2010年03月30日
前著『ビッグクラブ』で描いた2002-2006年シーズン以後のこの2年間に、浦和レッズはそのサッカースタイルを喪失していった。そして2009年に就任したフォルカー・フィンケ監督はシーズン開幕以降いままでのレッズとは違うサッカーを見せ、「若手育成」「スタイルの変換」などを行ってきた。しかしこのシーズン、浦和は2年連続の無冠に終わった――。
特定個人の能力に頼るサッカーで一度は栄光をつかんだ浦和。しかしその栄華は長くは続かずに瓦解した。そして「システム変換」「選手育成」を掲げるフィンケ監督のもと、コンビネーションサッカーに取り組みはじめた。無冠に終わったそのサッカーは進化しているのか? 再生なるのか? 今後のレッズのサッカー=新しいレッズスタイルはどこに向かうのか? どこに向かうべきなのか? 浦和レッズを見続ける著者が、09年の戦術や選手個々人の状況を読み解きながら、生まれ変わる「レッズスタイル」を考察する。
<書籍概要>
■書名:浦和再生 レッズスタイルの行方
■著者:島崎英純
■発行日:2010年3月29日
■版型・ページ数:四六判・240ページ
■定価:1400円(税別)
■ISBN:978-4-06-215806-0
■発行元:株式会社 講談社
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2010年03月29日
[3.28 大学日韓(韓日)定期戦 全日本大学選抜 1-1 全韓国大学選抜 国立]
全日本大学選抜チームと全韓国大学選抜チームとが対戦するDENSO CUP SOCCER第7回大学日韓(韓日)定期戦が28日、東京・国立競技場で行われた。前半31分に日本のFW永井謙佑(福岡大4年=九州国際大付高、ヴィッセル神戸特別指定選手)が先制ゴールを決めたが、韓国は後半13分に途中出場のMFコ・ムヨル(崇実大)が同点ゴール。90分間で決着のつかなかった試合は延長戦でもスコアが動かず、1-1で引き分けた。なお、大会MVPには永井が選出された。
「負けなくて良かったな、勝てなくて悔しいという気持ち」。日本の指揮を執った中野雄二監督(流通経済大)は120分間の熱戦をこう振り返ったが、日本はホームチームが過去6戦全勝していた大学日韓戦で、ホーム側として初めて勝利を飾ることができなかった。試合後、選手たちも一様に不満げな表情。シュート数は相手の17本に対し、120分間でわずか7本に終わるなど、内容でも相手を上回ったとは言いがたい試合だった。
日韓戦へ向けて約2週間の福岡・オーストラリア合宿を行ってきた日本は、4-4-2システムを選択。GKが松本拓也(順天堂大4年=磐田ユース、湘南ベルマーレ特別指定選手)で4バックは右から比嘉祐介(流通経済大3年=流通経済大柏高)、牟田雄祐(福岡大2年=筑陽学園高)、山村和也(流通経済大3年=国見高)、田中雄大(関西大4年=野洲高)が先発した。中盤は山田大記(明治大4年=藤枝東高)と中里崇宏(流通経済大3年=流通経済大柏高)がダブルボランチを努め、右MFが阿部浩之(関西学院大3年=大阪桐蔭高)、左MFが石原卓(中京大2年=中京大中京高、前横浜F・マリノス)。2トップは永井と金園英学(関西大4年=立正大淞南高)がコンビを組んだ。
U-20日本代表の主力のひとりであるMF河井陽介(慶応義塾大3年=藤枝東高)は左足ふくらはぎ負傷のためベンチからも外れたが、永井、山村と今年日本代表に選出された2人に加え、松本、山田、田中、金園とJ注目の4年生タレントたちがメンバーに名を連ねる“豪華”布陣だった。
ただ、永井の快足を活かすため、スペースへシンプルにボールを蹴り出した日本に対し、試合を支配したのは韓国。MFチョン・ウリョン(慶煕大)のゲームメイクからキャプテンマークを巻いたMFチャン・ソンリャン(光云大)がダイナミックな動きで前線へ飛び出すなどアグレッシブに攻めていく。そしてサイドからの鋭いクロスで日本ゴールを破ろうとした。
守備面でも相手を弾き飛ばすかのように激しく間合いを詰めてくる「攻撃的な」韓国に日本は戸惑った。司令塔の山田が「プレスをかいくぐろうとし過ぎた。もっとガツガツいけばよかった」と振り返り、攻撃的SB田中が「SBからゲームメイクすることを目指していたのに、ボールをとられた後のリスクを考えすぎた」とオーバーラップを自重するなど、姿勢が後手になったことで相手に押し込まれてしまった。
28分に左サイドを崩されかけながらも、田中の好守で封じるなど無失点で試合を進めた日本だが、前半30分に右サイドから仕掛けた比嘉が左足ミドルを放つまでシュートを1本も放つことが出来なかった。それでも前半は“スーパーゴール”により日本がリードして折り返す。決めたのはエース永井だ。
チーム初シュートの1分後の31分、左サイドで中里、金園とつながれたボールが永井の前方へと送られる。持ち味のスピードでDFのマークを外した永井は左サイドをタテへ加速したまま、PAギリギリの位置から左足でボールをこすり上げた。この数秒後、スタンドをどよめきが包む。永井の左足から放たれたボールはふわりと舞い上がると、GKの頭上を越えてそのまま逆サイドのゴールネットへ吸い込まれたのだ。
ゴールについて永井は「(シュートではなく)センタリングです(笑)。たまたま。GKの頭を越そうと緩めに上げたら、風に流れてそのまま入った」と振り返ったが、日本は劣勢だった試合をエースの一撃で優位立った。日本は39分に牟田が競り合いでの着地時に負傷し、急遽DF中田智久(中京大3年=中京大中京高、前ヴィッセル神戸)と交代するが、前半45分に山田のスルーパスで抜け出した永井が右サイドから折り返し、金園が右足ダイレクトで決定的なシュートを放つなど良い流れのまま前半を終えた。
だが、後半は再び韓国ペースに戻されてしまう。日本は7分、10分にスルーパスと相手アタッカーの強引な突破から決定的な場面をつくられる。これはGK松本の好守で封じたが、13分、左サイドからPAへ進入した韓国FWペ・チョンソッ(崇実大)のドリブルにDFが引き付けられ、ゴール前でフリーとなったコ・ムヨルに難なく同点ゴールを奪われてしまった。中野監督が「全体的に中盤の出来が悪かった」と振り返った日本は効果的なパスを出すことができず、中盤省略のロングフィードに頼った展開に。序盤から鋭いキレで脅威となっていた永井、金園もなかなかボールを収めることができない。単調な攻撃を繰り返してはセカンドボールのほとんどを韓国につかまれ、再び攻め込まれた。
それでも23分にFW林容平(中央大3年=浦和ユース)を左MFへ入れ、30分にDF櫻内渚(関西大3年=作陽高)を右SBへ投入し、流れを変える。櫻内がフリーで攻撃に絡むなど、ワイドを使った攻撃を繰り出しだすと39分に右サイドのスペースを突いた山田の折り返しを永井が右足ボレー。後半ほとんどなかった決定機もつくりだした。
ただ試合は決着のつかないまま延長戦へ突入した。何とかホームで白星を挙げたい日本は後半終了間際から金園に代えてFW瀬沼優司(筑波大2年=桐光学園高)、延長前半開始からは左SBの比嘉に代えてMF田中裕人(関西大2年=G大阪ユース)を投入。活力を注入する。
マークをずらされ、決定的なシュートを放たれる場面もあった日本だったが、後半2分に絶好の勝ち越しチャンスを迎える。カウンターから阿部がPA内右サイドへ走りこむ瀬沼へスルーパス。これを瀬沼が右足で撃ちぬくが、シュートは韓国GKイ・ホスンが右足一本で弾き返す。逆に韓国は12分にカウンターから右サイドを突いたDFカン・ミョンホの放ったドライブ気味の左足シュートがゴールを捉えるが、GK松本がバックステップを踏みながら懸命に腕を伸ばしてボールに触れると、ボールをクロスバーを叩いてゴールの外へ。その後、日本は試合終了間際からDF森本良(中京大4年=名古屋U18)を投入し、山村をボランチへ移動させる攻撃型シフトへ変更するが、結果を出すには残り時間が短かすぎた。両守護神が延長戦後半に見せた気迫のセーブにより、決勝ゴールが生まれなかった試合は結局、初の引き分けで幕を下ろした。
(取材・文 吉田太郎)
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2010年03月28日
私が参加しているサッカークラブは、小学校を拠点に、自転車で通える子どもたちが参加している、いわゆる地域のクラブチームだ。
すでに、創立から30年近く経つので、卒業生には社会人も多く、なかなか社会人は遊びに来てくれないが、大学生や専門学校生、高校生などは、よく顔を出してくれる。
とはいえ、指導者として携わるほとんどの方たちは、俗に言う『お父さんコーチ』たち。
卒業生を送る会で、スピーチする6年生を見ながら、練習や、大会、合宿などの思い出が頭をよぎる。
そして同時に、「あのときこうしていれば……」とか、「もっとイイ指導法があったのでは?」とか、反省材料もまた、たくさん頭に浮かんでくる。
彼ら、お父さんコーチたちの6年間の経験と反省は、なかなか次の世代へと受け継がれていかない。
これが、ある意味、地域クラブの弱点でもある。
ほとんどのお父さんコーチたちは、新入生と同様、指導者としては新人コーチとして手探りでスタートし、自分の経験や、指導書などを参考に子どもたちを指導する。
大きな意味でクラブの指導理念はブレないのだが、具体的な指導方法がなかなか積み重ねられていかないのだ。
今度の週末、小学校のグラウンドで活動するサッカーを最後に、現6年生は卒業する。
そして、彼ら選手たちと一緒に、ほとんどのお父さんコーチたちもまた、卒業していく。
子ども好き。
サッカー好き。
地域好き。
理由はいろいろであろうが、そんななかで何人か、本当にサッカーを愛する(?)人たちだけが、自分の子どもが在籍しないチームに、コーチとして残る。
わがチームの周辺にも、長い間少年サッカー界で指導を続けている名物指導者が何人もいる。セルジオ越後氏には遠く及ばないが、彼らの中には1000人以上の卒業生を送り出された方も多い。
本当に、彼らには頭が下がる。
すでに、自分の息子が小学校を卒業して3年目。
手探りでスタートした私の指導者歴も、来年度で10年目になる。
大会で優勝するチームはなかなか作れないが、サッカーが大好きでサッカーと友だちの思い出がたくさんできるチームなら、誰でも作れるはずだ。
そう信じて、また4月から新しい学年の子どもたちを相手に楽しくボールを追いかける日々が始まる。
posted by スタッフ スズキ |13:03 |
少年サッカー●U-12・4種 |
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2010年03月28日
[3.27 J1第4節 湘南2-0新潟 平塚]
長かったトンネルを抜け出した。湘南ベルマーレは1999年8月7日の名古屋戦(平塚、4-2)以来、足かけ約11年8カ月、3885日ぶりのJ1勝利をつかんだ。平塚競技場がサポーターの大歓声に包まれる中、選手たちは手を振りながら“ウイニングウォーク”した。
「粘り勝ちという感じかもしれない。J1でやっていくには、こういう勝ち方のほうがあっている。古巣から初勝利? 新聞ネタになったな。ガッツポーズ? たいしたガッツポーズじゃないよ。無意識に出たかな」
反町康治監督が安堵の表情をみせた。開幕戦の山形戦には引き分けたが、続く横浜FM戦、広島戦といずれも3失点で完敗。「3月は我慢の月になると思っていた」。戦力を考えると、ある程度の予想をしていた結果だったが、ズルズルいくとJ1初体験ばかりの選手が自信を失う危険性があった。
それでも、これまで貫いてきた前へ前へ、そして泥臭く走り抜くのスタイルを継続。この試合に向けた週の最初の練習でも、選手を叱責するのではなく、「そろそろJ1に慣れただろ」などと鼓舞した。
前半20分にはFW中村祐也が縦パスに向け出して先制弾を決めると、後半31分のFW田原豊の追加点もカウンターの流れから。継続してきた前の姿勢が活かされたゴールだった。反町監督も「粘り強くやった結果、足が止まらなかった。これが好機をものにした理由」と選手たちをたたえた。
指揮官にとっては新潟を率いていた2005年11月27日の名古屋戦(瑞穂陸、 1-0)以来のJ1勝利となった。そして湘南のJ1復帰後初勝利が、因縁深い古巣・新潟となった。昨年の11月にもオフを利用して新潟を訪れるなど、いまでも愛着を持つ街。だが、初勝利は因縁や愛着だけでつかんだものではない。
今の新潟・黒崎久志監督は、2001年に反町監督の下でプレーした経験を持つが、黒崎監督は「はまってしまった」と話した。指揮官の性格だけでなく、MF本間やDF千葉などは自身が発掘した選手で特徴を知っているほか、綿密なスカウティングも敢行した。相手のチョ、矢野の両翼がカギと分析。特にチョの突破を警戒し、左SBだけでなく、左FWの阿部にもチェックさせるなど策略を練っていた。
「ひとつ勝ったことで、選手に少しでも自信が出てくるのかなと。これを勢いというか自信というか、やってきたことに間違いはないという信頼感とか、そうしたものをこれからのマネジメントにうまく生かしていければいいかなと思う。来週はウィークデーにナビスコ、そのあと埼スタ。浦和のサポーターはみんな勝点3を獲ったと思っていると思うが、そうはさせないように頑張ってきたい」
順位は最下位18位から12位に浮上。反町監督は今後の上昇を期待した。たしかに、これまでは慣れない“J1の質のサッカー”に戸惑うところがあったは事実。だが、この1勝で“乗る”可能性はある。そこに向けて指揮官は、タクトを振るだけだ。『湘南の暴れん坊』の完全復活に向け、これから勝利を重ねていく。
(取材・文 近藤安弘)
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2010年03月27日
[3.27 J1第4節 川崎F0-0清水 等々力]
J1第4節は各地で6試合を行い、等々力陸上競技場では川崎フロンターレと清水エスパルスが対戦。前節終了時点で首位だった清水は試合を優勢に運んだものの、決め手を欠き、スコアレスドローに終わり、3連勝はならなかった。
川崎FはDF寺田周平が先発に復帰。システムは4-3-3で、GK川島永嗣、4バックは右から森勇介、井川祐輔、寺田、小宮山尊信と並んだ。中盤は稲本潤一がアンカーで、前めに谷口博之と田坂祐介。前線は右からレナチーニョ、鄭大世、黒津勝の3トップだった。
清水も4-3-3で、GK西部洋平、4バックは右から辻尾真二、平岡康裕、ボスナー、児玉新。中盤は本田拓也がアンカーで、右前に小野伸二、左前に山本真希が入り、3トップは右から藤本淳吾、岡崎慎司、兵働昭弘と並んだ。DF市川大祐とDF岩下敬輔は負傷欠場。FWヨンセンはベンチスタートだった。
立ち上がりの主導権を握ったのはアウェーの清水だった。岡崎らが裏を狙う動きでボールを呼び込み、ロングフィードで相手を揺さぶりながら小気味いいパス回しでサイド攻撃を仕掛ける。わずかにラストパスがかみ合わず、決定機の回数は少なかったものの、優勢に試合を運んだ。
前半26分には小野の絶妙なスルーパスから岡崎がシュート。同37分にもゴール前に圧力をかけ、岡崎、小野が立て続けにシュートを狙うなどあと一歩のところまで迫った。
川崎Fは攻撃に連動性がなく、鄭大世らFW陣が個人技で局面を打開しようとするものの、清水の組織的な守備を崩せない。前半41分、レナチーニョのスルーパスに森が右サイドを抜け出し、ようやくチャンスをつくったが、森のクロスもゴール前で平岡に跳ね返された。
0-0で折り返した後半最初のチャンスは川崎F。清水の児玉が最終ラインでボールを奪われ、そのまま黒津がシュートを打ったが、GK西部が正面でキャッチした。ミスからピンチを招いた清水だが、全体としてペースは握ったまま試合は進んだ。鄭大世に対しても今季初先発の平岡が厳しくマークし、自由にさせない。
攻撃も徐々にフィニッシュまでいく回数が増え、後半17分には細かいパス交換から最後は兵働のパスを受けた岡崎がシュート。同18分にはボスナーのフィードを岡崎が落とし、兵働がフリーで狙った。どちらも決定的なチャンスだったが、枠を捉え切れず、0-0のまま試合は進んだ。
清水は後半25分、山本真に代えてFWヨンセン、同33分には辻尾に代えてDF高木純平を投入。1点を取るべく積極的に動いた。川崎Fは後半32分、谷口に代わってMF木村祐志がピッチに入り、同36分には動きに精彩を欠いた鄭大世を下げ、FW登里享平を投入した。
後半39分には川崎Fにビッグチャンスが訪れた。森がオーバーラップからシュート性のクロスを送ると、ゴール前でレナチーニョが触って角度を変えるも、ゴール左へ。同42分には清水も小野のスルーパスに抜け出した高木がフィニッシュまで持ち込んだが、シュートはミートせず、GKにキャッチされた。
ロスタイムにも両チームに決定機があったが、結局、互いに最後までゴールを奪えず、試合は0-0のまま終了。勝ち点1を分け合う結果となった。
(取材・文 西山紘平)
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2010年03月26日
[3.26 練習試合 日本高校選抜 1-4 順天堂大]
27日からの欧州遠征でベリンツォーナ国際ユースサッカー大会(スイス)に出場する日本高校選抜が26日、千葉県内で関東大学1部リーグの順天堂大と練習試合(30分3本)を行った。日本高校選抜は1本目28分にFW山本大貴(ルーテル学院→駒澤大)のゴールで先制したものの、2本目・3本目にそれぞれ2失点し、1-4で逆転負けした。
欧州遠征後に解散する日本高校選抜にとってこの試合は国内最終戦だった。骨折の影響で遠征不参加となったDF横濱充俊(青森山田)に加えてFW黄順旻(神村学園→Kリーグへ)が未だチームに合流しておらず、チームはこの日も16人のメンバー。連戦の疲れからか前日の早稲田大戦(2-0で勝利)に比べて運動量が落ち、またプレッシャーの速い順大に飲み込まれる形で失点を重ねた。故障者続出によるポジションの適正テストを行ったこともあったがディフェンスが乱れ、選手たちもがっくりと落ち込む敗戦となった。
布陣はこれまで通りの4-4-2システム。先発はGKが櫛引政敏(青森山田)で4バックは右から平塚拓真(山梨学院→神奈川大)、中田寛人(山梨学院→桃山学院大)、須藤貴郁(矢板中央→平成国際大)、中島龍基(青森山田→関西大)。中盤は碓井鉄平(山梨学院→駒澤大)と椎名伸志(青森山田→流通経済大)が中央に入り、右が柴崎岳(青森山田)で左が三田尚希(青森山田)、2トップは山本大貴(ルーテル学院→駒澤大)と宮市亮(中京大中京)がコンビを組んだ。
1本目は椎名、三田、中島の青森山田トリオで構成された左サイドでのパス交換などで局面を打開した高校選抜。ただ、順大の堅いDFラインを破ることはできず、逆に連携ミスから失点のピンチを招いた。それでも櫛引の好守など無失点で試合をすすめると28分、カウンターから柴崎が右サイドを約30m独走。背走する順大守備陣のマークを外しながら高校選抜の3選手がゴール前に詰める。そして柴崎のラストパスを中央へ飛び込んだ山本がゴールへ押し込み、先制点を奪った。
2本目、高校選抜は椎名に代わって赤崎秀平(佐賀東→筑波大)を右MFに投入、柴崎をボランチへ移動させる微調整を施して臨んだ。だがその開始直後、自ら「×」サインを出した平塚が負傷交代。早大戦先制ゴールの小谷祐喜(関大一→関西大)が右SBに入る。この後、中島が左サイドを個人技で突破したほか、山本のミドルシュートなどシュート数を増やした高校選抜だったが、DF陣がタテに速い順大に攻略されてしまう。
9分、右サイドからのラストパスにマークがズレてしまい、順大FW田内翔太(3年=近大付高)にゴール至近距離から決定的なシュートを放たれる。中盤と最終ラインが間延びしたため、プレッシャーの速い相手にビルドアップすることができず、また開いたスペースを順大に支配され次々と決定的なパスを通された。
そして16分、順大は直前にピッチに入ったばかりの1年生MF天野純(横浜FMユース)のパスでギャップのできたCB間に入り込んだ前ジュビロ磐田FW岡本達也(4年=磐田ユース)が右に流れながらGKをかわして中央へ折り返し。これに飛び込んだ田内がダイレクトで押し込み、同点に追いついた。
高校選抜は17分に柳直人(作陽→流通経済大)を左SBへ、大西晃広(香川西)を左MFへ投入。22分には碓井からのパスを受けた赤崎の左足シュートがGKを弾いてゴール右ポストを叩く。そしてGKに原田直樹(広島観音→阪南大)、宮市に代えて中島を左SBへ送り出すと(柳を左MF、大西を右MFへ)、30分には大西の縦パスで抜け出した赤崎が決定的な場面を迎えるがシュートはGKの正面。逆に相手にスルーパスを通されて再三ピンチを迎えると、ロスタイム突入後の34分、順大・天野の右CKを高校選抜DFが痛恨のオウンゴール。好守を連発していた原田もこれはストップすることができなかった。
須藤が「1本目はミスがなかったが、ボランチとDFラインの間が開いて、意識はしていたけどボールを奪っても前に蹴り出すばかりになってしまった」と反省したが、欧州遠征での連戦を見据えてFWの山本をCBで起用した3本目も流れを変えることができず。13分には自陣で山本がボールを失うと、順大MF井村雄大(1年=横河武蔵野FCユース)に決められて1-3。立て続けに決定機をつくられた後の試合終了間際にもスルーパスで抜け出した井村のシュートのこぼれ球を田内に詰められて1-4で試合終了を迎えた。
高校選抜の国内合宿最終戦は4点を失っての敗戦。大浦恭敬監督(香川西)は「つなぐサッカーが特徴の早稲田とタテに速い順大とタイプの違う相手を選んで練習試合を行っていたので、(失点は)想定していたところもある。疲れもあった。ただ選手たちはもっと自分たちがやれると思っていたようだから、がっかりしているけど。それでも、負け方はよくなかったが、失点の理由ははっきりしている。欧州でも前の選手たちは十分やれると思うし、DFから慌てずにボールをつなげるか。チームは合宿を通してよくまとまってきている」と手ごたえを口にした。
悔しい敗戦を喫したが、選手たちも切り替えてやるだけ。ベリンツォーナ国際ユースサッカー大会での日本高校選抜の成績は2年前が4位で4年前は優勝している。U-17W杯で世界を知る柴崎と宮市に加えて、碓井、椎名らタレント擁する今回も期待は大きい。怪我人の多さなど不安点は多いが、碓井が「目標は優勝」と意気込んだように選手たちは欧州で「JAPAN」を存分にアピールする。
(取材・文 吉田太郎)
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高校サッカー |
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2010年03月26日
[3.25 練習試合 日本高校選抜 2-0 早稲田大]
25日、第88回全国高校サッカー選手権の優秀選手から構成された日本高校選抜が大学サッカーの名門、早稲田大と千葉県内で練習試合(30分3本)を行い、DF小谷祐喜(関大一→関西大)とFW大西晃広(香川西)のゴールにより、2-0で勝った。“テストマッチ”とはいえ激しい雨の中で行われた一戦で強豪大学を撃破。日本高校選抜は27日まで千葉県内で合宿を行い、4月1日からのベリンツォーナ国際ユースサッカー大会(スイス)へ向けて渡欧する。
この日の日本高校選抜は、まだチームに合流していなかったFW黄順旻(神村学園→Kリーグへ)と骨折で遠征不参加となったDF横濱充俊(青森山田)を除く16名のメンバー。4-4-2システムの先発はGKが原田直樹(広島観音→阪南大)で4バックは右からDF平塚拓真(山梨学院→神奈川大)、中田寛人(山梨学院→桃山学院大)、須藤貴郁(矢板中央→平成国際大)、中島龍基(青森山田→関西大)。中盤は碓井鉄平(山梨学院→駒澤大)と柴崎岳(青森山田)が中央に入り、右MFが柳直人(作陽→流通経済大)、左が三田尚希(青森山田)、2トップは赤崎秀平(佐賀東→筑波大)と宮市亮(中京大中京)がコンビを組んだ。
「裏が赤信号だったら別の方法を探すけど、奪ったらまず裏を狙うことを意識させている」と大浦恭敬監督(香川西)が語ったように、高校選抜の狙いDFラインの背後のスペース。常にスペースを意識しながら試合を進めると、自陣からビルドアップした際もハーフウェーラインを超えた位置から攻撃をスピードアップさせてダイレクトのパス交換からのスルーパスでDFライン裏を強襲した。
その狙い通り、17分にはDFラインから抜け出した宮市がGKをかわしてシュート。26分には左サイドで得たFKから、機転を利かせた中島のクイックリスタートと宮市の絶妙なスルーによってDFラインの裏へ抜け出した赤崎がGKと1対1となった。
ただ、ビッグチャンスこそつくったものの、PAまで持ち込んでから放った赤崎のシュートは早大GK菅野一弘(4年=早稲田実高)がビッグセーブ。この後も相手GKの好守に苦しむこととなるが、それでも高校選抜は距離を詰めてくる相手DFをまるでいなして繰り出される柴崎の1タッチパスから青森山田のチームメイトでもある三田や中島がサイドを破るなど、リズムよく攻めていた。
早大の07年U-17W杯日本代表MF奥井諒(3年=履正社高)に突破を許し、元仙台特別指定選手FW富山貴光(2年=矢板中央高)に反転からのミドルシュートを放たれる場面もあった高校選抜だが「(これまで数回行った)合宿を通してよく成長しているのが分かる」と大浦監督が評価した須藤を中心としたDF陣が無失点に封じ、0-0で1本目を終えた。
2本目はGKが原田で4バックは右から中田、小谷祐喜(関大一→関西大)、須藤、中島。ダブルボランチは碓井と椎名伸志(青森山田→流通経済大)、右MFが平塚で左が三田。2トップは赤崎と山本大貴(ルーテル学院→駒澤大)の布陣(15分に平塚と三田に代えて右MF・柳、左MF・大西晃広(香川西)を投入。20分には椎名に代えて宮市を投入、中盤をダイヤモンド型に)。8分には椎名のパスをマークを外して受けた赤崎が右足シュート。9分には左サイドを力強くえぐった山本の折り返しから再び赤崎が決定的なシュートへと持ち込んだ。
なかなか決定機をものにできない高校選抜だったが、守備面が光る。敵陣でボールを奪われた椎名が前線のフォローもあり自らボールを奪い返すと「こういうこと(守備)をやろうよ」とベンチから讃える声が飛び、DF陣も決定的なシュートを打たせなかった。
碓井が「ガンガンいけていた」と振り返った通り、高校選抜は抜群の運動量を見せる山本らによる献身的なチェイスからやや中盤での展開に時間のかかった早大ボールを引っ掛け、速攻を繰り出した。25分には右サイドを抜け出した早大・野田明弘(4年=広島ユース)のラストパスからFW佐々木絢也(3年=青森山田高)に決定的なシュートを放たれるが高校選抜GK原田が至近距離からのシュートをビッグセーブ。その後クロスバーを叩いたボールを詰められそうになったが、高校選抜は全員でゴールを死守した。
直後には山本がDF裏へ抜け出し、30分には左サイドを打開した宮市からのラストパスを赤崎がシュート。立て続けにチャンスをつくった高校選抜はロスタイムの32分、ついに先制点を奪う。中央から左サイドへ展開すると大西、山本とつなぎ、最後は山本のラストパスをオーバーラップしていた小谷が「何かアピールしてやろうと思っていた」と右足でゴールへ押し込んだ。
1―0とリードして迎えた3本目はGKに櫛引政敏(青森山田)を起用し、右から小谷、中田、須藤、三田の4バック。碓井と柴崎をダブルボランチに右が大西で左が柳。宮市と山本の2トップへチェンジした(18分に宮市に代えて平塚を右MFへ投入。大西をトップに)。
メンバーを大きく交代させフレッシュな早大の前にやや押し込まれる時間帯があった高校選抜。早大はFW皆川翔太(4年=ヴェルディユース)の左足シュートが際どくゴールを襲った。だが、高校選抜は12分に柴崎のパスから柳が抜け出し、19分には同じく柴崎のスルーパスから三田がGKと1対1になる。そして20分には三田の絶妙な左クロスを大西が左足で合わせた。シュートの精度を欠くなどなかなか2点目が奪えなかったがそれでも29分、自陣から小谷を起点に柴崎がDFの背後へボールを落とすと上手く抜け出した大西がそのまま右足でゴールを破り、勝負に決着をつけた。
2月28日のU-18Jリーグ選抜戦、3月7日の静岡県高校選抜戦と続けて引き分けていただけに、選手たちは勝利に安堵の表情。選手たちに「全国4000校の代表というプライドと自信を持て」というメッセージを送っていた指揮官も「チームになってきた」と表情を緩めていた。
(取材・文 吉田太郎)
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2010年03月25日
[3.24 練習試合 U-19日本代表 5-1 順天堂大]
今秋に11年U-20W杯の出場権を懸けたAFC U-19選手権(中国)を戦うU-19日本代表が24日、千葉県内で関東大学1部リーグの順天堂大と練習試合を行い、5-1で快勝した。
昨年12月の候補合宿以来、3ヵ月ぶりに招集されたU-19代表メンバー。この日はコンディション調整に専念したDF松原健(大分U-18)を除く21選手が出場した。4-4-2システムの先発メンバーはGKが中村隼(山形)で4バックは右から田中優毅(日本体育大)、寺岡真弘(関西大)、平出涼(F東京)、阿部巧(F東京)で中盤はゲーム主将の六平光成(中央大)と加藤大(新潟)を中央でコンビを組み、右が菊池大介(草津)で左が清武功暉(福岡大)。2トップは永井龍(C大阪)とこの代表に初招集された有田光希(神戸)がコンビを組んだ。清武と有田を除く9人が昨年のAFC U-19選手権予選メンバー。体調不良者が続出したインドネシアでの厳しい戦いを勝ち抜いた選手たちが、先発メンバーに名を連ねた。
順天堂大は湘南ベルマーレ特別指定選手のGK松本拓也(4年=磐田ユース)が全日本大学選抜豪州遠征参加中のため不在だったが、元ジュビロ磐田のエースFW岡本達也(4年=磐田ユース)らが先発。その岡本を起点にボールを運ぶ順大に対し、この日のU-19日本代表は攻から守への切り替えが早く、ボールを失ってもすぐに相手選手を囲んでボールを奪い返す。
ただ、攻撃面では永井が前線で起点となるなどPAまではボールを運ぶが、決定的なチャンスは六平の左FKのこぼれ球を永井が右足ダイレクトで合わせた場面くらい。両SBも積極的に攻撃参加し数的優位をつくろうとしていたが、全体的にスピードアップできず、なかなか相手の裏を取ることができなかった。
さらに26分に平出が負傷し、内田達也(G大阪)と交代するアクシデント。重い空気が漂ったがそれでも29分、加藤の右CKをニアサイドへ飛び込んだ永井が後方へ流し、これを有田が右足ダイレクトでゴールへとたたき込んで先制した。
直後にGKを荻野賢次郎(C大阪)へ変更したU-19代表は後からピッチに入った2選手も問題なく試合を締める。自陣でのミスパスから岡本に左足シュートを放たれ、MF佐藤涼(3年=成立学園高)に強烈な右足ミドルを打たれる場面はあったが、1-0で前半を折り返した。
U-19代表は後半開始からメンバーを入れ替え、GKは荻野で、4バックは右から佐藤卓斗(流通経済大)、高橋祥平(東京V)、内田、阿部の構成へチェンジした。中盤中央で田口泰士(名古屋)と小島秀仁(前橋育英高)を組ませ、右に堀米勇輝(甲府ユース)、左に清武、2トップには宇佐美貴史(G大阪)と杉本健勇(C大阪U-18)を投入。内田、小島、堀米、宇佐美、杉本とAFC U19選手権予選は未招集だった09年U-17W杯出場組5人を同時にピッチへと送り出した。
ハーフタイムに前半の反省点を指摘されたか、田口や堀米らによる相手ボールホルダーへのプレッシャーがさらに増したU-19代表。明らかにスピードアップした攻撃面でも2トップの安定したポストプレーと大きなサイドチェンジなど、縦横の動きの変化で相手DFを効果的に揺さぶっていった。
その後半、輝きを放ったのは期待のFW宇佐美。開始53秒に杉本とのワンツーから抜け出して右足でゴールを陥れると、15分にはPA内左サイドでDF3人に蓋をされながらも強引に突破。ゴールライン際からの折り返しに後方から飛び込んだ小島が難なく合わせて3-0とした。
この後、GKに大森圭悟(福岡大)、左SBに田中、左MFに菊池を投入したU-19代表は自陣での痛いミスがあった一方で、好守からのショートカウンターでシュートチャンスを連発。29分にはゴール正面右寄り、PA外でボールを持った宇佐美が十分にためてからPAへスルーパスを送ると、絶妙なタイミングで飛び込んだ菊池が右足でゴールへと4点目を流し込む。さらに30分には宇佐美のサイドチェンジから堀米が中へ切れ込み、小島、田口がダイレクトでパスをつないで左サイドへ展開。最後はオーバーラップした田中のラストパスを宇佐美が中央で合わせるという流れるような攻撃も披露した。
トドメは35分。菊池が左サイドを独力でえぐるとその折り返しをニアサイドで杉本が粘り、最後は宇佐美がゴールへと押し込んだ。38分に、DFのミスからこの日素早いステップワークで存在感を示していた順大FW井村雄大(1年=横河武蔵野FCユース)にゴールを破られたものの、関東大学1部の順大に快勝した。
相手にややミスの目立った後半からの出場だったとはいえ、2得点2アシストの大活躍を見せた宇佐美や堀米ら、新たに加わった92年生まれ組が印象的なプレーを披露。既存メンバーの91年生まれ組との今後のレギュラー争いへ向け、全体の意識を高めるには十分な90分間だった。U-19代表の布啓一郎監督はこの日の反省点として、前半にやや見られたボールを持った選手のサポートの遅さなどを指摘。今後へ向けて「クオリティを上げていく。自分たちが主導権を握れる時間を増やしたい」と話し、U-20W杯のアジア予選については「最低でもアジアを抜けるチームにしなければならない」と誓った。
同代表はこの後、26日からのアメリカ遠征でダラスカップに出場し、トッテナム(イングランド)などと対戦する。今後は4月にメンバーを2つに分けて、東西2ヵ所(静岡県内、大阪府内)で代表候補合宿を開催する予定。5月にはオランダ遠征を行い、チームのメンバー・戦い方を徐々に固めていく。
(取材・文 吉田太郎)
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2010年03月25日
[3.24 ACL第3節 鹿島5-0ペルシプラ・ジャヤプラ カシマ]
ACLグループリーグ第3節が24日、行われ、鹿島アントラーズはホームでペルシプラ・ジャヤプラ(インドネシア)に5-0で大勝した。前半39分、DF新井場徹のゴールで先制すると、前半ロスタイムにFWマルキーニョスが追加点。後半にもMF小笠原満男、FW大迫勇也、マルキーニョスが加点し、5-0の快勝で3連勝を飾った。
グループFのもう1試合は全北現代(韓国)が長春亜泰(中国)に2-1で勝利。この結果、鹿島が次節30日のペルシプラ戦に勝ち、長春が次節の全北戦で引き分け以下に終わるか、もしくは鹿島が引き分けでも長春が敗れれば、2試合を残してグループ2位以内が確定し、グループリーグ突破が決定する。
鹿島はMF中田浩二が累積警告で出場停止。システムは4-3-3に変更し、GK曽ヶ端準、4バックは右から内田篤人、岩政大樹、伊野波雅彦、新井場徹と並んだ。中盤は青木剛と小笠原満男がダブルボランチを組み、トップ下に野沢拓也。前線は右からマルキーニョス、大迫勇也、興梠慎三の3トップだった。
ペルシプラは5-4-1の守備的布陣を敷き、守りを固めてきた。鹿島は中盤で自由にボールは持てるものの、スペースのない状況で攻めあぐねる時間が続いた。
前半8分、小笠原のスルーパスを受けた内田の右クロスから大迫がシュートを放つも、ゴール左へ。前半16分には小笠原のスルーパスから青木の折り返しをマルキーニョスがスルーし、野沢が右足で狙ったが、DFの壁に阻まれた。
鹿島はなかなか運動量が上がらず、足元で受けようとするプレーが多く、相手の人数をかけた守りを崩せない。ミスからペルシプラに速攻を許す場面もあり、嫌な雰囲気が流れたが、前半39分、相手のミスにも助けられ、ようやく先制に成功した。
左サイドでボールを受けた新井場が切り返して右足に持ち直し、ゴール前にクロス。これをDFが空振りでクリアし損ねると、ボールはそのままゴールマウスに吸い込まれた。
前半ロスタイムには小笠原の左CKを岩政が頭で落とし、マルキーニョスが右足ボレーで押し込み、2-0。順当に2点のリードを奪って、前半を折り返した。
後半に入っても試合のペースは変わらず、鹿島が一方的に攻め立てた。後半20分には野沢の左クロスからゴール前の混戦で大迫がファウルを受け、PKを獲得。これを小笠原が落ち着いてゴール右に決めた。
直後の後半23分には内田の右クロスに大迫が走り込み、スライディングしながら左足で押し込んだ。今季公式戦初先発となった大迫が期待に応えるダメ押しゴールで、4-0とリードを広げた。
後半29分に新井場に代えてDFジウトンを投入した鹿島は同31分、小笠原のスルーパスから興梠が右サイドを抜け出すと、折り返しをマルキーニョスが左足で押し込み、5-0とした。
後半32分、マルキーニョスに代わってMF遠藤康がピッチに入り、興梠と大迫の2トップに変更すると、同35分には野沢に代わってMF小谷野顕治を投入。鹿島ユース出身、4年目の21歳が公式戦デビューを果たした。
遠藤が積極的に遠めからミドルシュートを放つなど最後まで攻撃の手を緩めなかったが、試合はそのまま5-0で終了。鹿島が危なげなく3連勝を飾り、悲願のアジア制覇へ、また一歩前進した。
(取材・文 西山紘平)
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2010年03月25日
[3.23 ACL第3節 川崎F4-0メルボルン・ビクトリー 等々力]
格下が相手とはいえ、効果的にゴールを奪って4-0で勝利した川崎フロンターレ。ACL初勝利で最下位脱出、今季公式戦初の完封と“良い事ずくめ”のようだが、素直には喜べない。鄭大世が最悪の場合、グループリーグ残り3試合を出場停止となる窮地に追い込まれた。
「きょうは落ち着いてプレーすることを心掛けたが、一瞬の怒りでやってしまった。チームメートに頭が上がらない。サポーターの誰とも目を合わせられない。自分の性格を悔やむしかない。みんなへどう謝罪していいか分からないし、言葉も見つからない。申し訳ない」
先制点を決めて勝利に貢献した鄭大世だが、目はうるみ、まるでオウンゴールでも犯して敗因を作った選手のような表情だった。初戦の城南一和(韓国)戦でイエローカードを1枚受けていたストライカーだが、前半34分に倒れされた相手に詰め寄り、累積2枚目のイエローカードを受けた。これで次節31日のメルボルン戦(アウェー)の出場停止が決まった。
さらに前半ロスタイム、鄭大世は激しいチャージで倒されて、ピッチで悶絶。その際、相手選手側が起こそうと手を引っ張ってきた際に、報復する形で蹴りを食らわせて一発レッドカード・・・。鄭大世は担架に乗ったまま退場となった。今後の規律員会の裁定次第だが、4月14日の城南一和戦(等々力)はもちろん、グループリーグ残り全3試合に出場停止になる可能性が出てきた。
たしかに、この日のサウジアラビア人審判の判定には首をかしげざるおえなかった。少しの接触プレーで笛が鳴り、微妙な判定でも容赦なくイエローカードが出された。この日、出された警告は8枚で、一発レッドカードは1枚だったが、カードの枚数ほどの“激しい試合”ではなかった。経験豊富な稲本潤一でさえ、「あり得ないジャッジが出ていた。当たるとすべてファールだった」と首をかしげるほどだった。
とはいえ・・・。稲本は「いらないプレーだった」と注意した。鄭大世はロッカールームで「申し訳ない」とチームメートへ謝罪した。許されるべきプレーではなかったと自覚し猛省。取材中も最後まで反省の言葉が口をついた。
「自分の存在で(チームが)大きく左右される場面もある。責任を持ってやらないといけない。僕ができるのは、自分が出られる試合で全力で、結果につながるゴールを奪うことだけ。ACLでは、みんなにオレの分も頑張ってもらうしかない。練習からチームを鼓舞できるようにして、ACLで勝ってもらうように神頼みします」
今後は、チームメートが奮闘し、1次リーグを突破することを祈るしかない。だが、ただでさえ、開幕2試合を連敗しグループリーグ突破が苦しくなっているだけに、点取り屋の不在は痛すぎる。
ましてやジュニーニョ、中村憲剛が怪我で離脱中。守備陣もCBの寺田、菊地が不在と苦しい台所事情にある。FW矢島も怪我で離脱しており、ACLではポストプレーヤーは不在となった。今こそ再び、チームが結束するしかない。
(取材・文 近藤安弘)
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