2008年06月15日
無気力試合 〜勝利と教育〜
過去2回紹介してきた、台湾の高校野球「玉山盃」は、14日、雨のため15日以降に順延となりました。 それでは! …と言いたいところですが、更に分かってきた事がありましたので、紹介致します。 再試合になった桃園縣VS宜蘭縣の開始前の事でした。 両チームとも、前日の無効試合の裁定を不服として、抗議行動に出ました。 桃園縣は、監督が球場に到着後、休暇を申し出て、球場を後にしました。 試合は、コーチの一人が監督代行を務めました。 宜蘭縣は、試合開始時刻になってもグラウンドに整列しませんでした(その様子はこちらの写真をご参照ください)。 結局、主催者から「10分以内に出て来なければ、(両者)失格にする」と促され、ようやく試合に臨むという感じでした。 元々、再試合には消極的だったようで、試合後の監督のコメントも 「(無効になった)前日の試合で投手を使い切って、今日(本当の意味で)使える投手がいなかったんだ。」 等々、不満タラタラだったようです。 私は、この両チームの2試合を見ておらず、向こうの記者達が書いた原稿を判断材料に、あれこれ書き込んでおります。そのため、断言するような論調は避けなければいけませんが、非常に見苦しいものがあります。 まずは、「無効試合」の裁定に対する、この両チームの抗議手段。 桃園縣の監督は、会場入りしながらも、試合は理由をつけてお休み。 宜蘭縣は、試合そのものを「ボイコット」しようとして、試合開始前の整列を約10分遅らせました。 これを、高校生の選手達が、自発的に行ったものであるとは誰も思いませんよね?明らかに、監督をはじめとする大人の指示であるのは、間違いないはずです。 理由はどうあれ、他人に迷惑をかけ、選手を巻き込むような稚拙な抗議のやり方は、絶対に慎むべきででしょう。 次に、「無効試合」の裁定に対する、両チームの解釈の仕方。 いくら当事者が 「ちゃんと試合をしているだろ!」 と主張したところで、それを最終的に判断するのは、自分たちではなくて他人(この場合は主催者)ですよね? その他人が、試合を見て「無気力」と判断すれば、それがその試合に対する評価となります。その評価には、当事者達の個人的事情は一切排除されてしかるべきです。 両チームの監督(もしくは監督代行者)のコメントを拾い読みしている限り、この辺りの認識が欠如しているように見えてなりません。 彼らに必要な姿勢は、前記したような抗議ではなく、「なぜ自分たちの試合が無気力試合と判断されたのか?」と自らを顧み、「改めるべきは改める」という謙虚な姿勢ではないでしょうか? 最後に、私は、この両チームの監督は、「監督」としての顔だけでなく、「選手達の指導者」としての顔もある事を自覚しているのか?という疑問があります。 この選手達が学校を卒業後、自分の意にそぐわない場面に出くわした時、もしかしたら師匠にあたる監督がとった行動のような「ボイコット」をやるかもしれません。 もし、そうなったとしたら、彼らは監督の姿勢を手本として行動をとった事になります。その際、「あの時、監督がそういう行動をとってたから、自分もそれに倣ってやってみた」と発言したら、監督の姿勢が、その選手の価値観と人格形成にも大きな影響を与えた事になります。 こういう感じで、自分のとっている行動が、選手にどれだけ大きな影響を与えるか、単なる「野球チームの監督」としてではなく、「一指導者」としての自覚があれば、少なくとも子供じみた抗議行動は慎むことができたはずです。 桃園縣の監督は、「これを学生野球としてではなく、(勝利最優先の)国際試合として捉え、強豪との対戦を避け、勝ち上がるのも戦術の一つ」という理論を、自らの台所事情(負けると、新学期の部員の募集に響く等々)を明かしながら展開しています。しかし、「勝つため(あるいは結果を出すため)にはどんな手段を使っても構わない」という事を、多感な時期の選手が、浅くて軽い認識で覚えたら、彼らは将来どんな大人になるでしょうか? それを考えることができれば、抗議行動のやり方も少しは変わってたはずです。 私事ですが、今、ドラマの「ごくせん」に夢中になってます。 主人公の”ヤンクミ”こと山口久美子が発する言葉には、「自分で自分に言い訳してんじゃねぇよ!」等々、筋が通っていて分かりやすく、思わず聞き入ってしまいます。 そんな私は、もし、ヤンクミが、こういう場面に出くわしたら、何て言うんだろうか?と考えてしまいます。 きっと、 「お前ら(監督たち)、ふざけた事やってんじゃねぇよ!コイツら(選手たち)の前で、『私は正しい事やってます』って、堂々と胸はって言えんのか?」 という感じで、怒るんだろうなぁ…
順延された15日の試合(準決勝)の結果です。 台東縣VS桃園縣は、2−4で桃園縣、台北縣VS台南市は7−0で台北縣が勝利しました。 この結果、16日の決勝は、桃園縣VS台北縣という2年連続の組み合わせになりました。 桃園縣の2連覇なるか? あるいは、台北縣のリベンジなるか? 結果は、このブログにて。
posted by giants3so |01:40 |
台湾野球 |
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