2010年09月05日
[全日本ユース(U-18)選手権]“ウォーターサッカー”広島観音が総体王者の堤防破りドロー
[9.4 全日本ユース選手権1次R第1戦 広島観音高 1-1 市立船橋高 群馬] 高校年代の日本一決定戦、高円宮杯第21回全日本ユース(U-18)選手権が4日、開幕。各地で1次ラウンド第1戦が行われた。群馬県立敷島ラグビーサッカー場の第1試合では全国高校総体優勝の市立船橋高(千葉)と広島観音高(広島)の高校勢同士が激突。1-1で引き分けた。 勝ち点3を奪いにきた夏の高校日本一校を“ウォーターサッカー”広島観音がドロー決着へと引きずりこんだ。決して市立船橋のパフォーマンスが悪かったわけではない。CB平尾優頼主将が「後ろから見ていて一人ひとりの動きはよかった」と振り返ったように中央では全国総体得点王のFW和泉竜司やMF藤橋優樹が相手との違いを生み出し、サイドを抜け出したMF石原幸治、MF松野央資の突破から再三ゴールを襲った。そしてカウンターから中央突破を試みた相手アタッカーはMF今瀬淳也が容赦なく潰し、ボールを強奪していった。 だが、相手の弱点を自分たちの力で見極め穴を突く広島観音も素早い判断とスピードを武器にサイドを攻略。時に市立船橋以上の速さでの攻守の切り替えからMF田中杏平やMF今田太一がラストパスを供給した。 サイドでの攻防戦、そしてどちらがより速い切り替えからゴールを狙うことができるか。この2点がポイントとなった試合は市立船橋の「もうひとつの武器」セットプレーでスコアが動く。後半開始直後の2分、市立船橋は石原の左CKをニアサイドのCB山野辺大樹が頭で合わせる。ファーサイドへ向かったボールの先にいたのは平尾主将。右足ダイレクトで押し込み先制に成功した。 平尾主将の公式戦初ゴール。大舞台で生まれた待望の一撃で市立船橋のムードは一気に高まった。さらに前日3日が誕生日だったFW水谷達也のポストから難なく相手の背後を取るような場面が増えていく。だがチャンスを決められないでいると終盤、この夏、静岡学園高にPK戦で敗れた以外は無敗だという広島観音が牙を剥いた。 「残り15分が勝負だと思っていた」という広島観音・畑喜美夫監督が19分に“切り札”である186cmの大型FW井上友輔を投入。さらに28分にはMF西田良太、MF高橋純平を送り出し、両翼もスイッチした。これでギアチェンジを図ると36分、敵陣でボールを奪ったFW下岡恭祐が併走した相手ボランチのランニングコースに蓋をした素晴らしいドリブルから右足を一閃。これがゴール左隅へと決まり、同点に追いついた。 この後は形勢が逆転。MF村田直哉主将らがセカンドボールを確実に拾ってボールをつなぐ広島観音の前に市立船橋は後退を強いられた。1-1で試合終了し、広島観音は勝ちきることこそできなかったが、全国総体に不出場だったチームが総体全国王者とドロー。畑監督は「今年は“ウォーターサッカー”と選手に言っています。水は熱くなることもあれば冷たくこともある。一方で人を助けることもできるし、害を与えるというか苦しめることもある。これという武器はないけれど、何でもできる水のようにつかみどころのないサッカーができるチームになってきたと思います」。終盤、勢いある“水”となった観音は市立船橋の堤防に穴を開けて勝ち点1をもぎ取った。 一方、2点目を取って試合を決めることができなかった市立船橋・石渡靖之監督は「追加点をちゃんと取れなかった。もう1点、しっかり取ってということ。こういうのもサッカーですね」。ただ、平尾主将は「何があるか分からない。ただ総体の後、気の抜けていたような時期があったけれど、きょうはその状態とは違う試合ができていた。引き分けた分はこれから取り戻します」と前向き。慢心することなく気持ちの切り替えに成功した高校王者は、失った勝ち点2を残り2試合の勝利で取り戻すつもりだ。 (取材・文 吉田太郎)
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posted by gekisaka |11:38 |
高校サッカー |
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