2009年08月23日

「ポゼションサッカー」くそ喰らえだ!

オシム前日本代表監督に触発されて、「日本的サッカー」の追及と確立が日本のサッカー界が取り組むべき急務の課題としてクローズアップされ、日本人に見合った「サッカースタイル」論議が盛んになった。

日本人選手のフィジカル面での劣勢と基本的技術の未成熟さを補って余りある、現時点での理想的な、というより現実的な「サッカースタイル」の終着点が「人もボールも動くサッカー」であり、あるいは「ポゼションサッカー」であると認識している。

この日本的「サッカースタイル」論議は実は私の知る限り40年近く前にも持ちあがった。
それはメキシコ五輪後の停滞する日本サッカーのてこ入れを視野に入れたものだった。

当時の世界サッカーの二大潮流は組織の欧州サッカーと個人技の南米サッカーだった。
地域から国レベルにブレイクダウンすると欧州でもイングランドの激しいサッカー、イタリアの守備を重視したサッカー、スペイン、ポルトガルに代表されるラテンの香りのする南欧サッカー、ソ連を核にした東欧の組織だったサッカー、理詰めのサッカーのドイツなど、各国の国民性、民族性を反映したサッカーが存在していた。

南米もしかりで同じ個人技重視でもブラジルとアルゼンチンは微妙に違ったサッカーをしていた。

そこで当時の日本のサッカー界は代表コーチのクラマーの母国、ドイツ的サッカーに日本サッカーを重ね合わせたりしたが、クラマーの代表コーチ辞任後は日本人と体躯的に変わらないメキシコのような南米各国のサッカーに注目したり、ときにソ連の規則に忠実なサッカーが日本には適していると、「サッカースタイル」を求めた長旅に随分と時間を費やした。

その後サッカーの世界にも自由化、グローバル化の波が押し寄せ、個別の国のサッカースタイルに日本のサッカースタイルを重ねあわすことは随分少なくなったが、「人もボールも動くサッカー」あるいは「ポゼションサッカー」というグローバルな流行のスタイルに飛びついている点では40年前と本質的なところはあまり変わっていないように感じる。

「××スタイル」という簡略化された概念はことを説明する道具としてはとても便利だ。
特に不特定多数を対象にするマスメディアにとって、日本の抱える問題点をクローズアップさせるためには理想の「××スタイル」とどこが異なるのか、劣るのかを簡潔に指摘することができる。しかし便利すぎてときに根本を見過ごす弊害も伴う。

たとえば「カウンターサッカー」は引いて守って、一瞬の間隙を突いて点を取る、実に退屈な「サッカースタイル」としていまや少数派に転落してしまった。
人は「カウンターサッカー」と聞いた瞬間、流行おくれとか、消極的サッカーと否定的な反応を示す。
しかし、現実のゲームで89分間、全員がひいて守り、残り1分で総攻撃を試みるような「サッカースタイル」を採用している代表もクラブもめったにない。戦う相手との実力差が大きすぎて、どう逆立ちしても勝てる見込みがない、というケースで「カウンターサッカー」を一時的に採用することは戦略上ありうる。かつてのブラジル相手にオリンピックで西野監督が採用した試合のように。

しかし現実の代表同士のゲームにおいて、ボールの支配率が99:1といったゲームはありえないし、そもそもそんな代表同士のミスマッチゲームは組まれることはまずないだろう。

つまり試合の流れからいっても、チーム戦略(チーム戦術ではない)からいっても、マスメディアが「××スタイル」という便利なレッテルを使い、ことを説明できるほど真剣勝負のゲームはシンプルではない。
時間の経過によって状況が千変万化するサッカーというゲームの本質からみて、「××スタイル」の物差しだけではゲームをチームを分析することはできない。

さらにシステムレベルに落とし込みをしてみると、いまの主流は4バックで3バックは時代遅れという議論にも「××スタイル」に拘泥する傾向に通じるものがある。
つまり「型」にとらわれ、ことの本質を見誤りがちな、あるいは重箱の隅をつつくような、木を見て森を見失うような不毛な議論がネット上でもよく見受けられる。

「型」から入るのではなく、勝つ方法、点を入れる方法、を議論の出発点にすることが重要であり、最善の方法が結果的に「カウンターサッカー」や「3バック」に帰結したとしてもそれはそれでよしとすべきだ。
結果がついてくれば、それが日本の「サッカースタイル」として定着していくと思う。

付け加えればサッカーは11人の選手の共同作業であるから、個々の選手の能力や個性の組み合わせの妙で「サッカースタイル」は常に変化するものである。
「サッカースタイル」はあくまでスタイルであり、何度も繰り返すが「スタイル」にこだわることは本末転倒である。

公式戦7連敗中の浦和の「ポゼションサッカー」にもその弊害がよく見て取れる。スタイルにこだわるあまり、点を取るための工夫やイマジネーションを置き忘れたようなサッカーを展開している。
あえてここは「ポゼションサッカー」くそ喰らえで、サッカーの原点に引き戻す勇気が必要だ。

posted by futbolwold |12:02 | Jリーグ | コメント(4) | トラックバック(0)
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2009年07月11日

少ないJ2情報を!

J2に関する知識、情報をほとんど持ち合わせない私ですが、時々気になって順位表程度は確認しています。

現時点でトップを走っている湘南の監督はあの元五輪監督の反町氏でした。五輪の惨敗で相当たたかれた(私も彼には失望して、相当たたいた一人でした)反町氏だがここまでは結果を出しているのですね。
2人のFW、トゥットと丁の契約切れで退団し、変わって若いブラジルの2人のFWが期限付き移籍で獲得したニュースを見ました。

J2にはJ1からの降格チーム名がかなり見ることができますが、2人の三浦がいる横浜FCはダントツの最下位です。名門、東京ヴェルディもJ2の常連になりつつあるようですね。ということは湘南が随分がんばっているということなのですね。

残念なことにJ2に関する情報はネットに頼らざるを得ないため、往々にしてJ1に比べて情報不足になりがちです。J2専門チャンネルのような番組はないのでしょうか。
TV放映権の管理はいまだに(社)JFLが握っているようで、数少ない地上波放送は、ここぞっというときの好ゲームが中継されないことが多いようです。

全チームが公平にTV観戦できるようにというJFLの配慮ですが、どうなんでしょう、悪平等のような感じも受けます。優勝争いとか山場と思われる重要なゲームが中継されず、はっきりいってどうでもいい中位争いのゲームは見たくないでしょう。小数の熱烈サポーターを除けば。

無料で見られるゲームが頻繁にTV中継されれば、入場料を払ってスタジアムに足を運ぶ観客は減るのでしょうか?
大昔、プロ野球も同じ発想でTV中継に反対する意見が多く出されましたが、フタを開けるとその逆で、生の試合を見てみたいという人のほうが多かったという歴史があります。

Jリーグもそろそろ発想を変える時期かもしれませんね。
もちろん放映を支えるスポンサーが付かないと話にはなりませんが。
地域地域のご当地チームの試合だけを中継する専門チャンネルのような番組はあるのでしょうか。

地方の時代といわれる状況なので、地元チームへの熱いサポーターの情報は地元だけでなく、それ以外の人にも面白そうな気はします。

あるいはJ2の活躍で名古屋に移籍したダビはカタールのオイルマネーで強奪されたけど、
J2の有望選手情報なども定期的に受信できるような、メディアがほしいものです。

日本代表の底上げは何もJ1に限られるわけでもないので、J2を含めたJリーグ全体の課題でもあると思います。

posted by futbolwold |07:14 | Jリーグ | コメント(0) | トラックバック(0)
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2009年07月06日

明暗分ける鹿島と大分、その原因をデータで探る

サッカーの面白さに魅了され始めたS40年代、格言のように言われてきたフレーズの一つが、「試合開始と終了間際に点が入る」だった。人間の心理のあやとして、集中力が散漫になるのが試合開始直後と終了間際である。

Jリーグの全試合の時間帯別得失点記録を調べたわけではないので、はっきりしたことはいえないが、今シーズンのこれまでの首位鹿島と最下位大分の2チームを引っ張り出して、調べてみた。
鹿島と大分を選んだ理由は首位と最下位という対照的な立場以外、3連覇を目指す鹿島の強さの秘密と昨年の好調さが嘘のように、泥沼にあえぐ大分の原因を探ってみたいという素朴な好奇心も手伝った。

リーグ折り返しまで1試合を残した第16節までのデータを整理すると、いくつかの傾向が読み取れる。

まず鹿島の強さだが得点25に対し失点は10、得失点差の数字は他チームを断然引き離すほどのものでもない。(新潟の得失点差は13、川﨑は12)しかし勝ち点差は2位以下を8ポイント離し、現在首位独走中という印象が強い。相手を完膚なきまで叩き潰すという強さより、終わってみればやはり負けなかったという手堅さ、試合巧者という言葉が今シーズンのこれまでの鹿島を言い表している。

総得点25の内訳は前半12点、後半13点とバランスがいい。さらに時間帯別の得点を見てみると前半の前半と中盤までの29分までに11点取っている。後半は前、中、後半4点、4点、5点と満遍なく着実に得点している。

つまり攻撃に関しては前半の中盤までに早々と点を入れて、後半に入っても全く動きに衰えを見せずに、あるいは手抜きをせずにしっかり動き回って得点している。

一方失点10の中身を見てみると前半が7失点、後半はわずか3失点に過ぎない。
時間帯別に見ると前半の前半が4失点、後半の3失点はすべて後半の立ち上がり14分までの失点である。このことは試合の立ち上がりに失点が集中しているが、ゲームが落ち着き始める中盤以降は、集中力が研ぎ澄まされて、ほとんどミスしないという姿が浮き彫りになる。
逆に言えば鹿島を倒すには彼らの集中力が散漫になる隙に、点を取らないと勝てないという結論にたどり着く。

昨晩の川崎戦の得点シーンは象徴している。川﨑、寺田の不用意なバックパスをマルキーニョスが掻っ攫い、左に並走していた興梠が落ち着いてキーパーをかわし、虎の子の1点を挙げた。両チームの集中力の差がもろに出たシーンだった。

さて昨年目覚しい躍進を遂げた大分だが、一転して今シーズンはいまだ1勝にとどまり、シャムスカ監督の更迭はもはや時間の問題になってきた。シーズン前の準備に手抜かりがあったとも聞いているが、やはりチーム全体の気持ちの部分で問題がなかったか。

鹿島と同じようにこれまでの得点と失点の中身を詳しく見てみよう。
得点11に対して失点は29点。守備のチームがこれほどの失点を重ねていては、チームは完全に崩壊したといってもいいだろう。建て直しには相当な時間がかかる。気の毒だが現時点でJ2への降格は免れないだろう。

まず失点の時間帯別データを見ると、前後半、それぞれ14、15失点と満遍なく失点を重ねている。前後半の立ち上がり14分まではそれぞれ2失点、3失点とまずまず合格点をつけられるが、中盤以降は前後半ともどもがたがたと総崩れ状態になっている。

得点のほうは11得点のうち前半が7得点、後半はたったの3得点である。前半に失点を喰らった時点で、戦意喪失、勝負あったと選手自身があきらめたかのように後半はほとんど点が取れていない。

大分の処方箋は守備の建て直ししかない。点が取れないからといって強力FWを補強しても、点を取る側から失点を重ねていては、チームの戦意はけして上がらないばかりか、さらに低下していきそうな感じがする。ここは守備の指導に定評がある指導者に代えたほうがよいだろう。人心一新である。

鹿島はチームとしての完成度がピークに達していると思う。負けないチームとして3連覇の可能性はかなり高いと見る。監督、選手の意識が統一されて、隙がない。
他方大分は残念ながら来年を見据えた長期的視野で戦力の建て直しに着手したほうがいいだろう。

posted by futbolwold |10:47 | Jリーグ | コメント(0) | トラックバック(0)
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2009年07月05日

10代の有望プレーヤーが伸び悩むわけ

鹿島の大迫、浦和の原口、山田、G大阪の宇佐美ら有望な10代選手が目に付く今シーズンだが、かつてマスコミにもてはやされた若手が20代になると、途端に色あせて、ただの選手になっていく例を散々見せられてきた。

20歳を過ぎても順調にステップアップできたのは中田ヒデと俊輔くらいである。
ヒデもセリエAの下位チーム、ペルージャだったからレギラーで活躍できたものの、ペルージャ退団後はお世辞にも欧州リーグのトップチームでレギラーを張って大活躍していたとはいいかねる。

一つの身近な成功体験例を物差しにしようとすれば、京都からステップアップして、いまや世界のトップレベルのクラブ、マンUで安定的に活躍するパクチソンを挙げてみたい。
しかし残念ながらパクのようなシンデレラボーイは日本人選手のなかからはいまだに現れない。

これまで多くの期待される若手が、尻つぼみ状態で並みかそれ以下の活躍しかできずに、消え去った例を散々私たちは見せられてきた。
こうした例はサッカーに限ったことではなく、プロ野球のドラフト1位指名選手が活躍できないまま球界を去った例は枚挙の暇もない。
だからサッカー界でも、注目された10代の有望選手が伸び悩みという厚い壁に跳ね返され、ぼろぼろになるのは至極当たり前なのかもしれない。

だから大げさに取り上げるほどの問題でもないといわれると逆に反発心がわき上がってくる。若手の底上げがないリーグや国の代表なんて、いつまでたっても世界に追いつかないではないか。この国のサッカーという競技自体が尻つぼみになっていってしまう。「サッカーを愛する」一人としてこれはやっぱり由々しき問題である。

私は若手の伸び悩みについて、日ごろからモヤモヤしたものを感じ、考えてきたが、目からうろこの雑誌記事が目に付いたのでご紹介したい。
その記事はスポーツ、なかんずくサッカーとは全くお門違いの音楽の分野を取り上げた記事だった。

タイトルは“「二流のピアニスト」だらけの日本”というショッキングなものだった。
盲目のピアニスト、辻井伸行(20歳)がヴァン・クライバーン国際ピアノ・コンクールで優勝したその直前に掲載された記事だったから余計気になった。

私は音楽、特にクラシックは全くの門外漢なので、クライバーン国際ピアノ・コンクールがどのくらい権威があるものなのか、そして辻井伸行のピアノ演奏がどれほどすばらしいものなのか、全く想像がつかない。世間では大騒ぎして連日TVで取り上げられているが、その大騒ぎ振りが大きければ大きいほど“「二流のピアニスト」だらけの日本”にひきつけられた。

記事の内容をかいつまんで要約するとこうである。

日本のピアニストで上原彩子という女性がいる。彼女は02年、チャイコスキー国際コンクールのピアノ部門の日本人初の優勝者だそうだが、彼女のレベルは「テクニック一流、音楽三流」だそうである。その真意は彼女に限らず日本のピアニストは「難しい曲をやすやすと弾きこなす技術がある」が「演奏家の個性が感じられない、無味乾燥でつまらない」のだそうだ。

教育熱心な親と、長時間の練習に耐える子供、器用な国民性の三つがあいまって、正確無比なテクニックを小さな頃から身に着けてしまい、若くして国際コンクールで優秀な成績をおさめることを可能にしている。
また、才能を認められた子供は無味乾燥な練習曲ばかり練習するので、鍵盤を強く正確にたたくことには長けているが、弱く柔らかい音を出すことができなくなる。あたかもピアノ演奏をスポーツのように扱いがちになる。

日本のピアニストは演奏者の個性、独創性、創造性、芸術性を置き忘れた演奏家になってしまい、「20歳を過ぎるとただの人」になってしまう。

工場労働者を量産するかのような現在のピアノ教育は個性を殺すことはあっても伸ばすことはない。

以上が要約だが、ピアニストをサッカー選手と置き換えると、日本のサッカーが置かれている状況と酷似していることに気づかされるだろう。

そう、日本人のテクニックは世界に通じる、小さなスペースをスピードに載せてこきざみに動ごくことは優れている。しかしいざゴールに近づくと、練習どおりのパスをペナルティーのなかで交換することだけしか頭をよぎらず、肝心のシュートを打つ気配がない。
殻を破る勇気とクリエイティビティーのなさがゴールを選手自ら遠ざけてしまっている。

この国の子供教育の悪しき一面を見せられたような記事だった。
視野狭窄になりがちな国民性、あるいは木を見て森を見失いがちな傾向、スポーツは教育で遊びではないという改まらないスポーツ観、良いところを伸ばさず、悪いところを矯正する性癖、責任を取りたがらない大人に教育された小心な子供たち、平等と競争を取り違える大人たち、個の能力には差があるとういう紛れもない現実を直視しない社会風潮、これらが絡み合い、負の連鎖におちいっている。

天才的プレーヤーと持ち上げられ、欧州へ移籍した選手は多い。しかし前述のようにパク・チソンのレベルに達する選手はまだ出てこない。
10代で能力を目いっぱい使い果たしたような選手を日本のピアニストに重ね合わせてしまう。

この出口の見えない閉塞状況を打破する条件は二つ。
一つは「世界に通用する選手の育成」という目標を明確にすること、そしてその具体的な方法論はスポーツ以外の分野の協力を得て、多角的視点で問題究明を探ること。

二つ目は型にはまらない一人の突然変異的天才が現れるのを待つしかないのだろうか。

posted by futbolwold |14:15 | Jリーグ | コメント(13) | トラックバック(1)
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2009年06月29日

日本人FW 久保伝説

毎年のようにJ1の得点ランキングの上位を外国人プレイヤーが占めている。

今年は日本人選手で上位に顔を出しているのが、FC東京の石川(8得点)、広島の佐藤(7得点)、横浜の渡邊(6得点)、以下5得点には岡崎ほか6人が団子状態で続いている。

少なくとも現時点では、石川は今年突然のごとくブレークし、横浜の渡邊は新人だから、コンスタントに点取り屋として活躍し、実績を残している日本人FWとしては佐藤一人といっていいだろう。

有望なMFを排出してきた日本だが、FWらしいFWは釜本を別格とすれば、個人的には広島の久保竜彦をあげたい。久保は現役でまだ33才。過去の人のような取り上げ方になるには本人、ならびに久保ファンには失礼だが、久保を取り巻く現実は厳しい。

久保の身長は181センチ、FWとしては小さくはないが、けして大きいとも言えない。
しかし、久保の全盛期のジャンプ力は並外れていて、高さと滞空時間が日本人離れしていた。久保のJリーグでの成績を振り返ると、そのすごさが伝わってくる。

1シーズン、10得点以上あげたのが98年から2001年までの4年間で、通算51得点(111試合)、1試合平均得点が0,46得点である。その後2年間10得点以上記録できなかったが横浜Fマリノスに移籍して、2003年シーズンは25試合で16得点(1試合平均、0,64得点)をあげている。

しかし翌2004年からは調子を落とし、出場試合も得点もともに激減して2008年までの5年間で91試合、14得点(1試合、0,15得点)というさびしいものだった。

久保は福岡出身で野武士のような外見と、寡黙な九州男児の典型のような男だ。
いつも遠くを見ているような男で、日本代表に選ばれても心ここにあらず、もっと先を見据えたような印象があった。

久保のプロフィールをあらためてみてみると、好きなもの、それは意外にも「本」だった。
特技も「本を早く読むこと」だが、「本」は漫画かもしれないし、絵本の可能性もある。
サンフレッチェの公式HP上に載せるアンケート用紙に久保はめんどくさそうに「本」と書き込んだのかもしれない。ギャップの大きさを他人がいぶかしがるのを、本人が楽しむように。

久保という男はそんな連想を抱かせるキャラクターである。
TVインタビューワー泣かせのコメントしか言わず、いつだったか「サッカー選手以外でなりたい職業?」と問われて即座に「トラック運転手」と答えた。しかも、今でもトラック運転手になりたいと、付け加えていた。

久保なら本当にそうするかもしれない。けしてクラブスタッフで残るとは思えない。きっぱりサッカーとは縁を切った人生を歩むような気がする。

久保のシュートのすごいところは、豪快さと繊細なシュートテクニックを併せ持ったところである。
意外な位置、遠さから信じられないミドルシュートをゴールにぶち込むかと思えば、キーパーに詰め寄られても、冷静にキーパーの動きを見切り、ふわっと頭ごなしにゴールに運ぶループシュートも得意だった。

得点を取る久保の嗅覚は動物的だ。
しかし久保の最大の不幸はサッカーファン最大の不幸でもあるが、彼の全盛期にWCイヤーとかさらなかったことである。いまさらながらだが、久保がいればと、今でも強く思うことがある。

33才、まだまだ若い。もう一花咲かす久保の姿を見てみたい。

posted by futbolwold |12:10 | Jリーグ | コメント(5) | トラックバック(0)
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2009年06月25日

ACL 韓国サッカーと日本サッカー

昨晩、BS朝日で「鹿島・FCソウル」、「名古屋・水原三星」の2試合が同時中継されていた。
「鹿島・FCソウル」をメインに、途中ちょこちょことチャンネルを変えて「名古屋・水原三星」の試合をみる。

勝敗は別にしてこの2試合はJリーグとKリーグの比較が見られる意味でなかなか興味深く観戦することができた。
ACLは一昨年の浦和、そして昨年のG大阪のJリーグ勢が2連覇したことで、日本のマスコミが大きく取り上げたこともあり、相乗効果で関心が高まってきた。世界のサッカーを見据える前段階としてアジア全体のサッカーレベル、サッカーシーンを把握できるいいチャンスにもなっている。

昨晩の日韓トップクラブの激突は巻き返しを図るKリーグの意気込みの強さを感じるものだった。

日韓両国の間には不幸な歴史が横たわっている。
サッカーの世界にもその不幸な影が色濃く残っていた時期があり、李承晩政権時代の日韓サッカー戦では「負けたら二度と祖国の土は踏ませない」という李承晩大統領自らの有名な発言が、当時の日韓関係を象徴的に言い表わしている。

そんな思いがFCソウル、水原三星の両クラブに引き継がれていたのかもしれないが、2試合とも試合内容では韓国勢が日本を上回っていた。鹿島は判定勝負で言えば、PK戦の前ですでに負けていた。名古屋は少ないチャンスをゴールに結びつけて、逃げ切ったという印象が強い。

韓国が日本を上回った点は、まず玉際の強さ、ボールへの寄りで一歩早く韓国はぬきんでいた。反則まがいの強いあたりとタックルは気迫の表れか。

小笠原の退場は鹿島の勢いをそぐ不用意な行為だが、試合の流れや審判の気持ちや傾向を読み取れない拙さが、退場に結びついた。
あるいは2失点目のフリーキックのように、やってはいけない場所での不用意なファウルが多すぎた。日本選手は試合の流れをピッチ上で敏感に感じ取る感性が鈍すぎる。

WCアジア最終予選の最後の3試合を見て感じたことだが、日本サッカーの負の特徴である、パススピードと正確性、裏を返せば受けて側のトラップの未熟さが、昨晩のACL戦でも随所に見られた。

ゲーム展開のスピード、具体的には攻守の切り替えのスピードと言い換えてもよいが、日本代表も鹿島も、ともに遅い。
切り替えのスピードを担保するのはパススピードそのものもさることながらパス出しのタイミングにもある。

鹿島にはダイレクトパスがほとんど見られない。
かたやFCソウルは数本、サイドへの球出しにダイレクトパスを使っていた。またペナルティー内に進入する際にもダイレクトパスを多用して、何度も決定的なチャンスを演出していた。FCソウルの詰めの甘さに救われたが、前半で3点は取られてもおかしくない試合展開だった。

また日本はヘッドによるパス交換が相変わらず下手だ。相当程度、余裕があるはずなのに相手にボールをパスしてしまう。
先のオーストラリア戦でも感じたことだが、日本は一つ一つのプレーの質において世界標準に達していない。パスを受けてから周りを見るプレーが多すぎる。

ダイレクトパスがなぜ日本は不得意なのかといえば、パスを送る前に周りの状況を正確に把握できていないからだ。
すなわち次のやるべきプレーをイメージできずにいるからだ。
先の小笠原の不用意な退場劇が試合全体の流れを読めないことと、密接に関連している。
ゲーム全体のイメージと個々のプレーのイメージを膨らませることにおいて稚拙すぎる。

考えながらプレーをする、プレーしながら考える、これはサッカーの本場、英国の国民性を象徴する言葉「考えてから歩き、歩きながら考える」に符合する。

はたして日本勢のACL3連覇なるか興味は尽きないが、それ以上に日本のアジアにおけるレベル、世界とのレベルの差をしっかり把握できるいい機会である。

posted by futbolwold |09:10 | Jリーグ | コメント(10) | トラックバック(0)
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2009年06月03日

怪我に強い選手は一流の証

サッカーは野球のように個人成績が判然としない。

記録のスポーツが野球とすればサッカーはさしずめ記憶のスポーツといえよう。
サッカーにはファンタジスタという概念がある。野球にはサッカーにおけるファンタジスタのような曖昧さを含んだ概念は極めて少ない。唯一といってもよいのが王と長島の比較で語られる程度であろう。記録の王と記憶の長島といった具合に。長島は野球界の唯一のファンタジスタだ。

野球の世界では数字という客観的な結果を見れば、誰が一流(記録の順位が高いか低いか)かは明白だ。
サッカーにおける記録といえば、得点数、アシスト数、リーグ出場数、代表キャップ数などの例が挙げられる。ゴールキーパーの失点の少なさも記録されるが、バックや守備的MFがどのくらい失点をふせいだか、という記録はない。

しかし、サッカーでも国ごとに、また地域ごとに年間最優秀プレーヤーを選び表彰する制度がある。客観的な数字を基に選出されたわけでもないが、一般のファンを含め大方の人は選出結果におおむね賛意を示している。
つまり妥当もしくは適切な判断に基づく選出だったことを認めていることになる。

かくのごとくサッカーにおける一流か否かの判断基準に確たるものは少ない。
暗黙の共通認識としてあるとすれば、それは怪我が少ないこと、もしくは怪我に強いことであろう。多少の怪我でもコンスタントに試合に出て、活躍し続ける選手は否が応でも人の記憶にしっかり刻まれる。

中村俊輔はデビュー当時から現在まで、けしてフィジカルは強いほうではない。むしろ選手としては虚弱な印象を持たれてきた。トルシエは中村を評してさらにメンタルメンでの弱さを理由に起用することをためらった。

しかし、トルシエに反発するかのように俊輔は海外でフィジカルもメンタルもタフになった。いつも体のどこかが万全でなくても、何とか試合に間に合わせるように調整してくる。
日本代表への思いが強いのだろう、強行日程をおして代表戦に照準を合わせて、海のむこうからやってくる。

マリノスへの復帰か、現チームに残留か、それともスペインリーグでもう一花咲かせるか、3つのオファーがあるのも、一流の証だ。
天才といわれた小野伸二は怪我に弱い。ガラスの伸二といわれるくらい、怪我での欠場が特に多い。田中達也もしかり、サッカーは野球に比べ圧倒的に怪我に悩まされる割合は多い。しかし、そうはいっても程度問題である。

一流選手は怪我に強い。その意味では中山ゴンやカズは間違いなく一流である。地味だけど清水の伊東輝もまた一流である。同年代の選手たちが早々に引退するなか、伊東は一人がんばってチームを牽引している。

posted by futbolwold |12:47 | Jリーグ | コメント(1) | トラックバック(0)
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2009年04月19日

J1、ここまでの特筆する結果

2月末から新しいプロジェクト立ち上げに忙殺されて、ブログをひらくことさえかなわず、書き込みが中断してしまいました。
しかし昨晩の浦和レッズ観戦に冬眠していたサッカーの虫が刺激されて、ブログ再開です。

序盤戦の順位表を見て思いつくままを、書きつらねてみます。

まず特筆することは我がレッズが4勝1分1敗で鹿島と並び、得失点差で2位につけたこと。フィンケ体制を長期的な視野で見守れば、序盤は負けが先行しなければ合格点と思っていたが、予想がよいほうに狂った。うれしい誤算だ。

昨晩の京都戦を見る限り、昨年と大きく変わったことは3点。

1点目は誰が見てもわかるとおり、細かくつなぐサッカーが浸透してきたことだ。圧倒的なボールポゼションでゲームをコントロールできている。

2点目は若手の積極的な起用である。
昨晩は原口、山田の二人が先発で起用され、序盤は相変わらず山田の豊富な運動量が目立ち、後半は原口の点を取る姿勢が強く出ていた。
ゲームのリズムに得点の臭いがぷんぷん感じられた。しかし、原口に代わって高原がピッチに立ってからはエジミウソンとの連携がぷつんと切れて、明らかにゲームのリズムが変わったように感じた。

3点目は選手たちの意識変革である。
象徴的なのがエジミウソンの動きだ。昨年は高原とのツートップの布陣では、ストライカーの役割を放棄したようにサイドへと流れてしまうことがしばしばだった。しかし、昨晩のエジはすっかり変身したようだ。ハイボールにしっかり競り合い、裏への直線的な飛び出し、強引なドリブルを仕掛け、相手に簡単にボールを取られなくなった。ストライカーの自覚がよみがえった感じがする。オフサイドで得点にはならなかったが1点目同様、裏への飛び出しを何度も試みていた。

さて、J1全体のこれまでを振り返ってみる。

鹿島は堅実に首位をキープしている。3位と5位に新潟、山形の「日本海グループ」が大健闘している。その反対は千葉が昨日、初勝利を上げたがいまだ未勝利なのが、かつての名門、柏と磐田。特に磐田は守備が崩壊して、危機的状況である。

得点数からみると、大阪、広島が群を抜いている。広島16、大阪14、破壊力のある攻撃スタイルは見るものを楽しませてくれる。その正反対なのが得点3の大分、神戸、清水の3チームだ。大分は得点力不足を堅い守備でカバーするスタイルは昨年のままだが、今シーズンはここまで5失点と、そのバランスが崩れている。清水は攻撃陣を補強したにもかかわらず、結果が出ていない。

個人得点ランキングを見ると、名古屋のダヴィと新潟のペトロ ジュニオールがともに6得点でトップにいる。名古屋はチーム総得点9だからダヴィ依存が著しい。同じように新潟の11得点のうち半分以上がペトロ頼みである。

長丁場ではやはり常識的だが、バランスのいいチームが有利だ。
どこからでも点が取れるバランスのある攻撃、安定した守備、選手層の厚さ、そして選手の勝負への執着心と監督の指導力。
やはり昨年同様、鹿島、大阪、川﨑そして浦和を中心に今期も首位グループが形成されるような感じだ。

posted by futbolwold |09:20 | Jリーグ | コメント(0) | トラックバック(0)
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2009年03月15日

J1、第2節までのトピックス

J1は今日、15日(日)の新潟×鹿島、広島×大宮の2試合を残して第2節を消化する。

この時点で今シーズンを展望することなど到底できないが、トピックス風に2節をまとめて振り返ってみたい。

まず、犬飼会長がいたくご執心な「秋春制導入」に冷や水を浴びせたような、山形×名古屋のゲーム。山形県でも内陸の天童市はやはり雪が多く、気温も2度と、かなり低かった。にもかかわらずJ1昇格後初のホームゲームで熱い観客が予想以上に集まった。山形は1勝1分けの最高のスタートを切った。

他方、2試合で10失点の磐田はどうしたのか。川口、那須、駒野、茶野の守備陣になにかあったのかと疑うほど、名門の凋落ぶりが信じられない。早くも降格候補との声も出始めている。

前評判の高かった清水は期待する攻撃力が全くの不発で、2試合とも無得点。浦和から移籍した永井が怪我でベンチにも入っていない。
ただ清水の場合、きっかけをつかめば上位をうかがう戦力は十分整っているので磐田のような心配は無用だろう。

昨シーズン、リーグNO1の堅い守備陣が第1節の試合で崩された大分だが、昨日の京都戦では1:0の昨年を髣髴させるような勝ち方をしている。今年も台風の目になるだろう。

昨シーズン2冠となった大阪だが、スーパーカップで鹿島に完敗して、昨年のACL後遺症かと思われた。しかしシーズンに入ると全くその逆で自慢の攻撃力は顕在だった。スタートした今シーズンのACLもきちんと結果を出している。優勝候補の一画にしっかり入りそうだ。
西野監督もぶれがなさそうだ。

神奈川の横浜、川﨑の2チームはともに1敗1分け、得点も2試合で2と仲良く同じスタートを切った。川﨑の攻撃力も前評判が高いが、まだ爆発していない。

千葉と東京に元気がない。
東京は2試合で7失点。昨年、降格を奇跡的に乗り切った千葉だが、今期も苦戦は続くような予感がする。

神戸、柏、京都、新潟、広島、横浜、大宮、このあたりは中位グループを形成してどこが上をうかがい、どこが落ちていくか、という興味がある。(失礼な言い方ですがお許しください)

初戦、鹿島の速攻、分厚い攻めに敗れた浦和だが、昨日は鹿島戦の前半に見せた、細かいパスワークがほぼ90分継続して、3:1の今季初勝利を飾った。
不安材料はまだまだ多いが、原口、山田直の若い二人が使える目途が立ち、明るい材料もある。次節は若手トリオの一人、林も見てみたい。

昨日のゲームを見ているとフィンケの目指すサッカーにはまだまだ程遠い気がする。
たとえば好機にイージーなトラップミスをしてカウンターを喰らいそうになる場面が何度かあった。
エジミウソンとポンテがそれぞれ得点をしたが、ポンテは一昨年のような体の切れがまだ取り戻せていないし、エジミウソンは特に後半、走れない、動けないという致命的な弱点が改まっていない。
オフサイドポジションからのろのろ歩いて戻り、そのまま前線に残っていても、ボールをもらうような動きができず、ひたすら歩いていた。

後半12分に原口と入れ替わった高原も然り、ゴール前で1対1の場面を2~3回作ったが、シュートが打てない。得点の臭いすら感じることができない。

昨年よく見られたトゥーリオの前線への単純な放り込みはなくなり、細かなダイレクトパスがつながり、小気味良いパス回しにチームは変貌した。
しかし人が密集するペナルティ付近になると、まだまだ崩しきるほどの精度は持ち合わせていない。
エジとポンテの得点は、鹿島ばりの速攻とゴール前に人数をかけた分厚い攻めが功を奏した。全員が攻めあがる意識が出てきたことは収穫である。

サッカーシーズン全開だが、昨年同様、稀に見る混戦が展開されるだろうか。

今月28日は代表戦もある。チケットは完売らしい。こちらもJ同様注目をしたい。

posted by futbolwold |10:38 | Jリーグ | コメント(3) | トラックバック(1)
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2009年03月03日

3連覇にすきがない鹿島、若い力で巻き返しを狙う浦和  いよいよJ開幕

ここのところ、仕事が忙しくブログを開く余裕がなくて、気がつけば3月にはいっていました。さて、久々に書き込みを再開です。


いよいよ3月7日、Jリーグの開幕だ。

チケットの電子化処理が一部で遅れているとか。シーズンチケットの処理件数が予想以上に多かったのが遅延理由らしい。それだけシーズン幕開けを待ち望むサポーターが増えているということなのだろうか。

初日の目玉はなんと言っても「鹿島×浦和」(鹿島スタジアム)。先日の鹿島×G大阪の試合をTV観戦していたが、鹿島の3連覇にこれといった穴がないような仕上がり具合だった。これで小笠原が復帰すると、ますます手ごわい存在になる。

かたやG大阪は攻撃陣に昨季のようなダイナミックな動きが少なく、鹿島に3点取られた守備陣は不安がいっぱいだ。
なんとなく、一昨年ACLチャンピョンになった浦和が昨年、スタートから精彩を欠いたあの悪夢をいまのG大阪に重ね合せてしまう。穿ち過ぎかもしれないが・・・。

ある種の達成感ボケというか、一度上り詰めたモチベーションを、維持することの難しさがあるのかもしれない。
そうはいっても、西野監督のことだから開幕までは何とかするだろう。

昨シーズン躍進著しかった大分、名古屋は他チームから研究されているはずだ。シャムスカ、ピクシー、二人の手腕が真に問われるシーズンになるだろう。
攻撃陣に駒がそろった清水も不気味な存在だ。J2でブッちぎりの強さでJ1復帰した広島も台風の目になるかもしれない。

さてさて、我が浦和だが練習マッチでは抜群の成績を残し、好調ぶりを見せているが、逆にこれが恐い。

若いチームに生まれ変わろうとしているが、調子に乗ればそのままスタートダッシュに成功するかもしれないが、その逆だと泥沼から這い上がるには時間がかかりそう。

しかし、鹿島の大迫に迫る勢いなのが原口元気。チーム1の得点をたたき出している、頼もしい17歳だ。
ファン心理は複雑で、チーム状態がよければいつか調子を落とすことを心配するし、悪ければ悪いなりに気持ちが落ち込んでしまう。
いづれにしても子供を思う親のような心境で見てしまう。

昨年、期待を裏切ってきた高原だが、年棒に見合うような活躍を今期はぜひ見せてほしい。怪我の多い達也も本来の輝きを発揮してくれれば、優勝争いに必ず絡んでくる。

7日の鹿島スタジアムはチケット完売。昨年は仕事で鹿島にいけなかったが、今期は満を持して待機している。

posted by futbolwold |17:21 | Jリーグ | コメント(2) | トラックバック(0)
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2009年02月22日

鹿島・大迫はホンモノになるか?

鹿島の新人、大迫の活躍が報じられている。久々の大型ストライカー出現への期待が膨らんでいる。

平成以降の高校サッカー選手権、得点王の顔ぶれを見るとA代表に上り詰め、活躍したのは実質的に大久保一人だけという寂しい現実がある。
現清水の大前元紀は平成19年度の得点王だが、入団後の動向についてはほとんど情報が入ってこない。
大前の活躍ぶりを見てきた一人として、大前の点を取るセンスに高い評価をしていた。しかし、Jリーグのトップはそれほど甘くない、の一言で片付けられない何かひっかかるものを感じてしまう。

プロ野球のドラフト1位選手が必ずしも大成しないことは知られているが、サッカーもまた同じなのか? レベルの違いと片付けられてしまうのか?
野球と違って選手生命が短いサッカーの場合、十代の選手たちが世界のトップ選手として活躍しているのはどう捉えたらいいのだろうか。

個々の選手の能力に属する問題なのだろうか。
監督・コーチの指導者を含め、日本サッカー全体に潜む、ある構造的な欠陥が若くて有望な選手が伸び悩む原因になっているのではないか、そう思いたくなるほど、歴代得点王たちの大半が期待するほど輝いていない。

前から気になっていたこの疑問だが、「ツカネット新聞」で“高校サッカー得点王のその後は”という記事が載っていた。

以下はその一部を紹介する。

平成以降の高校サッカー選手権得点王(()内は当時の所属高校) 
平成元年度:西田吉洋(愛媛・南宇和) 
平成02年度:浜田祥裕(福岡・東海大五)、中園忠和(埼玉・武南) 
平成03年度:松波正信(東京・帝京) 
平成04年度:江原淳史(埼玉・武南) 
平成05年度:野見山秀樹(鹿児島・鹿児島実) 
平成06年度:森崎嘉之(千葉・市立船橋) 
平成07年度:吉原宏太(和歌山・初芝橋本) 
平成08年度:北嶋秀朗(千葉・市立船橋) 、日下亮(千葉・市立船橋) 
平成09年度:金古聖司(福岡・東福岡)、 河村優(静岡・藤枝東) 
平成10年度:林丈統(兵庫・滝川第二) 
平成11年度:石黒智久(富山・富山第一) 
平成12年度:大久保嘉人(長崎・国見) 
平成13年度:片桐淳至(岐阜・岐阜工)、柴崎晃誠(長崎・国見) 
平成14年度:平山相太(長崎・国見) 
平成15年度:平山相太(長崎・国見) 
平成16年度:山下真太郎(鹿児島・鹿児島実業)、福士徳文(岩手・盛岡商)、糠谷祐真(群馬・前橋商) 
平成17年度:迫田亮介(鹿児島・鹿児島実) 
平成18年度:小室俊之(岡山・作陽) 
平成19年度:大前元紀(千葉・流通経済大柏)

巨人V9監督の川上は選手の資質を見極める方法として、選手の両親をよく観察することを薦めていた。
現楽天監督の野村は新人選手を前にして【女の話】をして、敏感に興味を示すかどうかで選手の将来を判断していた。ちなみに最もよく反応したのが古田だったと明かしている。

川上、野村両人は選手の内面的なところに着目して、大成するか否かを独自で判断していたということだ。プロになる選手たちは素質的にほとんど大差はない。選手の考え方、気持ちの持ちかたで将来が決まる、ということをいいたかったのだろう。

一つ一つのプレーを監督のサインによって指示されることの多い野球とピッチ上で、自分が考え判断を下さなければならないサッカーでは、日ごろの練習方法からおのずと違ってくる。

特にサッカー選手は指示待ち族では大成しない。指導者もまた、選手自身に考えさせ、結論を自ら下すように日ごろから指導しなければならない。

選手の育成は10年先に結論が出る息の長い仕事である。大迫が期待通り、釜本以来のストライカーになるかどうかを、注目したい。

大迫は鹿島の育成力を試めすリトマス試験紙のような存在だ。

posted by futbolwold |12:58 | Jリーグ | コメント(9) | トラックバック(0)
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2009年02月07日

監督とサッカースタイル 2009年シーズンを考える

2009年のJ1第10節までの日程詳細が、発表された。

どんなシーズン幕開けになるのか、興味津々である。3月7日の初戦、浦和は敵地で鹿島といきなり対戦する。
監督が代わった浦和だが、まず注目するのは、スタメンメの顔ぶれである。どんなサッカーを見せてくれるのか、近頃、猫も杓子も「チェンジ」を標榜するが、浦和の「チェンジ」はどこがどう変わるのか、ぜひこの目で確かめてみたい。

その前に、昨シーズンのJリーグを振り返って見ることにする。
昨シーズンは稀に見る混戦で、上位チームが一塊になってゴールになだれ込むような展開になった。最後はオリベイラ率いる鹿島が混戦を抜け出し、2連覇をなし遂げた。

その上位争いの中で好対照な二つのチームに注目して振り返ってみることにしたい。
なにが好対照なのかといえば、チームの戦い方のスタイルである。
こういえば「はは~ん」とお気づきの方も多いと思う。

ナビスコを制して、初タイトルを取った大分はリーグの順位も4位と大躍進した。
34試合で総得点33、総失点24はJ1、18チーム中ダントツの最少失点だ。次に続くのが鹿島で30失点だから、守りの堅さが大分の最大の特徴だった。1試合1点未満の攻撃陣を支える堅守は今年も健在だろうか。

かたや、G大阪はACLでマンU相手に、点を取られても取り返す、シーズン中のスタイルを貫き通し、喝采を浴びた。リーグの成績は8位で総得点46、総失点49は大分の倍以上失点をしたことになる。
得失点がマイナスなのは上位9チームの中では、唯一G大阪だけである。点を取られても取り返すスタイルは、見る側にとっては確かに面白い。
こんな荒削りなサッカーでは監督はたまったもんではないけれど、西野監督はあまり意にかえさないようで、チマチマ小手先でほころびを繕うことをしない様子だった。頑固者、西野監督の面目躍如の昨シーズンだった。

今シーズン、大分は堅守に磨きをかけながら、同時に得点力アップを課題にして攻撃陣を強化すればよい。反対にG大阪は攻撃的スタイルを変えることなく、もう少し守備に力を入れて修正すれば、昨年以上の成績が見込まれる。

しかし、これが現実的でないことは誰もが知っている。誰もが考える優等生的な思考法は
知らずすらずにバランスを崩し、気がつくと自分たちのいいところまでが、弱体化してしまうことが、しばしばおきる。

よって大分は昨年以上に守備を強化し、G大阪は昨年以上に点が取れるよう、練習することだ。
「二兎負うもの、一兎も得ず」の喩えどおり、弱点を直すことより、得意なところを伸ばすようにしたほうがよい。子供の学習能力を高める方法と同じだ。

監督もまた自分が信じるサッカースタイル以外のことをやろうとしないほうがよい。スタイルを変えたければ、フロントがそれにあった監督を呼んでくるほうが手っ取り早いし、互いの幸福のためにもよい。

さて話は最初に戻る。浦和のフィンケのサッカースタイルはどうなんだろう。彼の経歴の概略は既報の通りで、現有戦力のなかで特に若手を育てることに実績がある、ということから、思い切った若手の登用を予想する向きが多い。しかし、具体的なサッカースタイルになると、あまり情報は伝わってこない。

いずれにしても第10節までの結果である程度、フィンケのサッカースタイルが見えてくるだろう。結果についていえば五分の成績ならば良しとする、そのくらいの気持ちで見守ろうと思う。

posted by futbolwold |15:06 | Jリーグ | コメント(1) | トラックバック(0)
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2009年01月28日

「カトキュー」と「加藤久」のギャップ

「カトキュー」の愛称で親しまれてきた加藤久・京都サンガ監督がアキレス腱断裂の疑いで、09年シーズンの指揮をとれるかどうかが微妙になってきた。

「加藤久」は口ひげを蓄えた憎めない面構え、東北人特有の茫洋としたキャラクターだが、進学校の仙台二校を卒業して母校早大助教授もつとめた学者でもある。

「カトキュー」と「加藤久」のギャップそのものが可笑しいのも加藤の魅力のひとつになっている。
京都サンガと3年の監督契約を済ませた直後、ファン感謝デーのイベント直前に前述のようにアキレス腱を切って、長期離脱しそうな様子はちょっと漫画的ですらある。
サンガサポーターには失礼を承知で、やっぱり笑ってしまう。
選手の前に監督が怪我で戦線離脱なんて前代未聞だ。オシムが病に倒れたのは悲劇だが、「カトキュー」がひっくり返るのは喜劇である。

そんな愛すべきキャラクターの「カトキュー」だが、ことサッカーに関しては手を抜かない、何事も全力でやり遂げる、という姿勢は現役選手の頃から変わらない。

94年に川﨑Vを最後に引退し、日本サッカー協会の強化委員に決まっていた加藤だが、現役最後の試合はサンフレッチェ広島を相手にしたJリーグチャンピョンシップの試合で広島の高木琢也に加藤が強烈なタックルを見舞い、高木はアキレス腱を切って退場した。

このとき高木は代表の貴重なフォワードで、強化委員、加藤はそのエースを自分のタックルで壊してしまったことになる。
このあたりも生真面目すぎるプレーが皮肉な事態を招いて、思わず笑ってしまう。

「加藤久」は強化委員として、時の代表監督人事で、加茂周からネルシーニョに交代すべしと協会に勧告した。
しかし、故長沼健協会会長の裁断で加茂監督続投を決めてしまい、それに抗議するように「加藤久」は強化委員を辞任してしまった。

以後、協会とは一線を画し、協会の要職には就いていない。

自説を曲げず言うべきことは、はっきり主張する、一本気なところがよく見て取れる。

posted by futbolwold |12:00 | Jリーグ | コメント(0) | トラックバック(0)
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2009年01月25日

迷走の歴史・東京ヴェルディ PART2

東京ヴェルディ(以下東京Vと略す)の観客動員数(以後1試合の平均観客数をさす)を追ってみた。

93年から2000年まで、つまり川﨑から東京へホームタウンを移す直前までの、観客動員数の推移をみてみる。

93年に1試合平均25235人だった観客動員数は4年連続して前年比割れをして、97年は10933人にまで減少した。
一旦98年に前年をオーバーして13338人まで持ち直した。しかし、翌99年は再び前年割れとなり、しかも1万人の大台を割り込み、9379人まで落ち込んでしまう。
2000年はさらに落ち込みはひどく7609人となり、前年J2からJ1に昇格した川﨑Fの7438人とほとんど似たり寄ったりの観客数である。この年、川﨑F同様、J2から昇格したFC東京は東京Vより4000人以上多い、11807人を記録している。

東京Vがスタジアムキャパシティに問題ある川﨑等々力を離れ、東京ブランドにより魅力を感じたのは、FC東京の1万を越える観客数を横目で見ていたこともあったのだろうか。
きっと隣の芝生の緑が美しく見えたのだろう。

そして2001年、東京Vは恋焦がれた東京にようやく移転することができた。2001年の観客動員数は思惑が当たって19396人と95年の20833人に迫る観客を集め、人気復調の兆しを感じさせてくれた。

かたや、同じ2001年に川﨑Fは再びJ2に転落し、J1に復帰できたのは05年だった。
おそらく東京Vの経営陣は東京移転の判断が正しかったことを確信しただろう。

しかし、同じ味スタをホームスタジアムにしているFC東京と比較をしてみると、それほど手放しでは自画自賛できなかったと想像できる。
FC東京はJ1昇格2年目の01年には前年の2倍近い22313人もの観客を集めたのである。

東京Vの本音はFC東京を越える観客を集められなかったことに、おそらく内心忸怩たるものがあったであろう。同じ条件でFC東京に遅れをとってしまったのだから。

このことは杞憂ではなく、翌02年の東京Vの観客動員数は01年を4000人以上下回り15128人に急落してしまった。
FC東京が前年比微減の22173人だったことを考えると、やはり東京Vは東京移転を実現しても、けして前途は明るいものではないことを思い知ったであろう。
FC東京は03年以降も24000人から25000人台と08年まで安定的な観客を集めている。

また01年から4年間、J2に甘んじていた川﨑Fは05年に念願のJ1再復帰を果たし、いきなりその年に13658人の観客を集めた。以後08年まで観客数を順調に延ばし、08年は17565人まで増やしている。

東京Vは03年に17562人と前年を上回り、04年は15053人、05年は14716人と低水準ながら観客数は安定していた。しかし、06年はついにJ1陥落となり、観客は史上最悪の5705人まで落ち込んでしまう。
翌年もJ2を脱することができず、川﨑時代の最終年の00年とほとんど大差ない7327人で完全に逆戻りをしてしまった。

08年にJ1復帰を果たし、観客も14837人とJ2陥落直前の水準を取り戻したが、08年シーズンは17位で、1年でJ2に逆戻りとなってしまった。例外なくどこのクラブでもJ2降格直後のシーズンは大きく観客を減らすことになる。最悪の場合5000人割れも十分考えられる。

日テレは株式の売却先を必死に探しているが、チーム状況が悪すぎるうえに、売却のタイミングとしては世界同時不況で時代も悪すぎる。これまでのスポンサーとて株主になるにはリスクが大きすぎて、二の足を踏むだろう。

たとえ、累積負債ゼロで引き継ぐという条件でも、一旦地に落ちたブランドにはなかなか飛びつく企業は現れないだろう。
それこそホワイトナイトでも現れなければ、東京Vの先ゆきは、ことのほか厳しいものになる。

posted by futbolwold |11:26 | Jリーグ | コメント(7) | トラックバック(0)
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2009年01月20日

迷走の歴史・東京ヴェルディ

東京ヴェルディ(以下東京Vと略す)の前身は1969年に設立された「読売サッカークラブ」。

「読売サッカークラブ」は下部組織の充実と地域密着型のスポーツクラブのさきがけで、現在のJリーグの理念をいち早く実践した組織だった。
日本のプロサッカーのパイオニア的存在で1991年には読売新聞、よみうりランド、日本テレビ放送網の3社による出資で「読売ヴェルディ」の名前で親しまれていた。
カズ、ラモス、北澤、武田、ビスマルクのスターを擁し、ブラジルサッカーのスタイルで実力、人気ともに群を抜いていた。

しかし、読売グループのドン、ナベツネがプロ野球における巨人の成功例をサッカーに重ね合わせようとしたところから、微妙に様子がおかしくなっていった。

ボタンの掛け違いの最初はJリーグの統一基準である、チーム名から企業名「読売」をはずし、地域名の「川崎」をつけることに東京Vは抵抗した。
挙句の果てに過去何度か「巨人」中心の新リーグ結成をちらつかせプロ野球界を牛耳ってきた手法とってきた。同じようにJリーグを脱退して「読売ヴェルディ」を盟主にした新プロサッカーリーグ立ち上げるという揺さぶりを試みた。
しかし、これは当時の川淵チェアマンに一蹴され、ナベツネの時代錯誤的思考回路が物笑いに晒されただけだった。

天皇杯を制した96年以降はチーム力、人気ともに徐々に陰りが見え始め、98年には読売新聞、よみうりランドが経営から撤退してしまった。想像の域を出ないが、撤退の真意は野球のようにうまみが少ないと判断したのだろうか、あるいは自分の意のままにならない、Jリーグに魅力を感じなくなったのだろうか。

ボタンの掛け違いの二つ目はホームタウンの移転である。
等々力競技場を嫌ったのか川崎から味の素スタジアムのある東京に移転してしまった。
諸事情があるとはいえ、Jリーグの理念であるホームタウン制を軽視したことも、サポーターのなかでは評判をかなり落としたと思われる。川﨑フロンターレがJリーグのなかでも根強い人気を保っているのが好対照である。

もし東京Vが堅実な成績を残していればいまごろ「川崎ダービー」で盛り上がったであろうに、長期的な経営戦略のなさが悔やまれる。

そして2008年、東京VはまたしてもJ2に降格してしまい、今オフは多くの主力選手との契約を結ばず、何かと話題になった。

おりしも、アメリカ発の世界的な大不況のあおりを受けて、日本テレビが37年ぶりに赤字に転落し、毎年10億円とも言われる運営費補てんが困難になり、ついに身売りの話まで出てきた。

日本テレビが株主として残るのか、新しい複数の出資者がどこに決まるのか、出資割合がどうなるのか、まだまだ決まっておらず、東京Vの迷走は当分続きそうだ。

フロントの力量がこれからますます問われる時代になってくる。

posted by futbolwold |16:28 | Jリーグ | コメント(9) | トラックバック(0)
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