2011年01月11日
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[1.10 全国高校選手権決勝 久御山3-5滝川二 国立]
「準優勝だけどうれしい」。試合後、久御山の選手たちは笑顔をみせた。決勝の舞台で敗れての準優勝。そこには悔しさよりも、自分たちのサッカーを貫いた清々しさに溢れていた。
「ドリブルで仕掛けたり、細かくパスでつなげるスタイル」という久御山のサッカーに全員が自信を持っていた。プレーしていて楽しいからこそ、やっていて迷いはなかった。どんなに点を取られても、取り返せばいい。前向きな姿勢で今大会を戦い抜いた。それは決勝でも変わらなかった。3点のリードを許しても、パワープレーに出ることなく、つなぎ続けた。試合終了のホイッスルが鳴るまで、久御山は久御山らしく戦った。
サッカーを楽しんだ結果の準優勝だからこそ、選手たちは前を向く。試合直後はピッチ上で涙を見せたが、表彰式では皆が笑顔。銀メダルを満面の笑みで受け取った。そして、優勝に輝いた滝川二を全員が拍手で称えた。「滝二さんを祝福したい」(足立)と相手の応援スタンドにも挨拶した。
ここまで久御山が独自のスタイルを貫き通すことができたのも、初戦の座間高戦(2-1)でプレスをかいくぐれたことが大きなきっかけだった。松本悟監督も「座間とやって、プレスの強いチーム相手につなげることを覚えた。自分たちのサッカーをやり続けることを学んだ」と振り返る。どんなスタイルの相手にも自分たちのサッカーを貫けば、結果もついてくるということを選手たちは実感。それが自信になった。MF足立拓眞(3年)も「5戦やってきて相手のプレスが怖いときもあったけど、つないでやってきて良かった。この大会ではサッカーの楽しさを知ることができた」と笑顔をみせた。
松本監督は今後へ向けて「もっともっと上手くなって相手を翻弄したい。パスやドリブルができる選手と、またここに戻ってきたい」と語った。チームスタッフも皆、気持ちはひとつ。「また来年きますから!」女子マネージャーたちも涙ではなく、笑顔をみせた。
「僕たちのサッカーを全国に知らしめることが出来た」と足立は胸を張る。久御山が堂々たる準優勝という成績で今大会を締めくくった。
(取材・文 片岡涼)
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2011年01月11日
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[1.10 全国高校選手権決勝 久御山3-5滝川二 国立]
第89回全国高校サッカー選手権は10日、東京・国立競技場で決勝を行い、FW浜口孝太主将(3年)と大会得点王に輝いたFW樋口寛規(3年)がそれぞれ2ゴールを挙げるなど、滝川二(兵庫)が久御山(京都)を5-3で破り悲願の初V。兵庫県勢としては72年ぶりとなる選手権日本一を獲得した。
優勝を決めた決勝後、浜口主将は「自分たちは今の段階ではプロへ行く選手も(年代別日本)代表もいない。チームの力の日本一というよりも、チームのまとまりが日本一やったと思います」と語った。今大会の優勝候補に挙げられていた流通経済大柏(千葉)、静岡学園(静岡)、青森山田(青森)、西武台(埼玉)、山梨学院(山梨)、前橋育英(群馬)といったチームはいずれもJクラブへ入団する選手や年代別の日本代表クラスの選手を擁する。その一方、現在こそFW樋口の清水入り発表が秒読み段階を迎えているものの、大会開幕時点での滝川二の個人・チームに対する周囲の評価はそれほど高いものではなかった。
シーズンを通してチームには波があった。夏の全国高校総体では決勝へ進出した滝川二だが、全日本ユース選手権では流通経済大柏に1-7で大敗。総体前にはヴィッセル神戸U-18に1-9で惨敗した。主力組が出場しながらも中学生チームであるU-15兵庫県選抜との練習試合で引き分けた経験も。そのような試合をしても危機感を抱くことのできないチームを栫裕保監督は「もう勝手にせいや」と練習を指導しない荒療治に出たこともあるという。安定して力を発揮できなかった選手たちが気づいたのは、本当にまとまらなければ勝てないということだった。
滝川二がひとつにならなければならなかったのは他にも理由がある。23年間チームを指揮してきた黒田和生監督(現ヴィッセル神戸U-18監督)が全日本ユース選手権で優勝した06年度を最後に退職。08年度こそ選手権で全国8強へ進出したが、昨年は高校総体、高校選手権ともに全国舞台へ進むことができなかった。周囲から聞こえてきたのは「(黒田監督がいなくなった)滝二は終わりやぞ」という言葉。だが栫監督は「そんなことないぞ、という闘志はわきました」。今年は「終わった」という周囲の評価を覆すためにも戦った1年でもあった。
樋口が「(滝二は)全国に出て勝つチームでないといけないと思った」と話したように復権を目指してきた。そしてGK中尾優輝矢(3年)は「黒田先生がいなくなって『落ちた』と言われてきた。でも指導者どうこうよりも自分たちが上向いていかないといけないと。大切なのはチームのまとまり。(優勝して)それが分かりました」。
モットーは「楽しむこと」。この1年間は練習で野球を行ったり、キックベースやサッカーバレーを行うこともしばしば。「こんなチーム他にないと思いますけど」と浜口主将は笑顔で話すが「みんなで楽しみながら」結束を強めてきた。決して他の強豪校がやらないような、「滝二何やってんの」と白い目で見られるような10年度の滝二独自のスタイル。それでも「やるときはやる」ことを結果で示した。
今大会は先を見ずに一戦一戦戦ってきた。3回戦で鹿島アントラーズ入りするMF柴崎岳(3年)擁する青森山田を下すとゴールを量産していた樋口と浜口主将の2トップ、通称“ダブル・ブルドーザー”を中心とするチームは一気にスポットライトを浴びた。そしてPK戦までもつれ込んだ立正大淞南(島根)との準決勝を制すと、決勝では今大会トップの破壊力を示す5ゴールで優勝。確かにスターはいなかったが登録25人中24人がピッチに立つなど全員で6試合を戦い、MF香川勇気(3年)を筆頭に全員がピッチを走りぬき、「終わった」と評されていたチームは「まとまり」で日本一に輝いた。
指揮官は大会終了後、選手たちに「(この優勝を)価値あるものにするかどうかは個人次第」と言葉を投げかけた。歴史を築いた3年生、そしてそれを引き継ぐ1、2年生。まとまることの大切さを学んだ滝川二が新時代の幕を開けた。
(取材・文 吉田太郎)
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2011年01月11日
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[1.10 全国高校選手権決勝 久御山3-5滝川二 国立]
第89回全国高校サッカー選手権は10日、東京・国立競技場で決勝を行い、ともに初優勝を目指す久御山(京都)と滝川二(兵庫)が激突。滝川二がFW浜口孝太主将とFW樋口寛規(ともに3年)がそれぞれ2得点を挙げるなど5-3で勝ち、兵庫県勢としては1938年大会の神戸一中(現兵庫)以来72年ぶりとなる優勝を果たした。
京都府勢18年ぶりの決勝進出を果たした久御山は4-3-3システム。GKが絹傘新(3年)でCB塚本健介(2年)が出場停止の4バックは右から東松孝治(1年)、山本大地主将、松下千馬、山田修市(全て3年)。中盤はゲームメーカーの足立拓眞(3年)と二上浩一(2年)のダブルボランチでトップ下は1年生MF林祥太。3トップは左から今大会3得点の坂本樹是、安川集治、鍋野光希(全て3年)が並んだ。
一方、4-4-2システムの滝川二はGKが中尾優輝矢で4バックは右から濱田量也、土師直大(全て3年)、亀岡淳平、平田雄己(いずれも2年)。中盤は谷口智紀と香川勇気(いずれも3年)のダブルボランチで右が本城信晴、左が白岩涼(いずれも3年)。2トップは通称“ダブル・ブルドーザー”こと今大会6得点の樋口と同5得点の浜口が並んだ。
滝川二の“ダブル・ブルドーザー”が決勝でも爆発した。序盤は自陣からボールをつなぐ久御山ペース。2列目から飛び出す足立が再三得点機に絡んだほか、個人でボールを運ぶことのできる坂本、安川の存在感も光った。6分には山田からの縦パスを受けた安川が強引にPAへ切れ込み右足シュートを放つなど、滝川二を押し込んだ。
だが10分を過ぎると滝川二は試合の流れを徐々に引き寄せた。谷口と香川のダブルボランチが中盤で相手のパスワークを食い止め、そこからサイド攻撃。左の白岩や右の本城、濱田に入るボールが激増する。そして24分、滝川二は左サイドから樋口が送ったピンポイントクロスを大外の位置で待ち構えた本城が頭で中央へ折り返すと、ゴールエリアでボールを受けた浜口主将が反転からの左足シュートを決めて先制した。
すぐさま反撃に移った久御山は鍋野らが相手DFラインの背後を強襲。32分には右サイドを打開した坂本が中央へボールをけり込む。GK中尾が弾いたボールを足立が頭で押し込もうとするが、前半最大の決定機は滝川二CB土師のスーパークリアによって阻まれてしまった。逆にダブルボランチと白岩らが中盤で献身的なプレーを見せる滝川二は40分、右サイドでボールを持った濱田が外側からPAへ走りこんだ本城へスルーパス。これを本城が中央へ折り返すと樋口がコントロールから右足でゴールへと流し込み2-0と突き放した。
滝川二は後半9分にも濱田の右クロスのこぼれ球にいち早く反応した本城が左足シュートを決めて3点差とする。だが2試合連続PK戦勝利の久御山はここから驚異的な粘りを見せる。11分には坂本のシュートのこぼれ球を林が押し込み1-3。直後に香川からのスルーパスで抜け出した滝川二の浜口主将にこの日2点目のゴールを奪われるが、この後再三の決定機を逃した滝川二を試合終盤に猛追した。
38分、安川のゴールで2点差とすると、41分にはショートパスでの中央突破から最後は坂本のゴールでついに1点差。そして5分が表示されたロスタイムには足立の右FKを山本主将が頭で合わせた。だがこのシュートはGK中尾に抑えられ、追撃もここまで。50分にPAのこぼれ球を拾った滝川二・樋口がGKをかわして乱打戦に決着をつける5点目のゴールを叩き込み、滝川二が高校チームの頂点に立った。
(取材・文 吉田太郎)
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2011年01月02日
[12.31 全国高校選手権1回戦 丸岡 1-3 初芝橋本 NACK]
第89回全国高校サッカー選手権大会は31日、各地で1回戦が行われ、NACK5スタジアム大宮(埼玉)の第2試合では初芝橋本(和歌山)が丸岡(福井)に3ー1で逆転勝利を収めた。
丸岡は初芝橋本のFW西岡舜(3年)にDF梅井翔主将(3年)、FW坂本修佑(3年)にはDF嶋田開(3年)と2トップにマンマークをつける古典的な戦術で、まずは敵に勢いを与えないことを最優先。「ああいうサッカーが今でも存在するのかとびっくりした」とは初芝橋本・阪中義博監督の弁だが、そんな丸岡のやり方に戸惑ったのか、初芝橋本は32分にDFがクリアミスを犯し、ゴール前でボールカットしたFW坂口舜(2年)に先制点を奪われた。
ペースを握れないままミスから失点した初芝橋本。だが、チームに動揺は生まれなかった。阪中監督は言う。「焦りはなかった。1点は入れられても仕方ない。それをひっくり返す力を信頼しているし、自信もある」。さらには「丸岡のプレッシャーが早くなっていたので、うちが動き出したら足が止まるだろう」という読みもあった。
その指揮官の思いに選手が応えた。1点ビハインドで迎えた後半、初芝橋本はマンマークに苦しむFW2人が自由に動けない代わりに、他の選手が動き回ることでボールを引き出し、効果的にサイドのスペースを使いながら丸岡ゴールに迫る回数を増やす。すると残り20分を切った辺りから、丸岡の足が徐々に止まり始めていった。
そして後半20分、右サイドを突破したMF安尾俊輔(3年)がラストパスを送り、MF福井勇輝(3年)が決めて1点を返すと、36分には「みんなが2列目から飛び出してくれたので、僕らがフリーになれた」と左からのクロスに西岡が左足で合わせて逆転。さらに後半ロスタイムには、安尾が3点目となるダメ押し弾を決めた。
マンマークに苦しみながら1点を先行されても崩れなかった初芝橋本。後半には実に15本ものシュートの雨を降らせる猛反撃を見せ、3ゴールの逆転勝利で2回戦進出を決めた。
(取材・文 FBN)
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2011年01月02日
[12.31 全国高校選手権1回戦 尚志 2-0 佐賀北]
第89回全国高校サッカー選手権大会は31日、各地で1回戦が行われ、NACK5スタジアム大宮(埼玉)の第1試合では尚志(福島)が佐賀北(佐賀)を2ー0で下した。
出足が鋭かったのは佐賀北。「うちはエンジンがかかるのが遅い」と仲村浩二監督が苦笑する尚志は、前線からプレッシャーをかけてくる相手に押し込まれた。
しかし、序盤の10分間を凌いだ尚志は、仲村監督が「立ち上がりの5~10分で失点しなければ、うちのペースになる」と胸を張ったように徐々に盛り返していき、佐賀北から主導権を奪回。指揮官が「チームの心臓」と評するキャプテンのMF平野伊吹主将(3年)を中心としたボール回しでポゼッションを高め、ゴール前に迫る回数を増やしていった。
均衡が破れたのは36分。平野が左サイドのMF湯浅秀紀(3年)にボールを送ると、湯浅はマイナス気味のクロスを中央へ。「DFとかぶっていて混戦だったので来るかなと。抜けて来たら自分が打とうと思っていた」と狙い通りにパスを受けたMF川辺祥太(3年)が右足を振り抜き、尚志が先制点を奪った。
これで尚志の勢いは加速した。司令塔の平野を起点に、サイドから佐賀北の守備陣を切り崩しにかかると、後半22分に追加点を奪う。ここまで何度もゲームを作ってきた平野が決定的なパスを出すと、FW鈴木拓磨(3年)がフィニッシュ。一度はGKに阻まれたものの、逆サイドにこぼれたところにエースFW渡部圭祐(3年)が詰めた。
「1人では決められないので、必ずファーサイドに詰めることを練習から徹底していた」(仲村監督)という、まさに練習どおりの形から生まれたゴールが勝負を決定づけた。
2点のビハインドを追った佐賀北は前線の枚数を増やして攻勢を強めた。後半ロスタイムには途中出場のFW川上従道(3年)がGKと1対1のビッグチャンスを迎えたが、これを決められず。結局、佐賀北は最後までゴールを割ることができずに初戦で涙を飲むこととなった。
(取材・文 FBN)
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2011年01月02日
[12.31 全国高校選手権1回戦 帝京大可児1-2立正大淞南 フクアリ]
第89回全国高校サッカー選手権は31日、各地で1回戦を行い、フクダ電子アリーナ(千葉)では立正大淞南(島根)が帝京大可児(岐阜)に2-1で勝利した。11年1月2日の2回戦は野洲(滋賀)と対戦する。
結果的には辛勝だったが、淞南のパフォーマンスは前評判を裏切らなかった。素早い攻守の切り替えから、MF加藤大樹(3年)とMF小田悠太(3年)らが果敢にドリブル突破を仕掛け、FW池田拓生(3年)とFW新里大地(3年)が連動。相手守備のマークを集めてから、空いたスペースを狙ったり、狭いスペースを的確なクサビで打開したり、柔軟にポジションを変えたり――。対する可児は粘り強い守備で対抗するのが精一杯だった。
淞南の先制点は前半19分。左サイドから小田がフリ―でグラウンダーのクロスを入れて、右方向からゴール前に走り込んだ加藤が左足で的確に決めた。
その後も、追加点には至らなかったが、淞南は優勢に試合を進めた。しかし、後半、淞南は「前半に飛ばし過ぎた」(淞南・南健司監督)影響が出てしまう。端的に言えば、失速。可児の選手たちも徐々に落ち着きを取り戻し、ボランチの位置から一旦サイドに散らすなど『攻撃の形』ができるようになる。そして、後半14分、MF三島栄高(2年)からのパスを受けたFW川村健人(2年)がシュートを決めて同点に――。
しかし、可児も勢いを持続することはできなかった。決勝点は後半39分。池田が右からドリブルで内に切れ込み、可児守備陣を引きつけた後、左前方のスペースにボールを流す。そして、絶妙のタイミングで走り込んでいた加藤が左足でシュート!
完璧な形だった。
試合後、淞南の南監督は「(チーム全体的に)良い時と悪い時の差があるのが課題」と語った。シュート本数、可児=9本、淞南=19本。可児GK尾関涼一(3年)が大健闘したとはいえ、決定力(≒シュートのタイミング)も課題のひとつだ。
2回戦の相手は、ポゼッション・サッカーに定評がある野洲。可児戦以上にサイドアタックがカギになるだろう。
(取材・文 木次成夫)
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2011年01月02日
[12.31 全国高校選手権1回戦 室蘭大谷2-0四日市中央工 柏の葉]
第89回全国高校サッカー選手権は31日、各地で1回戦を行い、柏の葉総合公園競技場では3大会ぶり29回目の出場となった室蘭大谷(北海道)が四日市中央工(三重)に2-0で快勝した。来年1月2日の2回戦では前橋育英(群馬)と対戦する。
守護神のGK佐藤裕輔(3年)、エースのFW安藤瑞樹(3年)という攻守の要2人を負傷で欠いた室蘭大谷。「3年ぶりの出場なので、選手にとっては初出場みたいなものだった」が、そんな及川真行監督の心配も杞憂に終わった。
立ち上がりから出足の早いプレスで四日市中央工のパス回しを封じ、高い位置でボールを奪ってはショートカウンターを仕掛け、相手を押し込んだ。前半18分にはMF山田秀之(3年)からパスを受けたMF石川勝智(3年)がゴールまで約30mの距離から右足でミドルシュート。これが豪快にゴール右上に突き刺さり、幸先良く先制した。
前半37分にはゴール前の混戦からピンチを招き、四日市中央工のFW山口幸太(3年)に決定的なシュートを打たれたが、GK中西健太(2年)が足でセーブ。選手権道大会では出番のなかった中西だが、「国体にも選ばれているし、力も経験もある」(及川監督)という2年生GKのビッグセーブで流れを相手に渡さなかった。
後半立ち上がりにはラッキーな形で追加点が生まれた。左CKのチャンス。石川が素早くMF小玉翼(3年)にショートコーナーでつなぐと、フリーの小玉が左足でクロス。ゴールライン方向に流れるミスキックとなったが、前に出ていたGKをあざ笑うようにそのままニアサイドのゴールネットへ。運も味方に付け、2-0とリードを広げた。
何とか反撃したい四日市中央工だが、後半8分のMF杉田健臣(3年)のミドルシュートもGKの正面。室蘭大谷のハイプレッシャーに苦しみ、なかなかチャンスをつくれない。結局、後半のシュートはこの1本のみ。後半34分、杉田の左FKにFW太田尚志(3年)が頭で合わせ、ゴールネットを揺らしたシーンもオフサイドだった。
2-0の完封勝利を飾った室蘭大谷。札幌入団が内定しているDF櫛引一紀主将(3年)は「押し込まれた時間も後ろ4枚が体を張って失点しなかったのはよかった。(四日市中央工の)ビデオを見て、イメージはあった。サイドを起点につくってきたけど、中で対応すれば大丈夫だと思っていた」と胸を張った。
選手権道大会も4試合で許した失点は決勝の2点のみ。それもPKとオウンゴールによるものだった。2回戦の相手は前橋育英。キーマンであるMF小島秀仁(3年)に対しても櫛引は「一発で裏を狙うパスを持っているけど、後ろでしっかりマークできていれば問題ないと思う」と自信を見せていた。
(取材・文 西山紘平)
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2011年01月02日
[12.31 全国高校選手権1回戦 遠野0-3宇和島東 西が丘]
52年ぶり出場の宇和島東(愛媛)が、前回出場時ベスト8に入った遠野(岩手)に3-0で快勝し、選手権初勝利を記録した。
両チームのよさが前面に出た試合だった。スコアほどに実力の差があったとはいえないだろう。これだけの差になったのは、チャンスで決めきれるかどうか、そして要所を締められるかどうか、という単純にして最も重要なポイントで明暗がついたからだ。
遠野の松田光弘監督が言う。
「80分運動量を落とさずに戦えたスピリッツは伝統。後半最後の戦い方が最初から出来ていれば…」
遠野の持ち味といえば、試合最後まで走りきるハードワークだ。それはこの試合でもぞんぶんに見られた。後半、宇和島東の運動量が落ちると、その活動量はより際立った。当然チャンスも増える。しかし結局1ゴールが遠かった。
宇和島東の先制点は前半12分。左サイドからMF梶田真司(3年)のセンタリングをFW立花嵐(3年)が頭で合わせた。
山本光生監督がこのゴールを解説する。
「ビデオで見て分析した結果、サイド攻撃は通用するかと思った。本来SBのキャプテン(DF簗場豪史(3年))がCBに入っていたことも有利に働いたかもしれません。だから攻撃は狙いどおりです。いい時間帯に点が取れたことで楽になりました」
「ケガのCBに簗場を入れるのは、チームの中のオプション。崩れてたわけじゃない」と遠野・松田監督は言うが、この試合の失点全てはどこかあっけなく許してしまった感がある。
前半20分の2失点目はゴール前の混戦からFW有間潤(3年)が詰めたもの。同じく28分の3失点目は1点目と同じように左サイドからのボールをMF中平脩人(3年)が合わせている。
結局前半だけで許した3ゴールが、結局、遠野イレブンから心の余裕を奪ってしまった。
「左からのクロスが良かった。そこからマークがずれたり、前に入られたり先に先に動かれた。前半は下がりすぎてたので後半前に位置を修正したらチャンスも作れたのですが…」
ハードワークはしている。しかし、肝心なところで前に入られたりフリーを許したりと、後手に回ってしまった。そこが早く修正して、本来の“粘り”が戻ってくれば試合はまた違った展開になったかもしれない。松田監督が悔しがるのもうなずける。
一方宇和島東は試合前、どの選手も緊張しきりだったという。
「気持ちが入りすぎて後半バテましたが(笑)、カウンターがある怖い相手に対し粘り強くやってくれたと思います。うちは上手い子がいない。集中力、粘り強さ、ひたむきな精神、そんなのを持った子ばかりです。今日会場についたときはみんなの顔がひきつっていましたから。だから『緊張するのが当たり前なんだ。そんな舞台に立てることはそうそうないぞ』といって、特にやわらげもせず送り出したんですけど」
と山本監督が語れば、キャプテンの中平も
「52年ぶりの出場でみんなに期待されてたぶん緊張しました。それこそ立ち上がりは観客の多さ(8450人)に圧倒されて。愛媛は田舎なんで(笑)。でも1点目が入ってほぐれましたね。2~3点と入ることで自分たちのサッカーができるようになりました」
とゴールしたことによる精神的アドバンテージを最大限にいかした。
宇和島東にとっては4回目の出場にして初の選手権勝利だ。
「インターハイでも初勝利を記録して、四国大会で優勝して、そして全国で1勝…。このチームではずっとひとつひとつ目標をクリアして歴史を作っていこうと言ってきました。次は静岡学園ですか?どこまで通用するか楽しみです。逆にボコられるかもしれませんけど(笑)、チームの次の目標は国立なので」
今年のチームのスローガンは
「蹴史創新」
サッカー部の歴史を新しく創っていく――。
宇和島東は今、未踏の一歩一歩を確かに刻んでいる。この足跡は果たしてどこまで伸びていくのだろうか。
(取材・文/伊藤亮)
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2011年01月02日
[12.31 全国高校選手権1回戦 秋田商 0-4 九州国際大付 埼玉]
第89回全国高校サッカー選手権1回戦が31日に各地で行われた。埼玉県の埼玉スタジアム2002の第2試合では、九州国際大付(福岡)が秋田商(秋田)と対戦。九州国際大付が4-0で大勝した。
前半は九国大付がある程度ボールを支配しながらゲームが進んだが、単調な攻めになり、プレッシャーをしっかりかける秋田商の粘り強い守備に手こずる展開となった。秋田商もカウンター攻撃から運動量豊富なFW和田昂大、FW斉藤英明(ともに3年)が虎視眈々とゴールを狙ったがスコアを動かすことはできず、前半は0-0のまま終了した。
前半、ボールを支配しながら得点を奪えなかった九国大付の杉山公一監督はすぐに手を打った。まず後半開始と共に、FW内伸太(3年)に代えて、プリンスリーグ九州2部で7得点を挙げているU-18JFA選抜MF田村友(3年)を投入しトップ下に置いた。効果は絶大で、前半以上に決定機を作るようになった。
さらに杉山監督は8分FW江崎官(3年)に代えてプリンスリーグ九州2部でチーム最多の8ゴールを挙げたFW田口光樹(2年)を投入。その2分後の10分、九国大付FW木下篤海がMF竹本央(ともに3年)とワンツーを仕掛けてDFラインの裏に抜け出してシュート。これは秋田商GK伊東計史(2年)が弾いたが、こぼれ球を拾った田口が右足でゴールに叩き込み、先制点を挙げた。そしてわずか1分後、ゴール前の混戦からまたも田口が右足でシュートを決めた。投入からわずか3分での田口の2ゴールで、試合の流れは大きく傾いた。
その後は九国大付が圧倒的に攻め立てる展開となり、秋田商はカウンター攻撃で応戦するもゴールは遠かった。秋田商は、後半トップ下から左サイドハーフにポジションを移した竹本の突破を全く止められず、31分には竹本のクロスをファーサイドに詰めていたMF中河周人(3年)がヘディングでゴールに押し込み3点目。そして40分にはまたも竹本のグラウンダーのクロスを田口が右足でゴールに流し込みダメ押し。田口のハットトリックの活躍などにより、九国大付が4-0で大勝した。
九国大付の杉山監督は田村と田口について「相手がガッチリ守るチームだったので、ちょっと疲れた時に出したかった」と語り、田村と田口の途中投入は最初からプラン通りであったことを明かした。前半は相手にある程度やらせながら体力を奪い、後半フレッシュで決定力のある選手を投入する采配はものの見事に的中した。疲弊した秋田商守備陣を縦横無尽に切り裂いた田口は、OBで名古屋グランパス加入の決まっている福岡大FW永井謙佑(4年)を彷彿とさせるプレーぶり。自分でも永井に「プレースタイルが似ている」と語る田口は、晴れの大舞台で大仕事をやってのけた。
一方、後半は攻撃の糸口をつかめず、5年連続初戦敗退となった秋田商の長谷川大監督は「やることをやって負けるならともかく、出し切れないで負けるのは悔しい」と語り、主将のMF斎藤純平(3年)も「今まで自分たちが積み重ねてきた戦い方ができなかった」と日々の練習の成果を出せなかったことを監督も選手も悔やんでいた。とはいえ、今回の秋田商は1~2年生が多く出場した若いチーム。斎藤純は「自分たちができなかった分、後輩達は自分たちを教訓にして強くなって初戦突破してほしい」と語り、初戦勝利の夢は、今日悔しい思いをした1~2年生に託された。
勝利した九州国際大付は11年1月2日、同じ埼玉スタジアム2002にて西武台(埼玉)と対戦する。
(取材・文 小林健志)
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2011年01月02日
[12.31 全国高校選手権1回戦 静岡学園 2-0 米子北 等々力]
優勝候補同士の一戦は静岡学園が快勝! 31日、第89回全国高校サッカー選手権1回戦が関東各地で行われ、神奈川県川崎市の等々力陸上競技場の第2試合では全日本ユース(U-18)選手権4強の静岡学園(静岡)と全国高校総体8強の米子北(鳥取)が激突。FW廣渡剛太とFW鈴木健太(ともに3年)のゴールにより、静岡学園が2-0で米子北を下した。静岡学園は11年1月2日の2回戦で宇和島東(愛媛)と対戦する。
サッカー王国静岡の技巧派軍団・静学と鹿島アントラーズ加入内定のU-19日本代表候補CB昌子源と川崎フロンターレ加入内定のFW谷尾昂也(ともに3年)の2枚看板を擁する米子北との注目対決。膠着した試合は18分、左サイドから送られたロビングの落ち際を右足で叩いた2年生FW小笹晃(2年)の右足ハーフボレーがゴール左ポストをかすめ、23分には昌子が放った約35mの弾丸FKがゴール右ポストを直撃するなど、シンプルに谷尾へボールを集め、また隙のないブロックディフェンスを見せていた米子北へ流れが傾きかけていた。
静岡県大会決勝の退場処分により川崎フロンターレ加入内定の絶対的司令塔MF大島僚太(3年)を出場停止で欠く静岡学園は川口修監督が「最近の試合で一番悪かった」と振り返る前半。例年以上にドリブルとショートパスとにこだわり、実際全日本ユース選手権でJクラブユース勢3チームを破るなど徹底した技で結果も残してきたチームだが、米子北の高速カウンターの恐怖が頭をよぎるのか全体的に仕掛ける姿勢に欠け、DFラインでボール回しする場面の連続だった。そして苦し紛れのロングボールは米子北DF陣が完封。それでも、このチームの突き抜けた技がまるで魔法をかけたかのように一瞬で試合の流れを変えた。
27分、左サイドで後方からのパスを受けたMF利根瑠偉(3年)がトラップすると見せかけてスルー。これでDFを外して縦に抜け出した利根はゴール前に鋭いグラウンダークロスを送る。米子北の昌子は「(静岡学園は)ドリブル、パスを捌くのが上手くてサイドを破られるのは分かっていた。でもカバーのポジションを意識しすぎて・・・・・・。自分のポジショニングミスがあったと思う」。中央でつぶれ役となった鈴木の背後から飛び込んできていたのは右FW廣渡。快足FWは右足シュートを難なくゴール左隅へと流し込んだ。
この1点により静学はプレッシャーから開放された。負傷から復帰5日目で強行先発したMF長谷川竜也(2年)を中心に狭いスペースを通すスルーパス、ヒールパス、そしてドリブルで堅守の米子北を翻弄し始める。米子北は後半開始から切り札のFW山本健太郎(3年)を早くも投入し、流れを変えにいった。そして後半開始直後にはPAの谷尾にボールが入りかける場面があったものの、静岡学園は金大貴と松本翼(ともに3年)の両CBが要注意人物に前を向かせない。
逆に後半4分、静学は右サイドでボールを持った廣渡が前方のスペースへスルーパス。長い距離を走ってゴールライン際で追いついたSB伊東幸敏(2年)がダイレクトでクロスを放り込むと、鈴木が右足ボレーで2点目のゴールを破った。
この後は静岡学園のパスゲーム。ボール回しで完全に米子北を操りだした。それでもGK助田龍太郎のビッグセーブでそれ以上の失点を許さなかった米子北は34分、スルーパスでPAへ持ち込んだMF藪田貴大(3年)がゴール至近距離から決定的な右足シュート。GKが弾いたボールを交代出場のFW真木基希(2年)が再び打ち抜くがこれも静学GK一ノ宮聖(3年)のビッグセーブに阻まれた。
1点奪っていれば試合の流れは再び米子北へ戻って来たかもしれない。昌子が25分過ぎから前線へ上がり谷尾と並ぶと、十分な圧力が感じられた。ただ、隙を見せながらもそれを結果に結び付けさせなかった静学が2-0で強豪対決を制した。
ボールを失わない技術、均衡した展開で違いをつくり出す技術を見せ付けて勝利した静学。ただ川口監督は「出来は不満ですね。相手がブロックをつくって苦労した。学園らしい、ウチらしいところを出させてもらえなかった」と首を傾げた。記者陣の「すごかったですね」「ボールを取られる気がしなかった」と煽てられても指揮官の表情は緩まない。それはこのチームがもっとボールを失わずに攻め、ゴールを奪い、観客を沸かせるサッカーをできることを知っているから。鈴木も「まだまだできると思います」。注目の大島がチームに加わる2回戦。95年度以来の全国制覇を狙う静学が本当の姿を披露するのはこれからだ。
(文 吉田太郎)
posted by gekisaka |08:45 |
高校サッカー選手権 |
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