
山岸も第2戦から明らかにおかしかった。
曲がりの大きいカーブ、追い込んでのフォーク。
緩急をもっと使えるピッチャーなのに、第2戦に関して言えば、変化球が全く曲がっていなかった(これでは「変化」球ではないですね)。
ボールに全く指の感覚が伝わっていなかったのかも。
プレーオフ3試合見て、一番山岸がこの舞台に緊張していたのではないでしょうか。
伊東監督も第2戦の状態はわかっていたと思いますが、
あえてシーズン終盤どおりの継投できました。
そしてズレータに決定的な3ランを打たれました。
試合後の伊東監督は、「無死二、一塁となって涌井の登板はなかったのか?」と聞かれ、
「西口が早い段階で交代した場合は考えていたが、それ以外はない」と答えました。
私自身は8回無死二、一塁か、あるいはまだ1-1同点の8回頭から涌井でもよかったのではないかと思ったぐらいです。
もちろん涌井がソフトバンクには打ち込まれているデータは知っていますが、それでも今の星野,山岸よりは打たれる確率は低い、
そしてイニングの頭からなら使ってもいい場面だろうということです。
細川捕手は第2戦を終えて、松中,ズレータに喫した本塁打について
「打たれるところに投げてしまった」と話していましたが、
第3戦もある意味同じだったと思います。
西武の中継ぎ陣が、この舞台で自分たちの投球が出来なかった。
それはとりもなおさず、ソフトバンクの勝利への強い気持ちが招いたものだと思います。
打たれるところに投げるしか、もう出来ないくらいの精神状態にソフトバンクが追い込んでいた。
試合後西武のベンチ裏には泣いている選手もいました。
・・レギュラーシーズンの上位チームが下位チームに負ける・・
これまではソフトバンクしか味わったことのない屈辱でした。
「ソフトバンクが過去2度味わった悔しさを、今、西武が味わっている・・・」
そう感じた瞬間でした。
来年の西武は怖いと思う。
posted by gyomaru |07:48 |
プロ野球 |
コメント(0) |
トラックバック(4)
2006年10月08日
もう後がないソフトバンク。
先発和田の代え時は見事でした。
レギュラーシーズンならば、勝ち投手の権利もかかっていましたし、まず交代はないでしょう。
そして何よりその後に起用されたルーキー柳瀬の投球がすばらしかった。
最初の2,3球は緊張感でコントロールがうまく行かなかったようですが、すぐに修正。
犠牲フライで1点こそ与えましたがリードは保ったまま、その5回は切り抜けました。
その後も完全投球で西武に流れを渡しませんでした。
西武も、試合前に伊東監督が「奇策でもなんでもなく、最善の策での先発です」と話したとおり、
松永の先発起用はあたったかに見えました。
実際3回まではパーフェクト投球。
しかし4回ランナーを出すと自分のリズムで投げられなくなり、
松永が崩れる時のパターンであるボール先行の投球になってしまいました。
ただ伊東監督も「完璧なピッチングだったから、代え時が難しかったよ」と話すとおり、
西武にとっては「まさか」の、仲沢の3点適時二塁打さえなければ、立ち直れた可能性も十分あったように思います。
松中とズレータに待望の本塁打が生まれたこの試合、
ソフトバンク打線がついに眠りから覚めたといってもいいでしょう。
逆に西武にとっては、試合後はさっぱりしていたという印象を持った記者もいますが、
泣いても笑っても明日しかないという、開き直りのような気がします。
ソフトバンクを本来の打線にしてしまったショックは、
細川捕手が松中のヒーローインタヴューを悔しそうにモニターテレビで見ていた姿からもうかがえます。
今日の試合を放送をしていてソフトバンクがひとつになって戦っていた印象的な光景が幾つかありました。
松中が適時打を放ったあと、守備位置につく松中とカブレラが軽く抱擁するシーン。
松中がこの勝利につながる打点をあげるために苦しんできたのを知っているからこその抱擁のように見えました。
また柳瀬が立ち上がりカウント0-2となったあとズレータが声をかけに行く場面もありました。
そのあとから柳瀬の投球は、本来のものに戻っていきました。
そして斉藤和巳。
三塁側のカメラマン席で試合を見守る斉藤の姿は、マウンドの表情と同じでした。
「斉藤も闘っている」
放送でもこう表現しました。
そのカメラマン席にはリポーター席もあり、登板しない投手がすぐ近くに座っている時も多々ありますが、
普段は他のスタッフと談笑しているのが常です。
ところが今日の斉藤は違いました。
「束になって闘おう」
王監督がプレーオフ前に選手、スタッフに伝えた言葉です。
9月は何かそのあたりの意識が希薄だった印象がありました。
土壇場に追い込まれた第2戦で一丸の戦いを見せることが出来たソフトバンク。
本当の姿を取り戻した今、第3戦が注目されます。
posted by gyomaru |23:48 |
プロ野球 |
コメント(0) |
トラックバック(3)
2006年10月07日
プレーオフ第1戦、すごかったですねぇ。
松坂と斉藤の投げ合い。
とはいえ、両投手のもっと完成された投球を今季見てきた(実況してきた)だけに、
素直にこれはすごい投げ合いだったと言い切れない自分もいます。
松坂については、コントロールの乱れが中盤以降多かったし、
斉藤についても、鼻血と報道されてますが、一度集中が途切れた直後の失点でした。
もっともっと完璧な状態でのガチンコ勝負になって欲しかったなぁ。
でも僕の期待が高すぎただけで、普通に見ていればすごい投げ合い。
さすがエースと呼べる部分が随所に見られました。
斉藤ならば1点を失ったあとの無死2,3塁を抑えたシーン。
松坂ならば、1点もらった後の3~5番を三者連続三振のシーン。
流れをそう簡単に譲らないというお互いの気迫が見られたシーンでした。
さて、明日は実況を担当します(by JSPORTS)。
そして僕のプレーオフは明日の試合中継で終わりです。
(本当は第2ステージ第3戦も実況できそうだったのですが、サッカー中継の予定が先に入り無念・・・)
つまり、明日が今季プロ野球実況の最終戦です。
(西武かソフトバンクが日本シリーズに行けば、話は違ってきますが・・・)
両チーム思い入れのある球団ですので、今季締めくくりの実況をしたいと思います。
posted by gyomaru |21:43 |
プロ野球 |
コメント(0) |
トラックバック(3)