2008年06月26日
ドイツ3-2トルコ ~火事場のクソ力
ミラクルの連続で準決勝まで勝ち上がってきたけど満身創痍のトルコ、試合を重ねるにつれてドイツらしさを発揮しているドイツ。格としてもコンディションとしてもドイツ圧倒的優位なんだけど、トルコはここまで火事場のクソ力みたいなものを発揮してきたチームで、むしろ追い込まれれば追い込まれるほど強い、みたいな不気味さがある。 というわけなのかどうなのか、立ち上がりは慎重に様子を見てきたドイツ。一方のトルコはエンジン全開。トルコが先制するまでこの展開が続くんだけど、この展開を「トルコがドイツを押し込んでる」と見るか、「ドイツが手堅く様子を見ている」と見るかは難しいところ。オレにとっては、優勢かどうかの判断基準ってのがあるんだけど、それは相手の攻撃をどこで食い止めてるか。「①中盤だけでボールを奪えてる」、「②ディフェンスラインと中盤が挟んで奪ってる」、「③中盤が突破されてディフェンスラインが耐えてる」、「④ディフェンスラインも破られてフィニッシュまで持ち込まれてる」と、後者になるに従って状況はヤバい。この試合のドイツは、いきなり②と③の中間ぐらいの状況だった。②は全然セーフで、③はかなり不穏なので、ここで押し返すことができれば良かったんだけど、時間を経るごとに状況は悪くなっていって、完全な③になり、④の状況も何度か出てくるようになった。 解説の岡田日本代表監督が言ってたように、サッカーってのは点が入るとそれまでの状況はガラッと変わってしまうもので、どれだけチャンスを作ってても入れなきゃ仕方がないんだけど、それなら90分間試合を追う必要もないわけで。だいたい、④の状況になったら遅かれ早かれ失点するものだ。と思ってたらやっぱりトルコ先制。どうにも偶然チックなゴールだったけど、これまた岡ちゃんが言うように、「苦し紛れのシュートがバーに当たったら、トルコの選手の前にこぼれたラッキーな得点」というよりは、「スローインを入れられた時点からドイツ守備陣がぶったるんでた結果」だろう。 トルコの良いところは、多少状況が悪くても前線の選手にボールを入れて壁パスをしようとするところだ。相手の守備が一番堅いところにボールを入れるのだから失うリスクも高いんだけど、FWがうまくボールを引き出してすぐにリターンのパスを出すのでそれほど失わない。守備陣からしたらディフェンスラインの位置、さらにはペナルティエリア内にボールを入れられるのが一番嫌なので、やはり揺さぶられる。その“陽動”がうまい。それに、ミラクルを起こすにもゴール前までボールを運ばなきゃどうにもならないので、やはり恐れず前にボールを入れていくトルコの戦いぶりは効いてるわけだ。 それでも、失点で目を覚ましたドイツがぐわっと攻勢をかけて1点を返す。得点を奪った瞬間にカウンター気味で失点しちゃうのが、これまたトルコの可愛いトコなんだけど、右サイドを豪快に走られて、強烈なセンタリングをシュヴァインシュタイガーが点で合わせてゲット。ドイツらしい効率の良いゴールだ。今、得点者を書いたら「酒ヴァ飲酒タイガー」って出た。どれだけ飲んでんだよ。 その後、トルコが最初の勢いを持続できなくなって膠着状態に。現地からの映像が来なくなるという、朝方にライヴで見てたら卒倒しそうなwowowの不手際もあり、見ている側のテンションは下がりまくりだ。起きてから録画を見ててホントに良かった。と思ってたらドイツ逆転。ペナルティエリア内の浅い位置へのクロスに対し、GKリシュトゥが訳の分からない突撃をカマして、クローゼが余裕でゲット。天を見上げるリシュトゥ。何やってんだオマエは。 残り10分、こうなると状況はドイツがどうやってトルコの火事場のクソ力を出さないようにするか、ってことだ。最初にけっこうパワーを使っちゃったトルコ。膠着状態で決定機があまりなかった時間帯もディフェンスラインの前まではカウンター合戦のような感じで進めちゃうという、えらい走り合いになってたので、2-1になった時点でかなり消耗してた。でも、冒頭で書いたとおり、トルコは追い込まれれば追い込まれるほど強いチームであって、ドイツは油断できないよなあと思ってたら、ドイツが油断してたわけじゃないのに「屁のツッパリはいらんですよ」が炸裂した。これまた、右サイドを突破したはいいけど、体勢はかなり悪くて苦し紛れと言っていいようなクロスにセミフが点で合わせてゴール。何で入っちゃうんだこれ。サッカーで点を取るのってこんなに簡単だったのかよ。ドイツの何が悪かったんだろうかと考えてみたけど、ここはさっぱり分からない。サイドでの突破を許したラームなのかもしれないけど、とりあえず中を固める時間は稼いでいるし、突破された場所だってそれほど悪くはなかった。突破された瞬間だって、別に次のワンプレーでゴールが生まれるなんて気は全くしなかった。やはりこれは、火事場のクソ力としか表現のしようがない変な何かだ。 その直後、ピッチ内に闖入者が入って試合は一時中断。国際映像は闖入者の姿を一瞬たりとも流さなかった。映すと真似するバカが拡大再生産されるからって配慮なんだろう。ツマランけど正しい配慮。大人の自制心には恐れ入る。でも、現地からの映像と音声はちゃんと届けてくれよ。言い訳はいいんだ。ちゃんとやれ。どうせEURO2008終わったら解約ですけど。 なーんてことを考えて、心はすっかり延長戦に飛んでたんだけど、気がついたらラームがゴールを決めてた。左サイドからのカットインから、長いワンツーで突破。最後はファーサイドへシュートを撃つ構えでGKリシュトゥを倒させてから、ニアにズドン。思えばリシュトゥのバンザイ突撃を誘発したのもラームのクロスからだった。さっきの失点もラーム。後半は完全なラーム祭りだ。 ラームが決めた時点で89分30秒。残り時間はロスタイムだけなんだけど、トルコはもう一度火事場のクソ力を出そうと前進する。でもさすがに時間が短すぎて、ミート君がリングサイドから投げ入れる例の“光る球”も出てこなかった模様。っつうかあれをラームに取られたのかもな。 とにかく、これにてトルコの大冒険は終了。トルコにはフロックじゃない強さを感じた。ドイツ戦、満身創痍だったことなんて全く感じさせなかったじゃないか。テリムって名将なんだろうなあ。ミランはもう金がないんだったらテリムとともにトルコから3人引っ張ってくればいいんじゃないだろうか。テリムが断るだろうけど。で、追い込まれれば追い込まれるほど強いトルコを倒すには、今回のドイツがやってみせたように、ミラクルを発揮した直後にもう一度決定打を浴びせるしかなかったように思う。いやー、今大会のベストバウトになりそうな予感。相手の良さを全部引き出してやって、なおかつ倒す。まさにプロレス魂だよ。オモロかった。
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posted by gdgd2008 |10:37 |
決勝トーナメント |


