2009年02月05日

「俺たち」としての安田理大

安田理大がフィンランド戦で代表初ゴールを決めた。
それはミチの成長の証。
そして1年間の精進の賜物だった。 

1年前。
東アジア選手権。
ミチは中国のGKに蹴られていた。 

安田理大は恐らくゴール裏から誕生したJ最初の選手だ。 
幼い頃にJリーグができて将来の夢にプロサッカー選手を思い描いた。 
サッカーを始めて上手くなってガンバのジュニアユースに入ってキャプテンを務めた。 
その間もずっと万博のゴール裏に通いガンバを応援していた。 

ユースを経てトップに上がり一昨年2月のゼロックス杯で鮮烈なデビュー。 
U20W杯では「調子乗り世代」の中心として活躍。 
11月のナビスコカップではMVPと新人王のW受賞。 
昨年20歳にしてついに日本代表にまで上りつめた。 

そんな「万博A席」出身の選手をガンバ大阪ファンが愛さないわけがない。 
ガンバファンにとって宮本や稲本や大黒は「俺たちの誇り」だった。 
でも理大=ミチは「俺たち」そのものなのだ。 
ミチの人気はその明るくやんちゃな性格に支えられているだけではないのだ。 

そのミチが日本代表として初先発した試合で足蹴にされた。 
決定的な2点目を取るチャンスをつかんだがゆえに。 
脇腹を跳び蹴りされたミチはそのまま病院送りにされた。 
中国のGKにはイエローカードだけ。 
北朝鮮の審判はPKすら与えなかった。 

許せない。絶対に。 
許してはいけない。 
あのような行為はサッカーでも何でもない。 

ミチも忿懣やるかたなかったはずだ。 
サッカー選手は体が資本。 
ミチには既に妻も娘もいる。 
幸い大事には至らなかった。 
それでも蹴られた場所がもう少し悪ければ人生が変わってもおかしくなかった。 

しかし。 
ミチはブログに相手への怒りではなくゴールを外したことの悔しさを綴っていた。 

あのような仕打ちを受けてなお向上を目指す。 

そうだった。 
暴力ではなくフットボールが観たい。 
ラフプレーではなく技術が観たい。 
それこそガンバファンが一貫して望み続けたサッカーではなかったか。 

ミチと怒りを共有したつもりになった自分を恥じた。 
ミチは確かに「俺たち」だ。 
でもわたしよりずっとガンバファンだった。 

昨日のフィンランド戦はテストマッチ。
すでに勝利は決まった状態だった。
ゆえにゲームの中で意味を持つゴールではなかった。
けれどミチという1人の選手にとっては別だ。
あのシュートはスローで見ると「無回転」だ。
ミチ得意の切り返しの後のシュート。
そこで「無回転」が撃てるようになった。
今年もミチはまた少し上手くなっている。
そのことがわれわれを期待させる。

飽くなき向上心がある限りミチはもっともっと上手くなるはず。
今年もわたしは13番のユニを着てガンバ大阪を応援する。

posted by gregorsamsa |11:36 | コメント(2) | トラックバック(0)
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