2008年06月12日

スイス1-2トルコ ~終戦

 試合開始前から、明らかに不穏なグレーの雲が低空に垂れ込めたバーゼルのザンクト・ヤコブ・パーク。両国とも国旗が赤なので、スタンドは真っ赤。テレビでは伝わってこないのが残念なんだけど、W杯ドイツ大会予選のプレーオフで大乱闘を演じているスイスとトルコだけに、両国のファンが仲良く肩を組んで健闘を誓ってるはずがない。どっちが本当に悪かったのは別として、あの時の乱闘ではトルコのホームだっただけに、警官隊がスイスの選手スタッフをボッコボコにしている。事件はピッチ内だけで起きただけじゃないだけに、今回のスイス国民には「3年前の恨み許すまじ」って意気込みがあったはずだ。一方、トルコとしたらあの試合に負けてW杯を逃してる(しかも悪役に仕立て上げられた)わけで、こっちもギリギリと奥歯噛み締めてピッチに上がってきたはず。そのテンションがね楽しみで、どう考えても面白そうなポルトガルvsチェコを置いといてこっちを先に見てるわけだけど、どうにもテレビじゃ伝わらない。国歌斉唱の間も選手たちは淡々としてるし、観客も真っ赤すぎてどっちがどっちだか分からず(分かれて座ってんのか、混在してるのか、どっちなんだい?)。
 スイスは初戦でケガしたフレイが、やっぱり膝のじん帯をやっていたようで今大会絶望。初戦で何の役にも立たなかったシュトレーラーもケガしたらしくベンチにも入ってない。結局、デルディヨク少年とハカン・ヤキンの2トップ。これはこれで不安なんだけど、スイスの攻撃が薄っぺらいのはFWどうこうの話じゃないので、もうこれは仕方ない話(結果は出なかったけど、デルディヨクはシュトレーラーの何倍もよく働いてたと思う)。初戦でポルトガルに競り負けたトルコは司令塔エムレがケガで離脱。

 キックオフから両チームが鋭い出足を見せる。どっちも勝たなきゃジ・エンドって状況で、消極的に行って万が一にもドローに終わったらそこでサヨナラなので、こりゃガンガン飛ばす面白い試合になるかと思いきや、すさまじい勢いで雨。野球なら瞬時に中止になるような、まさに土砂降りである。スコールみたいに数分であがればいいけど、続いたらピッチが大変なことになるなあ、なんて他人事のように思ってたら、こっちのテレビ画面もブヨブヨしてきた。おいおい、地球の反対側だし、オレは録画で見てんだから5時間遅れってタイムラグもあんのに、なんでこんなジャストタイミングで電波入らなくなるんだよ。
 ウチはスカパー経由でWOWOWに入ってる。スカパー加入者はご存知のとおり、ここの電波は雨に弱い。雷を伴うと、大気中の電磁気にやられるのかしらんが、全くダメになる。オレがグーグー寝てた5時間前、東京に雷が来てたかどうかは分からないが、とにかく映らないのだ。「電波が受信できません」の画面を見てても仕方ないので飛ばす。飛ばす。飛ばす。映像が復帰した時、ゴール前に水没したボールをヤキンが押し込むシーンが、スローモーション再生されていた。電波が途切れてたのは15分ほど。トンネルを抜けると、そこは水田だった。前半30分すぎでスイスが先制してて、雨は弱くなってたけどピッチは泥濘、グラウンダーのボールはどこで止まるのか全く分からない状態になってた。
 右サイド奥に蹴り出されたボールをベーラミが追う。普通ならどう考えても簡単にタッチラインを割るボールで、追いつけるはずもないんだけど、ベーラミはボールがぬかるみにはまることを期待して全力ダッシュ。トルコの選手がかなり遅れて追いかける。拾うことができたらブッちぎりの大チャンスだ。ところがボールは乾いたピッチを跳ねるように素直にラインを割り、ベーラミは空をチョップして怒る。「なんでぬかるんでないのよそこ!」。相変わらずアホで憎めないヤツだ。
 スイス先制(そして映像復帰)から前半終了までの15分は、ほとんどサッカーになってなかった。怖くて誰も後方で繋げないので(GKへのバックパスなんて自殺行為だ)、前にボコーンと蹴って、拾った側も怖くて繋げないのでボコーンと蹴るうちに前半終了。こりゃ全然ダメだと思ってたけど、後半になったらタッチライン沿いの一部以外は水田状態から復帰してるのである。グラウンドキーパーの魔法なのか、最新テクノロジーを満載した21世紀のスタジアムの水はけ技術がすごいのか、とにかくボールが走るようになってた。
 ま、スイスが国の威信を賭けて作ったスタジアムの水はけが、結果的にスイスの大会最速敗退決定を後押ししちゃうのは皮肉だ。ボールが完全に水没するほどの劣悪コンディションは、スイスにもトルコにも平等にプレーさせなかったんだけど、「水をたっぷり含んで重い」って程度のピッチコンディションだと、トルコに分があったようだ。っつうか、普通に考えれば重くどっしりした印象のあるトルコと、ペラペラだけど研ぎ澄まされてるナイフみたいにスパッとしたサッカーをするスイスなんだから、主馬場だったら前者が有利なのは明らかだ。スイスには泥ピッチになってすぐに舞い込んだ先制点という大きなリードがあったんだけど、それでもひっくり返されちゃうんだから実力が足りなかったとしか言いようがない。っつうか、先制の直後にあったベーラミからのセンタリングをヤキンが決めてればなあ(ハイライトで見たんだけど)。
 いずれにしても、後半の時間が進むにつれてスイスは押し込まれていった。追いつかれた後に切ったカードが、主馬場で全く良さを発揮できないタイプのフォンランテンってのが、第1戦に続き(いやそれ以上に)スイスの選手層の問題を表していると思う。ま、これがスイスの限界ですか。サックリ敗退したけど、それなりに頑張ったと思う(主に第1戦で)。ポルトガル戦は消化試合だけど、ポルトガルにとっても消化試合なんで、ここで良いトコ見せれるといいね。

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posted by gdgd2008 |12:13 | グループリーグ |
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