2009年06月23日

サイドチェンジを行わない岡田監督の戦術

 もっとボールを持つ方法を考えた方が良い。
 岡田監督の戦術に対して、私が最も疑問を感じるのは、“攻撃サイドを変えること”を求めているように見えないことである。代表の試合は、全て見てきた(放映権の無かったバーレーン戦を除いて)が、サイドチェンジを意識して戦った試合はなかった。

 予選で唯一W杯出場国レベルだったのが、オーストラリアだった。そのオーストラリアに対して日本は、攻守の切り替えを意識し奪ってから縦への速攻を重視したが、通用しなかった。答えは単純である。センターバックの選手が日本の前線の選手より能力が高かったからだ。

 そして、そんな速攻の他に見られたのが、ビルドアップにおいての“同サイド攻略をひつこく挑戦する戦術”である。
 最も見られる光景は、狭いエリアの中で中盤(俊輔と遠藤)とボールを受けるトップを中心に細かく繋ぎ、その間にサイドバックを外から、長谷部を内から飛び出させるモノである。(その際、詰まると遠藤や闘莉王までボールが下がるが、再び同サイド攻略を狙う)
 このパターンのミソは、内から飛び出した選手(長谷部)をうまく使えるとチャンスになるということだが、ひつこく繰り返すことによる効果は未だに見出せない。

 オーストラリア戦後、手応えを口にする選手もいた中で、興味深いコメントを出した選手がいた。内田篤人である。 それが、「横の動きが少なかった。もっとサイドチェンジを多くしなければ・・・」(/スポニチ)である。このコメントを出したのが、岡田サッカーの申し子であることに驚いたが、彼も鹿島の選手だということを思い出し納得できた。

 攻撃サイドの変化をあまり意識しない。これはサッカーの流れに逆行している。
 世界のトップを見てみる。バルサやスペインは、狭いところを正確に繋ぐ戦術だが、ゴールに対して常に遠いサイドを意識している。(仕掛けと技術を活かし素早く逆サイドを突くのはバルサの選手しかできないかもしれないが・・・) マンUは、サイドを正確に変える40m以上のミドルパスを速攻やビルドアップの中で多用する。
 Jリーグを見てみる。日本のトップを走る鹿島は、日本で一番サイドを広く使えるチームだ。昨季名古屋が躍動し、今季新潟が躍動しているのは、サイドを変える方法を持ち合わせているからだ。(もっと言えば今季の名古屋は、昨季より逆サイドを意識できていないためリズムが良くない・・・※下気参照)

 意識されはじめた“連動性”ということば。
 しかしそれは、狭いエリアで時間をかけて行われようとしている。縦の連動が一人歩きした状態で、試合が奪えるとは思えない。ピッチは広く使うべきだ。
 選手がそれに気付いたとしても、監督が気付かないことにはどうにもならないかもしれない。「各駅停車するな」という台詞が懐かしく思えてくる。

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あとがき: 現在の代表の軸は、“奪ってからの速攻”と“ショートパスの中で縦の連動を使った同サイド攻略”の二つである。前者は岡田監督の信念ともいえる特徴、後者は大木監督がヴァンフォーレ甲府でやろうとしたことに近い。岡田監督は、日本で一番の経験を持った監督であるが、アイディアを持ち合わせているかというと・・・どうだろうか。
 先日、新潟vsG大阪の試合を見た。新潟のビルドアップの方法も面白かったのだが、一番はマルシオ・リシャルデスだった。高い運動量の中でボールをうまく散らし、フィニッシュまで決めた。
しかも、一連の動作が速く正確だ。 こんな選手が日本にも欲しいと思った・・・中村憲剛はどうだろうか?資質は申し分ないだろう。しかし、流れを読む力は欲しい所だ。彼が中心である川崎フロンターレも試合運びが上手なチームではない。しかし、資質は充分なのだ。彼の心の成長が、何よりも可能性を秘めているのではないだろうか。

※名古屋グランパスが抱える、アーセナルと似た落とし穴。
 昨季、サイドバックの上がりとサイドチェンジを効果的に表現し、魅力を高めたのが名古屋だった。(そのスタイルは、アーセナルの特徴そのものといっても偽りはないだろう)
 しかし今季の名古屋は、ダビィ加入とマギヌン離脱により縦への意識が強くなりすぎリズムを失う試合が多い。(これもまた、今季の終盤アーセナルが見せてしまったものと酷似してしまっている・・・※詳細は関連記事へ) ケネディ加入で修正できるかも、ミスターの手腕にも注目したいところである。

<関連記事>
 アーセナルとサイドバック

posted by オクジョー |10:43 | 日本代表 | コメント(13) | トラックバック(0)
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サイドチェンジを行わない岡田監督の戦術

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<<コメントについて>>

敬意の欠けたコメント・悪意のあるコメントは、差し控えるようにお願いします。
その上で、様々な意見交換・議論等できればと、思います。

皆様のご協力に、心から感謝いたします。

posted by 奥城 | 2009-06-23 10:48

サイドチェンジを行わない岡田監督の戦術

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サイドチェンジは必要でしょうね。細かいパスが相手の長い足に絡みとられる。日本が体を入れると倒れフリーキックをとられる。どうみてもシミュレーションなのに。
ただ、豪州戦に限っていえば、サイドチェンジからクロスへの楔をいれる前に、松井でも憲剛でも誰でもいいので何でドリブルで中央突破をしないの?でかい相手にむざむざ空中戦を挑むのなら
腰を落としてどんどん切れ込んでいけば相手はいやがったはずなのに。Pエリア内なら多少強引に突っ込んでも相手はファールで逃げるしかない。そこで少し大げさに倒れればいいだけじゃないのかな?中央突破が成功しなくても相手が真ん中によってくればサイドも生きる。
昔の三菱自動車と日産自動車の戦いのようにやればいいと思うのだが・・・・

posted by ヲヤヂ | 2009-06-23 11:06

サイドチェンジを行わない岡田監督の戦術

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俊輔がバックパスするのは即座にサイドチェンジのパスを送れないので後ろからサイドチェンジする為じゃないのかな
あと、右サイドで細かく繋いでDFを集めておいて逆サイドでフリーを作ってそこを使うとか
そういうことを戦術として言っているからこそ(言われている事が出来てないから反省点として)内田の口からもっとサイドチェンジをという言葉が出てきたとか
真相は現場のなかの人しかわからないけど

posted by あれ? | 2009-06-23 11:47

サイドチェンジを行わない岡田監督の戦術

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サイドチェンジは行わないのではなく。
出来ないだけだと思います。

これに関しては、
シュートを枠に飛ばさない。と似たような話だと思います。
守備の能力が低くて、サイドチェンジの必要性が低い
Jリーガーが代表に多い現状ではそうなるでしょう。

出来るなら、やっていると思いますよ。

そして、引き篭らずとも堅いディフェンスと当たることにより
やっと意識できるのだと思います。
悲しいことに、そういうチームには防戦一方になるだけで、
貴重な機会を逃しているのですが。

posted by 迷鳥。 | 2009-06-23 12:47

サイドチェンジを行わない岡田監督の戦術

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いやJでもサイドチェンジの必要性は変わらないですょ。
現状あまり多くないというのは同意ですが。
比較的多用する鹿島や名古屋の選手を呼んでみるのも良い気がしますが、なぜかお呼びがかかりませんね。
小笠原なんか散らしがうまいのに。

posted by すろうと | 2009-06-23 13:26

サイドチェンジを行わない岡田監督の戦術

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内田について

> このコメントを出したのが、岡田サッカーの申し子であることに驚いたが

どうしてこういうことをおっしゃるのか分からない。
内田は北京オリンピックで活躍して注目された。このときの監督は反町さんです。また、鹿島でレギュラーにしたのはオリヴェイラさんです。

加地や駒野を押しのけて代表に定着したから、岡田サッカー云々といわれるのだろうが、内田が特に岡田さんから薫陶を受けたか、あるいは、岡田サッカーが内田の右SBを特徴としているか、そんなことはないと思います。
ただ、内田や長友など若い選手を使ったので(あるいは香川を)、岡田さんは批判的に言われました、ブログでは。
しかし、岡田サッカーの申し子といわれるほど、内田と代表のサッカーは関連付けられますか?

posted by 鹿 | 2009-06-23 15:19

サイドチェンジを行わない岡田監督の戦術

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代表は逆サイドがフリーの状態ならしっかりサイドチェンジ(ワンテンポ、ツーテンポ遅れることもあるけど)してると思うけど?

もしや、管理人さんはそうじゃない時もサイドチェンジをやるべきだと考えてるのですかね?

だとしたら、やったところで1対1の局面を作り出す事になるだけで、W杯本番の個人の技量が上回ると思われる相手を考えた時、それに意味がありますかね?

あと例にマンUを出すけど、彼らは1対1の局面を作り出せばクリロナもいたし打開できる勝算が高いから、ちょっとしたギャップが逆サイドにあるだけでサイドチェンジするわけで、人材に事欠かない金持ちクラブ特有の例で参考にならないのでは?

posted by う~ん | 2009-06-23 15:28

サイドチェンジを行わない岡田監督の戦術

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オシムのときはサイドチェンジしてましたよね。

中村憲剛がボールを散らしてましたよね。

あれは効果があった。

posted by 確かに | 2009-06-23 16:06

<オクジョー>サイドチェンジを行わない岡田監督の戦術

コメント投稿者ID :

 皆さんコメントありがとうございます♪一つひとつコメントを綴れればと思います。
 また、今回“サイドを変える”ということを少しでも意識していただいたこと、嬉しく思います。

>ヲヤヂさんへ
 私も、“仕掛ける”ということは大切だと思います。そして松井が見せてくれる突破にこそヒントが隠されているのだと思います。しかし、現代のサッカーで中央突破を仕掛けることは簡単ではない・・・連動の中で仕掛けるプレーをどのように取り入れるかがこれからの鍵となるでしょうね。

>あれ?さんへ
 ビルドアップの場面で詰まり、後ろに戻す。その次の、プレーで優先順位が高いのは、細かく動いて同サイドに挑戦するということ。これは、どの試合でも変わっていないので事実ではあります。逆サイドのために、細かくひつこいつなぎをしているならば、道は明るくないように感じています。
 実際にそこらへんを取材してみたいものです。

>迷島さんへ
 サイドチェンジが、試合で一回も起こらないことなんて確かにありません。ですからタイトルの“行わない”はおかしく感じるかもしれません・・・ただ、その方法はいくらでもあるし、どんな試合でも必要なことは変わらないと思います。

>すろうとさんへ
 確かに、選手を変えるというのも一つの手段なのでしょうね。しかし、監督の描く戦術の優先度合いにサイドチェンジは入っているのでしょうか。

>鹿さんへ
 うーん、結論は鹿さんと同じだと思うのですが・・。要するに、「内田は代表の選手である前に鹿島の選手だ」ということをおっしゃりたいのでは?
 私もそうです。ただ、綴り方が稚拙だったかもしれませんね。そして、もう一つ付け加えを・・・内田選手は今のチームの中では間違いなく中心選手ですよ。薫陶など関係なしに、戦術的にかなり重要な役割を担っていますよ。

>うーんさんへ
 確かに、代表の試合でもサイドチェンジは見られます。ただ、詰まった局面の中で人数をかけて何度も同じサイドにアクションすることに、有効性はあるのでしょうか。
 逆サイドが良い状態でないのも、テンポが遅れるのも、同サイドを強調しすぎているからとは考えられませんか?まぁこれは極論的に言いましたが・・・例えばマンUは、逆サイドに時間と空間がたくさん存在することを知っているから、そこに個という武器をぶつける。ですが、その局面を生み出すために全員が動いています。ですから、サイドを変えても連動しながら打開する方法はいくらでも存在するでしょう。
 少しまとまりきりませんでしたm()m

>確かにさんへ
 オシム監督の時は、詰まったらサイドチェンジをまず徹底させていましたね。そのなかで、アタッキングサード攻略を連動で図るというやり方だったのように思います。
 彼は、多くの選択肢を持ち合わせた監督でした。

posted by オクジョー | 2009-06-23 17:35

サイドチェンジを行わない岡田監督の戦術

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ゴールに近い位置でのサイドチェンジは確かに有効です。

プレーがゴールに直結する可能性が非常に高いので。
その点では賛同します。

ですがゴールから遠い位置のサイドチェンジはさほど効果ありません。ディフェンスからすれば逆にラッキーですよ。

一番嫌なのは縦に入れられるパスです。しっかりポストに収められたり、後ろから飛び出して来るのが一番やっかいです。判断を誤ると即一点モンですからね。

バランスも大事ですが、縦を重点的に攻めるのが間違っているとは判断できないと思います。

それに日本の中盤はパスをつなぐ選手がほとんどなので、孤立させると逆に後ろに下げるかセンタリングかの選択になるんじゃないでしょうか?(ドリブラーは除いて)

そして何より、サイドチェンジのボールをカットされると鬼カウンターが待ってますからね笑

posted by dd | 2009-06-23 23:09

サイドチェンジを行わない岡田監督の戦術

コメント投稿者ID :

日本の致命的な欠点に『1対1での弱さ』があると思うけど、それをカバーする為の数的優位の状況を作りだそうとする考えはどう思いますか?
もしこれに異論がなければ、詰まった局面でもそこにアクションする事は決して悪いことではないと思うのですが。それよりも日本人のスキルを考えると、例えば5回チャレンジして1回でも打開出来れば上出来だと思うので、現代表の同サイドへのアクションの回数は逆に少な過ぎると思うのですが。それに、これを繰り返すことで例え同サイドを打開出来なくても、逆サイドがフリーの状態になる確率が高まり、一発のサイドチェンジで決定的なチャンスが生まれる確立も高くなると思うのです。

>逆サイドが良い状態でないのも、テンポが遅れるのも、同サイドを強調しすぎているからとは考えられませんか?
無いとは言い切れません。ただ、それよりも
>逆サイドに時間と空間がたくさん存在することを知っている
と管理人さんもおっしゃるように、日本の場合は知っている選手と知らない選手がチーム内で混同している事が悪い状況を作り出している主原因ではないでしょうか?ですから、私はサイドチェンジの意識付けが出来ればこの諸問題が改善できる、とは思えません。

>サイドを変えても連動しながら打開する方法はいくらでも存在するでしょう。
もしあるならサイドを変えることを多用するのは反対しません。ただ、日本人の動き出しの速さはアジア内では「松」でも、世界で見れば「竹」だと思っているので、連動をする為に人が集まった時点で相手の守備ブロックも修正されている可能性が高いのではないでしょうか?そうなってしまってはサイドチェンジの意味がなくなってしまうと思います。

posted by う~ん | 2009-06-24 19:11

サイドチェンジを行わない岡田監督の戦術

コメント投稿者ID :

丁寧なレスありがとうございました。

文章力がいたらず、再コメントしようと思っていたんですが、う~んさんに私がコメントしたかった内容を的確に表現されてしまった気がします。

私はオランダ、4-3-3万歳な人間なのでサイドチェンジはして欲しいですけどね^^;

posted by あれ? | 2009-06-25 18:39

<オクジョー>サイドチェンジを行わない岡田監督の戦術

コメント投稿者ID :

皆さんコメントありがとうございます。コメントが遅れましたm()m返信をくれた方ありがとうございます。個人的なやり取りは嬉しいばかりです。

>ddさんへ
 ゴールに直結する可能性があるのは、大いに分かります。ただ、ゴールに直結しないプレーが意味が無いというのは間違いではないでしょうか。例えば、ボールをどこで保持して時間を創るか・相手をいかに走らせるかなど、チームのバランスについて考える事も必要ではないでしょうか。確かに不用意な横パスにはリスクもありますが・・・

>うーんさんへ
 確かに数的優位は大切だと思います。ただ、同サイド攻略を詰まった場面で繰り返す・・・なぜ詰まったか?それは、相手の守備組織がそのエリアである程度で構築されたからでは?・・・ということは、少なくとも同サイドに人は足りている(相手にとって)・・・確かにその中を細かく突破できればいいし、それが逆サイドへの布石ならいいと思いますが・・・
 私が感じるのは、W杯レベルの勝負は、時間と空間の見つけあい・創りあいの勝負だと思うんです。ですから、やはり逆サイドに意味を感じる。そして、意識付けや方法論の問題ですが、私は可能だとと思います。例えば、オシム監督時は、アーセナル(今季というより昨季より前)のようなやり方で、時間を創るということには手応えがあった(ヨーロッパ遠征などでも)。確かにアタッキングゾーンでの崩しの課題はありましたが・・・オシム監督が良くて、岡田監督が悪いといいたいのじゃない。細かくつなぐ・攻守の切り替え。やはりそこは重視すべきでしょう。そこでさらにもう一つ、ピッチを広く使うことを考えてほしいということです。動き出しの速さが並だとしても、それ以外のもの(持続力?やチームコンセプトなど)と複合的に打開してほしいな。

>あれ?さんへ
 よろしければ、上のコメントを見てください。

posted by オクジョー | 2009-07-03 12:17

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