2010年09月09日
ミラクル再現!憲剛がザック監督の前でゴールし2戦4-3で鹿島を下す
[9.8 ナビスコ杯準々決勝第2戦 川崎F3-1鹿島 等々力] 川崎Fがミラクル再現! ナビスコ準々決勝第2戦が8日に各地で行われ、川崎・等々力陸上競技場では川崎フロンターレと鹿島アントラーズが激突した。第1戦は鹿島が2-1で勝利していたが、第2戦はMF中村憲剛のゴールなどで川崎Fが3-1で勝利。2戦合計で4-3とし、川崎Fがベスト4進出を果たした。 この2チームは昨年も準々決勝で対戦。1戦目は鹿島が1-0で勝ち、2戦目も後半終了間際まで0-0と鹿島が優勢だったが、川崎Fが土壇場でゴールして延長戦へ。その勢いのまま川崎Fが“逆転”に成功して準決勝に進出する“奇跡”を演じていた。 90分で決着をつけるには1-0勝利か、3-1以上の勝利が必要だった川崎F。そんな中、日本代表に参戦していたMF中村憲剛がベンチに入った。システムは4-4-2でGKは相澤貴志、DFラインは右から森勇介、菊地光将、伊藤宏樹、小宮山尊信。中盤はボランチに横山知伸と稲本潤一、2列目は右に田坂祐介、左にヴィトール・ジュニオールが入り、2トップはジュニーニョと黒津勝が組んだ。 鹿島は引き分けでもいい状況だったが、守備の要の日本代表DF岩政大樹が欠場した。最初に配布されたメンバー表では控えでベンチ入りしていたが、ウォーミングアップ中に右内転筋を痛めて欠場。代わりにFW佐々木竜太がベンチ入りした。 ともに様子見なのか、立ち上がりは探りながらの展開が続いた。しかし、15分過ぎから激しくなっていく。前半18分、鹿島は左サイドを攻略して興梠がクロス。これを中央でマルキーニョスが受けるが、少し後方に流れ、すぐ後ろにいたフェリペ・ガブリエルが右足でシュート。フリーだったが、わずかに枠を外してしまった。 ここから両軍ともに“スイッチ”が入る。川崎Fはセットプレーと得意のサイド攻撃を仕掛け、鹿島はボールを繋ながら、PA近くからの縦に速い攻撃で攻略をはかる。前半29分、ゴール前の混戦で川崎Fの田坂がシュート。映像ではこれがPA内で鹿島の新井場の手に当たり、PKでは? と思われたが、笛はならなかった。抗議しても覆らなかったが、直後に川崎Fが先制点を奪った。 前半32分、V・ジュニオールが左サイドを突破し、オーバーラップしてきた小宮山にパス。これをダイレクトで中へ折り返し、詰めていた田坂祐介が左足でゴールに突き刺した。これで2戦合計2-2となった。この場合、アウェーゴールルールが適用されるため、このままなら川崎Fが突破という状況となった。 しかし、その1分後、鹿島が1点を返した。左サイドを野沢が攻略し中央へクロス。これが川崎Fの菊地の頭をかすめて奥にいた小笠原満男のもとへ。難しい角度のボールだったが、大黒柱は右足でアウトにかけてシュート。華麗な一撃で同点とした。これで鹿島が2戦合計で3-2とし、ベスト4進出という状態に戻した。 川崎Fは90分以内で決着をつけるには、3-1以上のスコアが必要となった。しかし、アクシデントが襲う。前半37分、右SBでこの日はキャプテンマークを巻いていた森勇介が負傷交代。谷口博之が急遽入り、システムが変更された。4-5-1となり、ジュニーニョの1トップに、谷口がトップ下、右MFが黒津、左MFがV・ジュニオールに。右MFの田坂は右SBにシフトされた。 試合は1-1で折り返し、後半がスタート。後半、最初は川崎Fがペースを握る。ジュニーニョ、V・ジュニオールの個人技を活かして押し込んだ。しかし、鹿島の守備は簡単には崩せない。鹿島は落ち着いたボール回しでリズムを奪い返そうとした。 後半15分、鹿島はフェリペ・ガブリエルに代えて元日本代表MF中田浩二を投入。アンカー気味に入り、中盤を流動的に配置して川崎Fのボール回しを防ごうとした。川崎Fもその3分後、稲本潤一に代えて中村憲剛を送り出した。憲剛は左MFに入り、谷口がボランチに回った。 後半22分、川崎Fに“惜しい”場面が訪れる。横山が左足でミドルシュートを放ったが、キャッチしにいったGK曽ヶ端が何とファンブル。ゴールインかと思われたが、鹿島にとっては好運にも、これがクロスバーに当たり、曽ヶ端が再キャッチした。 しかし好運のあと、鹿島に悪夢が訪れた。後半30分、小笠原が中村憲剛を倒してしまい、2枚目のイエローカードを受けて退場となった。ロスタイムを入れて残り20分弱を10人で戦わなければならなくなった。鹿島は後半31分、守備を固めるため、興梠に代えてMF船山祐二を入れた。 数的優位になった川崎Fの勢いが増す。そしてすぐさま勝ち越しに成功した。後半34分、左サイドをジュニーニョがドリブルで仕掛けてクロスを入れる。これが鹿島選手に当たりこぼれ球となるが、何とゴール中央約22mにいた中村憲剛の下へ。走り込みながら憲剛は狙い済まして右足を振り抜き、ゴール左下へ突き刺した。これで川崎Fが2-1とし、2戦合計で3-3と振り出しに戻した。 この試合は日本代表のアルベルト・ザッケローニ監督が視察に訪れた。憲剛は日本代表のパラグアイ戦でアシスト決めているが、所属クラブに帰ってもアピールした形だ。 この第2戦は同点でOKの鹿島は、後半36分、野沢に代えて元日本代表MF本山雅志を投入。1点を奪いに行った。しかし、川崎Fの勢いはとまらない。前半43分、川崎Fが3-1とし、2戦合計で4-3とリードした。右サイドから田坂がクロスを入れると、ファーサイドでゴールを背にして谷口が左足でトラップ、このこぼれ球にヴィトール・ジュニオールが抜け出し、右足で大きな大きなゴールを決めた。 ロスタイムは4分。川崎Fは黒津に代えてDF佐原秀樹を投入して守備を固めた。鹿島も奮闘するが、10人では崩しきれない。試合はそのまま終わり、川崎Fが3-1で勝利。2戦合計でも川崎Fが4-3とし、逆転でベスト4進出を果たした。 (取材・文 近藤安弘)
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