2010年01月20日
因縁の対決
以前、こちらで写真を掲載させて頂いた、HBLの男子2次予選。 私だけでなく、台湾の記者達も開催前から注目していた1月5日の青年高中VS新榮高中に焦点をあてましたが、ここで改めて補足・紹介させて頂きたいと思います。 この2チームの因縁が出来たのは2008年12月30日に行われた2次予選での事。 新榮高中と青年高中は、この年のベスト8入りの最後の枠を争っていました。 青年高中は南湖高中との最終戦で、第4Q残り14.34秒で46−46というところで、タイムアウトをかけた際、青年高中の卜美可HCが選手達に故意にミスをして試合に負けるよう指示を出し、46−48で敗れ新榮高中のベスト8進出を妨げた、という事がありました。 その結果、青年高中は3月の決勝には進めなかったものの、過去最高の5位になりました。 その際、この試合をスタンドで観戦していた新榮高中の田本玉HCが試合終了と同時にとった不適切な態度が、生放送のTV映像として放映されてしまいました。 その時の様子は、こちらをご参照下さい。 この反響は大きく、HBLを主催する団体は2009年1月5日の会議で、両者に2010年1月5日まで、1年間の資格停止処分を科し、公式戦でのベンチ入りを禁止する決定を下しました。 青年高中の卜美可HCは、故意に試合結果を操作し、敗れる行為(上の動画でも指示を出している事は明白になっています)、田本玉HCはTVカメラに映し出されたその態度が教育従事者としてあるまじき行為である、という事が処分の対象になりました。 *こちらも併せて参考にしました そして迎えた謹慎明け直前の2010年1月5日の夕刻… 神のいたずらか… はたまた故意なのか… この2校は絶妙なタイミングで対戦する事になってしまいました。 しかも、負けた方が2次予選敗退が決定し、翌日行われるベスト8最後の2枠を争う決定戦2試合でベンチ入りできるHCが決まる!という、否応無しに盛り上がる状況の中での試合となりました。 会場も、両校の在校生や関係者達で埋まり、1年前の因縁をあおるような雰囲気が漂う中で試合が行われました。 驚いたのは、台中縣にある青年高中の在校生達がバス3台動員して会場のある高雄まで応援に駆けつけていた事です。おそらく、授業は対戦相手の新榮高中同様に「課外授業」という事で欠席扱いになっていないと思います(注:台湾は、年末年始は1月1日が祝日というだけで、通常の暦通りになっています。日本でいう冬休みは、旧暦の1月1日にあたる2月14日前後に設定される休日を基準に設定されています)が、移動だけで2時間以上かかる高雄に応援に来る気合いの入り方は半端ではなかったと思います。青年高中はこんな感じでしたこちらは新榮高中。 学校から電車で1時間程度で来られるので、必然的に応援団は増えます。 試合も、その声援に応えてか、青年高中は一時10点以上も差をつけ、試合を優位に進めていました。 しかし、この時まだ2次予選未勝利だった新榮高中も「簡単に負けるわけにいかない!」とあってか、第3Q後半からに反撃に出て、ラスト5分あたりで逆転し、しばらく抜きつ抜かれつの攻防が続きました。 本当の意味で試合が決したのは、ラスト10秒あたりで得た2度のフリースロー。これを2度とも決めて、86−82で新榮高中が勝利しました。因縁の対決も、試合が終わればこんな感じでお互いに健闘を讃えあっていましたその後、お互いの選手たちが両チームのベンチを訪れ、敬意を表しました(写真は青年高中の選手が新榮高中のベンチを訪れた様子) 両校のHCは、それぞれスタンドで観戦していましたが、田本玉HCは、いてもたってもいられなかったのか、最前列でベンチや選手達に大声で指示を出し、気合いを入れていました。 試合後に、田本玉HCに声をかけにいったら、笑顔全開で喜びは爆発していたものの、ノドはガラガラ。話を聞きにきた記者達には、女性らしからぬだみ声で対応していました。そのため、翌日はのど飴が手放せない状態に陥ってました。 一方、敗れた青年高中は、応援に来た在校生たちの背中は寂しそう…というよりは、苦痛極まりない授業(少なくとも私はそうだった)から離れられる喜びの方が大きいのか、街で見かける高校生の姿そのものでした。台大體育館で開催される決勝でもないのに、何でそんなに気合いを入れてたんだろう…という気がしないでもないのですが、応援に来ていた在校生達には、ちょっとした遠足のようなものだったのではないのでしょうか。 翌日の決定戦でベンチ入りが解禁になった新榮高中の田本玉HCは、今大会は謹慎の影響でアシスタントコーチの身分でしたが、私が台北アリーナで初めて見たような元気な姿を見せてくれました。こんな感じです(NIKEのトレーナーを着ておられる方です) 残念ながら設定された2試合共に敗れ、ベスト8入りはなりませんでした。 最後は、代理で指揮をとっていたアシスタントコーチ(この方も学校のOBで、田本玉HCの教え子)が、ミーティングで選手達にひとしきり話をして締めくくり、新榮高中の2009ー2010年のHBLは終わりました。 HBLの魅力は、日本の高校生のスポーツ大会のように勝者だけでなく敗者もしっかり輝いているところです。特に、試合に負けて涙する姿には、日本の高校生たちと同じように大粒の涙を流して悔しがります。もちろん、その涙はウソや偽りに満ちたものではなく、一途にバスケットボールに取り組んできたのがストレートに伝わるくらい、きれいで美しいもので、思わずグッと引き込まれて、感情移入してしまいます。 繰り返しますが、台湾では敗者にはあまり関心がなく、新榮高中が最後のミーティングをしているところで、TV局の機材撤収作業が淡々と行われていました。私がそうした光景に注目する姿は、台湾の記者たちや関係者たちには、不思議に見えるようです。 次回以降で、写真中心に紹介していきたいと思います。
- 共通ジャンル:
- バスケットボール
posted by |19:37 |
HBL |
トラックバック(0)







