2008年09月02日

日本人のメンタリティーにフィットしたサッカー?

いろいろなブログをのぞいてみていると、「日本のサッカー」という言葉が頻繁に目がとまる。

気のせいかもしれないが、「日本のサッカー」をテーマに関して書かれた文章には、寄せられるコメントもまた多い。
サッカーは日本人、特に若年層に受け入れられて久しいが、スポーツ文化として社会的に認知され定着してきたと思う。
日本を除く諸外国で自国のサッカースタイルを日本人ほど熱心に論じることが好きな国があるのかどうか、よく解からない。

ただ、「日本人とは“日本人論”が大好きな人」と言われるくらい“日本人論”をテーマにした書籍の発行点数は群を抜いて多い。記憶が間違っていなければ確か1万数千点はあるはずだ。
ということで、日本人は「日本のサッカー」を論じることが好きなんだなーと、改めて考えてしまう。
膨大な発行点数がいみじくも証明しているように「日本人とは何か」への正解はいまだ出てきてない。
かく言う私も「日本のサッカー」に関する事柄を何度かここで書いてきたから、典型的「日本人」なのであるが・・・。

そこで、再度自分の考えを整理するためにも「日本のサッカー」について書いてみようと思う。
「日本のサッカー」という言い方はきわめて抽象的である。そもそも「日本」あるいは「日本人」とは何ぞやというところが、ぼんやりしているのだから「日本のサッカー」も然りである。
そう言い切ってしまってはこれ以上話が進まないので、ここは便宜的に「日本のサッカー」を「日本人のメンタリティーにフィットしたサッカー」と言い換えて考えてみることにした。ぶっちゃけて言えば「日本人が好きなサッカースタイル」とも言える。

日本人の代表的“メンタリティー”のキーワードを私なりに三つあげてみる。
「忠臣蔵」、「国連」、そして「桜」である。

「忠臣蔵」は若い人でも知っているだろう。ただ年配者に比べるとあまり詳しくは知らないはずだ。私が小学生のころは映画全盛時代で年末になると毎年決まりごとのように邦画五社(5社の映画会社があった)のいずれかの映画会社が自社お抱え俳優総出演で「忠臣蔵」を制作し上映していた。
ストーリーは手垢がびっしりついていたように決まりきっているのだが、観客は毎年、「忠臣蔵」を楽しみにしていた。「水戸黄門」は毎回ストーリーが異なるが、「忠臣蔵」は史実にのっとっているから勝手にストーリーを変えるわけにいかない。
日本人が「忠臣蔵」を好むメンタリティーは忍耐、辛抱、我慢が飽和点に達したときの暴発に言うに言われぬ快感を感じるからである。静から動への落差が大きいほど快感度は大きい。
サッカースタイルで言えば「カウンターサッカー」に通じるものがある。敵の猛攻にじっと耐え、溜めに溜めたエネルギーを一気に爆発させ、相手を倒す。力に勝る相手を打ち倒す常道である。「武士の一分」のキムタク演じる役どころを連想すればよいだろう。

二つ目の「国連」は少し説明が長くなる。

日本人は明治以来「国際法」をどの国よりも尊重してきた歴史がある。体外的評価を大切にする日本人の性のようなもので、戦後は「国連」至上主義をくそまじめに貫いてきた。
「国連」はご存知のように第二次世界大戦の戦勝国連合のことで日本は規定上、敗戦国として現時点でも屈辱的な扱いを受けている。日本は敗戦の反動からか「国連」を神聖な国際組織としてあがめてきた。長らくアメリカについで「国連」への拠出金額第二位を誇りにして、まじめに血税を出してきた。アメリカはなんやかんや理屈をつけて拠出金を出し渋り、滞っているというのに。
サッカーではないけれど、第1回のWBCのアメリカ戦で主審が明らかな身びいき判定をしたことを覚えているだろう。犠牲フライでタッチアッププレーをした三塁ランナー西岡(?)がアウトと判定を覆されたとき、王監督がとった抗議は実に紳士的だった。ルールはルールを体現した抗議だった。あれが中国か韓国チームであったら、おそらく放棄試合かさもなくば主審に暴行を加え、没収試合になったであろう。
日本はサッカーの国際試合でフェアプレー賞を幾度となく受けてきた。汚いプレーは日本人が好むところではない。たとえ負けても堂々たる正攻法の戦い方に拍手を贈るのが日本人である。

最後の「桜」である。

「桜」の散り際の潔さを日本人は大いに好む。花の命の短さに美を重ねて見てしまう。こんな国民性は世界を見渡してもあまりない。花は愛でるもので一日でも長くその美しさを鑑賞していたいと、思うのが一般的であろう。
「武士道とは死ぬこととなりと見つけたり」
葉隠れは滅びのなかに美を見る思想だが、反面、美しい生き様にこだわりを求めたものでもある。切腹のシーンに「桜」は欠かせない。
「美しいサッカー」、「美しいパス回し」「美しいゴール」を賛美する傾向は相変わらず根強い。サッカーといわず勝負の究極は勝つことであるが、勝ち方の美しさにもこだわりを見せる日本人。トルシエが自国流文化を押し付けて日本人には不人気だったが、オシムは「日本的なるもの」をサッカーに求め、多くの日本人の共感を誘った。オシム人気が一向に衰えを見せないのは「ピッチの上で死ぬのが本望」というオシムの言葉に、日本的なるものを見出すからか。

「日本のサッカー」はひとつではない。日本人のメンタリティーにフィットしたサッカーが「日本のサッカー」であるとすれば、いまのところ「日本のサッカー」は限りなく「桜」的なるもののようだが、何かのきっかけで「忠臣蔵」へとゆり戻しが起きる可能性は否定できない。

その直近のきっかけとはアジア最終予選になるかもしれない。あるいは予選を突破して本戦に出ても、結果がドイツ大会の二の舞になったときかもしれない。

posted by futbolwold |09:46 | 日本代表 | コメント(5) | トラックバック(0)
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日本人のメンタリティーにフィットしたサッカー?

コメント投稿者ID :

耐え忍ぶ(守備)には慣れているのである程度出来るのだが、爆発しても普段から攻撃する事には慣れていないので相手に止めを刺す事が出来ない(笑)。たいがいは途中で桜を愛でながら宇宙開発シュート!!

posted by 3226 | 2008-09-20 10:21

日本人のメンタリティーにフィットしたサッカー?

コメント投稿者ID :

>アメリカナイズした日本人では

むしろ、アメリカナイズぶりが小さい方

posted by つけめんデリック | 2008-09-13 04:42

日本人のメンタリティーにフィットしたサッカー?

コメント投稿者ID :

とりあえずイングランドでは、
「サッカー論」談義は日本なんぞ全然比較にならないほど盛んですよ

ブラジルなんか毎週日曜日の2時間30分の番組で、
ブラジルサッカーについて議論する番組が有る。


posted by つけめんデリック | 2008-09-13 04:40

キレやすいから・・・

コメント投稿者ID :

 >現在のキレやすくアメリカナイズした日本人では忠臣蔵的なサッカーへの回帰は起こりえないでしょうし、我慢できないでしょう。

 キレやすいから、逆に忠臣蔵的なサッカーへの回帰がおきるかも。

posted by 大倉 | 2008-09-02 20:58

日本人のメンタリティーにフィットしたサッカー?

コメント投稿者ID :

日本人のメンタリティーをキーワードになぞられているところは大変面白かったのですが、キーワードとそれに関連するサッカースタイルの部分は正直微妙な内容でした。

現在のキレやすくアメリカナイズした日本人では忠臣蔵的なサッカーへの回帰は起こりえないでしょうし、我慢できないでしょう。

posted by テス | 2008-09-02 15:04

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