2011年03月28日

新刊『高校サッカー聖地物語 僕らが熱くなれる場所』発売中です

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 高校サッカーを経験した選手、指導者、ファンにとって、"サッカーの聖地"と言われる国立競技場ではない、もっと身近に感じていた憧れの「もう一つの聖地」がある。全国各地にあるそうした「もう一つの聖地」を巡る物語をえがいた、新刊『高校サッカー聖地物語 僕らが熱くなれる場所』(講談社刊)がこのほど刊行された。著者はゲキサカ高校サッカーレポートでもおなじみの“ユース教授”こと安藤隆人氏。  地元のサッカーファン、関係者たちがいつになく熱狂的な声援を送る聖地での大事な試合は、そこを経験したひとの人生の中で最も大きなイベントのひとつでもある。「聖地」を越えた人、越えられなかった人どちらも存在するが、現在のプロサッカー選手や指導者たちはその場所で何を感じ、何を得て、そして今、何を思うのか? 「原点」ともいえる高校サッカーで彼らが熱く興奮し、サッカーファンが彼らを温かく応援していた日々は、忘れかけている何かを思い出させてくれるはずだ。 本書では、 細貝萌(アウクスブルク) 田中達也(浦和レッズ) 小林祐三(横浜F・マリノス) 狩野健太(横浜F・マリノス) 矢野貴章(フライブルク) 宮市亮(フェイエノールト) 楠神順平(川崎フロンターレ) 岡崎慎司(シュツットガルト) 青山敏弘(サンフレッチェ広島) 森重真人(FC東京) 岩下敬輔(清水エスパルス) の11人の欧州組、Jリーガーを始め、各地の名指導者や高校、大学サッカーで活躍している選手たちの思いが込められている。「もう一つの聖地」とは、たとえば細貝なら群馬・敷島、小林&狩野は静岡・草薙、宮市は愛知・瑞穂、岩下は鹿児島・鴨池……といった具合だ。  全国各地で熱闘を演じてきた人の数だけ聖地での物語は存在するが、本書に登場する彼らにとって聖地はどのような存在で、どのような経験を得た場所なのか? それぞれの「聖地物語」を共有してほしい。 書名:高校サッカー聖地物語 僕らが熱くなれる場所 著者:安藤隆人 発行日:2011年3月23日 定価:1575円(税込み) 版型:四六判 ページ数:272ページ ISBN:978-4-06-216703-1 本書の詳細はこちらで


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2011年03月08日

[Y☆voice67]日本高校選抜MF小島秀仁(前橋育英)「あきらめずに耐えられたことが次につながった」

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 高校年代の注目選手にその時どきの課題や目標について聞く連載企画「Youth star voice」。第67回目となる今回からは、全国高校選手権優秀選手によって結成された日本高校選抜チーム21人を連載します。  その高校選抜第1回はチームの主将を務めるMF小島秀仁選手(前橋育英)。09年U-17W杯に日本代表として世界と戦った世代屈指のパサーは、今春から強豪・浦和レッズでの新生活をスタートしています。09年全国高校総体で日本一も経験した小島選手は高校3年間をどのように感じているのか、これからについてどのような目標を立てているのか?(取材日:3月5日) ―高校3年間を振り返って 「本当に(前橋)育英に来て良かったというか、後悔はないですね。選手権で負けたことだけがちょっと悔しさが残っていますけど、そこ以外は本当に充実した3年間だったと思うし、プロになれたのも育英に来たからだと思うんで、素晴らしい3年間だったと思います」 ―プロ入りを勝ち取ったり、周囲のみんなと差をつけることができたのはどの部分? 「ちょっとした差だったと思うんですけど、一回(年代別日本)代表に呼んでもらって、そこで良いプレーして代表に残れたんで、それが自分の世界を変えたんじゃないかと思います。世界大会にも出られて、世界でまた良い経験ができて、自分の意識も変わっていった。1年、2年の最初の頃に代表へ呼ばれた時に『できた』というのが自分を変えたんだと思います」 ―チャンスを得るまでは辛抱の時期もあったと思うけれど 「高校に入って、最初はインターハイや選手権はベンチには入っていたけれど、試合に出られなかった。本当にストレスというか、出れなくて悔しい気持ちがあったんですけど、そこであきらめずに耐えられたのが次につながった。そこで頑張れたから上にも上がれたり、チャンスが来たのかなと思います」 ―チャンスをつかむまでやったことはどういう部分? 「ひたむきに練習したり、先輩の練習や試合を見て、いいところは本当に学んで。ボランチの2人が本当に良い選手だったので、いいところはどんどん見て学んでということはやってきました」 ―インターハイでは日本一も経験しましたが、そこに立つことの難しさも知っていると思います 「やっぱり技術の差はあると思うんですけど、それ以上に最後の一歩の速さだったり、気持ちの面が高校サッカーは勝敗を分けると思う。最後まで粘り強く戦うということと、あきらめないで戦うということがとても大事だと思います」 ―高校で厳しさを知ってプロ入りしましたが、現状は 「本当に最初は全然レベルが高くて、緊張して。スピード感も全然違うし、自分のプレーができなかった。プレッシャーが速くて、まだ自分を出させてもらってないです。ただそういうチームに入れたというのは自分のためにもなるし、ここでできたら『もっと上の世界へ行けるんだ』というのは実感しているんで、本当に良い経験ができていると思います」 ―その環境の中で1年目から試合に出ることを掲げています 「試合に出るためには全部の技術、守備面だったり身体の強さだったり、全面でレベルを1、2段階上げないとやっていけないなと感じています。やっぱりスピード感というのはいろいろなスピードがあると思うんですけど、球離れだったり、寄せのスピードだったり、そういうスピード感にも慣れないといけない。やるべきことはまだまだあると思います」 ―小島選手のオリジナルな部分を生かすことも大事だと思うが、一番見て欲しいところは? 「他の選手を生かすパス。パス面は見て欲しいというか、自分の好きなところなので見て欲しいなと思います」 ―高校選抜のキャプテンを努めますが? 「優秀選手に選ばれた素晴らしい選手たちの中でキャプテンをできるというのは自分にとって素晴らしいこと。良い経験が出来ていると思うし、なったからには自覚を持ってプレーしないといけない。高校代表として海外行って優勝を常に目指して行ければいいなと思います」 (取材・文 吉田太郎)


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2011年03月07日

滝川二の“ダブル・ブルドーザー”選手権決勝以来のアベックゴール

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 全国高校選手権で計15ゴールをたたき出し、滝川二高(兵庫)を初優勝へと導いた“ダブル・ブルドーザー”ことFW樋口寛規とFW浜口孝太のストライカーコンビが、選手権決勝の久御山高(京都)戦以来となるゴール競演した。

 トップ下の位置で先発した樋口はDFの間合いをずらして放つシュートやドリブルでこの日も存在感。相手ディフェンスラインの背後へ飛び出し、鋭くサイドをえぐるなど、チャンスメーカー役としても存在感を放った。そして前半36分にはMF白崎凌兵(山梨学院高)が獲得したPKを右足でゴールへと突き刺し、「しっかり仕事できるように考えている」というFWは加入した清水エスパルスの地元・清水の街のファンに高校選手権得点王の実力を披露した。

 浜口はその樋口に代わって前半41分から登場。高校選手権後はほとんど練習することができなかったFWは、2月半ばの高校選抜合宿でコーチングスタッフから「太ったんじゃないか」の指摘を受け、2月26日のセロックススーパーカップ「NEXT GENERATION MATCH」ではベンチ外の悔しさも味わった。だが、2kg減量して臨んだこの日の試合では後半2分にMF佐々木雅人(西武台高)のラストパスをゴールへとねじ込み実戦では選手権決勝以来のゴール。「ホンマ、ゴール決められてよかったです」と安どの表情を見せていた。

 ともにゴールを決めてその得点力の高さを実証した“ダブル・ブルドーザー”だったが、「NEXT GENERATION MATCH」に続き、ヤングサッカーフェスティバルでもともにプレーすることはなかった。この後、チームは21人から欧州遠征メンバー18人に絞られるため、再び競演することができるかどうかは不明。だが、欧州遠征メンバー入りし、ともに出場する機会を得ることができれば、抜群の相性を持つ“ダブル・ブルドーザー”が欧州の強豪と戦う第49回デュッセルドルフ国際ユースサッカー大会でもその破壊力を示してくれるはずだ。

posted by gekisaka |20:30 | 高校サッカー | コメント(0) | トラックバック(0)
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2011年03月07日

“ダブル・ブルドーザー”競弾!日本高校選抜が静岡県選抜破る

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 第26回静岡県ヤングサッカーフェスティバルが6日、静岡県の清水総合で行われ、4月に欧州遠征を行う日本高校選抜対U-17静岡県高校選抜戦は浦和レッズMF小島秀仁(前橋育英)の決勝ゴールにより、3-2で日本高校選抜が勝った。

 高校選手権の大会優秀選手で結成された「スター軍団」日本高校選抜が、1学年下の静岡選抜を振り切った。日本高校選抜は全国選手権得点王の清水エスパルスFW樋口寛規と香川勇気、谷口智紀のダブルボランチ、CB土師直大と滝川二(兵庫)の全国Vメンバー4人が先発。4-2-3-1システムのGKは清水エスパルスGK櫛引政敏(青森山田)で4バックは右から藤本貴士(大津)、アルビレックス新潟CB増田繁人(流通経済大柏)、土師、車屋紳太郎(大津)。谷口、香川が中盤中央に入り、右MFが加藤大樹(立正大淞南)で左が白崎凌兵(山梨学院)。トップ下に樋口、加部未蘭(山梨学院)が1トップを務めた。
 対して静岡選抜はU-18日本代表候補FW柏瀬暁(清水ユース)の1トップ、その後方にU-18日本代表候補MF風間宏矢(清水商)と10年U-16日本代表候補MF長谷川竜也が位置する4-3-2-1システムで試合に臨んだ。

 試合は立ち上がりから攻守の目まぐるしく入れ変わる展開となった。CB新井一耀(清水商)とCB木下高彰(浜松開誠館)らが空中戦でひけをとらない戦いを見せる静岡選抜に対し、局面の攻防戦、フィジカルで上回る日本選抜は中盤、最終ラインからディフェンスラインの背後を突いたパスに加部や樋口、加藤、白崎が鋭く反応。静岡ディフェンス陣に隙あらば一気にゴールへと迫っていった。
 8分には右スローインから縦へ切れ込んだ樋口が折り返し、決定的な形で受けた白崎が右足シュート。その後も白崎とのコンビから樋口が放った右足シュートや、抜群のスピードで左サイドを突いた加部の左足シュートがゴールマウスをかすめた。

 ただ静岡は1ボランチのMF前田柊(磐田ユース)がセカンドボールの攻防戦で健闘すると、柏瀬、風間の力強いドリブル突破やトリッキーな足技で観衆を沸かせた長谷川、スピードあふれる攻撃参加がウリの右SB伊東幸敏(静岡学園)らが徐々にチャンスの数を増やしていく。それでも日本選抜は36分、香川を起点に左サイドからPAへ進入した白崎が個人技で相手DFのファウルを誘い、PKを獲得。これを樋口が右足で決めて先制した。

 日本選抜は42分、加藤、樋口に代えてMF佐々木雅人(西武台)とFW浜口孝太(滝川二)を投入。前半終了間際にも加部が決定的な右足シュートへ持ち込むなど相手を押し込んだまま前半を終えた。そして後半からはGKに小澤章人(西武台)、4バックを右から藤本、山本大地(久御山)、金大貴(静岡学園)、中村宏輝(立正大淞南)へ変更。さらに主将の小島秀仁(前橋育英)と車屋のダブルボランチ、左MFに進藤誠司(流通経済大柏)、右に佐々木。2トップに浜口と小牟田洋佑(前橋育英)を起用した。

 その日本選抜は後半2分、佐々木のラストパスで抜け出した浜口が追加点を奪う。高校選手権で対戦校の脅威となった樋口と浜口の通称“ダブル・ブルドーザー”、滝川二のFWコンビがアベックゴール。ただ静岡選抜は食い下がる。6分、右サイドでのパス交換から長谷川がSBの背後へスルーパスを送ると、反応した伊東がダイレクトでクロスボール。これを風間が鮮やかな右足ボレーでゴールへと叩き込み、1点差とした。

 活気付いた静岡選抜は、なかなか攻めきることのできない日本選抜からボールを奪うと縦へのスピードある攻撃と、ショートパスでの崩しからシュートまで持ち込んでいく。それでも日本選抜は21分、ゴール正面PAやや外側の位置から仕掛けた小島が強引に中央突破してGKと1対1となるとそのまま3点目のゴールを奪う。

 静岡は41分、カウンターから中央突破を図った風間が絶妙なスルーパス。PAへ入り込んだ兼岡が左足でゴールを破り、再び1点差とする。ベンチからの「あきらめるな!」「点を取って来い!」のゲキに後押しされた静岡選抜はさらに勢いを増したが、日本選抜は冷静に時間を削り、逃げ切った。

 日本高校選抜は2月26日のセロックススーパーカップ「NEXT GENERATION MATCH」ではこの日の相手と同じく1学年下の世代にあたるU-18Jリーグ選抜に1-2で敗戦。「今回は負ける訳にはいかない」と気合十分の姿勢で臨んだ試合を1点差ながらも勝ちきった。

 4月の欧州遠征で第49回デュッセルドルフ国際ユースサッカー大会に出場する日本選抜にとって、この日の試合は最後のセレクションマッチでもあった。それだけに大学受験で不在だったFW坂本樹是(久御山)を除くメンバー全員が出場し、最後のアピール。この後、メンバーは現在の21人から18人へと絞られる。

 平岡和徳監督(大津)は選手たちへ向けて「サッカーというものを追求してほしい。人間的に大きくなれることを期待している」とメッセージ。1ヵ月後の欧州遠征へ向けて小島主将は「勝てたのは大きいけど内容はまだまだ。チーム一丸になって全員でカバーして、全員でチャレンジして、日本を代表するチームとして頑張る」と誓っていた。

posted by gekisaka |12:55 | 高校サッカー | コメント(0) | トラックバック(0)
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2011年01月02日

[選手権]野洲PK戦で激戦制す! 松商学園『悪夢の4分間』

[12.31 全国高校選手権1回戦 松商学園5-5(PK3-4)野洲 フクアリ]

 第89回全国高校サッカー選手権は31日、各地で1回戦を行い、フクダ電子アリーナ(千葉)では野洲(滋賀)が松商学園(長野)に5-5からのPK戦の末、4-3で勝利した。11年1月2日の2回戦は立正大淞南(島根)と対戦する。

 どちらかといえばサッカー後進県の代表が、日本トップクラスの名門相手に大健闘した。それも、かつては「県内でしか通用しない」と揶揄された『放り込みサッカー』ではなく、主体的にボールを動かすスタイルで――。 

 試合後、松商DF高沢浩幸は「監督からは3年間で最高の試合だったと言われました」と語った。そしてFW土井亮祐(3年)は「チームの皆に100点あげても良いくらいです」と――。

 野洲のスタメンのうち3年生は2人だけ(1年生は5人)。『若さ』ゆえの緊張感がプレーに影響してしまったのかもしれない。U-16日本代表MF望月嶺臣(1年)、MF高野登志基(1年)らを中心にパスをつなぐ『ポゼッション重視』のサッカーを展開したが、リズム感に欠け、ミスも散見した。対する松商はスタメンのうち3年生が8人。積極的なプレッシングでボールを奪って、カウンターを狙うスタイルで対抗した。そして、『あわや勝利』というところまで野洲を追い詰めた。

≪得点経過≫
[前半]
28分 1-0(松商:FW清水庸平=3年)
33分 1-1(野洲:DF平山晃大=2年)
35分 2-1(松商:FW清水庸平=3年)
[後半]
1分 3-1(松商:FW土井亮祐=3年)
*後半開始直後。DF高沢からの絶妙なクロスを的確に合わせた“完璧な形”。

16分 4-1(松商:DF高沢浩幸=3年)
*土井のシュートが高沢に当たってコースが変わった。野洲GK松原篤志(3年)らすれば、為すすべがない失点。

17分 4-2(野洲:MF望月嶺臣=1年)
33分 4-3(野洲:FW美濃部寛貴=3年、主将)
34分 5-3(松商:FW土井亮祐=3年)
39分 5-4(野洲:FW加藤臣哉=2年)
40分+3 5-5(野洲:FW村松隆晴=3年)

 野洲の5点目を決めた村松は後半7分に、3点目を決めた美濃部は同28分に交代出場した。3年生の意地を見せつけたということか――。松商にとっては、アディショナルタイムが約4分間もあったことも不運だった。

(取材・文 木次成夫)

posted by gekisaka |08:51 | 高校サッカー | コメント(0) | トラックバック(1)
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2010年11月22日

[選手権]インハイ王者・市船橋撃破!流経大柏が全国最激戦区制す!!

[11.21 全国高校選手権千葉県大会決勝 流通経済大柏 1-0 市立船橋 市原臨海]

 流経大柏が全国最激戦区制す――。第89回全国高校サッカー選手権千葉県大会は21日、市原市緑地運動公園臨海競技場で決勝を行い、今夏の全国高校総体で優勝した市立船橋と高円宮杯全日本ユース(U-18)選手権8強の流通経済大柏が激突。今年の高校サッカー界を代表する実力派同士の一戦は、MF吉田眞紀人(3年)の決勝ゴールにより、流経大柏が1-0で勝ち、FW大前元紀(現清水)を擁して日本一となった07年度以来3年ぶり3回目の全国大会出場を決めた。全国大会の組み合わせ抽選会は22日に東京都内で開催される。

 今年4回目となったライバル対決。勝ったのは過去3回の対戦同様、流経大柏だった。今大会決してパフォーマンスがよかった訳ではない。準々決勝で公立の船橋北に延長戦まで持ち込まれ、柏日体との準決勝も1-0の辛勝。これまで圧倒的な戦力とその選手一人ひとりがハードワークすることで相手の脅威となり続けてきた流経大柏だったが、低調な戦いの連続に本田裕一郎監督も準決勝終了後、「気持ちが伝わってこない」と選手たちに厳しい言葉で指摘していた。

 これでイレブンたちの目が覚めた。ライバルとの実力は互角。今季、流経大柏に3連敗している市立船橋だったが、全日本ユース選手権での対戦では延長戦110分間の死闘を演じるなど、シーズン当初見られた差を戦うたびに詰めてきていた。「今度こそ」という気持ちは間違いなく強かった。
 それでも試合開始から勝利への魂をより感じさせていたのは流経大柏だった。球際での鋭さ、セカンドボールへの反応、全てわずかではあったが常に優位立っていたのは流経大柏。J注目の189cmCB増田繁人主将(3年)が「これまで気持ちが入ってなかった訳ではなかったんですけど、足りなかった。あと一歩のところで足が出るかどうかも気持ち。きょうは市船より声も出ていた。この一週間は『人生かけて勝とうぜ』と言ってきた。市船には絶対に負けられない。大前さんたちのように『全国へ出たい』という気持ちだった」と振り返ったように、流経大柏の闘志と集中力は並々ならぬものがあった。

 加えてイレブンの「対市船」へ向けたイメージも統一されていた。流経大柏は前日20日にミーティングを行い、メンバー全員が「市船橋がどう攻めてくるか」の考えを他のメンバーの前で発表したという。このイメージがひとつになっていた。「市船はDFラインからのフィードをFW水谷達也が競り、こぼれ球を10番MF藤橋優樹が左MF石原幸治(全て3年)へはたく――」。そしてチームが取った策は藤橋にMF古波津辰希(2年)、石原に右SB中西孝太(3年)をマンツーマンでつける“市船封じ”。これがはまった。キーマンに執拗なマークをつけられた市船橋は、前半シュートわずか1本。ボールをつなぐこともできず、苦しまぎれのロングボールを圧倒的な高さを誇る増田主将ら流経大柏DFに跳ね返されてしまった。

 「守備は完璧だった。90点あげられると思う」と指揮官も絶賛した流経大柏は、攻撃陣も市船橋に襲い掛かった。2分に吉田の右足シュートがゴールマウスを叩くと、その後もMF杉山賢史とのワンツーからFW田宮諒(ともに3年)がPAへ侵入し、左MF進藤誠司(3年)がそのスピードで相手を苦しめた。37分にもPA内右サイドを切れ込んだ田宮の右足シュートがポストを弾いた。

 それでも後半開始から全国総体得点王の2年生FW和泉竜司を投入した市船橋は劣勢から持ち直す。相手の背後を狙ってボールを受ける和泉がポイントとなり、アタッキングゾーンから仕掛ける回数が増えだした。16分には左サイドを突いた石原の折り返しを藤橋が左足シュート。この試合初めて決定機もつくりだした。ただ石渡靖之監督が「リズムがよくなったところでの失点。後手を踏んでしまった」と振り返ったように、流れのよい時間帯に大きすぎる1点を奪われてしまった。

 17分、流経大柏は進藤からのパスを受けた田宮が左サイドを突くと見せかけて中央へ切り返し。DFのマークを外してすぐさまボールをつなぐと、PAへ大きく出したファーストタッチでDF2人の前に出た吉田が、左サイド角度のほとんど無い位置から強烈な左足シュートを逆サイドのゴールネットへとねじ込んだ。「ディフェンスが2人来ている予感がしていた。理想どおりのファーストタッチができて、シュートはファーを狙ったけど。あんなに上手くいくとは思わなかった」と吉田。全日本ユース選手権でも市船橋を沈める2ゴールを決めているエースが、再びライバルのゴールをこじ開けた。

 市船橋は33分に途中出場のFW正岡望世(3年)が決定的な左足シュート。そしてCB山野辺大樹(3年)を前線へ押し出すパワープレーに望みをかけたが、ロスタイムの山野辺のヘディングシュートもGK緒方大樹(3年)の正面で、ラストプレーで得た右FKが流経大柏DFに跳ね返された瞬間、試合終了を告げる笛が鳴り響いた。
 ピッチに倒れこみ、なかなか立ち上がることのできない市船橋イレブンの横で、流経大柏が笑顔と涙で表情をくしゃくしゃにしながら喜びを爆発させる。観衆6,500人を集めたライバル対決は、全国王者を完璧な守備と中西が「気持ちの面で勝てた差」と胸を張った闘志で上回った流経大柏の勝利で終わった。

 青森山田や大津、作陽、星稜と全国大会でライバルとなりそうな強豪の指揮官たちも駆けつけた注目の一戦を制した流経大柏。今シーズンは圧倒的な戦力に「エース級が30人いる」「高校チーム最強」とも言われ続けてきた。ただ「優勝候補? その言葉には乗らないですよ」と本田監督は苦笑。優勝候補筆頭に挙げられた全国総体は3回戦で、全日本ユース選手権でも8強で姿を消しているだけに増田主将も「自分たちは優勝候補じゃないです」と首を振った。ただメンタル面が課題とされてきたチームが全国王者との一発勝負で実力を最大限に発揮。増田主将は「きょうの気持ちときょうのゲーム運びが出来れば全国でもやっていける」。前評判ナンバー1の強さは12月30日から約2週間続く全国舞台で、今度こそ発揮されるか。

(取材・文 吉田太郎)

posted by gekisaka |08:43 | 高校サッカー | コメント(0) | トラックバック(0)
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2010年10月12日

[全日本ユース選手権]日本一奪還!広島ユースが備えていた「跳ね返す力」

[10.11 全日本ユース(U-18)選手権決勝 広島ユース 2-1 F東京U-18 埼玉]

 「絶対に気持ちであきらめないチーム」。この日出場停止のためにピッチの外から声援を送ったサンフレッチェ広島ユースのCB宗近慧主将は自分たちが有している“特別な”強さについて説明してくれた。

 04年以来6年ぶりの日本一奪回。7試合28得点という攻撃力ばかりがクローズアップされがちだが、決してこれは楽にもたらされたタイトルではない。今大会初戦の神戸U-18戦は試合終了間際の連続失点でまさかの逆転負け。決勝トーナメント進出を懸けた1次ラウンド最終戦の柏U-18戦でも逆転された。ただしこの試合を再びひっくり返すと「跳ね返す力がついてきたのかな」と森山佳郎監督が目を細めたように、その後も劣勢を怖ろしいまでの粘り強さで跳ね返していった。静岡学園高との準決勝は0-2の残り25分から4得点。そして決勝では6試合1失点の堅守・F東京U-18から再び逆転勝ちをおさめた。

 森山監督は言う。「ウチは結構我の強い子が多い。殴り合いが始まると駆けつけるような子ばかり。クラブユース選手権のサンガ戦では試合中に自分たちで言い合いを始めちゃって。でもそのベクトル、パワーをチームのために向けられるようになった。1試合1試合成長してくれた。みんなの気持ちが目に見えない部分で大きいものを引き付けてくれたのだと思う」。

 今大会、もしかすると優勝チーム以上の実力を備えていたチームもあったかもしれない。ただ広島ユースにはどこよりも勝る勝負根性があった。今大会1チームが立て続けに連続失点してしまうシーンがよく見られたが、指揮官は「ウチのチームの選手では絶対にない」と断言する。
 「勝負に対して希薄だとか、今の子は大人しいから、とかそういう風にしてしまっているのは大人。『負けたくねぇ』とか毎日毎日働きかけていければできるようになる。普段の練習から何とかつくっていける環境が必要。(日本の育成年代は)上手い子に『上手い』というのではなく、戦えて勝利にこだわらせるとかが必要なんじゃないか。FC東京さんもそうだし、トーナメントで本当に勝ちに行くとき、そういう部分が強いチームがここ(決勝)に残ったんじゃないか」。
 
 11年トップチーム昇格が内定しているFW井波靖奈が「(広島ユースで)相手に負けない気持ち。勝つことへの貪欲さを学ばせてもらった」と話し、今大会得点王のMF砂川優太郎も「サンフレユースのスタイルは、上手いだけじゃ日本一とか争うレベルで通用しないということ」と戦う姿勢、あきらめない姿勢への重要さを口にしていた。

 練習ではタッチラインからボールが出ても、競り合うことを止めずに練習は続行される。普段から徹底されてきた勝負に対する貪欲さと激しさ。それが1人や2人でなく、チーム全員が持ち合わせているあるからこそ、「終わったかな」と思わせる試合展開からでも誰一人あきらめずに戦い、脅威の逆転勝利は成されてきた。優勝するにふさわしい実力もあった。それ以上に、他のチームにはない「跳ね返す力」が広島ユースにはあった。

(文 吉田太郎)

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2010年10月12日

[全日本ユース選手権]“気持ちには引力がある”孝行息子たちが勝ち取った!! 寮長と寮母さんに捧げる日本一

[10.11 全日本ユース(U-18)選手権決勝 広島ユース 2-1 F東京U-18 埼玉]

 サンフレッチェ広島ユースの選手たちは今大会のグループリーグから「絶対に優勝して、今年で退職する寮長と寮母さんを胴上げしたい。恩返しがしたい」と繰り返していた。

 三矢寮で過ごす36人の選手たちにとって、親のような存在である寮長の稲田稔さんと寮母の敏子さん。毎年、父の日や母の日には選手たち、そして卒業生たちから多くの贈り物もあるという。

そんな“両親”が今シーズンで退職となり、来年の1月末で寮を去ることになった。これまで多くの選手がお世話になってきたことも森山佳郎監督から聞いた選手たちは「寮長と寮母さんを胴上げするのが一番の恩返し」を目標に今大会を戦ってきていたのだ。

 グループリーグでは、チームトレーナーに子供が生まれたことを祝って“ゆりかごダンス”を見せた選手たち。誰かのために頑張りたいという気持ちには、チームの掲げる旗の通りに「引力」があった。そしてつかんだのが日本一の座だ。

 寮長は毎試合同伴するが、寮母さんは「決勝にならないといかない」ため、今回の試合観戦は昨年のJユースカップ決勝戦以来となった。久しぶりにスタンドで観戦していた寮母さんは、優勝の瞬間、頭が真っ白になって体が震えたそうだが、スタンドへ選手が迎えにいくと、いつも通りの温かい笑顔をみせた。そして、ピッチへ向かうと選手たちと記念撮影。念願かなっての胴上げも行われた。

 誰よりも回数多く宙を舞ったのは、もちろん寮長。寮母さんは「みんな落とそうとして何度も上げたんですよ」と笑いながら話したが、選手たちの日ごろの感謝の思いは十二分に寮長そして寮母さんに伝わったはずだ。

 「まだありがとうは言いません。Jユースがあるから」と寮母さんは話す。稲田夫妻にとって、本当に最後の大会となるのは、これから行われるJユースカップ。だからこそ選手たちも「2冠を獲る」という強い思いを口にする。

 寮長が最近しみじみと口にするのが「子供に真剣に向き合ったことで自分も成長しているんだなぁ」という言葉。真剣に向き合ってくれる“両親”たちに支えられ、共に過ごしてきた日々が、この日の優勝につながっていることは間違いない。

(取材・文 片岡涼)

posted by gekisaka |05:04 | 高校サッカー | コメント(0) | トラックバック(0)
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2010年10月12日

[全日本ユース選手権]DF越智2発!広島ユースが逆転で6年ぶり日本一!!

[10.11 全日本ユース(U-18)選手権決勝 広島ユース 2-1 F東京U-18 埼玉]

 サンフレッチェ広島ユース(広島)が高校年代日本一! 高円宮杯第21回全日本ユース(U-18)選手権は11日、埼玉スタジアム2002で決勝を行い、広島ユースと初Vを目指すFC東京U-18(東京)が激突。DF越智翔太の2得点により、広島ユースが2-1で勝ち、6年ぶり2回目の優勝を果たした。

 広島ユースが逆転で日本一に輝いた。「埼スタ決戦」は前半静かな立ち上がり。緊張か、相手を警戒してかF東京U-18特有のハイプレスにキレがなく、かといって広島ユースもパスワークの精度を欠き、ボールをゴール前まで運ぶことができない。
 徐々に試合の流れが傾きだしたのは20分を過ぎてから。F東京U-18がマンツーマン気味にプレッシャーをかけて敵陣でボールを奪いだすと、徹底して行ってきた3バックのサイド後方へボールを運ぶ攻撃が実を結びだす。
 27分には右サイドでボールを受けたFW秋岡活哉が切れ込み、クロスバー直撃の左足シュート。そして29分、自陣からの縦パスで抜け出したMF佐々木陽次が独走すると、GKとの1対1を右足でゴールへと流し込んだ。

 先制したF東京U-18の攻勢はその後も止まらない。34分には左サイドを打開したMF武藤嘉紀のクロスを右MF岩田拓也が決定的なヘディングシュート。これはクロスバーを叩いたものの、劣勢を強いられた広島ユースは得点ランキング首位のエースMF砂川健太郎がなかなか攻撃に絡めず、決定機も作り出すことができなかった。
 それでも前半ロスタイム、突如試合が振り出しに戻る。左コーナー付近から上げられたクロスに対して、ファーサイドでフリーとなった越智が頭でゴール左隅へ押し込み、広島ユースが同点に追いついた。

 これで気が楽になったか、後半は逆に広島ユースのパスがつながり出す。出足の弱まったF東京U-18に対して仕掛ける広島ユースにセカンドボールも転がる回数が増えていった。そして流れのいい時間が続く中、広島ユースは逆転に成功する。
 14分、右CKを獲得した広島ユースはMF野津田岳人のキックからMF浅香健太郎がシュート。こぼれ球を再び越智が左足で押し込み、逆転した。大学受験のため準決勝を欠場していた越智の2ゴール。ここからF東京U-18の怒涛の反撃がスタートするが、守備の要・宗近慧主将を出場停止で欠きながらも、広島ユースは越智やDF脇本晃成らDF陣が懸命の守備で跳ね返していく。

 F東京U-18は29分、途中出場のMF岩木慎也の直接FKがゴールを襲い、35分にはPAで中央へ切れ込んだ秋岡が決定的なシュート。40分には右サイドを破った佐々木の決定的なパスがゴール前へと送られる。ロスタイムにはゴール前のこぼれ球に反応したCB松藤正伸がヘディングシュート。追い詰められた49分には左FKでGK三浦龍輝も前線に上がってゴールを狙ったが、広島ユースの好守を最後まで破ることができなかった。

 そして試合終了のホイッスル。2-1で逃げ切った広島ユースは真っ先に森山佳郎監督がピッチ内へ駆け込み、イレブンたちと抱き合って優勝の喜びを分かち合った。森山監督は試合後のインタビューで「戦術とか何も関係なく男と男の戦い。(選手たちには)何も伝えることはありません。スゴイぞ、オマエらー!!」と雄たけびのような熱い祝福。そして広島ユースによって高円宮杯は埼玉の空へ掲げられた。

(取材・文 吉田太郎)

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2010年10月12日

[全日本ユース選手権]ピッチで!スタンドで!F東京U-18、全員でつかんだ決勝切符

[10.9 全日本ユース(U-18)選手権準決勝 三菱養和SCユース 1ー3 FC東京U-18 国立]

 チーム全員で手にした決勝行きのチケットだ。FC東京U-18の選手たち全員がピッチ内外を問わず、各々の役割を全うし、01年以来9年ぶりの決勝進出を決めた。

 この日は、大学入試と累積警告で攻撃陣の主力3人を欠いていたが、その影響を微塵も感じさせない戦いぶりをみせた。前半22分に、累積警告で出場停止のエースMF武藤嘉紀に代わって出場したMF岩木慎也のゴールで先制。1点リードで迎えた後半に入っても、その勢いは止まらず、14分にはFW秋岡活哉が追加点を挙げ、17分にはMF佐々木陽次が貫禄のミドルシュートを決めてみせた。

 今大会では、ここまでの全試合で無失点勝利をしてきただけに、倉又寿雄監督も「無失点で決勝に行きたかった」と後半19分のPKでの失点を悔やんだが、全国の準決勝の舞台で貫禄の3-1勝利は、決勝へ向けて大きな弾みとなるはずだ。

 また、ピッチのメンバーが結果を出す一方で、この日累積警告で出場停止だったエース武藤は、スタンドで奔走していた。

 試合前のアップでは、1年生に混ざってボトルを運び、スタンドでは大きな声で声援を送った。試合中はチームメイトとスタンドで観戦していたが、途中から「こっちに来いよ!とファンの人に呼ばれたから」と席を移動し、サポーターと共に応援。少しでも力になろうと自分に出来ることをやりきった。

 次節はこの日通算2枚目の警告を受けたMF橋本拳人が出場停止となるが、今日の武藤の働きを橋本は見ていたはずだ。決勝の舞台に立てないこと、その悔しさは計り知れない。それでもタイトルのために、自分が出来ることを最大限に行い、チームに貢献してくれるだろう。

 高円宮杯は今大会で終了し、来年度からは大会形式が大きく変わる。だからこそ、F東京U-18が唯一獲得していない高円宮杯の優勝という称号は欲しいところ。倉又監督も「FC東京の歴史として取れてないタイトルはどうしても取りたい」と話した。

 チーム全員で東京ダービーを制し、波に乗った。主力メンバー不在のピンチも越えて、結束力も一段と増してきた。決勝の地は埼玉スタジアム。チーム全員で日本一の座を奪いにいく。

(取材・文 片岡涼)

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