2008年06月09日
スイス0-1チェコ ~足りない準備
全試合を観戦するとか言っときつつ、開幕戦からいきなり飲んだくれてて見逃す。酩酊した脳味噌で録画セットできたのはミラクル。結局見たのは翌日昼。1日2試合ペースが当分続く。大丈夫かオレ。 開催国で若い選手の台頭が著しいスイスと、列強国ではあるが地盤沈下の続くチェコの対戦。EURO2004のスイスが素晴らしいチームだったという理由で、スイス目線で観戦。スイスの4-4-2は、ピッチ上に均等に選手を配置して、システマチックに動かす感じ。良くも悪くも教科書どおりだけど、下がり目のセンターMFインレルが巧みにボールをさばくのと、うまくスペースを消しながらかけるプレスが効いていてチェコに主導権を渡さない。グラウンダーのパスを素早く繋いでサイドを突破していくスタイルは、見ていて気持ちいい。一方のチェコはボールを失うことを恐れず縦パスにチャレンジするチーム。縦パスが前の選手に収まる可能性は低くても、そのこぼれ球をしっかり狙ってくる。強引と言えば強引だけど、効率が良いと見ることもできる。ポゼッションではスイスが圧倒的に有利。サッカーの質でも上。でも、ゴールとなると話はまた変わってきて、スイスはサイドを崩すまではいいんだけど、その時にゴール前にいる選手の人数が少ない。一方のチェコはサイドで仕掛けるようなチャンスは少ないんだけど、その時ゴール前にはFWの他にMFが入り込んで来てる。スイスが優勢だけど、ゴールがあるとしたらFWがクロスを点で合わせる美しい形しかないだろうと思う。逆にチェコは、無理やりな形でもねじ込むかもしれない。戦い方がこうまで対照的なのは面白い。 スイスはベーラミが張り切ってサイド突破を繰り返している。もう一人目立っているのは左サイドバックのマグニン。一対一に強くて、体を張らないといけない場面ではちゃんと張る。多少強引にいってるスライディングをきっちり当てて、ピンチを未然に防ぐ。髪型がセンシーニと同じなんだが何歳なのだろう? で、良い形で試合を進めているスイスなんだけど、やっぱり攻め切れない。淡白というか、教科書どおりに美しいサッカーをやってるというか。崩すアクションに工夫がなく、強引さもない。チェコの4バックは全員セリエAでやってるだけあって、それじゃ崩し切れない。で、崩し切れないままシュートを打っても、ツェフは越えられない。スイスの2トップはフレイとストレーラー。エースストライカーのフレイには無理してシュートを狙う覇気が見られるんだけど、やっぱりEURO2008を戦うチームの主砲としては小粒感が否めない。でもってストレーラーは何の役にも立ってない。強いわけでもないのに前に張りすぎで、ディフェンスラインに吸収されっぱなし。カウンターになった時のコース取りだけは良いんだけど、ポゼッションで優位にいる以上、あんまりカウンターのチャンスはない。そして前半終了間際にフレイが膝をケガ。ピッチを去る時に泣いちゃってる。ディフェンスラインから中盤までうまく機能してるので、あとは前線が決めるだけの状況。典型的なセンターフォワードが前できっちり仕事できれば相当強そうなんだけど、モタモタしてる間にケガ。泣きたいのはスイスファン全員だ。 後半から出てきたのはヤキン。典型的なセンターフォワードだったフレイとは対照的に、テクニックとアイデアで攻撃のリズムに変化をつけるタイプ。これが効くのか流れを止めちゃうのか分からないけど、チームに足りないのはペナルティエリア内で仕事ができて、得点を期待できる選手なわけで、フレイかヤキンかといったら絶対に前者。そう思って見てたらやっぱりそうで、ヤキンは前に張ってる間はほとんどボールにも触れず、下がってきてボールをさばくことはできるんだけど、肝心の前にいる人数は減るばかり。他にFWはおらんのか、と思ってたらフォンランテン。これまた完全なウイングでどうにもならない。そもそもFWのメンバー構成が間違ってる。最初からフレイと心中するつもりで初戦からアクシデント発生であぼんなのか。よほどFWのメンツが弱いのか、少なくとももう一人はいなきゃいけないはずのセンターフォワードタイプがすでにケガとかしてるのか。何なんだよこのゲームプランは。 それでも、得点の予感がしないのはチェコも同様。ちょっと体が小さくなった感じで、ニコラス・ケイジそっくりになったコラーは、デカいのはいいけどあまり動けなくなってる。動けないのか動かないのかは分からないけど、コラーの良さは決してデカさじゃなく、動き回って足下のテクニックもある上に、あの図体を最大限に生かしてるってトコだったはずだ。これが動かずに前に張りっぱなしになっちゃうとデクの坊である。中盤がスイスに振り回されっぱなしな以上、これでは得点の予感はしない。と思ってた71分、クリアボールを拾って前に入れたら、スイスのディフェンスラインが致命的なオフサイドトラップ失敗。トップの選手はオフサイドだったんだけど、2列目から飛び出したのはコラーに代わって入っていたFWスヴェイルコシュ。同サイドではあったんだけどオフサイドトラップをかいくぐったスヴェイルコシュに旗が上がることはなく、この絶好機をスヴェイルコシュが丁寧に決めてチェコが先制する。 この時点でスタミナ切れの兆候が見えていたスイスだけど、ペースアップして反撃に出る。それでも、素早くパスをまわしてサイドを崩すけど中央を崩す過程が弱く、シュートアクションが弱いのはキックオフから一貫して変わらない。チェコのミスから、バルネッタのミドル→ツェフがセーブ→こぼれ球をフォンランテンがボレー→バー直撃、って流れもあったけど決められず。偶然生まれたと言っていい決定機を、決めたチェコと決められなかったスイス。試合の主導権を握っているだけではどうしようもない差だった。っつうかフォンランテンのボレーは決められたはずだよなあ。もうツェフは寝っ転がってるわけで、フカさなきゃ入ってた。終盤はスイスがパワープレーに入るが、これは強さに勝るチェコの思うツボ。絶望的なロングボールを入れ続けてるうちにタイムアップ。クーン監督はチーム作りはうまいのかもしれんが、指揮はダメだな。 引き分けならOKだったスイスだけど、この敗戦でいきなり崖っぷち。次のトルコは絶対に勝たなきゃいけなくなったけど、後半に松葉杖ついてたフレイが復帰できないとなると相当苦しいはず。得点を期待できるFWがいない、ってのは致命的な弱点だけど、それならそれで戦い方がないわけじゃないはずで。バルネッタ、ベーラミの両サイドMFにもっと中央に切れ込む動きをさせるとか、インレルをもっと前でプレーさせるようにチーム全体でサポートするとか。少なくとも、バルネッタがサイドを突破しようとしてるタイミングで逆サイのベーラミがゴール前に入ってくるとか、その逆とか、勝負に行く時間帯だけでもそういう動きができれば状況は全然違ってくるはず。ファンタジスタのヤキンも、個人技がチームの動きと全く合っていなかった。EURO2004ではシャプイザがこの役割をやってて、すげえ熟練の味を出してて最高だったんだけど、ヤキンでは比べものにならない。チームに必要な役割を考えると、トップ下のプレーじゃなく、ストライカーとしてのプレーをさせるべきだ。っつうか、これくらいのことができなかったスイスにはガッカリだ。あとほんのちょっとで大化けしそうな好チームなんだけどな。 すでに開幕3日目を迎えていますが、見たのは開幕戦の1試合のみ。夜までに3試合見ないと肝心のイタリアの試合に追いつきません。結果を知らないままでいるのもそろそろ限界か。
posted by gdgd2008 |08:26 |
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