2007年12月04日

J1リーグ 第34節 鹿島アントラーズ X 清水エスパルス

 1週間前に行われた浦和との天王山にも勝利し、破竹の8連勝で首位との勝ち点差も1にまで迫った鹿島。最終戦はカシマスタジアムにて、終盤戦に好調を維持し、優勝争いをかき回した清水を迎える。決して楽な相手ではないが、前節で最後は9人となりながらも1点を守り抜いた強固な守備陣、ガンバ・フロンターレに次いでリーグ3位の得点数を誇る攻撃陣で迎え撃つ。8連勝中に1点差で逃げ切った試合は5試合と、かつては鹿島の代名詞だった勝負強さも戻ってきた。悲願の10冠を達成して、常勝復活となるのか。




鹿島アントラーズ
GK曽ヶ端
DF内田
DF岩政
DF大岩
DF石神
MF青木
MF小笠原
MF野沢
MF本山
FW田代
FWマルキーニョス

交代
81分 田代⇒興梠
86分 マルキーニョス⇒柳沢
88分 野沢⇒遠藤


清水エスパルス
GK西部
DF市川
DF青山
DF高木純
DF児玉
MF伊東
MF枝村
MF藤本
MFフェルナンジーニョ
FW矢島
FW岡崎

交代
61分 市川⇒戸田
61分 岡崎⇒原
73分 フェルナンジーニョ⇒西澤


前半

■ 一回のミス
 まず主導権を握ったのは、ホーム鹿島でなく、清水だった。中盤と連携をとって、両サイドバックが攻め上がってのクロスや、フェルナンジーニョの単独突破といった終盤戦の好調時に相手チームを崩してきた攻撃パターンで、鹿島ゴールへと迫る。しかし、18分自陣でボールを奪うと本山が左サイドのスペースへパス。このパスを石神が受け、ドリブルで相手陣地深くまで切り込んでクロスを上げる。クロスは威力が無ければ、精度も悪く、決定的なものではなかったが、このボールを受けに走ったマルキーニョスを高木純が後方から倒してPKを謙譲してしまった。これを小笠原がゴール左隅へ、威力・コース共に完璧なシュートを蹴り込んで鹿島が先制。清水にとっては試合に良い形で入れていただけに痛いミスだった。
 早くもリードを奪った鹿島は、DF4枚にボランチ2枚の6人でしっかりと守備ブロックを敷く。これに対して清水は、序盤に見せたような攻撃パターンで挑むが、ペナルティエリア内に侵入するまでに鹿島の守備陣に跳ね返され、単調な攻撃が続く。鹿島も前線に残るマルキーニョスへのロングボールでシュートシーンは生むが、決定機というほどのチャンスには至らない。両チーム攻撃陣よりも守備陣の踏ん張りが目立つ展開で前半を終えた。


後半

■ 歓喜の瞬間
 後半開始と共に鹿島の攻撃陣が攻勢をかける。48分、田代の動き出しに合わせて小笠原がスルーパスを送る。これは清水DFがCKに逃げたが、その左からのCK。小笠原の蹴ったボールは1回クリアされたが、そのセカンドボールをミドルレンジで待っていた本山が思い切り右足で叩くと、ボールはカーブしながらゴールを突き刺した。ペースを上げた時間帯に追加点を奪う。鹿島にとって理想的な展開となった。
 2点のビハインドを背負った清水は更にサイドアタックを強め、何本もクロスを上げるが、岩政・大岩の鹿島2CBがシャットアウト。さらに田代・本山といった攻撃の選手も積極的に深い位置まで下がって守備を見せるため、精度の高いクロスを上げられない。そんな中59分、鹿島のクリアボールに反応したマルキーニョスにつられて、マークに付いていた青山が被ってしまう。そして流れたボールに田代が追いつきDFを引き付けて、フリーで走り込んできたマルキーニョスへパス。トラップが足元に入り、シュートは遅れたがしっかりゴールネットを揺らした。試合を決定付けると言っても過言ではない3点目が入った。
 3点目を与えて以降、清水は戸田・原・西澤といった、今シーズン出場機会に恵まれなかった選手達を出場させて彼らを中心に攻めるが、鹿島の強固なDF陣にことごとく跳ね返される。逆に交代で出場した興梠に空いたスペースを突かれ危険なシーンを多く迎えてしまう。これらはGK西部が抜群の反応でセーブし、更なる失点を防いだため、スコアは動かずに試合終了。得点の度に喜びを爆発させていたオリベイラ監督が、今までのそれを凌ぐ喜びを表現しながらピッチの選手、そしてゴール裏のサポーターへ駆け寄る。この瞬間にピッチに立っていた選手達は自分達の置かれた状況を認識し、喜びを分かち合った。岩政や内田といったタイトルの喜びを経験した事のない選手達は、人目も憚らず号泣し、柳沢・小笠原・本山といった常勝軍団のDNAを受け継ぐ者達は5年ぶりのタイトルの味を噛み締めながら、お互いを称えあった。


結果
鹿島アントラーズ 3-0 清水エスパルス

得点
20分 小笠原(PK)
49分 本山
59分 マルキーニョス←田代


総評

■ 鹿島アントラーズ
 遂に悲願だった10冠を劇的な形で手にした。浦和・清水戦で見せた守備、特に中央の岩政・大岩の強さは、闘莉王を中心とした浦和のDF陣にも引けを取らない素晴らしいものだった。強固な守備で凌いでからは本山が抜群のキープ力でタメを作り、全体を押し上げて行う攻撃や、小笠原が相手の守備の薄い部分を突くパスから始まる攻撃、田代のポストプレーを起点に使う攻撃、マルキーニョスのスピードを活かしたカウンターなど多彩な攻撃パターンから清水ゴールへと迫った。このように速攻と遅攻のどちらも高いレベルで行えた事が得点力の高さに繋がっただろう。
 攻撃・守備共に形が整っている上に、内田に船山や石神など若い選手も出てきており、常勝軍団復活の狼煙を上げるシーズンとなった。


■ 清水エスパルス
 3-0とスコアは大差が付いたが、試合内容にさほど差はなかった。サイドアタックは素晴らしく、フェルナンジーニョの個人技や藤本・枝村のミドルシュートといった飛び道具もあり、ペナルティエリア外からの攻撃は脅威だった。しかし、岡崎のスピードを活かすような攻撃が、ほとんど無かったことは問題点として挙げられる。相手の隙を突くスルーパスが無くとも、チョ・矢島の2トップは力強く相手ゴールへ迫るが、この試合のように相手のCBが2トップのパワーに勝ると、途端に苦しくなってしまう。更なる攻撃パターンの確立。中央突破のパターンが増えれば更にもう一つ上の段階へとチームは進む事ができるだろう。

posted by gambarca1324 |01:34 | マッチレポート | コメント(0) | トラックバック(0)
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