2008年12月01日
犬飼さん、勘違いなさってはいませんか?<その二>
犬飼会長のJFAを見る視点は、辣腕経営者の視点そのもののように映る。 “JリーグはJFAの下部組織であり、JFAからの指示に逆らえないはず”という犬飼会長自身のコメントを聞いた。 JFAの関連組織図には、JFAの最上部組織としてFIFAとIOCを戴いている。 他方、JFA組織はJリーグはじめJFL、女子リーグ、フットサル、各種サッカー連盟の5つの団体から構成されている。この組織図には企業の組織図、あるいは役職図のような、指揮命令系統をはっきりさせる目的で作られた組織図のような体裁をとっていない。 いわばJFAの組織図における5つの団体はフラットな関係であるということを示している。 JFAは公益法人で、利益追求目的の株式会社とは基本的に異なる。冷徹で合理的な株式保有高によって議決権が移動する株式会社は上下関係がおのずと決まってくる。役職には権限と地位が明示され、その権限を越えた行為は越権行為として厳しく戒められている。 代表権のある社長の指示命令は絶対であり、それに反すれば懲罰の対象に値する。どこの会社にもこのことは就業規則、社員服務規程などに明示してある。 ところがJFA役職員行動規範の最初にはこう記されている。 「地域・年齢・知識・技術を問わず、個人・法人すべての関係者の声に耳を傾けて行動します」 これはけして奇麗事で表面を繕う目的で掲げられたものではない。JFAを構成する団体が互いにフラットな関係を示した、JFA役職員の服務規程である。 まさに「知識・技術を問わず」、サッカーの「素人」のようなJクラブ社長の声にもJFAはきちんと耳を傾ける義務を負っているはずである。 JFAは日本サッカーの対外的代表窓口としての役割と立場があり、FIFAやIOCの日本を代表する唯一の組織である。 JFAは日本サッカーを代表するチームを編成する権限と役割一切を担っている。 犬飼会長が「代表戦の興行価値を上げ、収益を確保すること」と明言しているのは、俗っぽく言えば代表戦の興行権を握っている興行主がJFAであるということだ。 しかし、代表チームを構成する選手はJリーグ各クラブの支配下選手である。 JFAと直接選手契約を結んでいるプロ選手など一人もいない。 Jリーグの各クラブから一時的に選手をレンタルするようなものだ。 先の北京オリンピックで神戸の大久保選手が怪我の状況を考慮して、代表入りを固辞したように、代表に入るかいなかは、選手ならびにクラブが決定権を持っている。 犬飼会長とJリーグチェアマンが犬猿の仲では、最強の代表は組織できない、とならないよう祈るばかりだ。 JFAは典型的な相互依存型組織である。どちらが欠けても、どちらに力が偏っても、組織の体をなさなくなる運命共同体のようなものだ。 犬飼会長の強固な企業意識をどこかで払拭しなければ、第二、第三の軋轢が必ず沸き起こってくるに違いない。 8月4日付の犬飼会長就任挨拶のなかに・・・ 「組織を運営する側のスタッフとサッカーの“現場側”の意識が一体化することで、それが、ひいては“魅力的な代表チーム”へとつながる」という自身の言葉とは裏腹な一連のどたばた劇は、どう理解したらよいのだろう。 特にトップの言行不一致は組織をいたずらに混乱させることを、新会長は肝に銘ずるべきだと思うのだが・・・。 <つづく>
posted by futbolwold |11:31 |
日本代表 |
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犬飼さん、勘違いなさってはいませんか?<その二>
aruto |さん、的確なコメントありがとうございます。
企業は成長を義務付けられてますが、公益法人であるJFAはそこまで、利益確保に血眼になる必要はないでしょうね。代表者が企業家的資質を持つことはいいことでしょうが、本末転倒しては元も子もなくなりますからね。
posted by 管理人 | 2008-12-03 12:47
犬飼さん、勘違いなさってはいませんか?<その二>
おっしゃるように本来協会とJリーグは主従関係ではないと思います。けれども副会長がJリーグチェアマンを兼務し、代表への参加を半ばクラブへ強制するなどの事例が主従関係をもたらしているのだろうと思います。
けれども協会とJリーグは興行面に関して実は利害関係を反する要素が多いことが今年起きた問題で明らかになったように思います。Jリーグ開幕当初はレベルアップをはかるため目的を一にしていたように思いますが、Jリーグがクラブの自立をはかるために試合数を増やしていった結果、選手の供出にあたって疲労や収入の面から齟齬が生じてきてしまい「協会VSJリーグ」という図式が見えるようになってきたのではないでしょうか。
それと協会が「代表バブル」で収入が増大し公益法人であるため利益を内部留保できず、償却のためにプロジェクトを増やし支出が増えたことで、「収益確保」重視するようになったことも軋轢を引き起こしているかもしれません。
代表人気の低下が収益の落込みにつながり、プロジェクトの廃止を避けるために代表人気を回復させたいという思惑から「秋春制移行案」が出てきているようにも思います。
一つ思うのは「代表バブル」は一時的なもので今まで見込まれていた収益確保が今後難しいと仮に考えるならば、本来、協会がとるべきは人気回復よりもプロジェクトの廃止・縮小も視野に入れた組織変革なのではないでしょうか。仮に回復できたとしても収益を変わらずに「代表ビジネス」に頼るならば内部留保もできないので常に収益の多寡によりプロジェクトの存廃が左右される状態になり、継続性が保てないようにも思います。
「秋春制移行案」などよりも実は協会にとっては組織形態の見直しが優先事項なような気がします。
posted by aruto | 2008-12-02 00:03


