2008年06月06日

第十四回 中田の功罪

昨日のYHOOのトップニュース「W杯日本代表 その目は赤かった・・・中田選手のW杯終わる」(毎日新聞)のなかで「中田とイチロー」を比べる記載があった。

世界を相手に戦うアスリートとして二人を単純比較したものだが、ちょっと異論がある。
野球とサッカーの競技の違いはひとつの大きな違いを除けばあまり問題ではない。その大きなひとつの違いとは試合中の監督と選手の関係である。

野球は監督が一球ごとに選手に事細かに指示を出す。他方、サッカーはピッチ上のプレーヤーの判断にほとんどすべてをゆだねてしまう。監督のピッチ上でのプレーヤーへの唯一の指示は送り出した三人の交代選手によってのみ表現される。三人のホワードを投入すれば「攻めろ!」という指示である。

サッカーは一定の約束事を普段の練習の中で、互いに確認しあうが、いざ試合が始まれば選手同士のあうんの呼吸で、プレーは行われる。ひとつのボールを効率的に敵のゴールへ運ぶために十一人が有機的に動かねばならない。ここが野球と決定的に違うところだ。

常に孤高のスタンスを取り続けるイチローと中田。同列に扱いたくなるが、実はそうはいかない。イチローがWBCで発揮したリーダーシップはプレーの前後であり、プレー中は監督の指示を忠実に守らねばならない。一選手という点でイチローたりとも他のプレーヤーと同格である。
しかし、サッカーはピッチ上の十一人が一つの意思を共有せねばならない。サッカーは十一人の共通意思と信頼で有機的につながっていなければいいチームとはいえない。
試合が始まれば監督が口を挟むことができない。だから選手同士がひとつの意思を共有することは重要である。
つまり中田が他の十人とひとつの意思を共有しなければならないか、もしくは中田の意思に全員が沿うようにならなければいけない。

誰が悪いのか、残念ながらジーコジャパンはチームとして大きな欠陥を抱えて、W杯本番を迎えてしまった。

イチローと中田の似て非なるところは、チームメイトの二人に対する評価が微妙に異なる点である。イチローはメジャーの中でも偉大な記録を打ちたて、大きな実績を積み上げてきている。メジャーのトップバッターとして押しも押されぬ地位を築いている。
かたや中田は衝撃のセリエAデビューの二得点はあるものの、それ以後の活躍は並以下である。中田は人気先行、サッカー以外での話題に事欠かないサッカーカリスマタレントである。

中田のマスコミ向けの選手批判はいただけない。中田はチームメイトから信頼と尊敬は得られない。むしろ反発を買うだけだ。イチローと中田は野球とサッカーにおける役割と、プレーヤーとしての実績の点で決定的に異なる。
単純な比較は禁物だ。

posted by futbolwold |14:38 | サッカー全般 | コメント(4) | トラックバック(0)
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第十四回 中田の功罪

日本では野球は先進国、サッカーは後進国、この時点で大きなちがいがある。
イチローは世界屈指の選手で、チームメイトも一流、中田はチームメイトが二流以下。
後進国のチームの中に先進国でプレーした中田が
低いレベルに合わせるのか、他を高いレベルに引き上げるのか、後者の方が将来を見据えれば正解といえるのではないでしょうか?
また、野球はナショナルチームの習慣が非常に少ない。

posted by B | 2008-06-15 17:18

第十四回 中田の功罪

でも、イチローのリーダーぶりは半ば空回りしてましたよね。
初めての国際試合にはしゃぎ過ぎて、余計な発言で怒らせた韓国に何度も苦しめられることになったり。

イチローがどうこうしなくても、チーム全体のモチベーションが高かったと思います。良くも悪くも、W杯に慣れてしまったサッカーにはないまとまりだったかなと。

結局、競技やチームや監督の違いを無視して、一選手を比べたところで無意味でしょうね。

posted by ロキ撮 | 2008-06-10 14:01

第十四回 中田の功罪

本当にかなりいまさらですね。(^^;

まぁ、中田英とイチローを似てると思いたい人がいるのも分かりますが、性格が全く違うので、比べることは難しいと思いますよ。

イチローは他人を引っ張るのが得意なキャプテンタイプで、中田英は他人を引っ張ることが不得意なスペシャリストタイプ。

イチローは、WBCで他の選手を引っ張るために、日本代表で最初から最後まで”演技”をしていたそうです。
WBCの半年後くらいのインタビューで、自らそう言っていました。
彼は、他人を引っ張ることが好きだし、その方法論も分かっている。

一方で、中田英は自らも認めるように他人を引っ張ることができるタイプではない。
他人を引っ張る方法も分からなければ、引っ張ることに価値も感じていない。

両者とも目立つ選手だから比較されやすいですが、能力が高いとは言え、中田英のようなスペシャリストにチームを引っ張ることを期待するのは無理がある。

どちらかと言うと、中田英と比べるべきは野茂でしょう。
野茂はメジャー進出のパイオニアでだけど、一方で、個性が強くわがままでリーダーシップもない。
すばらしい選手(だった)ですが、人を引っ張る能力も意味も感じないスペシャリストの典型だと思います。

posted by ジダ | 2008-06-06 23:48

第十四回 中田の功罪

・・・すごい今更な話題ですねw 再録ですか?

中田が並み以下ってのは完全に的ハズレでしょう。
3大リーグで7シーズン活躍した、日本どころかアジア全体でもトップの実績を持った選手でした。

イチローとの違いを挙げるなら、チームの年齢層と監督の差でしょうね。
慕う若手とサポートするベテラン。
同年代が多すぎて妬みからくだらない派閥ができてしまったジーコ日本とは対照的に、野球の代表はバランスが取れていました。
中田がリーダーシップを発揮し、中山らが支えてまとまったトルシエ日本と似ていましたね。

posted by ルクス | 2008-06-06 21:30

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