2008年04月11日
少年サッカー●『時間』を作る戦術を考える!
新6年生になる直前の、春休み中の練習では、子どもたちをグラウンド(校庭)ではなく教室に集めて、座学の日を設けた。 議題は3つ。 サッカーのルールを(改めて一度、しっかり)学ぶことと、 チームとしての戦い方(個人戦術の約束事)を摺り合わせること、 そして、4月から新6年生になる代のキャプテン・副キャプテン決めること。 子どもたち全員が教室に集まってルールの勉強などすることは、実は初めてだったりするのだが、グラウンドでのプレーとまた違い、子どもたちは真剣にノートを取っていたりして、それはそれで楽しかった。 そのなかでのこと。 (わがチームの得点源ではあるものの)実際の試合では、やたらとオフサイドが多い野生児系FWのSくん。 彼は、ホワイトボードにマグネットを並べた図で問うてみると、オフサイドというルールのことはほぼカンペキに理解している様子。 では、なぜ、あんなにオフサイドが多いのだろう? どうやら、グラウンドでの試合中と違って、教室での(頭の中でやる)サッカーは、じっくり考える時間があるようだ。 ほかの子たちも、戦術指導でもルール指導でも、かなり高い確率で最良と思われる答えが返ってくる。普段の試合ではまったく実践できない(泣)のに、だ。 Jリーグはもとより、日本代表の試合を見ていても感じるのだが、日本のサッカー(特に中盤)は、とにかく落ち着きがない。 旧き良き南米サッカー(十把一絡げですが……)のように、ゆったりしたパス回しから、縦パスを合図に急にテンポがアップするような緩急があるわけでも、オールドイングランドスタイルのようにとにかくゴールを目指して一直線に突き進むわけでもなく、フィールドのどこででも、ゴチャゴチャゴチャゴチャと密集している(このあたりは、最近のサッカー流行語でいえば「密集」か)。 なんとなく、小学校低学年の「だんごサッカー」と、少し似ていたりもして……。 ちなみに、小学生サッカーのグラウンドは狭いことが多い。神奈川の場合、縦70m×横40mもあれば、広いほう。ボールも4号球と小さいが、グラウンドで戦う人数は22人。すでに、試合前から「密集」ができてしまっている(苦笑)。 人口密度が高いから、とにかく1人あたりがプレーできる時間が短い。 黄金期のジュビロは、名波の広い視野と展開力を活かすため、名波に数秒の時間的自由が得られる「Nシステム」という戦術を考案した。 かつてマンUは、ベッカムの正確な右足(精度は超一流だが、判断と足の振りの大きさに少しだけ時間がかかる)を活かすため、彼に1秒だけ時間を与えられるよう、逆サイドでタメを作る戦術で戦った。 現在のアーセナルは、とにかく人とボールを速く動かすことで、相対的に(相手の考える)時間を奪う最新戦術で戦っている(と思う)。 今日彼らに、サッカーの試合中、常に見なくてはいけない4つのモノを教えた。 1. ボール 2. ゴール 3. プレーヤー 4. スペース 小学6年生にもなると、周りも(ある程度)きちんと見られるようになっている。上手い子はすでに「スペースを使う」という考え方が無意識にできるようになっている。 でも、時間に関する意識は少ない。 彼らが知っているのは、(相手の試合時間を奪う)「とりかご」という戦術くらいで、「時間を作る」という概念は、まだない。 前を向いてボールを受ければ、得意のドリブルでかなりの威力を発揮するウチのFW・Sくんに、ボールがわたる前に少しだけ考える時間が作れれば、オフサイドの数は減るのだろうか?(もちろん、小学生にそんな戦術が取れるはずもないが……) 「わかっているなら、やれよ!」そう言いたくなるのをこらえながら、オフサイド関連の質問に応えるSくんの顔を見ていて、ふと思った。
posted by スタッフ スズキ |18:42 |
少年サッカー●U-12・4種 |
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