阿佐智の「アサスポ・ワールド・ベースボール」

U18イタリアのホープ、ステファノ・チェンシ(パルマ・エンジェルス)

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censi

U18ワールドカップがたけなわだが、今回の欧州取材では、イタリア、オランダのこの世代の選手も取材した。プロアマの垣根の低い欧州では、若い才能はプロ契約の上、トップリーグでプレーすることも可能で、このあたりが少ない野球人口の中、世界の強豪と伍するだけの実力をもつ秘密ではないだろうかと私は考えている。

 イタリアの場合、野球連盟のお眼鏡にかなったものは、ピサ郊外にあるティレニアの野球アカデミーに送られる。ここでは選手は寮生活を送り、近所の学校に通いながら野球の英才教育を受ける。イタリアの学校は9月に始まり、6月の頭に終わる。夏休みは実に3か月。この間にはメジャーによる周辺各国からの選手も参加するアカデミーリーグも開かれ、まさに野球漬けの環境ができる。  今回のワールドカップに出場する選手の中には、プロリーグ、IBLの古豪、パルマとプロ契約を結ぶ2人の選手も名を連ねる。一塁手のレオナルド・セミナートは、すでにシンシナティ・レッズと契約を結んでおり、来年、最終年である高校5年が終わるとともに渡米の予定だ。もうひとりの、ステファノ・チェンシは今季初めてパルマとプロ契約を結んだ投手。週末は、ティレニアの寮から試合球場に通い、試合後は、そのままパルマの選手寮で1泊、翌日試合後、ティレニアに帰るという生活を送った。  大変ではないかと言う問いには、笑って大丈夫と答えていた。パルマが、ローマに近いネットゥーノなどに遠征するときは途中で拾ってもらうというが、なにか草野球を連想させるのどかな話だ。  今回は、1999年5月21日生まれというこの18歳の少年に話を聞くことができた。    州都ヴェネチアで有名なヴェネト州の片田舎出身の彼は、8歳の時、村の祭りで出ていた野球を紹介するスタンドで白球に出会ったという。それ以来、ずっと野球を続けている。なぜサッカーでなかったのかと言う問いには、「そもそもサッカーは好きでないんですよ。小さいころからやりたいと思ったことがないんです。野球はサッカーと違って(フィールドにいる)みんなが参加できますから」という答えが返ってきた。  その後彼は順調に階段を駆け上り、アマチュアリーグのセリエBからセリエAのクラブに移籍、そしてアカデミー入りし、今季は、学校が夏休みに入った6月になってIBLのパルマと初めてプロ契約を結んだ。世代別のナショナルチームでは国際大会での先発経験も積んだ。

 現在は高校4年生(イタリアの高校は5年生、19歳で卒業となる)。学校が始まる9月には、チームを離れる予定だ。卒業は来年の夏となるが、その後の進路は現在模索中だと言う。 「まだ決めてはいないんですけど、できればアメリカのカレッジに進んで野球を続けたいですね」  もちろんその先には、国外でのプロという青写真もある。日本のプロ野球でもプレーしたい希望もある。残念ながら、肩の故障のため、予定されていたU18ワールドカップには最終ロースターで漏れてしまったが、本来ならば、今大会でメジャーのスカウトにアピールするつもりだった。  自慢は最速99マイル(158キロ)の速球だ。これにスライダーとチェンジアップがあるという。  今大会で日本の選手は知っているかと聞くと、笑いながら「全く知りません」と言う。そもそも、メジャーリーグの選手の名前もあまり知らないのだと言う。 「最近になって、メジャーリーグの中継なんかも見るようになりましたが、そもそも、イタリアではトップリーグの試合さえ見る機会はなかなかありませんから。だから、どの選手が目標とかそういうのもないんです」

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