2010年09月09日

あまりにも大きい勝利の代償、右肩負傷の寿人が長期離脱へ

[9.8 ナビスコ杯準々決勝第2戦 G大阪1-2広島 万博]

 勝利の代償はあまりにも大きかった。サンフレッチェ広島はFW佐藤寿人の1得点1アシストの活躍でクラブ史上初のベスト4進出が決定。ところが、殊勲のエースが思わぬアクシデントに見舞われた。

 1-0の後半6分だった。スルーパスに反応した佐藤がPA内に抜け出し、ドリブルでGK藤ヶ谷陽介もかわしてシュート態勢に入った。ところが、ピッチに足を取られ、転倒。グラウンドに右肩を強打した。

 「ブチッて音がして、最初は(脱臼で)外れたのかと思ったけど、動かしても何か違うなと」

 ピッチ外で応急処置を受け、ピッチに戻ったが、「『腕を振っても上げてもいけない』と言われていた」。痛みをこらえ、懸命にプレーを続けると、後半11分にはDF横竹翔のくさびのパスを受け、体を張ったポストプレーから後方に落とし、MF森崎浩司の決勝点をアシストした。

 しかし、「すごい痛かった。できなかったらすぐに代えてもらおうと思っていたので、すぐに2点目が生まれて、僕より走れる選手を使った方がいいと思った」と得点直後に交代を直訴。ピッチを離れた。

 ドクターの所見では右肩の靭帯が切れている可能性があり、今後、手術を受ける方向で話し合っているという。「手術をしたら2ヵ月は難しい。長い時間かかるかもしれないけど、それはそれでこうなったら次は早く治すことしかやることはない」と気丈に語った。

 広島に戻り次第、明日9日にも精密検査を受けるが、9月29日、10月10日のナビスコ杯準決勝・清水戦はもちろん、10月中の復帰は難しい状況だ。佐藤は「11月にまた万博でガンバ戦がある。もう1回、ガンバを倒すために戻ってきたい」と、11月14日のJリーグ第30節・G大阪戦を復帰の目標に据えた。

 エースを欠いた状況でナビスコ杯準決勝、リーグ戦終盤を戦わざるを得なくなった広島。「申し訳ないけど、みんなに頑張ってもらって、自分は回復できるように全力を尽くすしかない。ずっとフルでやってきて、こういう形で離脱するのは悔しいけど、今いる選手に頑張ってもらうしかない」。勝利の喜びから一転、佐藤は無念そうに唇をかんだ。

(取材・文 西山紘平)

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2010年09月09日

寿人の1G1Aで10人のG大阪を逆転、広島が初の4強入り

[9.8 ナビスコ杯準々決勝第2戦 G大阪1-2広島 万博]

 ナビスコ杯は8日、各地で準々決勝第2戦を行い、万博記念競技場ではガンバ大阪とサンフレッチェ広島が対戦。アウェーでの第1戦を1-0で先勝したG大阪は前半17分にDF加地亮が一発退場となり、数的不利の展開を余儀なくされた。広島は前半27分にFW佐藤寿人、後半11分にMF森崎浩司がゴールを決め、2試合合計2-1と逆転すると、G大阪も後半37分にFWドドのゴールで1点を返したが、2試合合計2-2、アウェーゴールの差で広島がG大阪を振り切り、初の準決勝進出を決めた。

 G大阪はMF遠藤保仁、MF明神智和が負傷欠場し、前日のグアテマラ戦に先発したMF橋本英郎も欠場。駒不足の中盤ではDF山口智、MF武井択也がダブルボランチを組んだ。
 広島はMFミキッチが先発に復帰し、ボランチではMF丸谷拓也が先発。日本代表DF槙野智章はベンチスタートとなった。

 山口のボランチ起用など急造布陣で臨んだG大阪はなかなかリズムをつかめない。広島も中盤のビルドアップではパスが回るが、アタッキングサードでの攻め手を欠き、試合は静かな立ち上がりとなった。

 G大阪は前半16分、MF服部公太のバックパスをMF二川孝広が奪って速攻に持ち込むと、二川からパスを受けたMF宇佐美貴史がPA内から決定的なシュート。しかし、これはGK西川周作の好守に阻まれた。

 すると、その直後だった。広島は西川のロングフィードからFW佐藤寿人が最終ラインの裏を突き、DFとうまく体を入れ替えて前を向く。PAすぐ外でDF加地亮が思わず倒してしまい、決定機阻止により一発退場となった。

 10人のG大阪は山口を最終ラインに下げ、3バックに変更。二川が右サイドに入り、武井のワンボランチという3-3-2-1にシステムを変更した。

 数的優位に立った広島は前半24分にDF森脇良太が思い切りよくロングシュートを狙うなど攻勢を強める。そして同26分、右サイドからのクロスをMF高萩洋次郎が縦に落とすと、オフサイドラインぎりぎりから抜け出した佐藤が倒れ込みながらボレーシュート。これがゴール右隅に吸い込まれ、広島が均衡を破った。

 これで2試合合計1-1。一気に“逆転ゴール”を狙う広島が一方的にG大阪を押し込んだ。二川の背後のスペースを服部が突いてボールを呼び込み、何度もゴール前にクロスを送る。それでもG大阪も中央の3バックが体を張って跳ね返し、前半を折り返した。

 G大阪は後半開始から平井に代えてMF佐々木勇人を投入。佐々木は右サイドに入り、宇佐美が1トップ、その後方に二川とルーカスが並ぶ形になった。

 ボール支配率を高め、2点目を狙う広島は後半6分、鋭いスルーパスに佐藤が反応。ドリブルでGKもかわしたが、DFがカバーに入り、シュートは打てなかった。この場面で佐藤が転倒した際、右肩を負傷。いったんピッチを離れたが、そのままプレーを続けた。

 すると後半11分、縦パスを受けた佐藤が後ろに落とし、MF森崎浩司がダイレクトで左足を振り抜く。これがきれいにゴール左隅に突き刺さり、2-0。2試合合計でも2-1と逆転に成功した。

 右肩を痛めた佐藤は得点直後の後半12分にFW山崎雅人と交代。アウェーゴールの関係で逆転には2点が必要になったG大阪も同14分、二川に代えてFWチョ・ジェジンを投入し、なんとか反撃を狙った。

 広島は後半21分、服部を下げ、前日のグアテマラ戦にフル出場したDF槙野智章をピッチに送り込む。槙野はそのまま中盤の左サイドに入った。

 攻めるしかないG大阪は後半33分にDF中澤聡太に代えてFWドドを投入。DFの枚数を減らして最後の猛攻を仕掛けると、同37分、DF高木和道のロングフィードからチョが競り合ったこぼれ球をドドが左足で蹴り込んで1点を返した。

 2試合合計2-2。しかし、アウェーゴールの差でこのままでは敗退となるG大阪は10人を感じさせない猛攻で“勝ち越しゴール”を目指したが、後半44分に佐々木の右クロスに合わせたチョのヘディングもゴール右へ。そのまま広島が逃げ切り、初のベスト4進出が決定。準決勝では清水と対戦することになった。

(取材・文 西山紘平)

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2010年09月09日

森本2発で新生ジャパンが連勝発進!!

[9.7 キリンチャレンジ杯 日本2-1グアテマラ 長居]

 日本代表は7日、大阪・長居スタジアムでグアテマラ代表と対戦し、2-1で競り勝った。日本はFW森本貴幸が前半12分、20分と連続ゴール。直後に1点を返されると、その後のチャンスに決定力を欠き、3点目は奪えなかったが、MF本田圭佑とMF香川真司が抜群のコンビネーションを見せるなど新生ジャパンがまずは2連勝と好発進した。

 日本は4日のパラグアイ戦(1-0)から先発6人を変更。MF乾貴士がA代表初先発を果たし、C大阪の本拠地でMF香川真司ととともに先発した。
 グアテマラは5-3-1-1の守備的布陣で試合に臨んだ。

 試合は立ち上がりから日本が猛攻を仕掛けた。前半2分、香川の右FKからMF本田圭佑がヘディングシュート。同8分には香川がミドルシュートを狙った。いずれもゴール上に外れたが、同9分にも本田が左足ミドルを放つなど積極的にフィニッシュの形をつくり、グアテマラを押し込んだ。

 そして前半12分、左サイドをオーバーラップしたDF長友佑都がドリブルでDFをかわし、左足でゴール前にクロス。これをニアサイドに走り込んだFW森本貴幸がヘディングでゴール右隅に流し込み、技ありヘッドで先制点を奪った。

 森本は前半15分にもスルーパスから左足でシュート。これはミートし切れず、GKのセーブに阻まれたが、貪欲に追加点を狙っていった。森本のゴールへの執着心が実ったのは前半20分。本田の絶妙なスルーパスに香川が抜け出し、ワントラップから右足でシュート。いったんはGKに防がれたが、こぼれ球を森本が左足で難なく押し込み、2-0とリードを広げた。

 前半22分には乾のスルーパスに本田が抜け出すが、GKとの1対1という絶好機でシュートをGKに当ててしまう。すると、その直後に中盤でMF橋本英郎がボールを奪われ、最後はFWマリオ・ロドリゲスに豪快な左足ミドルを叩き込まれた。GK楢崎正剛にとっては、ほとんど守備機会のない状況で迎えた最初のピンチでゴールを許す悔しい失点となった。

 暑さの影響か、日本は徐々にペースダウンするが、前線のタレント陣が個の力でチャンスメイク。前半41分、香川のスルーパスからDF駒野友一が右サイドを駆け上がると、折り返しを森本が流し、逆サイドの乾にパスが渡ったが、トラップが大きくなってしまう。同44分には本田の長いスルーパスに長友が抜け出し、PA内に進入。ゴール前には森本、香川、乾も上がっていたが、長友はシュートを選択し、ゴール左に外れた。

 日本はハーフタイムに乾、長友を下げ、MF藤本淳吾、DF永田充を投入。A代表デビューとなった永田はCBに入り、DF槙野智章が左SBに回った。

 後半も日本が主導権を握り、グアテマラを押し込むが、なかなか3点目を奪えない。後半6分、槙野の縦パスを受けた本田がうまくDFと体を入れ替え、左サイドを駆け上がると、ゴール前の折り返しに香川が反応したが、GKが間一髪クリア。同10分には本田のスルーパスに抜け出した槙野が左サイドからクロスを上げ、香川がオーバーヘッドで狙うも、枠を外れた。

 引いた位置から再三、好パスを供給する本田は後半20分にも絶妙なスルーパスを通し、藤本が右足で狙ったが、惜しくもゴール右に外れてしまった。後半21分には香川に代えてFW岡崎慎司を投入。直後の22分、岡崎の左クロスからゴール前で本田がつぶれ、橋本がPA外から右足ミドルを打ったが、DFに当たった。

 香川交代後、なかなかいい形でチャンスをつくれない日本。両チームともに運動量が落ち始め、試合はこう着状態となった。グアテマラは後半35分、高い位置で橋本を囲んでボールを奪い、FWミノル・ロペスが強烈なミドルシュート。鋭いシュートは枠を捉えていたが、GK楢崎が落ち着いて弾き出した。

 日本は後半38分、2得点の森本に代えてMF中村憲剛を投入。中村はボランチに入り、橋本がトップ下、本田が最前線にポジションを上げた。後半41分にはDF駒野友一が遠めからロングシュートを狙い、同42分にもオーバーラップしてきた槙野からのラストパスを受けた本田が左足でシュート。同45分に中村、同46分に岡崎と再三、ダメ押しのチャンスはあったが、フィニッシュの精度を欠き、試合はそのまま2-1で終了した。

(取材・文 西山紘平)

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2010年09月09日

ミラクル再現!憲剛がザック監督の前でゴールし2戦4-3で鹿島を下す

[9.8 ナビスコ杯準々決勝第2戦 川崎F3-1鹿島 等々力]

 川崎Fがミラクル再現! ナビスコ準々決勝第2戦が8日に各地で行われ、川崎・等々力陸上競技場では川崎フロンターレと鹿島アントラーズが激突した。第1戦は鹿島が2-1で勝利していたが、第2戦はMF中村憲剛のゴールなどで川崎Fが3-1で勝利。2戦合計で4-3とし、川崎Fがベスト4進出を果たした。

 この2チームは昨年も準々決勝で対戦。1戦目は鹿島が1-0で勝ち、2戦目も後半終了間際まで0-0と鹿島が優勢だったが、川崎Fが土壇場でゴールして延長戦へ。その勢いのまま川崎Fが“逆転”に成功して準決勝に進出する“奇跡”を演じていた。

 90分で決着をつけるには1-0勝利か、3-1以上の勝利が必要だった川崎F。そんな中、日本代表に参戦していたMF中村憲剛がベンチに入った。システムは4-4-2でGKは相澤貴志、DFラインは右から森勇介、菊地光将、伊藤宏樹、小宮山尊信。中盤はボランチに横山知伸と稲本潤一、2列目は右に田坂祐介、左にヴィトール・ジュニオールが入り、2トップはジュニーニョと黒津勝が組んだ。

 鹿島は引き分けでもいい状況だったが、守備の要の日本代表DF岩政大樹が欠場した。最初に配布されたメンバー表では控えでベンチ入りしていたが、ウォーミングアップ中に右内転筋を痛めて欠場。代わりにFW佐々木竜太がベンチ入りした。

 ともに様子見なのか、立ち上がりは探りながらの展開が続いた。しかし、15分過ぎから激しくなっていく。前半18分、鹿島は左サイドを攻略して興梠がクロス。これを中央でマルキーニョスが受けるが、少し後方に流れ、すぐ後ろにいたフェリペ・ガブリエルが右足でシュート。フリーだったが、わずかに枠を外してしまった。

 ここから両軍ともに“スイッチ”が入る。川崎Fはセットプレーと得意のサイド攻撃を仕掛け、鹿島はボールを繋ながら、PA近くからの縦に速い攻撃で攻略をはかる。前半29分、ゴール前の混戦で川崎Fの田坂がシュート。映像ではこれがPA内で鹿島の新井場の手に当たり、PKでは? と思われたが、笛はならなかった。抗議しても覆らなかったが、直後に川崎Fが先制点を奪った。

 前半32分、V・ジュニオールが左サイドを突破し、オーバーラップしてきた小宮山にパス。これをダイレクトで中へ折り返し、詰めていた田坂祐介が左足でゴールに突き刺した。これで2戦合計2-2となった。この場合、アウェーゴールルールが適用されるため、このままなら川崎Fが突破という状況となった。

 しかし、その1分後、鹿島が1点を返した。左サイドを野沢が攻略し中央へクロス。これが川崎Fの菊地の頭をかすめて奥にいた小笠原満男のもとへ。難しい角度のボールだったが、大黒柱は右足でアウトにかけてシュート。華麗な一撃で同点とした。これで鹿島が2戦合計で3-2とし、ベスト4進出という状態に戻した。

 川崎Fは90分以内で決着をつけるには、3-1以上のスコアが必要となった。しかし、アクシデントが襲う。前半37分、右SBでこの日はキャプテンマークを巻いていた森勇介が負傷交代。谷口博之が急遽入り、システムが変更された。4-5-1となり、ジュニーニョの1トップに、谷口がトップ下、右MFが黒津、左MFがV・ジュニオールに。右MFの田坂は右SBにシフトされた。

 試合は1-1で折り返し、後半がスタート。後半、最初は川崎Fがペースを握る。ジュニーニョ、V・ジュニオールの個人技を活かして押し込んだ。しかし、鹿島の守備は簡単には崩せない。鹿島は落ち着いたボール回しでリズムを奪い返そうとした。

 後半15分、鹿島はフェリペ・ガブリエルに代えて元日本代表MF中田浩二を投入。アンカー気味に入り、中盤を流動的に配置して川崎Fのボール回しを防ごうとした。川崎Fもその3分後、稲本潤一に代えて中村憲剛を送り出した。憲剛は左MFに入り、谷口がボランチに回った。

 後半22分、川崎Fに“惜しい”場面が訪れる。横山が左足でミドルシュートを放ったが、キャッチしにいったGK曽ヶ端が何とファンブル。ゴールインかと思われたが、鹿島にとっては好運にも、これがクロスバーに当たり、曽ヶ端が再キャッチした。

 しかし好運のあと、鹿島に悪夢が訪れた。後半30分、小笠原が中村憲剛を倒してしまい、2枚目のイエローカードを受けて退場となった。ロスタイムを入れて残り20分弱を10人で戦わなければならなくなった。鹿島は後半31分、守備を固めるため、興梠に代えてMF船山祐二を入れた。

 数的優位になった川崎Fの勢いが増す。そしてすぐさま勝ち越しに成功した。後半34分、左サイドをジュニーニョがドリブルで仕掛けてクロスを入れる。これが鹿島選手に当たりこぼれ球となるが、何とゴール中央約22mにいた中村憲剛の下へ。走り込みながら憲剛は狙い済まして右足を振り抜き、ゴール左下へ突き刺した。これで川崎Fが2-1とし、2戦合計で3-3と振り出しに戻した。

 この試合は日本代表のアルベルト・ザッケローニ監督が視察に訪れた。憲剛は日本代表のパラグアイ戦でアシスト決めているが、所属クラブに帰ってもアピールした形だ。

 この第2戦は同点でOKの鹿島は、後半36分、野沢に代えて元日本代表MF本山雅志を投入。1点を奪いに行った。しかし、川崎Fの勢いはとまらない。前半43分、川崎Fが3-1とし、2戦合計で4-3とリードした。右サイドから田坂がクロスを入れると、ファーサイドでゴールを背にして谷口が左足でトラップ、このこぼれ球にヴィトール・ジュニオールが抜け出し、右足で大きな大きなゴールを決めた。

 ロスタイムは4分。川崎Fは黒津に代えてDF佐原秀樹を投入して守備を固めた。鹿島も奮闘するが、10人では崩しきれない。試合はそのまま終わり、川崎Fが3-1で勝利。2戦合計でも川崎Fが4-3とし、逆転でベスト4進出を果たした。

(取材・文 近藤安弘)

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