2008年05月14日

昔、投手のバッティングも楽しみだった

社会の進化に伴って野球の質が変化していくのは当然といえば当然のことです。

野球はもともと選手の役割分担が細かく決められたスポーツとして発展してきました。
たとえば代打、代走のように交代の目的がはっきりしていること。野球は役割分担が細分化されたスポーツで、選手の交代枠はサッカーの3人に比べると大きなひらきがあります。野球は分業化のすすんだスポーツといえます。

現在では投手は先発・中継ぎ・ストッパーのいずれかを担当させられます。さらにDH制は投手を投げることに専念させる制度といえます。セリーグは現在、DH制を採用していませんが、将来はどうなるかわかりません。
プロ野球選手の多くはかつて「四番で投手」としてチームの大黒柱的存在でした。だから投手の打撃センスはもともと優れています。
往年の金田、稲尾は長打力もあり、その打撃センスを買われ野手に代わって代打に指名されることもしばしばありました。

バッターボックスなかの投手で印象に残る選手は二人。
一人は阪神の村山実。その投球はザトペック投法と形容され、躍動するような投球フォームで、最後の打者まで手を抜かず、全力投球する投手でした。バッターボックスでも村山はバットをぶんぶん振りまわし、力余ってボックスに尻餅をつく姿が印象的でした。

もう一人は社会人野球から巨人に入団した、堀本です。1961年に入団した年に29勝18敗の成績で強烈な印象をファンに焼き付けました。堀本の巨人在籍はたったの3年でしたが、彼のバッティングセンスには目をみはるものがありました。近年では桑田投手のバッティングセンスのよさが目立ちますが、投手で100打数以上打席に立って、,219の打率を記録したのは堀本くらいでしょう。
記録以上に記憶に残るのが堀本の打席に入るまでの一連のしぐさです。
ベンチからバットをグラウンドにズルズル引きずりながら、打ち気のなさそうなしぐさでバッターボックスに入ります。ボックスの後ろ目に立ち、バットを肩に担ぎボールをまちます。しかしボールが来れば内外角無関係に一二塁間へはじき返す技術は目をみはるものがあります。相手投手は堀本の流し打ちを十分警戒するのですが、打ち返されたボールはスケールで計ったようにファーストとセカンドの狭い空間を抜けていきます。

投手が投手に打たれる、打たれた投手の心理はいかばかりか、察して余りあります。
しかし見る側のファンにとって、これほど痛快で面白いことはありません。
緻密化する一方の野球に個性豊かな選手の意外性のあるプレーは強烈なアクセントとなるでしょう。

posted by futbolwold |21:17 | 野球 | コメント(1) | トラックバック(0)
みんトピに投稿 このエントリをlivedoorクリップに登録 このエントリをはてなブックマークに登録 newsing it! このエントリを Buzzurl に追加