2008年07月15日

人を慰めるときの言葉・前園の心中を思う

慰める相手の性格、人柄、そして慰めるときの相手の状況にもよるのだが、かける慰めの言葉の選択は難しい。
相手がどの程度落ち込んでいるのか、慰める側がそれを見極められるかどうかにかかっているが、それによってかける言葉は違ってくるであろう。
好きな人にふられ、傷深く心に刻み込まれ、それを生涯引きずる人と、ふられた直後は自殺しかねんばかりに落ち込むのに、次に出会ったら新しい恋人と楽しそうにしている恋多き人にかける言葉の選択は違ってくる。

私なら後者の恋多き人へは「ふった相手は君にふさわしくない。君にふさわしい相手をがんばって探そう」と声をかけることが出来る。
前者は難しい。しかし「がんばって君にふさわしい相手を探そう」とは言いにくい。なぜならふられた相手以上の人はいないと思い込んでいる人に、(結果的に一生、そう思い込んでいる人に)別な相手を推していることになり、これでは慰めにならないばかりか、傷口に塩をすりこむに等しいことになるから。

心に深い傷を負った人には、その人と同じ次元に立って、いっしょに大泣きしてやればいい。傷を心から共有して相手の傷の何分の一かを背負ってやる。そうすれば相手が背負う傷の深さ、重さが幾分なりかこちら側に乗り移り、その分軽くなるような気がする。「がんばれ」という励ましの言葉は逆効果であり、禁句である。

輝きを失った前園はチームを転々と移るたびごとに、何故、どうしてと自問し、苦しんだことだろう。自分のプレーに切れがどんどん無くなっていくことへの焦りと空恐ろしさに、押しつぶされる毎日だっただろう。弟分のような中田は順調に階段を上っていく。イタリアでの中田の活躍を見たであろう前園は、本人がどれほど中田を意識していたかは知る由もないが、眩しすぎて中田の雄姿を直視できなかっただろう。そう、前園は己のサッカー選手としての「惨め」さを十分味わっていたはずだ。自信もプライドもずたずたに引きちぎられて・・・。

そんな前園が目に前にいたら、あなたは「がんばって!」と無味乾燥な記号のような言葉をかけられるだろうか?OFKベオグラードのテストにも落ちて、プロの資格なしと最後通牒を突きつけられた前園に、それでも「がんばれ!」といえるだろうか。
私には言えない。前園の「惨め」さにとことん無言で付き合うことを選択するだろう。

それが適切な慰めだと、私はおもう。

posted by futbolwold |09:19 | サッカー全般 | コメント(4) | トラックバック(0)
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この記事に対するコメント一覧
人を慰めるときの言葉・前園の心中を思う

う~ん、「なるほど」さんと管理人さんは、ほぼ同じことを仰っているのに、なぜ「なるほど」さんは反論っぽい書き方なんでしょうか? (^^;

「惨め」という言葉が強烈過ぎるのかな?

前回と今回の文章で、管理人さんは管理人さんなりの「惨め」とは何か、を明確に説明して、前園と一緒に悲しんでいるのに、、、、「なるほど」さんを含めたみなさんは、管理人さんの文章をおざなりにして「惨め」という単語だけに反応しているように見えます。

だから、広辞苑なんて持ち出すんじゃないですかね?

管理人さんの、そして前園の悲しみを分かってあげましょうよ・・・・・・。
本当の意味では分からなくても、それを想像することはできるはずです。

posted by ジダ | 2008-07-15 23:59

人を慰めるときの言葉・前園の心中を思う

返信ありがとです。
多分黙って酒を飲むのが共通の見解なんで、ベースにあるものは同じだと思います、うん。
男同士の付き合いってのは嫌いじゃないですし、言葉にしないで気持ちを伝える場は
あっていいと思うし、それが「慰め」「励まし」であっても全く相違ないです。

ただ純粋に主観で前園選手は惨めじゃないと思ってるだけなんです。
選手としても。
確かにNAKATAと比べたり、もしくは前園選手がこうありたい、あって欲しいという
姿と結果を比べれば惨めという気持ちもわかりますし、間違ってないなあとも思います。
ただ自分としては比べてもキリがないし、比べちゃいけないなあと思ってるわけです。
前園選手は前園選手でしかないし、前園選手もちらとNAKATAのことを見ることはあってもw ちらとで
あって、比べてる暇があったら前を向いて進むしかないと思うわけです。
その前向きさがある以上は、理想から遠かろうが他の人より輝いてなかろうが、惨めなんて言葉とは相反するぐらいの存在なわけです。
自分にとっての前園選手は、選手としても、オリンピック時代も、移籍にチャレンジして敗れ去った時代も、
同等に輝いている、むしろ後者の方が輝いているぐらいです。

冒頭に記述させていただいた通り、あくまで主観なので前回も今回も管理人さんの考え方を否定しているわけではありません。
むしろ根底は近いものがあるのではないかと勝手に推測していますw
また記事を楽しみにしています。
長文失礼いたしました。

posted by なるほど | 2008-07-15 23:08

人を慰めるときの言葉・前園の心中を思う

「なるほど」さんへ
<そいつが休みたい時には「がんばれ」とも言わないで一緒に黙って酒を飲んでやればいいと思います>
その行為が「慰め」、「励まし」というのではないでしょうか。
<前園も、NAKATAも、わたしからすればみんな輝いてる。
キャスターとして最近がんばっている前園さん>
私も「なるほど」さんと同じ思いです。
だから前回「選手としての前園の最後」と限定したのですが・・・。

posted by 管理人 | 2008-07-15 10:53

人を慰めるときの言葉・前園の心中を思う

前回もコメントさせていただいたものです。
一応自分のスタンスを再度説明させてもらいますと、残念ではあっても「惨め」ではないんじゃないかと思うと。

大辞泉曰く、惨め=かわいそうで見るにしのびないさま。いたいたしいさま。

そりゃあ苦しかったでしょうね。悔しかったでしょう。
最後通牒を突きつけられた時はショックだったでしょう。

でもそんなの普通じゃないですか?
プロ選手として当たり前、はもちろんビジネスの世界でも当たり前のことで。
苦しみながらも前園選手なりに常に前向きに選択し、
挑み、敗れてきたわけです。
そこに慰めが必要かな?
それを惨めだと思ってもらう必要があるかな?
わたしはそうは思わないわけです。
そいつが休みたい時には「がんばれ」とも言わないで一緒に黙って酒を飲んでやればいいと思います。

地方で輝いてJ1に期待されて入って、J2にレンタルされてそこでも解雇され、
地方リーグでそれでもサッカーをやっている選手もいます。
彼も、前園も、NAKATAも、わたしからすればみんな輝いてる。
キャスターとして最近がんばっている前園さんの姿を見る度に、なおのことそう思います。

posted by なるほど | 2008-07-15 10:02

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