2009年08月28日

槙野と闘莉王 《J23節:広島vs浦和》

 左サイドの高い位置でボールを受ける。内に切れ込みながら、相手をずらす。肉体が精神に反応し右足を振りぬく。 『ズドンっ』 ニアを抜く会心のゴールだった。自らをDFWというだけある。やはり槙野智章は面白い選手だ。

 このゴールを感じたことで、思い出したことがある。数年前のリーグ戦。田中マルクス闘莉王も広島相手に素晴らしいゴールを披露したことを。
 左サイドでボールを受けた闘莉王が、対峙する駒野をドリブルでずらす。内に切れ込む。放った瞬間それと分かるようなゴールだった。ファーサイドに鋭く巻いて落ちる球筋を見たとき、この選手の可能性に改めて驚嘆した。

 槙野や闘莉王は、強いシュートが打てる技術と心、そして肉体を持った選手だ。ゴールが必要な時に得点する“理屈なしの能力”も兼ね備えているような気もする。
 第23節も槙野が得点し、闘莉王が奪い返した。闘莉王はチームや現状にもイライラしていたのだろうが、私には槙野のパフォーマンスにも反応していたように見えた。

 槙野は、左からファーに鋭く落ちる右足のシュートを、練習後に繰り返していた。ボールの軌道を見ていると、ワクワクした。万全ではない闘莉王など、もうすぐ追い抜いてしまいそうな、そんな気さえした。
 彼を見ていると、広島がACL出場権を獲得するのは難しいだろうという考えが揺らぐ。だって、ACLで彼を見てみたい。これはエゴだ。上に行くべき選手が前進するのは、必然であるに違いないのに。

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あとがき: 肝心な試合の短評を・・・状態の良い広島。そうでない浦和というのが如実に表れた試合だったと思う。山田(直)が不在の中、浦和には中盤の真ん中から、連動したり飛び出す選手がいない。この不調の原因の一つに、阿部勇樹のCB起用があるのではないだろうか。
 広島は、しっかり守備組織をつくって速い攻撃・逆サイドというのを前回の対戦(第17節)と同じように意識していた。第17節同様、試合終盤に多少の拙さは残るものの、勝ち点3を奪ったことは大きい。ゲームメイクを考える能力は徐々に身についているのだろう。柏木は相変わらずコンディションが良く好調だ。青山の不在を感じさせなかった高柳も評価したい。

<試合結果>
day:2009.8/21
score:サンフレッチェ広島(H) 2-1 浦和レッズ(A)
goal:26分⑤槙野(広),42分⑩柏木(広),68分④田中マルクス闘莉王(浦)

<関連記事 一覧>
 サンフレッチェ広島 内容だけでは駄目なんだ 《J17節:広島vs浦和》

posted by オクジョー |10:43 | Jリーグ | コメント(3) | トラックバック(0)
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2009年08月26日

希望を手放した柏レイソル

 柏で一番良い選手の移籍が決まった。そう綴ると、それはフランサやポポなどでは?という声がかえってきそうだが、私は李忠成だと思う。そんな私自身も“良い”というの言葉に、あまり生産的なモノを見出せていないのだが。

 柏レイソルや彼の間に、どんな事情があったのかは分からない。
 しかし、今回の移籍が柏にとってプラスになることはないだろう。ブラジル人選手に公算があるのだとしても、新たな可能性を持った選手が輝き始めたのだとしても、李忠成もまた柏の色そのものだったのだ。太田圭輔・石川直樹と・・・柏の真意は見えてきそうもない。

 李忠成の加入は、サンフレッチェ広島にとっては願ってもないものとなるだろう。
 負担過多だった佐藤寿人への支えと刺激・泥臭い得点への可能性・(槙野を筆頭にイメージチェンジを図る)チームの空気もより素晴らしくなるだろう。広島には珍しく、上を見据えた決断だ。

 一番肝心なのは、彼自身が前進できるかだ。
 得点以外のものを多く求められる環境で、得点を期待される(周囲から)ことに、葛藤はあったのだろうか。
 そういった意味でも広島は、自らの存在を示す環境としては適しているはずである。ボールではなくゴールへ反応する佐藤寿人に触れ、競争する。その中で自分の形をさらに追求できればいいだろう。李漢宰に助けてもらい、槙野や柏木とチームを盛り上げればいい。それほど彼は、多くの希望を抱えた選手なのである。

 李忠成は逆境を乗り越え大きくなるに違いない。
 それほど、彼の心はプロフェッショナルだ。
 だからこそ、彼には得点を期待したい。いや、期待しなければならないだろう。

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あとがき: 広島に新たなビッグハートの加入。悪く言えば陰気臭く、良く言えば玄人好みだったサンフレッチェの姿が懐かしくも感じる。

posted by オクジョー |11:09 | Jリーグ | コメント(9) | トラックバック(1)
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2009年08月24日

レスコットを忘れる

 開幕戦のパフォーマンス。ヨーロッパリーグの選手登録から漏れたこと。モイーズの発言。。。ほぼ決まりかけていたレスコットのシティへの移籍がクラブ間で合意したようだ。

 エヴァートンは、レスコットを忘れなければならない。
 2連敗。覇気の欠ける選手を抱えた試合が開幕戦だとするならば、軸を失う?困惑が作用した試合が第2節だった(マンUに勝利したバーンリーに、昨季のハルのような勢いがあったとしても・・)。
 語弊があるかもしれないが、エヴァートンは闘わなくてはいけないクラブの一つだ。その象徴の一人がレスコットだったのだとしても、その影を追い続けることはもう許されない。試合日程もサポーターも待ってなどくれないのだ。 

 チームカラーはもちろんのこと、チームの現状もである。攻撃を司るアルテタの不在はやはり大きい。彼がいるのといないのでは、攻撃の色が違うことは確かだ。
 だからこそなのである。昨季終盤は、痛快な爽快感を私達に見せ付けていた彼らに、だからこそ、期待してしまう。期待したいのである。

 サッカーには、別れがつきものだ。
 受け入れがたいもの。分かり合えないもの。どうしようもないもの・・・様々な別れがある。 その全てを忘れてしまうことなど困難だ。忘れたくないこともある。忘れてはいけないこと・忘れられないこともあるだろう。
 だからこそ、忘れた方がいいこともある。今は強くそんな気がしている。

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あとがき: アーセナルのヴェンゲル監督は、そういった意味での割り切る賢さを持ち合わせている。心配なのは、シティがレスコット加入によりダンを失わないかなのだが・・・これもまたどうしようもないことなのだろうか。
 私事だが、前回の更新から今回まで恐ろしく時が経った気がする。PCの故障・別れの体験を経て、また強く立ち上がろうと思う。そうするであろうエヴァートンのように・・・

posted by オクジョー |11:43 | プレミアリーグ | コメント(3) | トラックバック(0)
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2009年08月05日

ベストイレブン 《Jリーグ 第16節~20節》

<まえがき>
 第16節~20節。Jリーグも暑い。そのせいか引き分けが多かった。前5節(第11~15節)の引き分け数“14”と比べること、その数2倍の“28”。トップ2の鹿島・川崎でさえ、1勝3分1敗と3つの引き分けを重ねた(負けないのは立派だが)。
 そんな中、勝ち点を伸ばしたのが清水とFC東京だった。この気候の中、ある意味リアルなサッカーを追求したことが要因なのだろう。また、山形や磐田も勝ち点を上手く伸ばすことに成功した。残留争いのことを考えると、この第二の波はかなり大きいだろう(最初の波=山形は開幕からのスタートダッシュ。磐田はイグノダッシュ)。

 リーグ戦も半分を消化し、下位のクラブは“残留”を強く意識しはじめた。例年以上に、“監督交代”も多く見られている。最も不可解だったのはジェフのそれだった(解任自体にではなく、フロントの見えない方向性についてだが・・・)。首を挿げ替えるだけでは、状況は良くならない。そういった意味では、大分が手にした“連敗ストップ”という結果は劇的だった。
 各クラブが、暑さの中で“内容”と“結果”のバランスを探し求めていた。そんな第16節~20節。その中でも輝いていたイレブンを、今回も勝手に発表する。

<Jリーグ 第16節~20節 ベストイレブン>

-○---○---○- 前田/磐田・長谷川/山形・ヨンセン/清水
-○--      --○- 岡崎/清水・石川(2)/FC東京
--  ○ -- ○  -- 柏木/広島・マルシオ=リシャルデス(2)/新潟
-○---○---○- 今野/FC東京・小原/山形・市川/清水
--  -- ○ --  -- 権田/FC東京

特別選出:財前/山形
※( 数字 )は選出回数・・・複数以上から表記

 前線で活躍した選手は、フィジカルを活かすのが巧い選手達が多い(選考していないケネディも含めて)。暑さの中でDFの粘りが弱まっているのか?これは、日本DF陣の課題といってもいいだろう。 岡崎をサイドに配置した意味は特にない。石川は好調を持続している。この両名は、自信を良い結果につなげている選手といえるだろう。その他の選手は、自らのレベルの高さを披露している柏木・マルシオ・今野。チームの勝利に貢献した小原・市川・権田を選出した。
 
MVP:ヨンセン(清水エスパルス)
 FC東京の勢いの中心が石川ならば、清水の安定感の中心は彼だろう。清水の好調を“岡崎の台頭”と捉えている人も少なくないようだが、私は“ヨンセンの役割の明確化”のほうを推す。
 理由は単純だ。清水は岡崎がいない時期に、原ーヨンセンの2トップで調子を上げてきた。岡崎が戻ってきてからも好調なのは、ヨンセンという軸がぶれていないからだ。彼は速い選手ではないが、“時間を創ること”と“シンプルな速攻に絡むこと”に長けている。中盤の顔ぶれが変わる清水にとっては、重要な選手といえるだろう。

優秀監督:小林伸二(モンテディオ山形)
 スタートダッシュに成功し下馬評を覆した山形も、怪我人続出で徐々に調子を落としていた。そんな中、小林監督は守備組織を再構築し、今5節を2勝2分1敗で乗り切った。
 西河・赤星という新戦力との融合・怪我人を補うための柔軟なポジションチェンジ・チームの象徴(財前)を活かす采配と、質の高いものが多かった。 “山形がJ1で戦うために必要なもの” それを、監督が選手に再び伝えたといっても過言ではないだろう。

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<あとがき>
 浦和が、あのHomeで連敗したことは驚いた。闘莉王不在のレッズは、後方に強さを欠くことになる。私は、堀之内を起用するべきだと常々考えているのだが(阿部は本職に・細貝はサイドバックに)・・・浦和は“育成”より“結果”を求めるべきクラブなのである。

<関連記事 一覧>
 ベストイレブン 《Jリーグ 第1節~5節》
 勝ち点6未満クラブへの提言 〔上巻〕 《Jリーグ 第1節~5節》
 勝ち点6未満クラブへの提言 〔下巻〕 《Jリーグ 第1節~5節》
 ベストイレブン 《Jリーグ 第6節~10節》
 ベストイレブン 《Jリーグ 第11節~15節》
 サンフレッチェ広島 内容だけでは駄目なんだ 《J17節:広島vs浦和》
 またね!! シャムスカが残したもの

posted by オクジョー |11:37 | Jリーグ | コメント(1) | トラックバック(0)
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