2006年07月10日

伝統のはじまり~高校野球千葉大会から

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試合が終わって、監督はすぐに選手を集めミーティングを行った。

「今日のことは絶対忘れるな。
これからは死に物狂いでがんばれ」

部員14人の、学校創設以来初の公式戦が終わった。
10-2 7回コールド負け。

東葉高校は、おととしまで女子高だった。
去年から共学となり、野球部も作られた。
したがって2年生と1年生だけのチーム。

去年の夏は、高野連に加盟できていなかったこともあって、
夏の大会出場はおろか、練習試合すら出来なかった。

初めての『試合』は今年5月。
野球部創部以来はじめての公式戦が、この夏の大会となった。

初の公式戦を迎えるまでの苦労を小笠原監督はこう話す。

「部員が少ないこともあるので、やめられると大会に出られなくなってしまう。
うまく厳しさとやさしさを出し入れしながらやってきました」

やめた部員は一人もいなかった。

「正直、もっと泣く選手がいて欲しかったんですが・・・」

控え選手で、試合に出られなかった唯一の2年生、
橋本君だけが涙を浮かべながらロッカールームから出てきた。

彼は小学生の頃から病弱で、野球をやりたかったけど、できる状態ではなかった。

中学ではサッカー部に所属できるまでに体は問題なくなっていたが、
野球を好きだからこそ、未経験者がすぐにできるほど野球は甘くないと、
二の足を踏んでしまった。

しかし高校に入学し、やはり好きな野球をする決心をした。
彼自身、一からのスタートとはいえ、
野球部自体も同じ一からのスタートの東葉高校だったからこそ決断できたのかもしれない。

他の選手との差を埋めることは現段階では出来なかったが、
「練習をしっかりやってきたと自信を持っていえる者」
という試合後の監督の問いかけに手を上げた3人のうちの一人だった。

エースナンバーをもらった主将の大木君は、
この日、マウンドにはいなかった。
慣れない外野で、クラブ初の公式戦を迎えた。

前日の練習後『投手』として試合に出場できないことが分かり、
試合中も「投げたいという気持ちが常に頭にあって、頭を切り替えることが出来なかった」そうだ。

直前の練習試合で状態が良くなかったこともあるが、
小笠原監督は『来年のためでもあるんです』と大木君にマウンドを任せなかった理由を説明した。

「天狗になっていた面があった」
「彼はやってもらわないと困る選手」
だから、あえてこの初戦は彼を投げさせなかった。

全体ミーティングで、小笠原監督は言った。
「これからはニコニコやらないぞ。厳しくやろう」

部員が足りなくなるという危機感を持ちながらの練習はもう終わった。
部員それぞれが悔しさを感じたこの日、東葉高校の本当の野球部の歴史がスタートした。

toyohighschool



posted by gyomaru |00:59 | 高校野球 | コメント(1) | トラックバック(0)
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この記事に対するコメント一覧
Re:伝統のはじまり~高校野球千葉大会から

地方大会にもいろいろなドラマがあるんですね。東葉高校の選手たちが、来季どのようなチームに変貌をとげるのか、楽しみです。

posted by しょーじ | 2006-07-13 12:33

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