2008年12月04日
犬飼さん、勘違いなさってはいませんか?<その三>
新しく組織を代表する人がその職につくと、前任者との違いを鮮明にするためにも、あるパフォーマンスを演じることが多い。 自動車会社の新社長は全国のディーラーを行脚する。現場を重視するという理由で、流通関係の新社長は各店舗を訪れ、家電メーカーの新社長は販売店回りをする。 犬飼新会長が掲げる目標は日本代表戦の不入りによる興行収入の減収をなんとしても食い止めることである。 代表戦不入りの原因を選手のモチベーションのあり方に求めた犬飼新会長はちょっと変わったパフォーマンスを演出した。 そのパフォーマンスとは「JFAアカデミー福島の第1期生(中学3年生)15人が3日間の日程で、武蔵川部屋、九重部屋、高砂部屋、玉ノ井部屋、貴乃花部屋、千賀ノ浦部屋の6部屋にそれぞれ入門し、力士の皆さんと寝食をともにしながら、実際に相撲の稽古や掃除、ちゃんこの準備などを行うという体験実習を行った」のである。 実は相撲部屋体験入門の真の狙いは一つだけと想像する。 JFAアカデミー生の研修にかこつけて、「恵まれてきた中で飢餓感というものが薄らいでいる」現、代表選手たちに“喝”を入れることである。闘魂を代表選手に注入することである。 犬飼会長は稽古場の様子を見て無邪気な感想を述べていた。 「あのぶつかりを体現したら、体格に勝る外国人プレーヤーにもそう簡単に負けはしないはず。日本代表がゴール前であれをやってくれたら、“決定力不足”なんて批判されなくなるんじゃないかな(笑)。代表選手にも是非、体験させたいと思いました。いやぁ、本当にすごかった!」 15歳の細身の体に、大きすぎるふんどし姿はちょっと痛々しい。 代表選手に活を入れるのが真の狙いなのに、少年たちが会長のパフォーマンスの犠牲になって、気の毒としか言いようがない。 日本人力士がいくらがんばっても、モンゴルやヨーロッパ勢の大きな体の力士が、いまや幕内上位を独占している現状を考えれば、サッカー選手が力士並みに激しい練習をしても、所詮、外国人選手にはかなわないとなりやしないか。 日本人にとってはガチンコの体力勝負を挑むより、小さな体を生かした俊敏性で勝負したほうがよい。 さきのカタール戦はいいお手本だった。 JFAが日本代表の強化を真剣に考えるなら、電通やアディダスの公式スポンサー収入やTV放映権収入を応分に抑える勇気を持つべきだ。 代表強化のための試合ではなく、代表のコンディションを狂わせるような無茶な試合を組まないほうが良い。 事業経費の予算ありきで収入を算段するといった、本末転倒をJFAが続けていけば代表は疲弊し、けして強くはならないだろう。 JFA公式ページをみると、ずいぶん予算をかけて、いろいろな事業をしている。大半は将来への投資で異論をさしはさむつもりはないが、「JFA心のプロジェクト」はJFAがやるべき範疇を超えているように思える。 予算が有り余るから、言葉は悪いがこじつけのように事業を立ち上げた、という感じがしてならない。 ついでながらもう1点、腑に落ちない点をのべておきたい。 それは8月27日掲載分の事柄についてだ。 この時期といえば北京オリンピックに関するものだが、ご存知の通り、なでしこジャパンの快進撃のその陰でU23代表が予選敗退したことについての犬飼会長の発言である。 記事の大半がなでしこ賛美に費やされ、男子サッカーについてはお印程度しか触れていない。 「界強豪を相手に1失点に抑えたというのは、裏を返せば惜しい戦いをしているというレベルまで来たということだと思います。もちろん、悔しいですし、この1点の壁が厚いということを痛感させられたのも事実。しかし、具体的にどう強化させるかが明確に見えたので、すぐに対応できるかは別として、日本代表も同じ意識に立ち、最終予選に臨むにあたってその課題を克服すべく真剣に取り組んでいきます。」 しかし、その後、反町ジャパンの敗戦分析はなされたものの、全文を公表するでもなく、これといった「課題克服」の具体案を示してこなかった。 忘れっぽいわれわれ日本人は、他のことに気が移り、オリンピックの件はもう忘却のかなたに置き忘れてしまったのだろうか。 これでは、真に「どう強化させるかが明確に見えた」のか、疑わしい。 まさか、若手育成強化の具体策が「ナビスコカップ」の例の提案なのだろうか? だとすると、実に場当たり的、泥縄式的な「課題克服」対策である。 犬飼さん!あの一連の問題発言は会長就任で舞い上がってしまったからなのでしょうか。 新たな年を迎え、この年末年始休暇は天皇杯決勝を別にして、頭を冷やしてじっくり、日本サッカーのこれからを熟慮していただくよう、お願いするしだいです。 <おわり> 参考:9月27日「何も見えてこない北京五輪の総括」
posted by futbolwold |11:38 |
日本代表 |
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犬飼さん、勘違いなさってはいませんか?<その三>
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ご返答ありがとうございます。
有能な監督だと思いますが世界で戦うレベルではなかったのだと思います。確かにきちんと総括をしなければファンにはそれも判然としないでしょうね。恐らく監督よりも協会側が批判を恐れていたように思います。
オフトを切った後の対処は良かったと思うのですが、それはいい意味でのラディカルさということでしょうか。サポーターのためというよりも上昇志向の強さゆえの成功と見るべきでしょうかね。
posted by aruto | 2008-12-05 23:07
犬飼さん、勘違いなさってはいませんか?<その三>
コメント投稿者ID :
反町さんの言葉は少年たちを前に講師として、客観的な分析をしていますが、私が知りたいのは責任を負った当事者としての立場での意見を聞きたかったのです。
敗戦の教訓のなかにこそ、将来への有効な対処方法が詰まっているはずです。反町さんへの個人攻撃ではなく、日本サッカー全体の教訓として、きちんと総括しなければ、なんの進歩もありませんから。
レッズ時代の犬飼氏は真相は不明ですが、三菱自動車からの独立を主張して、干されたときいています。
つまり、良くも悪くもラディカルな性格のようですね、当時から。
JFAのトップになって頭上の重石が取れたので、地が出たのでしょうか、あるいは調子に乗りすぎたのでしょうか、本人に直接聞いてみないとわかりませんね。
posted by 管理人 | 2008-12-05 22:33
犬飼さん、勘違いなさってはいませんか?<その三>
コメント投稿者ID :
http://www.jfa-academy.jp/fukushima/boys.diary/20080926095444index.html
上記の質疑応答はご覧になったでしょうか。
反町監督は何よりも「スピード」の差を感じていたようです。走るスピード、判断スピード、パススピード・・・恐らく、あらゆるスピードについてでしょう。
それでも改善策として「日本の良さを前面にして戦う」ことを挙げています。選択肢を増やし、俊敏性を生かした攻撃。
結局のところ、日本は基本的なところがまだまだ足りないということなのでしょうか。加えて連動性をもった攻撃をもっと突き詰める必要があるという意味にとらえました。
上記の発言は重要だと思いますが、こういった現場の声が公表された総括にはなかったように思います。協会は今からでもいいのでPDFでスタッツを含め北京五輪の総括を詳細に公表して欲しいものです。
別件で質問ですが、レッズ時代の犬飼会長をどのように評価されていますか。サポーターの意見を汲みとり、チームに反映していたように思うのですが、なぜ会長になって反することをしているのか今もって不思議です。
posted by aruto | 2008-12-05 21:27
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